ざまあ~が終ったその後で BY王子 (俺たちの戦いはこれからだ)

mizumori

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ベアトリーチェ 

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「ねえ、ベアトリーチェ、ジルが大きくなっていてね、ハグしたら私と背が3センチぐらいしか変わらないんです。
もっと小さい時の姿を堪能したかったですね」

  王太子殿下が嬉しそうにお話しなさいます。
この間、久しぶりにお会いになったとかで、毎日その話をされます。

 「とても美しくなられたと聞き及んでおりますが」

  彼がうなずく。

 「そう、前は幼い感じがして、美しくも可愛らしかったのだけれど、今は立派な青年ですね。黙っていれば神々しいほどに美しくて、私はジルほど美しい青年を見たことがありません」

  この方が美しいとおっしゃるのはどれほどのものなのでしょう。

 「でもね、それは大したことではないのです。
あのいまいましい2年間は人形のように微笑んでいて、美しくとも魅力的ではなかったのだけれども、今は違います。

  ジルが私の弟に戻ってくれたことが大事なんです。
 私たちを見て笑うと、とても幸せな気持ちになれて何でもしてあげたくなります。
 兄上と言うときにうれしそうにするのもいいです。私といるのが楽しいと体中で語っているようで、3歳の時のジルにそっくりです」

  殿下曰く4年ぶりの再会だそうです。あの悪夢のような2年間の第2王子は呪いをかけられたようなもので王子であっても王子ではなかったと殿下が言われました。わたくしはたまに出る夜会でなければ王子にお目にかかれる機会などないので年齢もあいまって、あの2年間以外の王子をほとんど存じません。

 「他の人にはあのように笑わないから、私だけの特別ですね」

  昔は第2王子は殿下をとても慕っておられたそうで、その話は散々聞かされたのですが、元に戻られた王子に会われて、その当時を彷彿させるお姿に喜びが隠せないようです。
いえ、ここまで嬉しそうな殿下を見たのは初めてです。でも3歳のころ、3歳のころといわれていますが、3歳のころを思い起こさせる美貌の青年の姿が想像できません。わたくしは間違っておりませんわよね?

でもせっかくご気分がよろしいようなので、余計なことは申しません。頷いておきます。

 「わたくしも一度でいいから遠くからでも拝見させていただきたいものですわ」

 「夜会の時に紹介してあげよう」

 「わたくしなぞを紹介しても宜しいのでしょうか」

  殿下は微笑んで、

 「私の弟です、そのような心配はいりません。あの子も喜んでくれるはずです」

  そういえば、第2王子のことしか弟とこの方は言われません。他の3人は弟ではないのでしょう。わたくしも自分の経験を鑑みて、頷きます。それにしてもたった一人の弟と離れ離れで、随分と寂しい思いをされたのだと思います。わたくしも嬉しそうな殿下を見て、楽しくなりました。

 「夜会が楽しみですわね。きっと令嬢方に囲まれて、華やかにお過ごしになられることでしょう」

 「ふふ、楽しみにしているといいですよ」


  
  実際に夜会でお会いした王子は白金の髪に紫にグレーの混じった薄い色の瞳をされ、神々しいほどに美しい方でした。そして殿下に紹介されたわたくしをみて、微笑み、

 「兄上もこのように綺麗な方を隠されていたのですか」

  と言われると、わたくしが殿下の側にあるのを喜んでくださっているようで、認められたと胸がいっぱいになりました。

  
 「月の神のように美しい方ですわね」

  あの後はついつい王子の話題になってしまいます。印象的な方ですから。殿下も弟君の話をするのが楽しいのか付き合ってくださいます。

 「でも、令嬢方がああも押し寄せては、王子がお気の毒ですわ」

 「あの目つきは少し淑女らしくないですね」

  えぇ、肉食獣の目つきです。

 「失礼ですけれど第3王子がお気の毒な状況になっていますわ、いい気味だと申し上げてはいけませんか」

  仕方がないのです、2人を較べると第3王子はちょっと顔のいい青年にしか見えません。
 殿下が頷いて笑っていらっしゃいます。そして、その殿下をわたくしが日の神のようだと思っていることは内緒です。
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