2 / 6
自己紹介ですか?
しおりを挟む
「ようこそ異世界へ」
「…………は?」
たっぷりと間を開けて間抜けな返事を返す僕。言葉の意味がわからない…いやわかるんだけど、理解が出来ない。無駄に繰り返す瞬きが増えて落ち着かなくなる。
「ちょっ 瞬き早っ 笑いを取りたいのか?」
そんなわけないだろう? 状況の理解に苦しんでいる人の前で笑いをこらえるのをやめてくれ…
「異世界って…あの異世界ですか?」
「うーんと、あのって言うのが何を指しているのかわからないけど、日本が存在していない世界なのは間違いないね」
急に息苦しくなってハクハクと酸素を求める。
「ぶっ 今度は金魚の真似か?」
「ちがっ 笑わないでくださっ」
なんなんだこの人はこっちは本当に驚いているのになんか怒りがこみあげてくるっ でもその怒りのせいか呼吸が落ち着いてきた。もしかしてわざとなのか…?
「もうっ 次の質問にも答えてくださいよ!」
「あーわるいわるい。えーと、日本語が話せる理由だっけ? ではちょっと自己紹介といたしましょうかお嬢様?」
「お嬢様って…」
おいおい。僕男なんだけどな…コスプレのせいで女に見えるのか。
「ではあらためて。名はシエル・ブランジット年は12歳」
「12歳!!」
「ブランジット男爵の次男で、元日本人で転生者だ。この世界に来たことで手に入れた力で成り上がる予定…こんなところか?」
「転生…あるんだ」
「あるからこうして日本語で会話出来ているだろう?」
言われてみればそうだ。まあこの人の言っている言葉が本当ならだけども。じつは僕と同じくただのコスプレイヤーの可能性だって0ではない。それにしても12歳ってとてもそうは見えないな…高校生くらいに見える。
「あと力って何…」
「力っていうのは…ああ丁度いいな」
窓の外をちらりと覗き込んだシエル・ブランジットは僕を手招きして外を見るように指をさした。どうやら何かを見せたいらしい。窓の外を見るくらいどうと言うことはないと思って僕はその方向に視線を向ける。
「…え、何あれ」
馬車の少し後方に犬みたいな生き物が二本足で走っていた。しかも二匹もいる。
「──────!」
窓の外へ左手を出すと日本語ではないあの知らない言葉を何か口にしたシエル・ブランジット。その左手から何かが飛んでいった。何か…うん。何なのかわからないのだから何かとしか言いようがないものだ。
「ギャンッ」
犬みたいな生き物の一匹が声をあげて血を吹き出した。僕の顔から血の気が引くのがわかる。
「こここ…ころっ ころ!」
動物虐待っ 犯罪者! やばい奴の所に僕は来てしまったのか!?
「落ち着けって…」
「ひっ」
狭い馬車内で逃げようがないのに僕はさがれるところまで下がった。
「あーあれは魔物、モンスター、化け物、害獣、OK?」
とりあえず犯罪ではないことがわかり僕は何度も大きく首を縦に振った。犯罪じゃないとしてもむやみに生き物を殺すのは普通に怖いと思う。下手に逆らわないようにしよう…
「それよりほらちゃんと見てたか? 魔法」
「魔法…魔法?」
ああっ あの手から飛んでった何か! なるほど力と言うのは魔法のことだったのか…異世界、転生、魔法、貴族、成り上がり…ふむ。
「そう魔法が使えるんだよこの世界は」
「じゃあもしかしたら僕も何か魔法が使える…?」
「それはわからないが…それよりお嬢様も自己紹介してもらえると嬉しいのだが?」
「あ、そうでしたね。僕は…」
「…………は?」
たっぷりと間を開けて間抜けな返事を返す僕。言葉の意味がわからない…いやわかるんだけど、理解が出来ない。無駄に繰り返す瞬きが増えて落ち着かなくなる。
「ちょっ 瞬き早っ 笑いを取りたいのか?」
そんなわけないだろう? 状況の理解に苦しんでいる人の前で笑いをこらえるのをやめてくれ…
「異世界って…あの異世界ですか?」
「うーんと、あのって言うのが何を指しているのかわからないけど、日本が存在していない世界なのは間違いないね」
急に息苦しくなってハクハクと酸素を求める。
「ぶっ 今度は金魚の真似か?」
「ちがっ 笑わないでくださっ」
なんなんだこの人はこっちは本当に驚いているのになんか怒りがこみあげてくるっ でもその怒りのせいか呼吸が落ち着いてきた。もしかしてわざとなのか…?
「もうっ 次の質問にも答えてくださいよ!」
「あーわるいわるい。えーと、日本語が話せる理由だっけ? ではちょっと自己紹介といたしましょうかお嬢様?」
「お嬢様って…」
おいおい。僕男なんだけどな…コスプレのせいで女に見えるのか。
「ではあらためて。名はシエル・ブランジット年は12歳」
「12歳!!」
「ブランジット男爵の次男で、元日本人で転生者だ。この世界に来たことで手に入れた力で成り上がる予定…こんなところか?」
「転生…あるんだ」
「あるからこうして日本語で会話出来ているだろう?」
言われてみればそうだ。まあこの人の言っている言葉が本当ならだけども。じつは僕と同じくただのコスプレイヤーの可能性だって0ではない。それにしても12歳ってとてもそうは見えないな…高校生くらいに見える。
「あと力って何…」
「力っていうのは…ああ丁度いいな」
窓の外をちらりと覗き込んだシエル・ブランジットは僕を手招きして外を見るように指をさした。どうやら何かを見せたいらしい。窓の外を見るくらいどうと言うことはないと思って僕はその方向に視線を向ける。
「…え、何あれ」
馬車の少し後方に犬みたいな生き物が二本足で走っていた。しかも二匹もいる。
「──────!」
窓の外へ左手を出すと日本語ではないあの知らない言葉を何か口にしたシエル・ブランジット。その左手から何かが飛んでいった。何か…うん。何なのかわからないのだから何かとしか言いようがないものだ。
「ギャンッ」
犬みたいな生き物の一匹が声をあげて血を吹き出した。僕の顔から血の気が引くのがわかる。
「こここ…ころっ ころ!」
動物虐待っ 犯罪者! やばい奴の所に僕は来てしまったのか!?
「落ち着けって…」
「ひっ」
狭い馬車内で逃げようがないのに僕はさがれるところまで下がった。
「あーあれは魔物、モンスター、化け物、害獣、OK?」
とりあえず犯罪ではないことがわかり僕は何度も大きく首を縦に振った。犯罪じゃないとしてもむやみに生き物を殺すのは普通に怖いと思う。下手に逆らわないようにしよう…
「それよりほらちゃんと見てたか? 魔法」
「魔法…魔法?」
ああっ あの手から飛んでった何か! なるほど力と言うのは魔法のことだったのか…異世界、転生、魔法、貴族、成り上がり…ふむ。
「そう魔法が使えるんだよこの世界は」
「じゃあもしかしたら僕も何か魔法が使える…?」
「それはわからないが…それよりお嬢様も自己紹介してもらえると嬉しいのだが?」
「あ、そうでしたね。僕は…」
0
あなたにおすすめの小説
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
※他サイトでも掲載しています
※ちょいちょい手直ししていってます
2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~
枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。
同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。
仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。
─────────────
※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。
※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。
※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる