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33話 有能なセバスチャン
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5月から俺は王都にいる。屋敷は空き屋敷を、兄上に紹介してもらった商人の一人の伝手で手に入れた。
あとは店だよな。銀座4丁目のような場所に欲しいのだが、あるのだろうか?
なかった・・・3人の商人に聞いても時間が掛かるとしか言ってもらえなかった。
強権か?それしかないのか?恨みを買うのはまずいしなー。
平民街の一等地の、この300メートルほどの長さの道の両脇にはいかにもという店が並んでいる。
どの店ならつぶれそうか、金回りが悪そうかと考えながら見歩いていたので、疲れた。
いや、俺が何かしようという話ではない。ただ、内情が苦しいのなら、別の場所に店を構えるのも1つの策かなと思ってさ。今後の運転資金を得るなり、借金返済なりをして、心機一転やり直すのも良いのではないかと思う。
お茶でも飲んで気分転換をはかろう。通りに面しているテラス席は5月の風も相まって気持ちがいい。
ここは現代の日本ではないので、特等地といっても店でない建物も混じっている。地上げとかはないのですか?
現に目の前のかなりの広さを持つ建物は時代を感じさせ、趣がある。はっきりいってぼろい。日本でこんな場所にこんな建物があったら、あっというまにお買い上げで、いつのまにかブランド店が建っているぞ。俺が知っている老舗の店もどんどんビルに変わっている。
その建物から一人の男が出てきた。あの服は第3騎士団だな。そいつは顔見知りだったらしく、別のテーブルについている俺の護衛騎士に話しかけている。おい、いまは任務中なんだぞ。騎士服の人間に話しかけられたら迷惑だろう。でも16,7歳のそいつは若さゆえか、そこまで気が回らないらしい。
「いつ王都に戻ってこられたのですか。お会いできて嬉しいです」
相手の渋い顔に気が付かないのかよ、お会いしたくなかったという顔をしているだろう。
それでも返事をする先輩騎士、偉い!
「元気だったか」
「はい、でもせっかく騎士になったのに、いまだこの宿舎から出られません」
「いまはここの宿舎にいるのか、不便だろう」
「えぇ、ここからだと騎士団の演習場までは少し距離がありますから。でもあちらは今いっぱいなのです。
団長が結婚を推奨するくらいには」
「それは、便利なんだから誰も出て行かないだろう」
「そうなんですよ、向こうは徒歩3分ですから」
ちょっと待て、今聞き捨てならないことを。
俺は護衛騎士を見やる。意味が通じたかな?そして彼はうなずく。
彼は立ち上がると、その騎士の肩をがっしと掴んだ。
「騎士団の宿舎の見学に行こう」
「はっ?いまさらですか?」
このペイペイの騎士は、立ち上がって出て行く俺とオリバー、その後を追いかける護衛騎士をみて、きょろきょろしている。ゴードンは支払いを頼む。
「早くしろよ」
護衛騎士がすばやく命令する。これが正しい護衛の姿だ、君も見習うといいと思うよ。
ぼろい建物のぼろい門扉はさびてぎしぎしとした音をたてて開いた。
彼は俺のことが分からないのだろう、不審そうな顔をしながらも先輩騎士の後をついてくる。
表はそれ程ではないが、裏庭は広かった。自主練習のために用意されたのだろう。
「いまは、あまり使われていないのです。訓練所から戻るとへとへとになって、そんな体力は残っていません」
ごもっとも、騎士団は脳筋の集まりだからな。
「ここも建て直すとの話が何回も出ているのですが・・・」
「あぁ、私のときにもあったな」
それって10年は経っている?王家はお金がないのか?
内部に入ると、昭和の香りのするドア(ベニヤ板の脳筋が蹴飛ばしたら破れそうなやつね)に廊下。ぎしぎしいって踏み抜きそうで怖いぞ。
「ここはあまり予算が掛けられていないようだが・・・」
「はい、一時、貴族の子弟の入団希望者が(これは次男、三男、四男・・・etc)急に増えた時に、急いで建てられたものです。その後も希望者が減るのは騎士団でしごかれた後で、入団希望自体は減らないので、そのまま使用しております。騎士になる人数はさほど変わらないので、今は従騎士たちの宿舎になっています」
そして、後ろにいる後輩を見やる。
「この男も騎士になりましたので、本来なら移ることが出来るのですが、結婚して王宮の宿舎を出て行くものがいなかったようで。たまにはこういった計算違いも出てきます」
「それではここに店を建てよう。敷地が広いから宿舎の建て直しも出来る。よかったな」
「それは従騎士たちが喜ぶことでしょう。出来たら部屋にクローゼットもつけていただくと嬉しく思います」
「君は後輩思いだね、構わないとも、他にも希望があったら言って欲しい。
君の子弟も使うかもしれないからね」
ここでさらっと自身の希望を差し込む彼は大人だ。そこで口を開けている後輩君。君も立派な大人になれると良いね。
兄上を通じて、無事土地の一部を譲ってもらえた。代価は騎士宿舎の立替だ。宿舎の外側は俺が魔法で作り、見かけはレンガ造りの立派な建物となった。
店は元の錆びた鉄柵に鉄を足して、美しい唐草模様のものにした。石畳が10メートル、そのところどころには木と花を植え、テラスとも前庭ともつかない空間でその先には店が2軒並び、片方は貴族仕様、もう1つは市民に入りやすい仕様とすることにした。売るものは変わらないのだが、同じ空間にいるとお互いにやりにくいだろう?
騎士宿舎の方は急がないので、騎士団のなじみの業者に内装をお願いした。集会室大1小2、居間、食堂、風呂場なども作ってある。ただし、維持費がかかるので、どこまで使われるか分からない。とにかく出来上がれば、三階建ての立派なレンガ造りの宿舎になる予定だ。
苦労したのは店の方だ。まず、何様式で作るかだ。俺はヨーロッパに滞在した時期が長いので、あれこれの建物を知っているのだが、どれもこれもめちゃくちゃ手間がかかる。魔法でなんとかなんてならない。一度ネットでヨーロッパの建築物を見てみるといい、壁1つとっても手が込んでいて、やりたくない。ロココなんぞは発狂しそうなレベルだ。魔法には大雑把と言う言葉がよく似合う。
俺はしぶしぶ兄上に手紙を書いた。職人に頼むと時間がかかるのでどうしようという手紙だ。(注文してから手作りのこの世界では半年は出来上がりにかかると思う)
そしてセバスチャンが俺の元に来た。
さて、ここで何故俺が忙しい身で店を出そうと思ったか話そう。
本来ならば石鹸行脚をもう少し続けるつもりだったのだが、石鹸がめちゃくちゃ儲かることに途中で気が付いたのだ。
ビッグビジネスの前に躊躇はしていられない。幸運の神の前髪を掴まなくては。
そのためには王都に常駐店が必要だし、提携する商人たちを増やし、その統制、連絡の為の本部も必要だ。「2度と石鹸を作りたくない」そんな言葉は大金の前では吹っ飛ぶのさ。君も1億円を前にして5ヶ月のデスマーチを断る勇気があるだろうか、俺にはなかった。
王家の経営がどうなっているかはわからないが、おれ自身に金はなさそうだ。ここで稼いでおかなくては。こっちは百億になんなんとする金がかかっている。
それに・・・フィーゲル侯爵は俺と婚約したあとの5年間は国内外に、その前には国内に石鹸を販売している。この5年+αでこの金額×5年+α分を稼いだと思うと背筋がぞっとする。傭兵なんぞ、何万でも雇い放題だ。王家の国軍はたったの1万。もちろん農民兵を徴収するが、いまのままでは、負ける公算が大だ。
そんなわけでセバスチャンだ。俺は不覚にも彼の顔を見ただけで涙を零してしまった。
セバスチャンは俺にハンカチを差し出した。でも俺だってそのくらい持っているぞ。俺はそっぽを向いて自分のハンカチで涙を拭いた。
セバスチャンの顔を見ると・・・お前いま笑ったな、無表情でも俺には分かる・・・絶対笑っている。
あれ?俺は何を言っているんだ?初めて会った人に?
なんだか王子が喜んでいる?・・・まあ、いいや。今はやることがある。
庶民向けの店は出来ている。レンガ造りのお店だ。そこに細長い窓がいくつも並びおしゃれな感じに仕上げてある。窓にはタッセルで纏めたカーテンをかけ、中は見えるようで見えなくしてある。壁と天井は木目の美しいものを鏡板にして使っており、床板は色違いで市松模様となっている。貴族らしさはないが、作ろうと思えば金の掛かる気遣いにあふれた一品に仕上がっていると思う。商談用の部屋も3つあり、家具も板目の見える素朴な作りながらも細かいところまで手を入れて磨き上げた、それなりのものとなっている。
えへん、ここまでなら魔法でもできる。7日で作った力作だ。
セバスチャンにここを見せて、俺の魔法の限界を教えた。
彼は王宮の在庫表?を持ってきていた。言い方が悪かったか・・・そうだな、飽きたり、改装で部屋に合わなくなったりとした家具や装飾品、シャンデリアを仕舞ってある、多分2度とは使わない高価なゴミ捨て場の物品だ。
そこから庶民の店に合う照明をピックアップして、あとはすり合わせをした。
その中に王都の屋敷があったのには驚いた。是非にと彼が勧めるので、見に行き、その一部を移築することにした。形さえあればこっちのものだ。リフレッシュさせたり、補強したり、塗り替えは魔法でOKさ。
こうして7日で貴族用の店も出来た。
彼は店員も連れてきてくれた。俺の宮のメイドさんと従僕だ。感謝、感謝。
「元に戻られて宜しゅうございました。
今のジルベスター様は3歳のときのお姿を彷彿とさせます。
報告いたしましたら、皆様どれほど喜ばれることでしょう」
「どうかご自愛くださいませ」
最後にそういってセバスチャンは去っていった。助かったけどさ、俺はなんで3歳、3歳と言われなければならないんだ。ORZしそうだよ。3歳の時の王子はそんなに賢かったのかよ、天才だったのかよ、俺はぐれたい・・・・・
あとは店だよな。銀座4丁目のような場所に欲しいのだが、あるのだろうか?
なかった・・・3人の商人に聞いても時間が掛かるとしか言ってもらえなかった。
強権か?それしかないのか?恨みを買うのはまずいしなー。
平民街の一等地の、この300メートルほどの長さの道の両脇にはいかにもという店が並んでいる。
どの店ならつぶれそうか、金回りが悪そうかと考えながら見歩いていたので、疲れた。
いや、俺が何かしようという話ではない。ただ、内情が苦しいのなら、別の場所に店を構えるのも1つの策かなと思ってさ。今後の運転資金を得るなり、借金返済なりをして、心機一転やり直すのも良いのではないかと思う。
お茶でも飲んで気分転換をはかろう。通りに面しているテラス席は5月の風も相まって気持ちがいい。
ここは現代の日本ではないので、特等地といっても店でない建物も混じっている。地上げとかはないのですか?
現に目の前のかなりの広さを持つ建物は時代を感じさせ、趣がある。はっきりいってぼろい。日本でこんな場所にこんな建物があったら、あっというまにお買い上げで、いつのまにかブランド店が建っているぞ。俺が知っている老舗の店もどんどんビルに変わっている。
その建物から一人の男が出てきた。あの服は第3騎士団だな。そいつは顔見知りだったらしく、別のテーブルについている俺の護衛騎士に話しかけている。おい、いまは任務中なんだぞ。騎士服の人間に話しかけられたら迷惑だろう。でも16,7歳のそいつは若さゆえか、そこまで気が回らないらしい。
「いつ王都に戻ってこられたのですか。お会いできて嬉しいです」
相手の渋い顔に気が付かないのかよ、お会いしたくなかったという顔をしているだろう。
それでも返事をする先輩騎士、偉い!
「元気だったか」
「はい、でもせっかく騎士になったのに、いまだこの宿舎から出られません」
「いまはここの宿舎にいるのか、不便だろう」
「えぇ、ここからだと騎士団の演習場までは少し距離がありますから。でもあちらは今いっぱいなのです。
団長が結婚を推奨するくらいには」
「それは、便利なんだから誰も出て行かないだろう」
「そうなんですよ、向こうは徒歩3分ですから」
ちょっと待て、今聞き捨てならないことを。
俺は護衛騎士を見やる。意味が通じたかな?そして彼はうなずく。
彼は立ち上がると、その騎士の肩をがっしと掴んだ。
「騎士団の宿舎の見学に行こう」
「はっ?いまさらですか?」
このペイペイの騎士は、立ち上がって出て行く俺とオリバー、その後を追いかける護衛騎士をみて、きょろきょろしている。ゴードンは支払いを頼む。
「早くしろよ」
護衛騎士がすばやく命令する。これが正しい護衛の姿だ、君も見習うといいと思うよ。
ぼろい建物のぼろい門扉はさびてぎしぎしとした音をたてて開いた。
彼は俺のことが分からないのだろう、不審そうな顔をしながらも先輩騎士の後をついてくる。
表はそれ程ではないが、裏庭は広かった。自主練習のために用意されたのだろう。
「いまは、あまり使われていないのです。訓練所から戻るとへとへとになって、そんな体力は残っていません」
ごもっとも、騎士団は脳筋の集まりだからな。
「ここも建て直すとの話が何回も出ているのですが・・・」
「あぁ、私のときにもあったな」
それって10年は経っている?王家はお金がないのか?
内部に入ると、昭和の香りのするドア(ベニヤ板の脳筋が蹴飛ばしたら破れそうなやつね)に廊下。ぎしぎしいって踏み抜きそうで怖いぞ。
「ここはあまり予算が掛けられていないようだが・・・」
「はい、一時、貴族の子弟の入団希望者が(これは次男、三男、四男・・・etc)急に増えた時に、急いで建てられたものです。その後も希望者が減るのは騎士団でしごかれた後で、入団希望自体は減らないので、そのまま使用しております。騎士になる人数はさほど変わらないので、今は従騎士たちの宿舎になっています」
そして、後ろにいる後輩を見やる。
「この男も騎士になりましたので、本来なら移ることが出来るのですが、結婚して王宮の宿舎を出て行くものがいなかったようで。たまにはこういった計算違いも出てきます」
「それではここに店を建てよう。敷地が広いから宿舎の建て直しも出来る。よかったな」
「それは従騎士たちが喜ぶことでしょう。出来たら部屋にクローゼットもつけていただくと嬉しく思います」
「君は後輩思いだね、構わないとも、他にも希望があったら言って欲しい。
君の子弟も使うかもしれないからね」
ここでさらっと自身の希望を差し込む彼は大人だ。そこで口を開けている後輩君。君も立派な大人になれると良いね。
兄上を通じて、無事土地の一部を譲ってもらえた。代価は騎士宿舎の立替だ。宿舎の外側は俺が魔法で作り、見かけはレンガ造りの立派な建物となった。
店は元の錆びた鉄柵に鉄を足して、美しい唐草模様のものにした。石畳が10メートル、そのところどころには木と花を植え、テラスとも前庭ともつかない空間でその先には店が2軒並び、片方は貴族仕様、もう1つは市民に入りやすい仕様とすることにした。売るものは変わらないのだが、同じ空間にいるとお互いにやりにくいだろう?
騎士宿舎の方は急がないので、騎士団のなじみの業者に内装をお願いした。集会室大1小2、居間、食堂、風呂場なども作ってある。ただし、維持費がかかるので、どこまで使われるか分からない。とにかく出来上がれば、三階建ての立派なレンガ造りの宿舎になる予定だ。
苦労したのは店の方だ。まず、何様式で作るかだ。俺はヨーロッパに滞在した時期が長いので、あれこれの建物を知っているのだが、どれもこれもめちゃくちゃ手間がかかる。魔法でなんとかなんてならない。一度ネットでヨーロッパの建築物を見てみるといい、壁1つとっても手が込んでいて、やりたくない。ロココなんぞは発狂しそうなレベルだ。魔法には大雑把と言う言葉がよく似合う。
俺はしぶしぶ兄上に手紙を書いた。職人に頼むと時間がかかるのでどうしようという手紙だ。(注文してから手作りのこの世界では半年は出来上がりにかかると思う)
そしてセバスチャンが俺の元に来た。
さて、ここで何故俺が忙しい身で店を出そうと思ったか話そう。
本来ならば石鹸行脚をもう少し続けるつもりだったのだが、石鹸がめちゃくちゃ儲かることに途中で気が付いたのだ。
ビッグビジネスの前に躊躇はしていられない。幸運の神の前髪を掴まなくては。
そのためには王都に常駐店が必要だし、提携する商人たちを増やし、その統制、連絡の為の本部も必要だ。「2度と石鹸を作りたくない」そんな言葉は大金の前では吹っ飛ぶのさ。君も1億円を前にして5ヶ月のデスマーチを断る勇気があるだろうか、俺にはなかった。
王家の経営がどうなっているかはわからないが、おれ自身に金はなさそうだ。ここで稼いでおかなくては。こっちは百億になんなんとする金がかかっている。
それに・・・フィーゲル侯爵は俺と婚約したあとの5年間は国内外に、その前には国内に石鹸を販売している。この5年+αでこの金額×5年+α分を稼いだと思うと背筋がぞっとする。傭兵なんぞ、何万でも雇い放題だ。王家の国軍はたったの1万。もちろん農民兵を徴収するが、いまのままでは、負ける公算が大だ。
そんなわけでセバスチャンだ。俺は不覚にも彼の顔を見ただけで涙を零してしまった。
セバスチャンは俺にハンカチを差し出した。でも俺だってそのくらい持っているぞ。俺はそっぽを向いて自分のハンカチで涙を拭いた。
セバスチャンの顔を見ると・・・お前いま笑ったな、無表情でも俺には分かる・・・絶対笑っている。
あれ?俺は何を言っているんだ?初めて会った人に?
なんだか王子が喜んでいる?・・・まあ、いいや。今はやることがある。
庶民向けの店は出来ている。レンガ造りのお店だ。そこに細長い窓がいくつも並びおしゃれな感じに仕上げてある。窓にはタッセルで纏めたカーテンをかけ、中は見えるようで見えなくしてある。壁と天井は木目の美しいものを鏡板にして使っており、床板は色違いで市松模様となっている。貴族らしさはないが、作ろうと思えば金の掛かる気遣いにあふれた一品に仕上がっていると思う。商談用の部屋も3つあり、家具も板目の見える素朴な作りながらも細かいところまで手を入れて磨き上げた、それなりのものとなっている。
えへん、ここまでなら魔法でもできる。7日で作った力作だ。
セバスチャンにここを見せて、俺の魔法の限界を教えた。
彼は王宮の在庫表?を持ってきていた。言い方が悪かったか・・・そうだな、飽きたり、改装で部屋に合わなくなったりとした家具や装飾品、シャンデリアを仕舞ってある、多分2度とは使わない高価なゴミ捨て場の物品だ。
そこから庶民の店に合う照明をピックアップして、あとはすり合わせをした。
その中に王都の屋敷があったのには驚いた。是非にと彼が勧めるので、見に行き、その一部を移築することにした。形さえあればこっちのものだ。リフレッシュさせたり、補強したり、塗り替えは魔法でOKさ。
こうして7日で貴族用の店も出来た。
彼は店員も連れてきてくれた。俺の宮のメイドさんと従僕だ。感謝、感謝。
「元に戻られて宜しゅうございました。
今のジルベスター様は3歳のときのお姿を彷彿とさせます。
報告いたしましたら、皆様どれほど喜ばれることでしょう」
「どうかご自愛くださいませ」
最後にそういってセバスチャンは去っていった。助かったけどさ、俺はなんで3歳、3歳と言われなければならないんだ。ORZしそうだよ。3歳の時の王子はそんなに賢かったのかよ、天才だったのかよ、俺はぐれたい・・・・・
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