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マリジアナの町
186. 町の名前とラージビット
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無事北側の門から外へと抜けた俺たちは再び馬車を取り出し街道を進み始めた。ただネコルーを召喚した際短時間だったのにも関わらず、湖に到達し魚をくわえて現れたネコルーが巻き上げた水しぶきとともに召喚されたため、俺たちが水を被るというトラブルにあうという再スタートはよくなかったね。
「とりあえずまけたかな?」
「追っている感じはしないですね」
馭者台でルーとそんな話をしているとシズクが話に入ってきた。
「マリジアナのやつらはかなりしつこいからな、案外待ち伏せしてるかもしれないぞ?」
「マリジアナ?」
「ああ、さっきまでいた町の名前だ。ほぼ素通りだったし特に今後用もないなら忘れてもいい名前だと思うぞ?」
そういえば町の名前は港町のとこでも言ってなかったな。まあ理由もなく通行人が町の名前を言うわけもないか。ここが○○の町ですとか言うのはゲームの中だけだ。
「ちなみに次にいく町の名前は?」
「フランモネですよ」
「俺が住んでいる町だぞ。みんないい奴らだ」
ふーん…シズクの出身地か。いい奴らね~ いい奴の基準によるかな。シズクみたいなやつをいい奴って言うのなら確かにそうなのかもだけど、なんていうか思い込みが激しいというか、よく言えば素直なんだが…そのせいでもめ事が絶えないイメージがあるんだけど。
「まあ俺がいるし任せとけって。おすすめの宿とか、食事とかな」
「まあなんでもいいが」
「んじゃ俺が案内してやるからな」
宿はどうせ箱庭に入るなら何でもいいが、食事はまともに食べられるものであることを願う。
「リョータさん前方に魔物がいます。多分振り切れますけどどうします?」
そんなことを考えていたらルーが魔物を発見した。確かに街道脇に多分それほど大きくないが何かいるな。
「耳の長い魔物みたいだな」
「おっ 多分あれラージビットだ。肉がうまいんだよな~ どうせなら倒していこうぜ」
「…食べるの?」
「はぁ? 当り前だろう?? っていうかそこらで普通に売ってる肉だぞ」
言われてみれば家畜とか見たことがないかもしれん…つまり肉って基本魔物の肉を食べてたってことか…少しだけなんて言うか複雑な心境。うまく言えん。
「じゃあちょっと馬車を端に寄せて止めてくれ。仕留めてくるわ」
そういうとシズクは馬車を飛び降り走り出した。
「あ、おいっ」
まだ誰もいいなんて言っていないし馬車も速度落としてもないのになんてやつだ。走っている馬車を飛び降りるだなんて下手したら引かれるだろうが。
だけどその辺はルーが気を付けてくれたのか問題なくシズクはラージビットの方へと近づいていく。シズクが完全に射程にとらえる前にラージビットも反応しシズクの方へと飛び掛かる。そんなシズクの手にはいつの間にかきらりと光る刃物が。
「そういえばシズクが戦うところ初めて見るな」
「そうですね、私達の方もシズクさんの前で戦ったことはありませんけれども」
そう3人で移動を始めてから初戦闘ということだ。ジエルは基本箱庭の中にいるから数に含まない。
シズクとラージビットがぶつかる…かと思ったらどうやら多少位置が違ったみたいですれ違うようにお互いが走り抜けていった。瞬間軽く血しぶきが舞い、どちらかが傷ついたことを知らせる。
「おわりましたね」
ルーはもう結果がわかっていたみたいだ。次の瞬間ぱたりとラージビットが倒れた。強そうには見えなかったしよく出回っている肉だというから当たり前か。
「リョータさんここしわがよってますよ」
とんとんとルーは自分の眉の間を叩きながら俺に向かって言った。しかたないじゃん…やっぱりまだこういうのは慣れないんだから。
「とりあえずまけたかな?」
「追っている感じはしないですね」
馭者台でルーとそんな話をしているとシズクが話に入ってきた。
「マリジアナのやつらはかなりしつこいからな、案外待ち伏せしてるかもしれないぞ?」
「マリジアナ?」
「ああ、さっきまでいた町の名前だ。ほぼ素通りだったし特に今後用もないなら忘れてもいい名前だと思うぞ?」
そういえば町の名前は港町のとこでも言ってなかったな。まあ理由もなく通行人が町の名前を言うわけもないか。ここが○○の町ですとか言うのはゲームの中だけだ。
「ちなみに次にいく町の名前は?」
「フランモネですよ」
「俺が住んでいる町だぞ。みんないい奴らだ」
ふーん…シズクの出身地か。いい奴らね~ いい奴の基準によるかな。シズクみたいなやつをいい奴って言うのなら確かにそうなのかもだけど、なんていうか思い込みが激しいというか、よく言えば素直なんだが…そのせいでもめ事が絶えないイメージがあるんだけど。
「まあ俺がいるし任せとけって。おすすめの宿とか、食事とかな」
「まあなんでもいいが」
「んじゃ俺が案内してやるからな」
宿はどうせ箱庭に入るなら何でもいいが、食事はまともに食べられるものであることを願う。
「リョータさん前方に魔物がいます。多分振り切れますけどどうします?」
そんなことを考えていたらルーが魔物を発見した。確かに街道脇に多分それほど大きくないが何かいるな。
「耳の長い魔物みたいだな」
「おっ 多分あれラージビットだ。肉がうまいんだよな~ どうせなら倒していこうぜ」
「…食べるの?」
「はぁ? 当り前だろう?? っていうかそこらで普通に売ってる肉だぞ」
言われてみれば家畜とか見たことがないかもしれん…つまり肉って基本魔物の肉を食べてたってことか…少しだけなんて言うか複雑な心境。うまく言えん。
「じゃあちょっと馬車を端に寄せて止めてくれ。仕留めてくるわ」
そういうとシズクは馬車を飛び降り走り出した。
「あ、おいっ」
まだ誰もいいなんて言っていないし馬車も速度落としてもないのになんてやつだ。走っている馬車を飛び降りるだなんて下手したら引かれるだろうが。
だけどその辺はルーが気を付けてくれたのか問題なくシズクはラージビットの方へと近づいていく。シズクが完全に射程にとらえる前にラージビットも反応しシズクの方へと飛び掛かる。そんなシズクの手にはいつの間にかきらりと光る刃物が。
「そういえばシズクが戦うところ初めて見るな」
「そうですね、私達の方もシズクさんの前で戦ったことはありませんけれども」
そう3人で移動を始めてから初戦闘ということだ。ジエルは基本箱庭の中にいるから数に含まない。
シズクとラージビットがぶつかる…かと思ったらどうやら多少位置が違ったみたいですれ違うようにお互いが走り抜けていった。瞬間軽く血しぶきが舞い、どちらかが傷ついたことを知らせる。
「おわりましたね」
ルーはもう結果がわかっていたみたいだ。次の瞬間ぱたりとラージビットが倒れた。強そうには見えなかったしよく出回っている肉だというから当たり前か。
「リョータさんここしわがよってますよ」
とんとんとルーは自分の眉の間を叩きながら俺に向かって言った。しかたないじゃん…やっぱりまだこういうのは慣れないんだから。
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