191 / 264
5年生 3学期 3月
終焉へのカウントダウン
しおりを挟む
「この〝部屋〟は……〝守護者〟は、もう……俺の命令を聞かぬ」
傷が塞がったとはいえ、まだ完全に回復したわけではない。
魔力も、ほぼゼロだろう。
ラゴウは苦しそうな表情だ。
「……すまぬ」
傷の痛みや魔力の低下もあるが、後悔と申し訳なさから来る表情だったようだ。
ラゴウが、ぼそりと謝罪の言葉を漏らす。
「俺はシェオールのために……人間の未来のために、邪悪な者たちを滅ぼさねばと思ったのだ」
僕が〝使役:土〟で作ったドーム状のシェルターに、織田さん、ラゴウ、僕の3人がいる。
〝接触弱体〟で補強したけど、接触面積が狭かったから、どこまで保つかはわからないぞ。
「88・87・86……」
カウントダウンが続いていた。
このままでは〝守護者〟が転送されてしまう。行き先は、地下都市シェオール、城塞都市、そして地球。
「兄さん、なぜアイツらを止められないのですか?」
「……俺自身も〝終焉計画〟のターゲットになってしまったからだ」
ラゴウが立てた〝終焉計画〟は、シェオールに住む人間以外の知的生命体を全滅させるという物だった。
しかし〝部屋〟は今の人類を〝人間〟とは認めなかった。
……結果、全ての知的生命体が、ターゲットとなってしまったのだ。
「つまり、俺の命令は〝抹殺対象からの命乞い〟という扱いになる。聞き入れられるはずもない」
「そんな……!」
織田さんは、焦った表情でラゴウを見る。
「78・77・76……」
そろそろ残り1分だ。僕が全力で攻撃しても、転送までにアイツらを全滅させるのは難しいだろう。
知的生命体の全消去。除外したはずのシェオール人も、抹殺の対象となっているようだ。現に、守護者から攻撃を受けたラゴウは大きな怪我を負った。
「そもそも〝守護者〟って何なんだ? 機械仕掛けの人形じゃないのか?」
僕の質問に対して、ラゴウは首を横に振る。
「〝守護者〟は、この部屋と管理者を守るための兵士だ。神ではなく、人……旧人類によって作り出された、疑似生命体なのだ」
生命を作るだって?
「70・69・68……」
『タツヤ。〝守護者〟が現れる時、細いロープのような物がたくさん積み重なっていた。これは推測だが、あの細い線を複雑に組み合わせて〝自我〟を持つほどの神経回路を構成しているのではないだろうか』
なるほど。全身が脳みたいなものか? でもさ……
『自我を人為的に持たせる、なんて事が出来るのか……?』
『生物と人工物の区別をつけるのは、神様ではなくて、この世界のシステムそのものだからね。条件を満たせば、あらゆる物に魂は宿るよ? 何度も言うがアレは〝生命体〟だ』
「59・58・57……」
残り1分を切った。マズい!
「何か止める方法はないのか……?」
「計画に〝マイナスに作用〟する命令は聞かぬだろう……止めようがない」
ラゴウが、悔しそうに下唇を噛む。
「49・48・47……」
「兄さん、アイツらに弱点は無いのですか?」
「……無い。少なくとも、魔道士が〝守護者〟を倒す事は出来ぬ」
そう。アイツらに魔法は効かない。
いやそれどころか、呪文にも魔力にも頼る事のない〝使役:土〟ですら、かき消されてしまった。
「37・36・35……」
刻一刻と、転送の時間が迫る。もう……どうしようもないのか……?
マイナスに作用する命令は無効……まてよ!
「計画にプラスに作用すると判断されれば、命令を聞くかもしれないのか……?」
「内海さん、計画にプラスって……どういう事ですか?」
〝守護者〟は、物事を機械的に判断する、とても頭のいいバカだ。もしかしたらいけるかもしれない!
「〝守護者〟に〝知識〟や〝教養〟を与えることはできるのかな?」
「……可能なはずだ。だが〝守護者〟に知恵をつけてしまえば、さらに驚異が増すだけではないのか?」
そう。計画にはプラスであろう命令。これなら拒否されることはないだろう。
訝しげな表情の織田さんと、怪我と魔力低下も相まって虚ろな表情のラゴウ。
「内海さん、なぜそんな命令を?!」
「19・18・17……」
時間がない! 急がないと手遅れになるぞ?
「早く命令を! 大丈夫、きっとうまくいくから!」
「14・13・12……」
「……わかった。やろう」
「兄さん?!」
ラゴウは苦しそうな表情で、命令を告げた。
「〝終焉計画〟遂行のための追加命令だ。今すぐに俺の〝知識〟を、全ての〝守護者〟に複写しろ」
数秒の沈黙。
どうだ?!
「……了りょう解かい・しました・ますたー・の・脳のう内ない・情じょう報ほう・複コピー写・3・2・1・完かん了りょう・しました」
突然、ドームの外で大きな爆発音か響き、部屋が大きく揺れる。
よし! やったぞ!
「な、何が起きたんですか!?」
爆発音は増え続け、振動は激しさを増してゆく。僕たちのドームにも、何かがぶつかるような音が聞こえるが、なんとか持ち堪えているようだ。
「なるほど、同士討ちか……!」
ラゴウが苦しそうな表情のまま、ニッと笑う。
そう。見えないけど、このドームの外では、1000体の〝守護者〟達による、殺し合いが起きているはずだ。
「同士討ち?! なぜ急にそんな……〝守護者〟に、兄さんの知識を与えただけではないんですか?」
「そうだ。与えられた命令を機械的に実行するだけだった1000体の〝守護者〟は、俺の知識を得た。つまり〝知的生命体〟となったのだ」
「……知的生命体? そうか! 〝守護者〟たち自身も抹殺対象になったんですね!」
その通り。アイツらが生き物だというなら、ある程度の知恵をつけてやれば、条件はすぐに満たされる。
命令に忠実な奴等だ。目の前に群がるターゲットを放っておくことは出来ないだろう。
「異い常じょう事じ態たい・発はっ生せい・中ちゅう・転てん送そう・可か能のう・な・〝守DO護LL者〟・あと・48・29・13・9・8・3・1」
徐々に戦闘音が治まっていく。
やれやれ。これで最後の一体を倒せば一件落着だな。
……僕はドームを解除した。
部屋一面に転がる〝守護者〟の残骸……いや、死体かな。
「転てん送そう・完かん了りょう」
僕たちが目にしたのは、生き残った最後の一体が、不思議な光りに包まれて、どこかに転送されていく姿だった。
「うおおおい! ちょっと待て!!」
一体とはいえ、魔法効果を無効化し、怪我も瞬時に治してしまう、魔王を凌ぐほどの戦闘力を持ったバケモノが、外界へ解き放たれた。
ヤバい! 今のヤツ、どこへ飛んだんだ?!
傷が塞がったとはいえ、まだ完全に回復したわけではない。
魔力も、ほぼゼロだろう。
ラゴウは苦しそうな表情だ。
「……すまぬ」
傷の痛みや魔力の低下もあるが、後悔と申し訳なさから来る表情だったようだ。
ラゴウが、ぼそりと謝罪の言葉を漏らす。
「俺はシェオールのために……人間の未来のために、邪悪な者たちを滅ぼさねばと思ったのだ」
僕が〝使役:土〟で作ったドーム状のシェルターに、織田さん、ラゴウ、僕の3人がいる。
〝接触弱体〟で補強したけど、接触面積が狭かったから、どこまで保つかはわからないぞ。
「88・87・86……」
カウントダウンが続いていた。
このままでは〝守護者〟が転送されてしまう。行き先は、地下都市シェオール、城塞都市、そして地球。
「兄さん、なぜアイツらを止められないのですか?」
「……俺自身も〝終焉計画〟のターゲットになってしまったからだ」
ラゴウが立てた〝終焉計画〟は、シェオールに住む人間以外の知的生命体を全滅させるという物だった。
しかし〝部屋〟は今の人類を〝人間〟とは認めなかった。
……結果、全ての知的生命体が、ターゲットとなってしまったのだ。
「つまり、俺の命令は〝抹殺対象からの命乞い〟という扱いになる。聞き入れられるはずもない」
「そんな……!」
織田さんは、焦った表情でラゴウを見る。
「78・77・76……」
そろそろ残り1分だ。僕が全力で攻撃しても、転送までにアイツらを全滅させるのは難しいだろう。
知的生命体の全消去。除外したはずのシェオール人も、抹殺の対象となっているようだ。現に、守護者から攻撃を受けたラゴウは大きな怪我を負った。
「そもそも〝守護者〟って何なんだ? 機械仕掛けの人形じゃないのか?」
僕の質問に対して、ラゴウは首を横に振る。
「〝守護者〟は、この部屋と管理者を守るための兵士だ。神ではなく、人……旧人類によって作り出された、疑似生命体なのだ」
生命を作るだって?
「70・69・68……」
『タツヤ。〝守護者〟が現れる時、細いロープのような物がたくさん積み重なっていた。これは推測だが、あの細い線を複雑に組み合わせて〝自我〟を持つほどの神経回路を構成しているのではないだろうか』
なるほど。全身が脳みたいなものか? でもさ……
『自我を人為的に持たせる、なんて事が出来るのか……?』
『生物と人工物の区別をつけるのは、神様ではなくて、この世界のシステムそのものだからね。条件を満たせば、あらゆる物に魂は宿るよ? 何度も言うがアレは〝生命体〟だ』
「59・58・57……」
残り1分を切った。マズい!
「何か止める方法はないのか……?」
「計画に〝マイナスに作用〟する命令は聞かぬだろう……止めようがない」
ラゴウが、悔しそうに下唇を噛む。
「49・48・47……」
「兄さん、アイツらに弱点は無いのですか?」
「……無い。少なくとも、魔道士が〝守護者〟を倒す事は出来ぬ」
そう。アイツらに魔法は効かない。
いやそれどころか、呪文にも魔力にも頼る事のない〝使役:土〟ですら、かき消されてしまった。
「37・36・35……」
刻一刻と、転送の時間が迫る。もう……どうしようもないのか……?
マイナスに作用する命令は無効……まてよ!
「計画にプラスに作用すると判断されれば、命令を聞くかもしれないのか……?」
「内海さん、計画にプラスって……どういう事ですか?」
〝守護者〟は、物事を機械的に判断する、とても頭のいいバカだ。もしかしたらいけるかもしれない!
「〝守護者〟に〝知識〟や〝教養〟を与えることはできるのかな?」
「……可能なはずだ。だが〝守護者〟に知恵をつけてしまえば、さらに驚異が増すだけではないのか?」
そう。計画にはプラスであろう命令。これなら拒否されることはないだろう。
訝しげな表情の織田さんと、怪我と魔力低下も相まって虚ろな表情のラゴウ。
「内海さん、なぜそんな命令を?!」
「19・18・17……」
時間がない! 急がないと手遅れになるぞ?
「早く命令を! 大丈夫、きっとうまくいくから!」
「14・13・12……」
「……わかった。やろう」
「兄さん?!」
ラゴウは苦しそうな表情で、命令を告げた。
「〝終焉計画〟遂行のための追加命令だ。今すぐに俺の〝知識〟を、全ての〝守護者〟に複写しろ」
数秒の沈黙。
どうだ?!
「……了りょう解かい・しました・ますたー・の・脳のう内ない・情じょう報ほう・複コピー写・3・2・1・完かん了りょう・しました」
突然、ドームの外で大きな爆発音か響き、部屋が大きく揺れる。
よし! やったぞ!
「な、何が起きたんですか!?」
爆発音は増え続け、振動は激しさを増してゆく。僕たちのドームにも、何かがぶつかるような音が聞こえるが、なんとか持ち堪えているようだ。
「なるほど、同士討ちか……!」
ラゴウが苦しそうな表情のまま、ニッと笑う。
そう。見えないけど、このドームの外では、1000体の〝守護者〟達による、殺し合いが起きているはずだ。
「同士討ち?! なぜ急にそんな……〝守護者〟に、兄さんの知識を与えただけではないんですか?」
「そうだ。与えられた命令を機械的に実行するだけだった1000体の〝守護者〟は、俺の知識を得た。つまり〝知的生命体〟となったのだ」
「……知的生命体? そうか! 〝守護者〟たち自身も抹殺対象になったんですね!」
その通り。アイツらが生き物だというなら、ある程度の知恵をつけてやれば、条件はすぐに満たされる。
命令に忠実な奴等だ。目の前に群がるターゲットを放っておくことは出来ないだろう。
「異い常じょう事じ態たい・発はっ生せい・中ちゅう・転てん送そう・可か能のう・な・〝守DO護LL者〟・あと・48・29・13・9・8・3・1」
徐々に戦闘音が治まっていく。
やれやれ。これで最後の一体を倒せば一件落着だな。
……僕はドームを解除した。
部屋一面に転がる〝守護者〟の残骸……いや、死体かな。
「転てん送そう・完かん了りょう」
僕たちが目にしたのは、生き残った最後の一体が、不思議な光りに包まれて、どこかに転送されていく姿だった。
「うおおおい! ちょっと待て!!」
一体とはいえ、魔法効果を無効化し、怪我も瞬時に治してしまう、魔王を凌ぐほどの戦闘力を持ったバケモノが、外界へ解き放たれた。
ヤバい! 今のヤツ、どこへ飛んだんだ?!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
