D.D.D

れのひと

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1章 柚木と柚果

中毒性物質

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 ざわざわざわざわといつもより教室の雑音が大きく聞こえる気がする。

「それで何ゆー君」

 珍しく俺から柚果に声をかけたせいで余計に周りの声に敏感になっているんだろうな…

「これからのこと話したいんだけど、いつならいい?」
「あー…そっか。そうねーじゃあ今日の昼休みは? そのまま一緒に昼食も済ませればいいし」
「…わかったそれでいいよ」

 一緒に昼食か…小学生ぶりなんじゃないか? 昨夜の夕食を数に入れなければだけどな。

「ホームルームはじめるぞ~」
「おっと、じゃあそういうことでー」
「ああ」

 相変わらずうちの担任は絶妙なタイミングであらわれるな…

「あーそうだ柚木!」
「はい?」
「今日は寝るなよっ」

 周りからクスクスと笑い声が聞こえた。しまった…昨日職員室いきそこねてるじゃんっ

「今日は大丈夫です~多分」

 再び笑い声が聞こえてきた。視界の端に柚果の困った顔をとらえながらホームルームが始まった。


 そして昼休み俺は今日こそちゃんとした食べものを手に入れようと購買へ向かって走り出そうとした。

「ちょっとゆー君っ どこいくのー?」
「あ…」

 すっかり忘れてたよ…

「ちょっと購買行ってくるからその後で!」

 もうチャレンジシリーズは食べたくないんだっ 買わなければいいだけなんだけど、それしかないと思うとついつい手が伸びてしまうんだよ! なんか中毒性物質でも入ってんのか?

「うをおおおおおおおっ」

 急げぇ~ といいながらもちろん廊下は走っていないよ! ギリ早歩きだよっ 走ったら先生に捕まったり時間を無駄にしてしまうからな! そして何が…何が残っているんだっ

「あああああっ」

 くそっ またしてもチャレンジシリーズしかないだと~! おかしい…どう考えてもおかしいだろう? 昼休み始まってまだそんな時間が過ぎていないのにこれしかないだなんてっ

「日頃の行いが…きゅっ」

 …仕方がない。とりあえずこの『青空風味』と書かれている怪しげだけど気になってしまうパンを買ってもどるか。

「ゆー君っ」
「あれ? ゆずか追いかけてきたのか??」
「このほうが早いでしょう? ほらこのまま中庭いくよー」

 そりゃそうか…ここからなら外出たほうが早く食べられるしな。

「あれ? ゆずかまだパンのまま??」
「ああうん。昨日今日の分も買っちゃったからね。お弁当もこれからどうするかも考えなきゃいけないよ」

 ああそうかダンジョンをどの頻度でどの時間帯で行くかで変わるってことか。

「ん…ゆー君お弁当もあるの? ああ弁当だけだと足りないからな」
「ふぅ~ん…でもさ、そんなキモイ色したパン食べられるの?」

 キモイ色したパン…うん、たしかにちょっと食欲が失せる色だな。味だけじゃなく見た目も『青空』のイメージなのか青い。

「買ったからにはもちろん食べるよ…うん…」

 …今頃になってなんでこんなパン買ったんだろうと少し後悔した。
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