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フランモネで仕事をする
192. 獣魔登録と東の草原へ
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案内された部屋は広くなくどちらかと言えば狭い。ローテーブルとソファーが2台あるだけの商談用の部屋って感じだ。まあアスはまだ全然小さいので問題はないのだが、これだどテーブルとかがじゃまで呼び出すスペースが少し足りない気がする。
「ちょっとテーブルとか寄せていいですか?」
「どうぞ」
「んじゃ俺がこっちもつわ」
シズクが手伝ってくれローテーブルとソファーを隅に寄せた。これで大丈夫かな。
「じゃあちゃんと他の人には言わないって約束でお願いしますよ?」
「はい、他の冒険者には公開いたしません」
その言葉を聞いて俺はアスを呼び出した。
「契約召喚アス」
目の前の足元に魔方陣が現れゆっくりとアスの姿が現れる。
「きゅっ?」
「よ…幼竜? 驚きました…なるほどカウンターの所で登録はできませんね」
「はいそうなんです」
「ではこちらの用紙の記入とお互いの魔力の登録をお願いします」
獣魔登録用の用紙に記入をし、ネコルーを登録したときと同じようにお互いの魔力をその用紙に注ぎ込む。紙が一瞬淡く光ると登録完了だ。
「はい、問題ありませんね」
よし、終わったね。じゃああとはアスを箱庭に戻して、オーク狩りだ。箱庭を使用し扉の中にアスを戻そうとするとその扉の向こうにジエルが待っていた。急にアスが消えたから理由がわかって連れに来たんだろう。ならアスはジエルに任せてお行けばいい。喧嘩とかしないで遊べるなら問題ないしな。
「そ、それは…?」
「まあ俺のスキルです」
「どんなスキルなんでしょう?」
「教える必要はねぇーぞ」
さっきまで登録が終わるのを黙って待っていたシズクが間に入ってきた。
「ギルドの仕事には一切関係ねぇーよな?」
「確かにそうですが…見たこともないスキルでしたので、出来たら教えていただきたく」
「用事は済んだんだ行こうぜリョータ」
「あっ」
職員さんを振り切るようにシズクは俺の手を掴み部屋を後にした。まあ俺だって言わなくていいなら言いたくないし、これはシズクに感謝だな。俺一人だったらどうやってごまかした説明にしようか迷うところだった。
「んじゃオーク狩りに行こうか。となると、東側の門からだな」
「へーそっちにオークは生息しているのか」
「ああ、他にもゴブリンもいるけどよ、こっちは報酬もうまくないしなんといっても肉が取れん」
ちょっと吹き出しそうになった。どんだけ肉がすきなんだよ。
「さあこっからは魔物が出てくるから警戒してくれよ?」
「わかっ…た?」
東の門から外に出たところで俺はさっきからずっとシズクと手を繋いだままでいることに気がついた。
「ん? ああわりぃ、すっかり忘れてたわ」
ぱっと手を放し何事もなかったようにシズクは歩き始める。俺はその放された手を見つめ、ちょっと混乱していた。いやさ…他から見たら小さな女の子に手を引かれている男ってどうよ? まあ俺も言うほど背が高いわけじゃなくどちらかというと低い方なんだが…あれか? むしろ妹に手を引かれ歩く兄的なほほえましい状況に見えていたのか? いやだけど獣人と人間だしそうは見えないはずで…だけど、耳とかがぱっとみ見えない獣人だっているわけだから───
「何してんだリョータ? おいてくぞっ」
「わるい」
うん…忘れよう。というか気にしたら負けな気がする。
ぽつぽつと木が生えている草原を進むシズクを追いかけた。あ、この草回収したら怒られるかな…? 後で帰る時にでも覚えていたらシズクに聞いてみよう。
「ちょっとテーブルとか寄せていいですか?」
「どうぞ」
「んじゃ俺がこっちもつわ」
シズクが手伝ってくれローテーブルとソファーを隅に寄せた。これで大丈夫かな。
「じゃあちゃんと他の人には言わないって約束でお願いしますよ?」
「はい、他の冒険者には公開いたしません」
その言葉を聞いて俺はアスを呼び出した。
「契約召喚アス」
目の前の足元に魔方陣が現れゆっくりとアスの姿が現れる。
「きゅっ?」
「よ…幼竜? 驚きました…なるほどカウンターの所で登録はできませんね」
「はいそうなんです」
「ではこちらの用紙の記入とお互いの魔力の登録をお願いします」
獣魔登録用の用紙に記入をし、ネコルーを登録したときと同じようにお互いの魔力をその用紙に注ぎ込む。紙が一瞬淡く光ると登録完了だ。
「はい、問題ありませんね」
よし、終わったね。じゃああとはアスを箱庭に戻して、オーク狩りだ。箱庭を使用し扉の中にアスを戻そうとするとその扉の向こうにジエルが待っていた。急にアスが消えたから理由がわかって連れに来たんだろう。ならアスはジエルに任せてお行けばいい。喧嘩とかしないで遊べるなら問題ないしな。
「そ、それは…?」
「まあ俺のスキルです」
「どんなスキルなんでしょう?」
「教える必要はねぇーぞ」
さっきまで登録が終わるのを黙って待っていたシズクが間に入ってきた。
「ギルドの仕事には一切関係ねぇーよな?」
「確かにそうですが…見たこともないスキルでしたので、出来たら教えていただきたく」
「用事は済んだんだ行こうぜリョータ」
「あっ」
職員さんを振り切るようにシズクは俺の手を掴み部屋を後にした。まあ俺だって言わなくていいなら言いたくないし、これはシズクに感謝だな。俺一人だったらどうやってごまかした説明にしようか迷うところだった。
「んじゃオーク狩りに行こうか。となると、東側の門からだな」
「へーそっちにオークは生息しているのか」
「ああ、他にもゴブリンもいるけどよ、こっちは報酬もうまくないしなんといっても肉が取れん」
ちょっと吹き出しそうになった。どんだけ肉がすきなんだよ。
「さあこっからは魔物が出てくるから警戒してくれよ?」
「わかっ…た?」
東の門から外に出たところで俺はさっきからずっとシズクと手を繋いだままでいることに気がついた。
「ん? ああわりぃ、すっかり忘れてたわ」
ぱっと手を放し何事もなかったようにシズクは歩き始める。俺はその放された手を見つめ、ちょっと混乱していた。いやさ…他から見たら小さな女の子に手を引かれている男ってどうよ? まあ俺も言うほど背が高いわけじゃなくどちらかというと低い方なんだが…あれか? むしろ妹に手を引かれ歩く兄的なほほえましい状況に見えていたのか? いやだけど獣人と人間だしそうは見えないはずで…だけど、耳とかがぱっとみ見えない獣人だっているわけだから───
「何してんだリョータ? おいてくぞっ」
「わるい」
うん…忘れよう。というか気にしたら負けな気がする。
ぽつぽつと木が生えている草原を進むシズクを追いかけた。あ、この草回収したら怒られるかな…? 後で帰る時にでも覚えていたらシズクに聞いてみよう。
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