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48話 さようなら悪役令嬢 1
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俺は北の塔の前に止めた馬車の中にいた。
そこへドアが開き、兵士に押し込められるようにしてセリーヌ侯爵令嬢が入ってきた。
「君、借りるね」
俺は兵士の腰からナイフを鞘ごとはずすと、逆らえないように笑顔でにこりと笑う。
「出発する。ドアを閉めて」
俺の命令に兵士が慌ててドアを閉める。ばたんと音をたてて閉まるドアを横目に俺はナイフを手のひらの上でもてあそぶ。
「さて、話をしようか、セリーヌ嬢」
髪はぼさぼさ、ドレスはしわくちゃな彼女は、反射的にむっとした顔をする。
「なにをいまさら・・・」
「今だから話そうと思ってね。貴女の命がかかっているのだから」
「・・・・・」
「まずは、そうだね。ノーフォーク農業のことをどうやって知ったのか・・・教えてくれるよね」
さて、どのように持っていけば彼女は余計なことを言わなくなるだろう。
「わ、わたくしは・・・あなたが知らないようなことを沢山知っているのよ。
あなたの態度しだいでは、教えてもいいわ」
彼女はそれで自分が命を奪われなかったと考えたのか。
「特に教わりたいとは思わないけれど、たとえば・・・」
「そ、それは貴方の条件しだいよ」
「だめだね、交渉の仕方がなっていない。言わないということは知らないと言っていることと同じだよ」
「そんなことないわ!」
「じゃあ、言ってみて」
俺は優しげに笑って見せた。彼女は少し落ち着いたようだ。
「たとえば自動車とか・・・あっ、自転車も、それから、それから・・・」
「焦らなくていいですよ、それではまず、じど・しゃ?ですか。どうやって作るんですか」
「自動車よ。とっても速いのよ、こんな馬車より」
「それで何で動くんですか?馬ではないですよね」
「ガソリンよ・・・あっ・・・」
彼女は手で口を塞ごうとして、後ろでに縛られているのを思い出したようだった。
「どうされたんですか?」
「ないのよ、ここには・・・。それにいつまでわたくしを縛っているつもり!」
「私がいいと思うまででしょうか。それに大体分かりました。どこで手に入れたかわかりませんが、貴方の知識は随分と不完全なようだ」
「そんなこと・・・」
「そう、それでは侯爵領にいたときに、どうして作らせなかったのですか」
「だって、この世界では無理なのよ。スマホもパソコンも・・・一杯知っているのに!」
「それでは貴女が知っているのは農法と石鹸の作り方だけですか」
「だって紙はもうあったし、千歯扱きも・・・」
ぶつぶつと言うと、彼女は俺のことをきつい目つきで睨みつけた。
「だからなんなのよ、それだけで皆おなか一杯食べられて幸せだと言っていたわ」
「それで近隣の領の農民たちが大勢餓死していても?」
セリーヌ嬢の肩がびくっとする、これは知っているな。
「君はそれを知っていたんだね」
「だって夜会に出ていれば噂話ぐらい耳に入るわ。
それにお父様には言ったのよ。周りの領にもノーフォーク農法を教えたいって。
でも、政治に女が関わるな、はしたないって」
彼女は悔しそうに俯いた。
「女の癖にって、なんなのよ!わたくしが教えたのに。自分のもののようにして!
学校を作ってやったからいいだろうって!学校をつくるのは領主として当たり前じゃない。それを偉そうに!」
「当たり前ではないんだよ、セリーヌ嬢」
「そんなの知っているわよ!でもわたくしのいたところでは、当たり前だったのだから!」
セリーヌは私の顔をじっと見た。
「それにおかしいわ、貴方はなんで男爵令嬢と一緒にいないのよ。あれだけ夢中だったでしょう」
「過去のことを言われても困ります」
「それに、それに・・・」
彼女は言いつのる。
「石鹸も貴方が売っていると聞いたわ。何で知っているのよ。貴方も転生者なの?
大体そこからおかしくなって、皆がわたくしの言うことを聞いてくれなくなったんだわ。
だからマコーニック様もあんな女に誑かされて・・・わたくしのことを一生愛してくれると言ったのに・・・」
「石鹸はボルダ領で発見した人がいたのですよ。私が王領に行ったときに知り合いました。
あんなことの後ですからね、のんびりと南の海のそばで過ごそうと思ったのです」
「そんなのおかしいわ!」
「何故ですか、貴女だけしか発明できないわけでもないでしょう」
「それは・・・そうだけれども。
それに王太子は疫病か、ナイフで刺されて死ぬはずだったのに・・・そうしたら第3王子は王になってわたくしは王妃として幸せに暮らすはずだったのに!」
俺はぎょっとした。
「どういうことでしょう」
彼女はきっ!と俺を睨む。
「決まっていたのよ、ここは乙女ゲームの世界だもの!」
そして破れかぶれになったように話し出す。
「・・・・・・・・あのね、私には前世の記憶があるの。
貴方が信じても、信じなくてもいいわ。わたくしの元いた世界ではゲーム、絵本のようなものね、それがあったのよ。ここはその世界なの。
そのゲームでは貴方たちが男爵令嬢に夢中になって・・・婚約者を断罪するの。だから、わたくしは・・・それを知っていたから準備して反撃したのよ。
上手くいったと思ったのに・・・そのあと第3王子と婚約できたのに・・・あの浮気者!(残念、彼がどうにかされる前に女神はあぽ~んされてしまいました)
それで王太子は貴方を探しに下町にいくの、それで疫病にかかってしまうのよ。
それか・・・愛妾にナイフで刺されて死ぬか、どっちにしろいなくなって、第3王子が王位を継ぐのよ」
「王太子の死に方が二通りあるのは何故ですか」
「そんなの決まっているじゃない、ルートによって違うのよ。
だから第一部では貴方が王位に付く可能性もあったのよ。わたくしは第2部のヒロインだもの」
「第1部とか第2部とは?」
「そんなの売れ行きがよかったから、第2部が出たに決まってるじゃない。
わたしはあのゲームをコンプリートしたのに、何でおかしくなったのよ!」
う~ん、ゲームの世界ね。ありえないこともないが・・・。
あの神がすべてが終ったら説明してくれそうな気もするが・・・こんなところでいいかな。
話を進めよう。
そこへドアが開き、兵士に押し込められるようにしてセリーヌ侯爵令嬢が入ってきた。
「君、借りるね」
俺は兵士の腰からナイフを鞘ごとはずすと、逆らえないように笑顔でにこりと笑う。
「出発する。ドアを閉めて」
俺の命令に兵士が慌ててドアを閉める。ばたんと音をたてて閉まるドアを横目に俺はナイフを手のひらの上でもてあそぶ。
「さて、話をしようか、セリーヌ嬢」
髪はぼさぼさ、ドレスはしわくちゃな彼女は、反射的にむっとした顔をする。
「なにをいまさら・・・」
「今だから話そうと思ってね。貴女の命がかかっているのだから」
「・・・・・」
「まずは、そうだね。ノーフォーク農業のことをどうやって知ったのか・・・教えてくれるよね」
さて、どのように持っていけば彼女は余計なことを言わなくなるだろう。
「わ、わたくしは・・・あなたが知らないようなことを沢山知っているのよ。
あなたの態度しだいでは、教えてもいいわ」
彼女はそれで自分が命を奪われなかったと考えたのか。
「特に教わりたいとは思わないけれど、たとえば・・・」
「そ、それは貴方の条件しだいよ」
「だめだね、交渉の仕方がなっていない。言わないということは知らないと言っていることと同じだよ」
「そんなことないわ!」
「じゃあ、言ってみて」
俺は優しげに笑って見せた。彼女は少し落ち着いたようだ。
「たとえば自動車とか・・・あっ、自転車も、それから、それから・・・」
「焦らなくていいですよ、それではまず、じど・しゃ?ですか。どうやって作るんですか」
「自動車よ。とっても速いのよ、こんな馬車より」
「それで何で動くんですか?馬ではないですよね」
「ガソリンよ・・・あっ・・・」
彼女は手で口を塞ごうとして、後ろでに縛られているのを思い出したようだった。
「どうされたんですか?」
「ないのよ、ここには・・・。それにいつまでわたくしを縛っているつもり!」
「私がいいと思うまででしょうか。それに大体分かりました。どこで手に入れたかわかりませんが、貴方の知識は随分と不完全なようだ」
「そんなこと・・・」
「そう、それでは侯爵領にいたときに、どうして作らせなかったのですか」
「だって、この世界では無理なのよ。スマホもパソコンも・・・一杯知っているのに!」
「それでは貴女が知っているのは農法と石鹸の作り方だけですか」
「だって紙はもうあったし、千歯扱きも・・・」
ぶつぶつと言うと、彼女は俺のことをきつい目つきで睨みつけた。
「だからなんなのよ、それだけで皆おなか一杯食べられて幸せだと言っていたわ」
「それで近隣の領の農民たちが大勢餓死していても?」
セリーヌ嬢の肩がびくっとする、これは知っているな。
「君はそれを知っていたんだね」
「だって夜会に出ていれば噂話ぐらい耳に入るわ。
それにお父様には言ったのよ。周りの領にもノーフォーク農法を教えたいって。
でも、政治に女が関わるな、はしたないって」
彼女は悔しそうに俯いた。
「女の癖にって、なんなのよ!わたくしが教えたのに。自分のもののようにして!
学校を作ってやったからいいだろうって!学校をつくるのは領主として当たり前じゃない。それを偉そうに!」
「当たり前ではないんだよ、セリーヌ嬢」
「そんなの知っているわよ!でもわたくしのいたところでは、当たり前だったのだから!」
セリーヌは私の顔をじっと見た。
「それにおかしいわ、貴方はなんで男爵令嬢と一緒にいないのよ。あれだけ夢中だったでしょう」
「過去のことを言われても困ります」
「それに、それに・・・」
彼女は言いつのる。
「石鹸も貴方が売っていると聞いたわ。何で知っているのよ。貴方も転生者なの?
大体そこからおかしくなって、皆がわたくしの言うことを聞いてくれなくなったんだわ。
だからマコーニック様もあんな女に誑かされて・・・わたくしのことを一生愛してくれると言ったのに・・・」
「石鹸はボルダ領で発見した人がいたのですよ。私が王領に行ったときに知り合いました。
あんなことの後ですからね、のんびりと南の海のそばで過ごそうと思ったのです」
「そんなのおかしいわ!」
「何故ですか、貴女だけしか発明できないわけでもないでしょう」
「それは・・・そうだけれども。
それに王太子は疫病か、ナイフで刺されて死ぬはずだったのに・・・そうしたら第3王子は王になってわたくしは王妃として幸せに暮らすはずだったのに!」
俺はぎょっとした。
「どういうことでしょう」
彼女はきっ!と俺を睨む。
「決まっていたのよ、ここは乙女ゲームの世界だもの!」
そして破れかぶれになったように話し出す。
「・・・・・・・・あのね、私には前世の記憶があるの。
貴方が信じても、信じなくてもいいわ。わたくしの元いた世界ではゲーム、絵本のようなものね、それがあったのよ。ここはその世界なの。
そのゲームでは貴方たちが男爵令嬢に夢中になって・・・婚約者を断罪するの。だから、わたくしは・・・それを知っていたから準備して反撃したのよ。
上手くいったと思ったのに・・・そのあと第3王子と婚約できたのに・・・あの浮気者!(残念、彼がどうにかされる前に女神はあぽ~んされてしまいました)
それで王太子は貴方を探しに下町にいくの、それで疫病にかかってしまうのよ。
それか・・・愛妾にナイフで刺されて死ぬか、どっちにしろいなくなって、第3王子が王位を継ぐのよ」
「王太子の死に方が二通りあるのは何故ですか」
「そんなの決まっているじゃない、ルートによって違うのよ。
だから第一部では貴方が王位に付く可能性もあったのよ。わたくしは第2部のヒロインだもの」
「第1部とか第2部とは?」
「そんなの売れ行きがよかったから、第2部が出たに決まってるじゃない。
わたしはあのゲームをコンプリートしたのに、何でおかしくなったのよ!」
う~ん、ゲームの世界ね。ありえないこともないが・・・。
あの神がすべてが終ったら説明してくれそうな気もするが・・・こんなところでいいかな。
話を進めよう。
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