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春休み
鬼ごっこ(下)
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謎解きの試練が終わり、眷属の爺さんは、目の前で消えてしまった。
あんなの見たことないぞ?
「何だありゃ……!」
それと、あのガキ、さっきから目をつぶって何やってんだ? まさか寝てねえだろうな。
「ううん。起きてるよ。えっと、おじいさんはね、僕の答えに満足して、逝っちゃった!」
「行ったって、どこへだよ? まったくしょうがない爺さんだな……!」
まあ、もともと変わり者だ。あんな消え方も、あるかもしれないか。
「えへへ。七宮さんって、たっちゃんの言ってたとおり〝つかえない系〟だよね!」
「ん? なんだって?」
「ううん、なんでもないよ?」
しかし、このガキ、まさか一人で、ここまで勝ち進むとはな。
「七宮さん、4の箱も見たし、僕は準備オッケーだよ。競技場に行くんだよね?」
「ん? ああ、行くぞ」
……何の箱が、どうしたって?
>>>
4つ目の〝試練〟は、鬼ごっこ。この競技場に案内された挑戦者は、あまりのデカさに、まず腰を抜かす。
……あれ、何だ? なんか引っかかるな。
「えへへ。みんなは気づいてると思うけど、ここへ来るまでに、僕が〝競技場〟って言っちゃってるのが、ツッコミどころだよ?」
……なんか、ボソボソ言ってるな、アイツ。
ていうか、遠すぎて聞こえないんだよ! 早くイヤホンに音をくれ。
「ふーん? イヤホンなんか着けてたんだ」
「うわっ! ビックリした! このポンコツイヤホンめ。急に音を拾いやがって……ん? なんであのガキ、イヤホンの事……」
「そんな事より、ほら〝眷属〟さんたちが入ってきたよ?」
おっと、もう来やがったか。まあ、さっき解散したばっかだから、集まるのも早いんだろうな。
って、なんでお前、そんなに落ち着いてるんだ? 観客席が〝眷属〟でいっぱいになったら、まず驚くだろ?
「えへへ」
ふん、おかしなヤツだ。
……お、悪魔が入ってきたぞ。
「ギギッ! オいオい、またしてもガキじゃネーかヨ!」
「えへへー。僕がおいしそうで集中できない?」
悪魔に向けて、満面の笑みで語りかけるガキ。
……チッ! なんであんなに余裕があるんだ?
「……? 妙なガキだナ。そいじャ、いくゾ」
悪魔は、どこからともなく取り出した水晶玉を、ガキに向けて……
「あ、ストップ! 〝チャールヴィの目〟を使うの、ちょっと待って!」
うぉい! このタイミングで止めるって、どういう神経してんだ?
……まだ魔道具の説明、してなかったよな?
なんであのガキ、魔道具の名前、知ってるんだ?
「その〝チャールヴィの目〟は、僕が〝生まれてから今まで〟に出会った、一番すばやい生き物に変身できるんだよね?」
「あァ、その通りダ。〝記憶〟ジゃないゾ? お前ノ魂に刻まれている〝記録〟ダ。魔法デ忘れタりしてモ、ムダだかラな?」
そういえば〝記憶操作〟の魔法で、自分の記憶を消したヤツもいたっけ……ククク。
「えへへ。良かった! じゃあ、やっぱり僕の思った通りだよ」
何が良かったんだ? やっぱあのガキの考えてることは分からないな。
「七宮さん。僕を〝呪い〟で〝禁止〟することなんて、できないんだよ? だから本当は、こんな試練は受けても受けなくてもいいんだけど……でもね?」
ん? 何を言ってるんだ、アイツ。
「僕、怒っちゃった。だから、この試練を〝ルール通り〟に〝ズル〟をせず勝ち抜いて、みんなをひどい目にあわせた〝全員に〟お仕置きするって決めたんだ」
……はあ? なんだあのクソガキ。何を言い出すかと思えば。
「そのために、僕、死ぬね?」
「ちょ? お前はさっきから何を……」
「しーっ! うるさいよ七宮さん。だまって見ててね? ……あ、そうだ。〝道具を使う〟のはルール違反でも〝道具に殺される〟のはいいよね?」
あのガキ、急に雰囲気が変わりやがった……何なんだ、あの威圧感は?
……道具に、何だって?
「ソウスケさん、ソウスケさん、ちょっといい?」
「……本当に気安いな。ワタシを友人とでも思っているのか?」
ん? あのガキ、誰と話して……うわっ?! アイツの前に、うっすら人影が見えるぞ。何だあれ!
「えっとね、僕の首を絞めて、殺してほしいんだ!」
「またしても珍妙な事を言いおって……そもそも、お前に呪いは効かぬだろう?」
私は夢でも見ているのか?
あのガキ、得体の知れない何かと、物騒な会話を始めやがった。
「えへへ。ソウスケさんが教えてくれた通り、心から望めば、この呪われた空間にだって入れたんだよ? だから、僕が首を絞めてほしいって本気で望めば、きっとソウスケさん、僕を殺せるよ!」
「その前に、急に自殺願望が湧いた理由を聞くべきところだが……お前の事だ。何かしら、想像を絶する理由があるのだろう」
「うん。鬼ごっこに勝つためには、絶対に必要なんだ。だから、お願い!」
頭が変になりそうだ。何を相手に、何の話をしているんだ!
「死んでしまえば、鬼ごっこも何も無いだろうに。さらに言えば、お願いされて呪い殺すというのも、呪い主には、格好がつかん事なのだぞ?」
「えへへ。ごめんね?」
「……まあ良い。一瞬で楽にしてやる」
ボキッという、イヤな音が鳴り響く。
ん? ガキめ、膝をついて……うつ伏せに倒れやがったぞ?
……って、まてまて! アイツの首、変な方向に曲がってないか?!
「ギギギッ?! こ、コいつ、いきナり死んだゾ?! 何デ? 何デ死んダの?!」
何だよそれ! 首があんな風に……首? あ! もしかして、ネックレスか!
「あのネックレスに〝即死〟するほどの呪いが?!」
アイツの指輪にも、とんでもない呪いが掛かっていた。
でもそれが、なんでいま発動するんだよ!
「ふむ。なるほど、そういう事か。つくづく〝呪い甲斐〟のないヤツだな」
倒れているガキの隣には、いまだにうっすらと謎の人影がたたずんでいる。
「あの影……天井を見上げている?」
晴れわたる青空から、一条の光が差し、うつ伏せに倒れているガキを照らし始めた。
やがて、風に舞う羽根のように、ガキの身体は、ふわりと宙に浮かぶ。
……いや、おかしいだろ。ここは屋内だぞ? どうやったら青空が見えるんだ?!
「フぁぁああ?! なンなんだヨ? 何ガ始まるんダ?」
いつの間にか、金色の髪、背中に白い羽を生やした、光り輝く子どもが二人、アイツを支えるように寄り添い、一緒に浮かんでいる。
「天使……?」
空からは、より一層強い光が降り注ぎ、暖かく、心地の良い風が吹く。
「いや、だから屋内だって!」
……そして、アイツはゆっくりと目を開いた。
「えへへ。生まれ変わるって、こんな感じなんだね!」
あふれる光の中で、ガキは神々しく微笑む。何のショーだよ、これ!
「悪魔さん、お待たせ! さあ〝鬼ごっこ〟始めようよ」
ガキはふわりと地面に着地する。
いつの間にか〝光〟は収まって〝空〟も〝天使〟も消えていた。
「お前いま、たしカに死んデた、ヨナ……?」
夢か幻でも見ていたのか……?
「よ、ヨく分からンが……気をトりなおシて、いくゾ!」
「うん! 僕、がんばっちゃうからね!」
悪魔は、魔道具〝チャールヴィの目〟を、ガキに向けてかざし、グニャグニャと変化していく。その姿は……
「そ、そんなバカな!」
見覚えのある顔だと思ったら……アレはどう見ても私だ。どういう事だ?!
「えっと。大ちゃんと同じで、僕が〝生まれてから今日までに〟出会った、一番すばやい生き物って、ユーリちゃんだったんだ」
あの、くせっ毛だろ? アイツに化けた悪魔は、目で追えないくらいに速かったからな。
……なのに、なんであの悪魔、私の姿になってるんだよ!
「〝いまの僕〟が会ったことのある生き物が、悪魔さんと、七宮さんだけだからだよ?」
何でだよ! あのくせっ毛は、お前の知り合いなんだろ。
「ユーリちゃんには勝てないから〝いちど死んで〟リセットしたんだよ」
……待て! 待ってくれ! 途中から話が分からなくなったぞ? 〝一度死ぬ〟って何だ?!
「えへへ。ナイショ!」
ペロッと舌を出してニッコリ笑う。肝心な所だけ言わないのかよ!
……ええい! どんな汚い手を使ったのか知らないが、まだ奥の手がある。心配はいらない。
「汚い手って……えへへ、まあいいか! 悪魔さん、早く〝柱〟を出してよ! 僕、頑張って5本の柱に触って、ロウソクに火をつけるからね!」
やっぱり、アイツ変だ! この競技場に現れる〝柱〟の事や〝ロウソクの数〟なんか、しゃべった覚えがない。
「ソれじゃ、ルールを説明するナ? おレが、追いカけて、おマエが逃ゲる。全部のロウそクに火をツけれバ、オまえの勝チ。ソのまえに、オれに触らレたらおまえハ〝吸血鬼さマ〟の夕食だ」
「……あれれ? その説明が面倒くさいから、僕さっき〝柱〟の事と〝ロウソクの数〟を言ったんだけど」
ほら見ろ! やっぱりあのガキ、ぜんぶ知ってて言ってやがる!
ボン! ボン! ボン! という音が無数に響き、いつものように、柱が現れる。ロウソクの乗った燭台は5つ。それをあのガキが知っているはずがない。どうなってるんだ?
「ロウそクは、ゼンブデ5本。オマエが柱に触れるだけで火がつく。消えることはナイ」
「えー、それも言っちゃうの? 知ってるって言ってるんだけど……あ、そうか! もしかして七宮さんに変身したから、悪魔さんも〝つかえない系〟になっちゃったの? ごめんね、気づかなくて!」
……いまアイツ、ものすごく失礼な事を言わなかったか?
「えへへ。とにかく、ルールはバッチリだよ? 早く始めようよ!」
「そうカ。では、スたートダ」
次の瞬間、クソガキの姿が消えた。
ウソだろ……? アイツも速い!
「何なんだよ、あのガキもスゲェな!」
私の姿をした悪魔は……遅いな! 我ながら!
ひとつ、またひとつと、ロウソクに灯りがともされていく。
「今日はいっタい、どウなってるんダ?!」
「えへへ。がんばれ悪魔さん! 最後だよ?」
いつの間にラスト一本になった?! ……私はあわてて、懐のリモコンに手をのばす。
さすがのアイツも1000体の〝眷属〟相手ではどうする事もできないだろう。
「えへへ、やっぱりそういう事をするんだ……よーく分かったよ」
……ええい、不気味なヤツめ! とっとと終わらせてやる!
リモコンのボタンを押すと、観客席と競技場を隔てるフェンスが、外れて、落下……しない?!
「なんで? どうしたんだ? フェ、フェンスが外れない!」
まさか故障か?! クソッ! このオンボロめ!
「ブッブー! はずれ! 故障じゃなくて〝念動力〟だよ?」
なんだ、故障じゃなかったのか。良かった……って、ん? 〝粘土〟がどうしたって?
いや、そんな事よりフェンスだ。このままだと最後のロウソクが!
「ギギギギッ! タいへンだゾ! 負ケたら、おしまイだよ」
あの悪魔、実は〝使い捨て〟だ。第4の試練は、魔道具〝チャールヴィの目〟と、眷属を乱入させるシステムさえあれば、誰でも勝てるんだから。
「急げ悪魔! ガキごときに負けるんじゃない!」
……そしてある意味〝案内者〟の私だって、似たような立場だ。大きな失敗をすれば、吸血鬼に何をされるか分かったもんじゃない。
「はい、タッチ! えっへへー、僕の勝ち!」
そしてとうとう、5本目のロウソクに火がともった。
何てこった……クソ! フェンスさえちゃんと……
「外れていれば、勝てたの?」
そうだ! なんでフェンスが外れないんだよ!
……って、このガキ、またしても私の心の声と会話を?!
「本当は僕、眷属さんたちが来ても、大丈夫だったんだよ?」
ガキは、両手を正面にかざし、水平にクルッと一回転した。
競技場内に、バリバリと大きな音が鳴り響く。
「さあ、おいで! みんな僕が救ってあげるよ!」
「こ、今度は何だよ?!」
さっきはピクリとも動かなかったフェンスが、一斉に崩れ落ち始めた。
「……って、あのフェンス、なんかおかしいぞ? なんで浮いてるんだ?」
空中で、グシャグシャに折れ曲がっていくフェンス。
一瞬にして、あの頑丈な鋼鉄製のフェンスが、紙くずのように丸められてしまった。
「おいおい! どうなってるんだ?! あんなになったら、次から使い物にならないだろ」
「ううん。〝次〟は無いから大丈夫だよ?」
おまえ、眷属が目の前まで来ているのに、なんだよその余裕は?
「えへへ。みんな。つらかったよね? 苦しかったよね? でも、もう大丈夫だよ!」
その言葉が聞こえた途端、眷属どもは全員、ピタリと立ち止まった。
「いい子だね。安心して逝っていいんだよ」
「ギギギッ?! 何ガどうなっテいるの?」
まぶしいほどの光があふれて……あのガキに近い眷属から、順番に、煙のように消えていく!
「そ、そんな……!」
一瞬にして、この場にいたすべての眷属は、跡形もなく消えてしまった。
「眷属さんがいなくなったから、座席も要らないよね?」
もう一度、手をかざすガキ。今度は、観覧席が、次々と空中に舞い上がっていく。
「あわわわわ?! まさか、お、お前が?」
「えへへ。すごいでしょ? でもね、こんな物じゃないよ?」
空中に舞い上げられた座席は、原型が分からないほどにすり潰されて、場内にばら撒かれた。
ニコッと笑って、今度は私の姿をした悪魔に向けて言い放つ。
「眷属さんと、客席が無くなったよ? あと、いらないものって、何だと思う?」
「……ひ、ヒィ?! わ、分からナい! た、助ケて!」
ペタリと尻もちをついて、後ずさる悪魔。
「悪魔さんの持ってる魔道具も、もういらないよね? 今すぐ出して?」
悪魔が差し出した〝チャールヴィの目〟は、パン! という音と共に砕け散った。
変身が解けて、悪魔は元の姿に戻っていく。
「良かった。悪魔さんが、七宮さんの姿のままだったら、僕、勢いあまっちゃう所だったんだ」
ひぃぃ? い、勢いあまるって何だよ?!
「次は……あ、そっか。この競技場、ぜーんぶ、いらないよね!」
腹に響くような地響き。まさか、これもアイツが……?!
「う……ウソだろ?」
このあと、私と悪魔は、競技場が塵と化していくのを、呆然と見守ることになる。
「えへへー! ふたりとも、危ないから動かないでね?」
いま、柱という柱は、次々と引っこ抜かれて、ニコニコと笑うアイツの頭上を舞い始めたところだ。
あんなの見たことないぞ?
「何だありゃ……!」
それと、あのガキ、さっきから目をつぶって何やってんだ? まさか寝てねえだろうな。
「ううん。起きてるよ。えっと、おじいさんはね、僕の答えに満足して、逝っちゃった!」
「行ったって、どこへだよ? まったくしょうがない爺さんだな……!」
まあ、もともと変わり者だ。あんな消え方も、あるかもしれないか。
「えへへ。七宮さんって、たっちゃんの言ってたとおり〝つかえない系〟だよね!」
「ん? なんだって?」
「ううん、なんでもないよ?」
しかし、このガキ、まさか一人で、ここまで勝ち進むとはな。
「七宮さん、4の箱も見たし、僕は準備オッケーだよ。競技場に行くんだよね?」
「ん? ああ、行くぞ」
……何の箱が、どうしたって?
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4つ目の〝試練〟は、鬼ごっこ。この競技場に案内された挑戦者は、あまりのデカさに、まず腰を抜かす。
……あれ、何だ? なんか引っかかるな。
「えへへ。みんなは気づいてると思うけど、ここへ来るまでに、僕が〝競技場〟って言っちゃってるのが、ツッコミどころだよ?」
……なんか、ボソボソ言ってるな、アイツ。
ていうか、遠すぎて聞こえないんだよ! 早くイヤホンに音をくれ。
「ふーん? イヤホンなんか着けてたんだ」
「うわっ! ビックリした! このポンコツイヤホンめ。急に音を拾いやがって……ん? なんであのガキ、イヤホンの事……」
「そんな事より、ほら〝眷属〟さんたちが入ってきたよ?」
おっと、もう来やがったか。まあ、さっき解散したばっかだから、集まるのも早いんだろうな。
って、なんでお前、そんなに落ち着いてるんだ? 観客席が〝眷属〟でいっぱいになったら、まず驚くだろ?
「えへへ」
ふん、おかしなヤツだ。
……お、悪魔が入ってきたぞ。
「ギギッ! オいオい、またしてもガキじゃネーかヨ!」
「えへへー。僕がおいしそうで集中できない?」
悪魔に向けて、満面の笑みで語りかけるガキ。
……チッ! なんであんなに余裕があるんだ?
「……? 妙なガキだナ。そいじャ、いくゾ」
悪魔は、どこからともなく取り出した水晶玉を、ガキに向けて……
「あ、ストップ! 〝チャールヴィの目〟を使うの、ちょっと待って!」
うぉい! このタイミングで止めるって、どういう神経してんだ?
……まだ魔道具の説明、してなかったよな?
なんであのガキ、魔道具の名前、知ってるんだ?
「その〝チャールヴィの目〟は、僕が〝生まれてから今まで〟に出会った、一番すばやい生き物に変身できるんだよね?」
「あァ、その通りダ。〝記憶〟ジゃないゾ? お前ノ魂に刻まれている〝記録〟ダ。魔法デ忘れタりしてモ、ムダだかラな?」
そういえば〝記憶操作〟の魔法で、自分の記憶を消したヤツもいたっけ……ククク。
「えへへ。良かった! じゃあ、やっぱり僕の思った通りだよ」
何が良かったんだ? やっぱあのガキの考えてることは分からないな。
「七宮さん。僕を〝呪い〟で〝禁止〟することなんて、できないんだよ? だから本当は、こんな試練は受けても受けなくてもいいんだけど……でもね?」
ん? 何を言ってるんだ、アイツ。
「僕、怒っちゃった。だから、この試練を〝ルール通り〟に〝ズル〟をせず勝ち抜いて、みんなをひどい目にあわせた〝全員に〟お仕置きするって決めたんだ」
……はあ? なんだあのクソガキ。何を言い出すかと思えば。
「そのために、僕、死ぬね?」
「ちょ? お前はさっきから何を……」
「しーっ! うるさいよ七宮さん。だまって見ててね? ……あ、そうだ。〝道具を使う〟のはルール違反でも〝道具に殺される〟のはいいよね?」
あのガキ、急に雰囲気が変わりやがった……何なんだ、あの威圧感は?
……道具に、何だって?
「ソウスケさん、ソウスケさん、ちょっといい?」
「……本当に気安いな。ワタシを友人とでも思っているのか?」
ん? あのガキ、誰と話して……うわっ?! アイツの前に、うっすら人影が見えるぞ。何だあれ!
「えっとね、僕の首を絞めて、殺してほしいんだ!」
「またしても珍妙な事を言いおって……そもそも、お前に呪いは効かぬだろう?」
私は夢でも見ているのか?
あのガキ、得体の知れない何かと、物騒な会話を始めやがった。
「えへへ。ソウスケさんが教えてくれた通り、心から望めば、この呪われた空間にだって入れたんだよ? だから、僕が首を絞めてほしいって本気で望めば、きっとソウスケさん、僕を殺せるよ!」
「その前に、急に自殺願望が湧いた理由を聞くべきところだが……お前の事だ。何かしら、想像を絶する理由があるのだろう」
「うん。鬼ごっこに勝つためには、絶対に必要なんだ。だから、お願い!」
頭が変になりそうだ。何を相手に、何の話をしているんだ!
「死んでしまえば、鬼ごっこも何も無いだろうに。さらに言えば、お願いされて呪い殺すというのも、呪い主には、格好がつかん事なのだぞ?」
「えへへ。ごめんね?」
「……まあ良い。一瞬で楽にしてやる」
ボキッという、イヤな音が鳴り響く。
ん? ガキめ、膝をついて……うつ伏せに倒れやがったぞ?
……って、まてまて! アイツの首、変な方向に曲がってないか?!
「ギギギッ?! こ、コいつ、いきナり死んだゾ?! 何デ? 何デ死んダの?!」
何だよそれ! 首があんな風に……首? あ! もしかして、ネックレスか!
「あのネックレスに〝即死〟するほどの呪いが?!」
アイツの指輪にも、とんでもない呪いが掛かっていた。
でもそれが、なんでいま発動するんだよ!
「ふむ。なるほど、そういう事か。つくづく〝呪い甲斐〟のないヤツだな」
倒れているガキの隣には、いまだにうっすらと謎の人影がたたずんでいる。
「あの影……天井を見上げている?」
晴れわたる青空から、一条の光が差し、うつ伏せに倒れているガキを照らし始めた。
やがて、風に舞う羽根のように、ガキの身体は、ふわりと宙に浮かぶ。
……いや、おかしいだろ。ここは屋内だぞ? どうやったら青空が見えるんだ?!
「フぁぁああ?! なンなんだヨ? 何ガ始まるんダ?」
いつの間にか、金色の髪、背中に白い羽を生やした、光り輝く子どもが二人、アイツを支えるように寄り添い、一緒に浮かんでいる。
「天使……?」
空からは、より一層強い光が降り注ぎ、暖かく、心地の良い風が吹く。
「いや、だから屋内だって!」
……そして、アイツはゆっくりと目を開いた。
「えへへ。生まれ変わるって、こんな感じなんだね!」
あふれる光の中で、ガキは神々しく微笑む。何のショーだよ、これ!
「悪魔さん、お待たせ! さあ〝鬼ごっこ〟始めようよ」
ガキはふわりと地面に着地する。
いつの間にか〝光〟は収まって〝空〟も〝天使〟も消えていた。
「お前いま、たしカに死んデた、ヨナ……?」
夢か幻でも見ていたのか……?
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「うん! 僕、がんばっちゃうからね!」
悪魔は、魔道具〝チャールヴィの目〟を、ガキに向けてかざし、グニャグニャと変化していく。その姿は……
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見覚えのある顔だと思ったら……アレはどう見ても私だ。どういう事だ?!
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あの、くせっ毛だろ? アイツに化けた悪魔は、目で追えないくらいに速かったからな。
……なのに、なんであの悪魔、私の姿になってるんだよ!
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何でだよ! あのくせっ毛は、お前の知り合いなんだろ。
「ユーリちゃんには勝てないから〝いちど死んで〟リセットしたんだよ」
……待て! 待ってくれ! 途中から話が分からなくなったぞ? 〝一度死ぬ〟って何だ?!
「えへへ。ナイショ!」
ペロッと舌を出してニッコリ笑う。肝心な所だけ言わないのかよ!
……ええい! どんな汚い手を使ったのか知らないが、まだ奥の手がある。心配はいらない。
「汚い手って……えへへ、まあいいか! 悪魔さん、早く〝柱〟を出してよ! 僕、頑張って5本の柱に触って、ロウソクに火をつけるからね!」
やっぱり、アイツ変だ! この競技場に現れる〝柱〟の事や〝ロウソクの数〟なんか、しゃべった覚えがない。
「ソれじゃ、ルールを説明するナ? おレが、追いカけて、おマエが逃ゲる。全部のロウそクに火をツけれバ、オまえの勝チ。ソのまえに、オれに触らレたらおまえハ〝吸血鬼さマ〟の夕食だ」
「……あれれ? その説明が面倒くさいから、僕さっき〝柱〟の事と〝ロウソクの数〟を言ったんだけど」
ほら見ろ! やっぱりあのガキ、ぜんぶ知ってて言ってやがる!
ボン! ボン! ボン! という音が無数に響き、いつものように、柱が現れる。ロウソクの乗った燭台は5つ。それをあのガキが知っているはずがない。どうなってるんだ?
「ロウそクは、ゼンブデ5本。オマエが柱に触れるだけで火がつく。消えることはナイ」
「えー、それも言っちゃうの? 知ってるって言ってるんだけど……あ、そうか! もしかして七宮さんに変身したから、悪魔さんも〝つかえない系〟になっちゃったの? ごめんね、気づかなくて!」
……いまアイツ、ものすごく失礼な事を言わなかったか?
「えへへ。とにかく、ルールはバッチリだよ? 早く始めようよ!」
「そうカ。では、スたートダ」
次の瞬間、クソガキの姿が消えた。
ウソだろ……? アイツも速い!
「何なんだよ、あのガキもスゲェな!」
私の姿をした悪魔は……遅いな! 我ながら!
ひとつ、またひとつと、ロウソクに灯りがともされていく。
「今日はいっタい、どウなってるんダ?!」
「えへへ。がんばれ悪魔さん! 最後だよ?」
いつの間にラスト一本になった?! ……私はあわてて、懐のリモコンに手をのばす。
さすがのアイツも1000体の〝眷属〟相手ではどうする事もできないだろう。
「えへへ、やっぱりそういう事をするんだ……よーく分かったよ」
……ええい、不気味なヤツめ! とっとと終わらせてやる!
リモコンのボタンを押すと、観客席と競技場を隔てるフェンスが、外れて、落下……しない?!
「なんで? どうしたんだ? フェ、フェンスが外れない!」
まさか故障か?! クソッ! このオンボロめ!
「ブッブー! はずれ! 故障じゃなくて〝念動力〟だよ?」
なんだ、故障じゃなかったのか。良かった……って、ん? 〝粘土〟がどうしたって?
いや、そんな事よりフェンスだ。このままだと最後のロウソクが!
「ギギギギッ! タいへンだゾ! 負ケたら、おしまイだよ」
あの悪魔、実は〝使い捨て〟だ。第4の試練は、魔道具〝チャールヴィの目〟と、眷属を乱入させるシステムさえあれば、誰でも勝てるんだから。
「急げ悪魔! ガキごときに負けるんじゃない!」
……そしてある意味〝案内者〟の私だって、似たような立場だ。大きな失敗をすれば、吸血鬼に何をされるか分かったもんじゃない。
「はい、タッチ! えっへへー、僕の勝ち!」
そしてとうとう、5本目のロウソクに火がともった。
何てこった……クソ! フェンスさえちゃんと……
「外れていれば、勝てたの?」
そうだ! なんでフェンスが外れないんだよ!
……って、このガキ、またしても私の心の声と会話を?!
「本当は僕、眷属さんたちが来ても、大丈夫だったんだよ?」
ガキは、両手を正面にかざし、水平にクルッと一回転した。
競技場内に、バリバリと大きな音が鳴り響く。
「さあ、おいで! みんな僕が救ってあげるよ!」
「こ、今度は何だよ?!」
さっきはピクリとも動かなかったフェンスが、一斉に崩れ落ち始めた。
「……って、あのフェンス、なんかおかしいぞ? なんで浮いてるんだ?」
空中で、グシャグシャに折れ曲がっていくフェンス。
一瞬にして、あの頑丈な鋼鉄製のフェンスが、紙くずのように丸められてしまった。
「おいおい! どうなってるんだ?! あんなになったら、次から使い物にならないだろ」
「ううん。〝次〟は無いから大丈夫だよ?」
おまえ、眷属が目の前まで来ているのに、なんだよその余裕は?
「えへへ。みんな。つらかったよね? 苦しかったよね? でも、もう大丈夫だよ!」
その言葉が聞こえた途端、眷属どもは全員、ピタリと立ち止まった。
「いい子だね。安心して逝っていいんだよ」
「ギギギッ?! 何ガどうなっテいるの?」
まぶしいほどの光があふれて……あのガキに近い眷属から、順番に、煙のように消えていく!
「そ、そんな……!」
一瞬にして、この場にいたすべての眷属は、跡形もなく消えてしまった。
「眷属さんがいなくなったから、座席も要らないよね?」
もう一度、手をかざすガキ。今度は、観覧席が、次々と空中に舞い上がっていく。
「あわわわわ?! まさか、お、お前が?」
「えへへ。すごいでしょ? でもね、こんな物じゃないよ?」
空中に舞い上げられた座席は、原型が分からないほどにすり潰されて、場内にばら撒かれた。
ニコッと笑って、今度は私の姿をした悪魔に向けて言い放つ。
「眷属さんと、客席が無くなったよ? あと、いらないものって、何だと思う?」
「……ひ、ヒィ?! わ、分からナい! た、助ケて!」
ペタリと尻もちをついて、後ずさる悪魔。
「悪魔さんの持ってる魔道具も、もういらないよね? 今すぐ出して?」
悪魔が差し出した〝チャールヴィの目〟は、パン! という音と共に砕け散った。
変身が解けて、悪魔は元の姿に戻っていく。
「良かった。悪魔さんが、七宮さんの姿のままだったら、僕、勢いあまっちゃう所だったんだ」
ひぃぃ? い、勢いあまるって何だよ?!
「次は……あ、そっか。この競技場、ぜーんぶ、いらないよね!」
腹に響くような地響き。まさか、これもアイツが……?!
「う……ウソだろ?」
このあと、私と悪魔は、競技場が塵と化していくのを、呆然と見守ることになる。
「えへへー! ふたりとも、危ないから動かないでね?」
いま、柱という柱は、次々と引っこ抜かれて、ニコニコと笑うアイツの頭上を舞い始めたところだ。
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