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コスプレですか?
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──某日
森沢勇生(もりさわゆう)…僕は姉に連れられて電車を乗り継ぎとある場所へとやって来ていた。買い物に付き合えということだったのでついてきたのだがどう見てもそこは買い物をする場所には見えない。
「ここ…何?」
人人人人…とにかく人がすごくたくさんいる。列を作りその先の建物へと多くの人が並んでいたんだ。
「何ってもちろん買い物の目的地、だよ?」
まったく悪びれた様子もなくさも当然と言うように姉が首を傾げている。…やっぱりただの店には見えない。だってこんなにたくさんの人が一体ここで何を買うというのだろうか?
「ほら、列が動き出した。いくよ」
「むー…わかったよ」
ぞろぞろと続く人の列の波に従い僕たちは建物へと飲まれていく。建物の中へ入ると姉は僕の腕を取り歩き出した。
「あれ…買い物は?」
「それは後。まずはこっち」
「???」
訳も分からないまま連れていかれる僕。なぜか嬉しそうな姉…この時点で逃げるべきだったんだ。後悔しても遅いのだけど僕は個室っぽいところへと連れ込まれていた。
「ねえ…メイクルームって書いてなかった?」
「気にしない気にしない♪」
「僕はこんなとこに用事はないんだけど?」
「いいからまずはそれ脱いで」
「脱げって…他に人いるんですけどっ?」
室内には鏡に向かって化粧をしている女性が何人かいた。僕たちの言葉に反応してなぜかこちらをがん見している。
「もうしかたないな…おりゃっ♪」
「うわっ …って、ぎゃあああああ~~ちょっやめっ」
さささ…寒い。無理やり服脱がすとか聞いていない。寒くて体を縮めている僕を室内の女性たちがさらにがん見している。見てないで助けてほしい…
「わははー服はあずかった~」
「は?」
「返してほしくばこっちに着替えて部屋から出ておいで?」
「…いや、これどうみても女物」
「わがままいわない…じゃあこれもつけてあげるから、ね?」
それだけ言うと姉はさっさとドアの外へと出て行ってしまった。室内に残された僕は渡されたものを眺める。
「…ってこれウィッグじゃん!」
袋の中を覗き込むと入っていたのは金髪ストレートのウィッグ。たしかにこの服装にはとても似合いそうだ。
「ええ~…」
服とウィッグと自分とドアを順番に眺めた。服を着ないと寒いだけじゃなくおまわりさんを呼ばれてしまうかもしれない。なぜかこの部屋の女性たちは声もあげず僕をがん見するだけだからこの部屋から出なければいいだけでもあるのだけど。
「…くそぅ」
このままでは風邪をひいてしまうので僕は仕方なく手元にある服を着ることを選んだ。
「…これでいいのか?」
ちゃんとした着方がわからずとりあえず適当に着込んだ。最後にウィッグを頭から被り完成。
「ちょっと君リボン曲がってるよっ」
「裾もまくれてる」
「座って髪を整えてあげるから」
「ついでにメイクもしましょう?」
なにこれなにこれっ 室内にいた女性たちが目をぎらつかせながら近寄ってくる。はっきり言って怖い。
「あの…お構いなく?」
「「「「遠慮しないで?」」」」
ひぃっ 遠慮じゃないです! でも目つきの怖いこの人たちにそう言えなくてなすがまま僕は服と髪を整えられメイクまでされてしまうのだった。
「「「「完成ー!」」」」
鏡の中には天使がいた…いや、僕だ。これはあれだ、コスプレというやつだ。つまり僕は姉のせいでまんまとコスプレイヤーにされてしまったわけだ…
相変わらずガン見してくる女性たちから視線をそらし、僕は服を取り返すべくドアへ向かい押し開けた。
「…え?」
開けた先は真っ暗。驚いて後ろを見ると今開けたばかりのドアはなく、その確認とともに風が吹いた。
「わっぷ」
ウィッグが目にかかり思わず目を閉じる。少しすると風が治まったのでそっと目を開く。
「…は?」
そこは暗闇ではなく、草原が広がっていた。
森沢勇生(もりさわゆう)…僕は姉に連れられて電車を乗り継ぎとある場所へとやって来ていた。買い物に付き合えということだったのでついてきたのだがどう見てもそこは買い物をする場所には見えない。
「ここ…何?」
人人人人…とにかく人がすごくたくさんいる。列を作りその先の建物へと多くの人が並んでいたんだ。
「何ってもちろん買い物の目的地、だよ?」
まったく悪びれた様子もなくさも当然と言うように姉が首を傾げている。…やっぱりただの店には見えない。だってこんなにたくさんの人が一体ここで何を買うというのだろうか?
「ほら、列が動き出した。いくよ」
「むー…わかったよ」
ぞろぞろと続く人の列の波に従い僕たちは建物へと飲まれていく。建物の中へ入ると姉は僕の腕を取り歩き出した。
「あれ…買い物は?」
「それは後。まずはこっち」
「???」
訳も分からないまま連れていかれる僕。なぜか嬉しそうな姉…この時点で逃げるべきだったんだ。後悔しても遅いのだけど僕は個室っぽいところへと連れ込まれていた。
「ねえ…メイクルームって書いてなかった?」
「気にしない気にしない♪」
「僕はこんなとこに用事はないんだけど?」
「いいからまずはそれ脱いで」
「脱げって…他に人いるんですけどっ?」
室内には鏡に向かって化粧をしている女性が何人かいた。僕たちの言葉に反応してなぜかこちらをがん見している。
「もうしかたないな…おりゃっ♪」
「うわっ …って、ぎゃあああああ~~ちょっやめっ」
さささ…寒い。無理やり服脱がすとか聞いていない。寒くて体を縮めている僕を室内の女性たちがさらにがん見している。見てないで助けてほしい…
「わははー服はあずかった~」
「は?」
「返してほしくばこっちに着替えて部屋から出ておいで?」
「…いや、これどうみても女物」
「わがままいわない…じゃあこれもつけてあげるから、ね?」
それだけ言うと姉はさっさとドアの外へと出て行ってしまった。室内に残された僕は渡されたものを眺める。
「…ってこれウィッグじゃん!」
袋の中を覗き込むと入っていたのは金髪ストレートのウィッグ。たしかにこの服装にはとても似合いそうだ。
「ええ~…」
服とウィッグと自分とドアを順番に眺めた。服を着ないと寒いだけじゃなくおまわりさんを呼ばれてしまうかもしれない。なぜかこの部屋の女性たちは声もあげず僕をがん見するだけだからこの部屋から出なければいいだけでもあるのだけど。
「…くそぅ」
このままでは風邪をひいてしまうので僕は仕方なく手元にある服を着ることを選んだ。
「…これでいいのか?」
ちゃんとした着方がわからずとりあえず適当に着込んだ。最後にウィッグを頭から被り完成。
「ちょっと君リボン曲がってるよっ」
「裾もまくれてる」
「座って髪を整えてあげるから」
「ついでにメイクもしましょう?」
なにこれなにこれっ 室内にいた女性たちが目をぎらつかせながら近寄ってくる。はっきり言って怖い。
「あの…お構いなく?」
「「「「遠慮しないで?」」」」
ひぃっ 遠慮じゃないです! でも目つきの怖いこの人たちにそう言えなくてなすがまま僕は服と髪を整えられメイクまでされてしまうのだった。
「「「「完成ー!」」」」
鏡の中には天使がいた…いや、僕だ。これはあれだ、コスプレというやつだ。つまり僕は姉のせいでまんまとコスプレイヤーにされてしまったわけだ…
相変わらずガン見してくる女性たちから視線をそらし、僕は服を取り返すべくドアへ向かい押し開けた。
「…え?」
開けた先は真っ暗。驚いて後ろを見ると今開けたばかりのドアはなく、その確認とともに風が吹いた。
「わっぷ」
ウィッグが目にかかり思わず目を閉じる。少しすると風が治まったのでそっと目を開く。
「…は?」
そこは暗闇ではなく、草原が広がっていた。
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