228 / 264
春休み
試練と罠
しおりを挟む
ここは、吸血鬼の食料庫。
『タツヤ、その説明では、少し分かりづらいかもしれないね』
そうだな。それでなくても、よく分からない状況だし。
えっと……ルーマニア、シギショアラの魔界の門は、結構やっかいな状態になっていた。
魔界からやって来た〝吸血鬼〟は、この場所を何らかの方法で外界と切り離し、500年以上も前から、迷い込んだ人間を閉じ込め、食料にしていたのだ。
「見えた……あの広場だ。ラッキーなことに〝眷属〟も、今はいない」
屋根づたいに移動して、20分たらずで、僕たちは、噴水のある大きな広場にたどり着いた。
「この扉を開けて、中に入れば〝試練〟が始まる」
七宮啓太さんは、広場の片隅にある大きな扉を指差して言った。
扉には、無駄に豪華な装飾が施されていた。
裏側に回り込んでも、やはり同じ装飾の扉が有るだけだ。ペラッペラに見えるんだけど……
「この扉は、不思議なことに、どちらから開いても〝試練〟へと続く通路に繋がるんだ。そして、入ったら最後、挑戦者は引き返すことができない」
へぇ。面白いな。未来のロボが出してくれる、あのドアにそっくりだ。ちょっと豪華すぎるけどね。
「ねえ、あなた達……本当に試練を受けるの? 危険なのよ、とても……」
神妙な面持ちで、河西千夏は僕たちを見つめている。
彼女は日本から観光のためにシギショアラを訪れ、この場所に迷い込んでしまったらしい。
「そうだ。自分から、吸血鬼のエサにしてくれと言っているようなものだよ。大人しく隠れ住んだ方が、長生き出来るぞ?」
お気持ちは嬉しいんだけど、そういうわけにも行かないんだよな。僕たちは、さっさとこんな所から出て、地球の破壊を防がなきゃならないんだ。
「ケータ兄ちゃんは〝試練〟がどんな物なのか知っているの?」
彩歌の問いに、七宮さんは静かに頷いた。
「〝試練〟は、単純な〝力比べ〟や〝ゲーム〟だよ。対戦相手は吸血鬼の、忠実な下僕たちだ。そして、負けた者は〝眷属〟に触れた時と同じように、自由を奪われてしまう」
負けたら、即、ゲームオーバーか。確かに普通の人間にはリスクが高いな。
いや、それより……何で七宮さんは、そこまで詳しく知っているんだろう。
「中に入れるのは〝挑戦者〟5人と〝案内者〟が1人。まっすぐ続く通路を進み、5つの〝試練〟の部屋を突破すれば、吸血鬼に会えるだろう」
たぶんね。と続ける七宮さん。
「えーっと〝挑戦者〟は俺たちだろー? じゃあ〝案内者〟っていうのは、何をするんだ?」
大ちゃんの質問に、七宮さんは、少し低いトーンで言う。
「吸血鬼の〝試練〟は、全部で5つある。その全てを突破した者は、未だ居ない……」
「あー、なるほど。分かったぜ」
スゴいな大ちゃん! 今ので何がわかったんだ?
「戻って伝えるヤツが居なければ、突破した者の有無なんて分からないからなー。つまり〝案内者〟は〝挑戦者〟がどうなったのか、一部始終を見届ける役目なんだろ?」
「……やはり君は、すごく頭がいいね」
七宮さんは、大ちゃんの言葉に驚いている。
しかし、なるほど。どおりで詳しいわけだ。たぶんこの人は〝案内者〟の経験があるんだろう。
「ちなみに、私が〝案内者〟として同行した者たちは全員、この閉ざされた空間のどこかを、今も徘徊しているだろう。〝眷属〟としてね」
七宮さんが悔しそうな顔で俯く。
「私が知る情報は、できる限り伝えておこう。まずは〝試練〟の内容だ」
「おいおい! 〝案内者〟がそれ言っちゃって良いのかよー!」
大ちゃんの言うとおりだ。〝試練〟に付き添うからには〝案内者〟は、その内容から、進行、下手をすれば攻略法まで、見てしまっているはずだもんな。
「うん、大丈夫だよ。禁じられてもいないし、咎められることもない。逆に〝案内者〟は、丁重に門の外に返されるんだ。お土産付きでね」
……そのお土産というのが、僕たちがつけている、首輪らしい。
「1人の〝挑戦者〟につき、1つ。その首輪の数だけ、この扉に入った者が居るということなんだよ」
首輪は、生命反応をゼロにするアイテムだ。これがあれば〝眷属〟に追われなくなる。どうして吸血鬼が、そんな大盤振る舞いをするのかは謎だけど。
「むしろ〝挑戦者〟に情報を与え、ハードルを下げて、多くの人を参加させようとしているのかもしれないわね」
彩歌が言った。
なるほどね。この〝試練〟は、吸血鬼にとって、それほどにメリットのある物なんだろう。やっぱり、罠だと考えるほうが納得がいくなあ。
……まあ、どちらにしても、絶対に〝試練〟は受けるのだから、情報は多いほうがいい。
「よし、では説明しよう。この鍵で扉を開け、まずは〝挑戦者〟が入る。次に、鍵を持った〝案内者〟が入り、内側から鍵を掛けた時点で〝試練〟スタートだ」
鍵を掛けられるって、なんかイヤだな。閉じ込められた気分になる。
「同時に挑戦できるのは5人までだ。鍵を手に持たない状態で、6人目が扉に入ったら、即時、吸血鬼のエサだ。もちろん、1人でも参加可能だが、大勢のほうが対処しやすし〝試練〟に失敗しても、そのメンバー以外は、次の部屋に進むことが出来る」
つまり、少なくとも5人いれば、最後の〝試練〟まで受けられるのか。
「一緒に入った〝挑戦者〟が全員〝試練〟に失敗した時点で〝吸血鬼の食卓〟に送られることになる」
「やー。全員が失敗? じゃあさ、もしかして……」
「そう。誰か1人でも最後の試練を突破することが出来れば、挑戦者全員が開放されるんだ。吸血鬼に会えるのは、最後の試練まで残った者だけだけどね」
好条件すぎるだろ。5人揃えて、1人でも最終試練を突破すればいいだなんて。
「簡単だ……とか、思っていないかい? それもまた、吸血鬼の思惑通りなんだと思うよ。現に、最後の試練まで突破した者は、今まで1人もいないんだから」
七宮さんは、ため息の後にそう言った。
「それでも、やるのかい?」
全員が頷く。
やれやれといった表情の後に、七宮さんは〝試練〟の内容を話し始めた。
「試練その1は、カードゲームだ。ルールはポーカーと似ているけど、使うのはトランプじゃない」
驚いた。命がけの〝試練〟なのに、本当にゲーム感覚なんだ。
「2つ目の試練は、力くらべ。腕相撲ってヤツだよ。相手は、怪力の持ち主だが〝人間〟だ」
人間相手の腕相撲なら、ウチのメンバーが負ける要素は無いな。
「そして3つ目は謎解きだ。内容は毎回変わる。なぞなぞの様な問題や、推理小説の犯人当てみたいなものの場合もあるよ」
こういうのは、大ちゃんに任せれば大丈夫だろう。むしろ、大ちゃんに解けない問題なら、人類には解けない。
「第4の試練は鬼ごっこ。相手は〝挑戦者〟が出会った事のある生き物の中で〝最も素早い何か〟に化ける悪魔。姿形とスピードを、そっくりそのままコピーしてくる」
おっと。これは手強そうだ。
例えば、ユーリに追いかけられたりしても、逃げ切る自信はないなあ。
「ここまでは、1対1の対決だ。そして、5つ目の試練。最後の部屋にいる〝番人〟を、今まで勝ち残った者、全員で倒すことが出来れば、君たちの勝利だ」
なんだ、最後は全員か。これはもう、勝ったも同然じゃないか?
「そうだ。最後に、大切なルールをもう1つ。この扉の中にある物以外の、あらゆる道具は、使用禁止だ。使ったとたんに、負けとなる」
『タツヤ、それはあまり良くないね』
そうだなブルー。ちょっとマズいぞ。彩歌のロッドはもちろん、大ちゃんのベルトとユーリのガジェットも使えないのか。
『まあ、試練の内容は、変身の必要がないものも多い。5つ目の試練だけ注意すれば、命に関わる事はないだろう』
そっか。よし、大ちゃんには頭脳で勝負してもらおう。
「じゃあ、準備はいいかい? 扉を開くよ!」
七宮さんが鍵を鍵穴に差し込むと、鈍く軋む音と共に、扉が開いていく。
「やー! いくよ、みんな!」
「ちょっと待った!」
元気な掛け声と共に扉に入ろうとしたユーリの腕を、大ちゃんがつかんで引き止める。
「やー? 大ちゃん、どうしたのん?」
不思議そうにしている、ユーリの首に手を回し〝首輪〟を外す大ちゃん。
「これも、扉の外から持ち込んだ〝道具〟じゃないか? 一発で負けになっちまうぜー?」
うわっ! それはイヤだな。
「これでよし、っと!」
全員が、慌てて首輪を外してから、扉に入っていく。
……ん? でも大ちゃん、さすがにそれは無いんじゃないか? もし首輪がルール違反なら、七宮さんが教えてくれるだろう。
「……君は本当に頭がいいね」
背後から、低く小さい声で、ボソリとつぶやく七宮さん。
……え?
「まあでも、それはそれで面白い。それじゃあ……」
七宮さんは、隣りにいた千夏の首輪を無理やり引きちぎり、そのまま腕をつかんで、扉の中に押し込んだ。
「きゃあっ!? リ、リーダー? 何を……」
「予定を変更しよう。ゲームをゆっくり楽しむのも悪くない」
自分も中に入り、扉を閉めて施錠する。
「あ、そうそう。もう1つ、ルールがあったんだ」
ガチャリという音のあとに、邪悪な笑みを浮かべてこう言った。
「〝案内者〟に危害を加えてはならない。覚えておいたほうがいいよ」
『タツヤ、その説明では、少し分かりづらいかもしれないね』
そうだな。それでなくても、よく分からない状況だし。
えっと……ルーマニア、シギショアラの魔界の門は、結構やっかいな状態になっていた。
魔界からやって来た〝吸血鬼〟は、この場所を何らかの方法で外界と切り離し、500年以上も前から、迷い込んだ人間を閉じ込め、食料にしていたのだ。
「見えた……あの広場だ。ラッキーなことに〝眷属〟も、今はいない」
屋根づたいに移動して、20分たらずで、僕たちは、噴水のある大きな広場にたどり着いた。
「この扉を開けて、中に入れば〝試練〟が始まる」
七宮啓太さんは、広場の片隅にある大きな扉を指差して言った。
扉には、無駄に豪華な装飾が施されていた。
裏側に回り込んでも、やはり同じ装飾の扉が有るだけだ。ペラッペラに見えるんだけど……
「この扉は、不思議なことに、どちらから開いても〝試練〟へと続く通路に繋がるんだ。そして、入ったら最後、挑戦者は引き返すことができない」
へぇ。面白いな。未来のロボが出してくれる、あのドアにそっくりだ。ちょっと豪華すぎるけどね。
「ねえ、あなた達……本当に試練を受けるの? 危険なのよ、とても……」
神妙な面持ちで、河西千夏は僕たちを見つめている。
彼女は日本から観光のためにシギショアラを訪れ、この場所に迷い込んでしまったらしい。
「そうだ。自分から、吸血鬼のエサにしてくれと言っているようなものだよ。大人しく隠れ住んだ方が、長生き出来るぞ?」
お気持ちは嬉しいんだけど、そういうわけにも行かないんだよな。僕たちは、さっさとこんな所から出て、地球の破壊を防がなきゃならないんだ。
「ケータ兄ちゃんは〝試練〟がどんな物なのか知っているの?」
彩歌の問いに、七宮さんは静かに頷いた。
「〝試練〟は、単純な〝力比べ〟や〝ゲーム〟だよ。対戦相手は吸血鬼の、忠実な下僕たちだ。そして、負けた者は〝眷属〟に触れた時と同じように、自由を奪われてしまう」
負けたら、即、ゲームオーバーか。確かに普通の人間にはリスクが高いな。
いや、それより……何で七宮さんは、そこまで詳しく知っているんだろう。
「中に入れるのは〝挑戦者〟5人と〝案内者〟が1人。まっすぐ続く通路を進み、5つの〝試練〟の部屋を突破すれば、吸血鬼に会えるだろう」
たぶんね。と続ける七宮さん。
「えーっと〝挑戦者〟は俺たちだろー? じゃあ〝案内者〟っていうのは、何をするんだ?」
大ちゃんの質問に、七宮さんは、少し低いトーンで言う。
「吸血鬼の〝試練〟は、全部で5つある。その全てを突破した者は、未だ居ない……」
「あー、なるほど。分かったぜ」
スゴいな大ちゃん! 今ので何がわかったんだ?
「戻って伝えるヤツが居なければ、突破した者の有無なんて分からないからなー。つまり〝案内者〟は〝挑戦者〟がどうなったのか、一部始終を見届ける役目なんだろ?」
「……やはり君は、すごく頭がいいね」
七宮さんは、大ちゃんの言葉に驚いている。
しかし、なるほど。どおりで詳しいわけだ。たぶんこの人は〝案内者〟の経験があるんだろう。
「ちなみに、私が〝案内者〟として同行した者たちは全員、この閉ざされた空間のどこかを、今も徘徊しているだろう。〝眷属〟としてね」
七宮さんが悔しそうな顔で俯く。
「私が知る情報は、できる限り伝えておこう。まずは〝試練〟の内容だ」
「おいおい! 〝案内者〟がそれ言っちゃって良いのかよー!」
大ちゃんの言うとおりだ。〝試練〟に付き添うからには〝案内者〟は、その内容から、進行、下手をすれば攻略法まで、見てしまっているはずだもんな。
「うん、大丈夫だよ。禁じられてもいないし、咎められることもない。逆に〝案内者〟は、丁重に門の外に返されるんだ。お土産付きでね」
……そのお土産というのが、僕たちがつけている、首輪らしい。
「1人の〝挑戦者〟につき、1つ。その首輪の数だけ、この扉に入った者が居るということなんだよ」
首輪は、生命反応をゼロにするアイテムだ。これがあれば〝眷属〟に追われなくなる。どうして吸血鬼が、そんな大盤振る舞いをするのかは謎だけど。
「むしろ〝挑戦者〟に情報を与え、ハードルを下げて、多くの人を参加させようとしているのかもしれないわね」
彩歌が言った。
なるほどね。この〝試練〟は、吸血鬼にとって、それほどにメリットのある物なんだろう。やっぱり、罠だと考えるほうが納得がいくなあ。
……まあ、どちらにしても、絶対に〝試練〟は受けるのだから、情報は多いほうがいい。
「よし、では説明しよう。この鍵で扉を開け、まずは〝挑戦者〟が入る。次に、鍵を持った〝案内者〟が入り、内側から鍵を掛けた時点で〝試練〟スタートだ」
鍵を掛けられるって、なんかイヤだな。閉じ込められた気分になる。
「同時に挑戦できるのは5人までだ。鍵を手に持たない状態で、6人目が扉に入ったら、即時、吸血鬼のエサだ。もちろん、1人でも参加可能だが、大勢のほうが対処しやすし〝試練〟に失敗しても、そのメンバー以外は、次の部屋に進むことが出来る」
つまり、少なくとも5人いれば、最後の〝試練〟まで受けられるのか。
「一緒に入った〝挑戦者〟が全員〝試練〟に失敗した時点で〝吸血鬼の食卓〟に送られることになる」
「やー。全員が失敗? じゃあさ、もしかして……」
「そう。誰か1人でも最後の試練を突破することが出来れば、挑戦者全員が開放されるんだ。吸血鬼に会えるのは、最後の試練まで残った者だけだけどね」
好条件すぎるだろ。5人揃えて、1人でも最終試練を突破すればいいだなんて。
「簡単だ……とか、思っていないかい? それもまた、吸血鬼の思惑通りなんだと思うよ。現に、最後の試練まで突破した者は、今まで1人もいないんだから」
七宮さんは、ため息の後にそう言った。
「それでも、やるのかい?」
全員が頷く。
やれやれといった表情の後に、七宮さんは〝試練〟の内容を話し始めた。
「試練その1は、カードゲームだ。ルールはポーカーと似ているけど、使うのはトランプじゃない」
驚いた。命がけの〝試練〟なのに、本当にゲーム感覚なんだ。
「2つ目の試練は、力くらべ。腕相撲ってヤツだよ。相手は、怪力の持ち主だが〝人間〟だ」
人間相手の腕相撲なら、ウチのメンバーが負ける要素は無いな。
「そして3つ目は謎解きだ。内容は毎回変わる。なぞなぞの様な問題や、推理小説の犯人当てみたいなものの場合もあるよ」
こういうのは、大ちゃんに任せれば大丈夫だろう。むしろ、大ちゃんに解けない問題なら、人類には解けない。
「第4の試練は鬼ごっこ。相手は〝挑戦者〟が出会った事のある生き物の中で〝最も素早い何か〟に化ける悪魔。姿形とスピードを、そっくりそのままコピーしてくる」
おっと。これは手強そうだ。
例えば、ユーリに追いかけられたりしても、逃げ切る自信はないなあ。
「ここまでは、1対1の対決だ。そして、5つ目の試練。最後の部屋にいる〝番人〟を、今まで勝ち残った者、全員で倒すことが出来れば、君たちの勝利だ」
なんだ、最後は全員か。これはもう、勝ったも同然じゃないか?
「そうだ。最後に、大切なルールをもう1つ。この扉の中にある物以外の、あらゆる道具は、使用禁止だ。使ったとたんに、負けとなる」
『タツヤ、それはあまり良くないね』
そうだなブルー。ちょっとマズいぞ。彩歌のロッドはもちろん、大ちゃんのベルトとユーリのガジェットも使えないのか。
『まあ、試練の内容は、変身の必要がないものも多い。5つ目の試練だけ注意すれば、命に関わる事はないだろう』
そっか。よし、大ちゃんには頭脳で勝負してもらおう。
「じゃあ、準備はいいかい? 扉を開くよ!」
七宮さんが鍵を鍵穴に差し込むと、鈍く軋む音と共に、扉が開いていく。
「やー! いくよ、みんな!」
「ちょっと待った!」
元気な掛け声と共に扉に入ろうとしたユーリの腕を、大ちゃんがつかんで引き止める。
「やー? 大ちゃん、どうしたのん?」
不思議そうにしている、ユーリの首に手を回し〝首輪〟を外す大ちゃん。
「これも、扉の外から持ち込んだ〝道具〟じゃないか? 一発で負けになっちまうぜー?」
うわっ! それはイヤだな。
「これでよし、っと!」
全員が、慌てて首輪を外してから、扉に入っていく。
……ん? でも大ちゃん、さすがにそれは無いんじゃないか? もし首輪がルール違反なら、七宮さんが教えてくれるだろう。
「……君は本当に頭がいいね」
背後から、低く小さい声で、ボソリとつぶやく七宮さん。
……え?
「まあでも、それはそれで面白い。それじゃあ……」
七宮さんは、隣りにいた千夏の首輪を無理やり引きちぎり、そのまま腕をつかんで、扉の中に押し込んだ。
「きゃあっ!? リ、リーダー? 何を……」
「予定を変更しよう。ゲームをゆっくり楽しむのも悪くない」
自分も中に入り、扉を閉めて施錠する。
「あ、そうそう。もう1つ、ルールがあったんだ」
ガチャリという音のあとに、邪悪な笑みを浮かべてこう言った。
「〝案内者〟に危害を加えてはならない。覚えておいたほうがいいよ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
