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マリジアナの町
184. ジエルの秘密?
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御神木様のことを聞いたことがありますか? という言葉からルーの話は始まった。この世界には神様が宿ると言われている双子の御神木があるのだそうだ。まあ俺が住んでいた世界でもそう呼ばれている木があるという話は聞いたことがあったが、こっちの世界ではそれは本当の話なんだとか。
神様はその御神木を通してこの世界を眺めており、時折独り言のようなものを口にする。それは神託なのかただの独り言なのかはよくわかっていないのだが、それを聞き取れる存在がエルフに存在するのだそうだ。
「つまりそれがジエルってこと?」
「はい、後は母ですね」
大地の隅々まで根を張り巡らせ陸の上だけではなく海や川の中、もちろん空までもすべて見ておられるそうだ。
「鎮守の森と言われた場所それぞれ御神木があるのですが…」
そこでルーが少し言葉を濁した。
「そのうちの1本が人達の住む土地にもあったんです。今はありませんが…」
「急になくなるなんてあるのか?」
「えーと…そのあたりの詳しい話はまた母から聞いてください。つまりジエルはたまにああやって御神木様から色々とお話を聞かされて謎なことを言うのです」
少しよくわからないところもあったけれど、つまりジエルはたまに御神木様に聞かされた話を口にするというわけか…あれ? そういえば前俺も言われたことがある気がするな。「気を付けて」だったっけか。ちょっとうろ覚えだが。
「じゃあ急に関係のないことを言い出したら御神木様からの言葉だと思えばいいということ?」
「はい、今はそれだけで…」
双子の神様ね~… だったら俺があったあの幼女は神ではないのか? というか神でないのだとすると俺は誰にガチャなんてスキルを貰ったんだろうか…まあそれのせいで助かることはあっても困ることはないからいいんだけど。
「主様は…いえ、何でもありません。お茶おいしくいただきましたわ。あの…こちらのお菓子あの子たちにもいただけませんか?」
何かを言いかけたフィリールはお菓子をお土産に森へと帰っていった。何をしに来たんだろう。ほんとにただお茶をしに来ただけにも見えるが。
「鎮守の森か…そういえばそこって許可がないと通れないんだろう? 俺通れるかな」
「ジエルが一緒にいるから通れるはずですよ」
「ならいいけどよ」
話が終わるとそれぞれ自分の部屋へと戻っていった。朝になったらここを出発して今度は北の方へ進むんだったかな。そんなことを考えながら俺は眠りについた。
「キュッ」
アスの声で起こされた。どうやら朝になったようでご飯の催促に来たらしい。アスもすっかりジエルに慣れてしまって最近では俺の所でなくジエルのとこで寝ていることが増えた。まあいいんだが…御神木の声が聞けるだけあって他の生き物にもなつかれやすいのかもしれない。
簡単に朝食を済ませ身支度を整えた俺たちは出発するために宿の外へと向かった。
「おい、そこの! お前だお前」
と、少しばかり高圧的な態度で俺に声をかけてくる男が…
「お前だろう? 昨日市場で砂糖を売っていたの」
「はあ…」
「砂糖を売っているのはこのあたりでは俺たちだけのはずなんだが…どこから仕入れている」
ヨルさん…こっちでも砂糖は売ったらいけなかったみたいなんだけど! 一つも売っていないのになんか変なのに絡まれているんだがこれはどうすればいいんだ? 出発前にギルドでアスを登録しようと思ったんだけど、これは厳しそうかな…
「ルー、シズク」
「はい」
「なんだ?」
面倒だからさっさと逃げてしまおうか。2人の手を取るととりあえずここからほどほどに離れていて行ったことがある場所、町の入り口前へとテレポートをした。
神様はその御神木を通してこの世界を眺めており、時折独り言のようなものを口にする。それは神託なのかただの独り言なのかはよくわかっていないのだが、それを聞き取れる存在がエルフに存在するのだそうだ。
「つまりそれがジエルってこと?」
「はい、後は母ですね」
大地の隅々まで根を張り巡らせ陸の上だけではなく海や川の中、もちろん空までもすべて見ておられるそうだ。
「鎮守の森と言われた場所それぞれ御神木があるのですが…」
そこでルーが少し言葉を濁した。
「そのうちの1本が人達の住む土地にもあったんです。今はありませんが…」
「急になくなるなんてあるのか?」
「えーと…そのあたりの詳しい話はまた母から聞いてください。つまりジエルはたまにああやって御神木様から色々とお話を聞かされて謎なことを言うのです」
少しよくわからないところもあったけれど、つまりジエルはたまに御神木様に聞かされた話を口にするというわけか…あれ? そういえば前俺も言われたことがある気がするな。「気を付けて」だったっけか。ちょっとうろ覚えだが。
「じゃあ急に関係のないことを言い出したら御神木様からの言葉だと思えばいいということ?」
「はい、今はそれだけで…」
双子の神様ね~… だったら俺があったあの幼女は神ではないのか? というか神でないのだとすると俺は誰にガチャなんてスキルを貰ったんだろうか…まあそれのせいで助かることはあっても困ることはないからいいんだけど。
「主様は…いえ、何でもありません。お茶おいしくいただきましたわ。あの…こちらのお菓子あの子たちにもいただけませんか?」
何かを言いかけたフィリールはお菓子をお土産に森へと帰っていった。何をしに来たんだろう。ほんとにただお茶をしに来ただけにも見えるが。
「鎮守の森か…そういえばそこって許可がないと通れないんだろう? 俺通れるかな」
「ジエルが一緒にいるから通れるはずですよ」
「ならいいけどよ」
話が終わるとそれぞれ自分の部屋へと戻っていった。朝になったらここを出発して今度は北の方へ進むんだったかな。そんなことを考えながら俺は眠りについた。
「キュッ」
アスの声で起こされた。どうやら朝になったようでご飯の催促に来たらしい。アスもすっかりジエルに慣れてしまって最近では俺の所でなくジエルのとこで寝ていることが増えた。まあいいんだが…御神木の声が聞けるだけあって他の生き物にもなつかれやすいのかもしれない。
簡単に朝食を済ませ身支度を整えた俺たちは出発するために宿の外へと向かった。
「おい、そこの! お前だお前」
と、少しばかり高圧的な態度で俺に声をかけてくる男が…
「お前だろう? 昨日市場で砂糖を売っていたの」
「はあ…」
「砂糖を売っているのはこのあたりでは俺たちだけのはずなんだが…どこから仕入れている」
ヨルさん…こっちでも砂糖は売ったらいけなかったみたいなんだけど! 一つも売っていないのになんか変なのに絡まれているんだがこれはどうすればいいんだ? 出発前にギルドでアスを登録しようと思ったんだけど、これは厳しそうかな…
「ルー、シズク」
「はい」
「なんだ?」
面倒だからさっさと逃げてしまおうか。2人の手を取るととりあえずここからほどほどに離れていて行ったことがある場所、町の入り口前へとテレポートをした。
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