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マリジアナの町
185. しつこい
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町の入り口側についてすぐ景色が変わったことに驚いた2人が俺を見て何か言いたそうにしていた。
「ルー」
「は、はい」
「こっちから出ても次の町へは向かえるか?」
「…街道からは外れますけれど問題ありませんよ」
「よし、じゃあすぐ町から出るぞ」
「なあ、どうやってここに…」
「後でな!」
納得できないという顔をしつつもとりあえず大人しく俺の後をついてシズクとルーは門から外へと出た。ここで許可証を返却しないといけないらしくすぐに取り出して返す。街道をハズレ人目につく憎くなったところで馬車をインベントリから取り出し、ネコルーを召喚。すぐにこの町を離れ出発した。
なるほど…街道を外れるというのはこういうことか。まず地面が安定していない、そして木々が多い。それにたまに大きな岩場にぶつかり迂回しなければいけなかったりする。これは念のために結界を張っておいた方がいいかもしれないな。
「で…そろそろ教えてくれるのか?」
「ん? ああさっきのやつか。あれは俺のスキルで行ったことがある場所にいけるんだよ」
「へー結構便利なスキルなんだな」
「そうでもないよ。さっきも言ったけど俺が行ったことがあるところだけだし、町にいたら町の中だけみたいな感じ。しかも魔力の消費が多い」
「ほ~~ん。緊急時用ってところか」
聞きたいことを聞けたのかシズクは中へと引っ込んでいった。すると今度はさっきまで前を向いていたルーがちらりとこちらを見ている。
「なんだ?」
「いえ…色んなスキル持っているんだな~と」
言われてみればそうだな。種類だけなら結構あるきがする。全然使いどころのわからないものも多いけど…
「あれ? なあルーここって街道じゃないから馬とか普通なら走らないところだよな」
「はい、そのはずだけど」
「馬の足音? が聞こえる気がするんだが」
「…私には聞こえませんが」
「シズクは?」
「馬の足音が聞こえるかどうかだよな? …結構遠いと思うんだが聞こえる気がするな」
シズクの耳がぴくぴくと動き音を拾っている。
「もしかすると、匂いで追って来てるのかもな…めんどくせぇ」
中々しつこい奴らみたいだ。匂いか…何かでごまかして消して進むか、いったんどこかに飛んでまたさっきの町に戻ってから街道進むか…
「匂いを何とか出来る方法ないか?」
「匂いを完全に消すのは難しいと思うぞ?」
「そうですね…妖精に頼んで足止めも出来ないことはないですけど、匂いはすぐに消えないのでだめかもしれません」
となるとやっぱり一度テレポートで戻って街道からがいいだろう。
「ルー ここから本来の街道への距離は結構あったりするか? というか匂いが届くかどうかだが」
「ちょっと匂いはわかりませんけどまだ結構距離があるのでもしかしたら大丈夫かもしれないってくらいです」
「よしっ じゃあ馬車を止めてくれ」
「え? はいっ」
馬車を止めてもらいすぐにネコルーの馬具を外してもらう。ネコルーは箱庭に戻し、馬車はインベントリへ。
「2人とも飛ぶよ」
「は、はいっ」
「おう!」
そして俺たちはさっき出発した町の入り口近くにまで再び戻って来た。
「一度町に入って予定通り北から抜けよう」
「なるほど、そのほうがいいかもしれませんね」
「だな、さらに南側から回ったりするとそっちから追われちまうかもだしな」
町の入り口で通行するだけの手続きをして(これは無料だった)すぐに俺たちは町の北側へ抜けた。これでも追いかけてくるようだったら…どうしようかね。入手経路とか聞かれたって答えられないもんな。
「ルー」
「は、はい」
「こっちから出ても次の町へは向かえるか?」
「…街道からは外れますけれど問題ありませんよ」
「よし、じゃあすぐ町から出るぞ」
「なあ、どうやってここに…」
「後でな!」
納得できないという顔をしつつもとりあえず大人しく俺の後をついてシズクとルーは門から外へと出た。ここで許可証を返却しないといけないらしくすぐに取り出して返す。街道をハズレ人目につく憎くなったところで馬車をインベントリから取り出し、ネコルーを召喚。すぐにこの町を離れ出発した。
なるほど…街道を外れるというのはこういうことか。まず地面が安定していない、そして木々が多い。それにたまに大きな岩場にぶつかり迂回しなければいけなかったりする。これは念のために結界を張っておいた方がいいかもしれないな。
「で…そろそろ教えてくれるのか?」
「ん? ああさっきのやつか。あれは俺のスキルで行ったことがある場所にいけるんだよ」
「へー結構便利なスキルなんだな」
「そうでもないよ。さっきも言ったけど俺が行ったことがあるところだけだし、町にいたら町の中だけみたいな感じ。しかも魔力の消費が多い」
「ほ~~ん。緊急時用ってところか」
聞きたいことを聞けたのかシズクは中へと引っ込んでいった。すると今度はさっきまで前を向いていたルーがちらりとこちらを見ている。
「なんだ?」
「いえ…色んなスキル持っているんだな~と」
言われてみればそうだな。種類だけなら結構あるきがする。全然使いどころのわからないものも多いけど…
「あれ? なあルーここって街道じゃないから馬とか普通なら走らないところだよな」
「はい、そのはずだけど」
「馬の足音? が聞こえる気がするんだが」
「…私には聞こえませんが」
「シズクは?」
「馬の足音が聞こえるかどうかだよな? …結構遠いと思うんだが聞こえる気がするな」
シズクの耳がぴくぴくと動き音を拾っている。
「もしかすると、匂いで追って来てるのかもな…めんどくせぇ」
中々しつこい奴らみたいだ。匂いか…何かでごまかして消して進むか、いったんどこかに飛んでまたさっきの町に戻ってから街道進むか…
「匂いを何とか出来る方法ないか?」
「匂いを完全に消すのは難しいと思うぞ?」
「そうですね…妖精に頼んで足止めも出来ないことはないですけど、匂いはすぐに消えないのでだめかもしれません」
となるとやっぱり一度テレポートで戻って街道からがいいだろう。
「ルー ここから本来の街道への距離は結構あったりするか? というか匂いが届くかどうかだが」
「ちょっと匂いはわかりませんけどまだ結構距離があるのでもしかしたら大丈夫かもしれないってくらいです」
「よしっ じゃあ馬車を止めてくれ」
「え? はいっ」
馬車を止めてもらいすぐにネコルーの馬具を外してもらう。ネコルーは箱庭に戻し、馬車はインベントリへ。
「2人とも飛ぶよ」
「は、はいっ」
「おう!」
そして俺たちはさっき出発した町の入り口近くにまで再び戻って来た。
「一度町に入って予定通り北から抜けよう」
「なるほど、そのほうがいいかもしれませんね」
「だな、さらに南側から回ったりするとそっちから追われちまうかもだしな」
町の入り口で通行するだけの手続きをして(これは無料だった)すぐに俺たちは町の北側へ抜けた。これでも追いかけてくるようだったら…どうしようかね。入手経路とか聞かれたって答えられないもんな。
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