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追われる
270. 羊アゲイン4
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くそ…っ 屋根から降り建物の影から門のところを覗いてみているんだが、早すぎないか? もう普通に通れなくなっていやがる。門をくぐるのに一人一人顔を確認している状態だ。ということは響子はもちろん俺の顔もしっかりとばれているってことだろう。さっきから男の顔ものぞかれているからな。
「りょーちゃん私戻りたくないよ?」
「わかってる」
だけどこのままだと俺たちは門を通ることが出来ない。そもそも御神木様を何とかしないとどうしようもない。他の植物を用意して馬車で運んでいるふりとかもやれないことはないが…それを誰がやるというんだ。顔が割れた俺と響子は無理だし、ダンジョンの地下49階にいることになっているたけと雪乃も無理だ。だからと言ってルーやジエルそれにシズクも異種族だからそれがばれる方がまずい。ヨルさんを呼び出すのも手だが、ヨルさんが一人で行動していることに不審に思われるかもしれないからな。ノノさん一人追加したところではどうにもできないだろう。
こうなってくるとあとはスキルと魔法で何とかするしかないよな…ステータスを確認するが使えそうな物が思いつかない。
「おや、リョータ様ではございませんか? なにをこそこそとしておいでなのでしょうか?」
「…誰だ?」
フードを被った怪しげな男に話しかけられた。というか近づいてきたのに全然気がつかなかったんだが何者だ? その男は辺りをキョロキョロと見回すとその場でテントを設置した。
「こんなところじゃあれですので中で話しませんか?」
「…お前はっ」
そんな言葉を吐きながら男はフードをずらし俺に顔を見せた。
テントの中は調理場だった。フードを外した男は楽しそうにお湯を沸かしお茶を用意している。
「りょーちゃんこの人? 信用していいの??」
「とりあえず俺たちを捕まえようとしているひとではないよ」
「なるほどこの騒ぎはあなたたちが原因でしたか」
「…なんでローレンスさんがこんなところに?」
お茶をテーブルに並べながらにこやかに笑うこの男は羊の執事、ローレンスさんだった。マリジアナの町長の下で執事として働いている男だ。以前マリジアナに向かうときにその町長の孫娘の乗る馬車に休憩場所を譲ったことがあり縁ができた。それとマリジアナから港町までそのお嬢様を連れて行ってくれという無茶なことも頼まれたりしたんだ。こっち…人族が多く住む土地にいるのはおかしいんだよね。
「ただの買い物ですが何か問題が?」
「買い物って…ああ、スキルでどっかと扉を繋げてあるのか」
「正解です」
たしかにそれならわからないでもないが、危険を伴う行動なんじゃないか?
「せっかくですのでお茶でも飲んで落ち着いてくださいませ」
「…じゃあ茶菓子は俺がだすよ」
俺はインベントリからショートケーキのカットされているものを3人分取り出した。
「これはこれは…中々芸術的なお菓子ですな」
まあそうだろうな。こっちでこうやって綺麗に飾った菓子は見たこともない。
「ぜひお嬢様にも食べさせてやりたいものですな」
「とりあえず今のままだと無理だな」
「ああそういえば追われていらっしゃるのでしたね…何か力になりましょうか?」
力にねぇ…どこまで話していいのかわからんのだよなこの人。
「そちら、御神木様ではないですか?」
「え…? ローレンスさん?? なんでそう思うの~?」
「響子落ち着けって」
いきなり御神木様だと言われ慌てて響子が立ち上がった。こんな中じゃ逃げることは出来ないんだ。ちゃんと話を聞いておかないと。
「御神木様は世界の守り神さまです。それがわからないわけがないでしょう。あー…人族はわからない人が多いのでしたな」
へ~御神木様ってわかるものなんだ? 確かに不思議な感じはするけどそれだけだよな。
「りょーちゃん私戻りたくないよ?」
「わかってる」
だけどこのままだと俺たちは門を通ることが出来ない。そもそも御神木様を何とかしないとどうしようもない。他の植物を用意して馬車で運んでいるふりとかもやれないことはないが…それを誰がやるというんだ。顔が割れた俺と響子は無理だし、ダンジョンの地下49階にいることになっているたけと雪乃も無理だ。だからと言ってルーやジエルそれにシズクも異種族だからそれがばれる方がまずい。ヨルさんを呼び出すのも手だが、ヨルさんが一人で行動していることに不審に思われるかもしれないからな。ノノさん一人追加したところではどうにもできないだろう。
こうなってくるとあとはスキルと魔法で何とかするしかないよな…ステータスを確認するが使えそうな物が思いつかない。
「おや、リョータ様ではございませんか? なにをこそこそとしておいでなのでしょうか?」
「…誰だ?」
フードを被った怪しげな男に話しかけられた。というか近づいてきたのに全然気がつかなかったんだが何者だ? その男は辺りをキョロキョロと見回すとその場でテントを設置した。
「こんなところじゃあれですので中で話しませんか?」
「…お前はっ」
そんな言葉を吐きながら男はフードをずらし俺に顔を見せた。
テントの中は調理場だった。フードを外した男は楽しそうにお湯を沸かしお茶を用意している。
「りょーちゃんこの人? 信用していいの??」
「とりあえず俺たちを捕まえようとしているひとではないよ」
「なるほどこの騒ぎはあなたたちが原因でしたか」
「…なんでローレンスさんがこんなところに?」
お茶をテーブルに並べながらにこやかに笑うこの男は羊の執事、ローレンスさんだった。マリジアナの町長の下で執事として働いている男だ。以前マリジアナに向かうときにその町長の孫娘の乗る馬車に休憩場所を譲ったことがあり縁ができた。それとマリジアナから港町までそのお嬢様を連れて行ってくれという無茶なことも頼まれたりしたんだ。こっち…人族が多く住む土地にいるのはおかしいんだよね。
「ただの買い物ですが何か問題が?」
「買い物って…ああ、スキルでどっかと扉を繋げてあるのか」
「正解です」
たしかにそれならわからないでもないが、危険を伴う行動なんじゃないか?
「せっかくですのでお茶でも飲んで落ち着いてくださいませ」
「…じゃあ茶菓子は俺がだすよ」
俺はインベントリからショートケーキのカットされているものを3人分取り出した。
「これはこれは…中々芸術的なお菓子ですな」
まあそうだろうな。こっちでこうやって綺麗に飾った菓子は見たこともない。
「ぜひお嬢様にも食べさせてやりたいものですな」
「とりあえず今のままだと無理だな」
「ああそういえば追われていらっしゃるのでしたね…何か力になりましょうか?」
力にねぇ…どこまで話していいのかわからんのだよなこの人。
「そちら、御神木様ではないですか?」
「え…? ローレンスさん?? なんでそう思うの~?」
「響子落ち着けって」
いきなり御神木様だと言われ慌てて響子が立ち上がった。こんな中じゃ逃げることは出来ないんだ。ちゃんと話を聞いておかないと。
「御神木様は世界の守り神さまです。それがわからないわけがないでしょう。あー…人族はわからない人が多いのでしたな」
へ~御神木様ってわかるものなんだ? 確かに不思議な感じはするけどそれだけだよな。
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