ざまあ~が終ったその後で BY王子 (俺たちの戦いはこれからだ)

mizumori

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公爵令嬢の夜会  

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 噂の第2王子が夜会に出席したのはシーズンが始まって何ヶ月か過ぎた5月の初めでした。
わたくしのドレスも3着、美しく仕上がっていました。お父様は無理だと言われたのですが、わたくしはがんばりました。王妃様がお召しになられていたあのダンスをすると美しく広がるドレスも予約が多くて大変でしたけれど、なんとか一着手に入れることができました。

  すべてピンクの美しいドレスです。わたくしはピンクが一番似合うので、わたくしを一番美しく見せるものを用意いたしましたの。だって勝負には武器が必要でしょう。お父様がぶつぶつ言われていたのですけれど、王子の婚約者になれば、何も問題はなくなるので、ご心配なさらなくても大丈夫ですわ。安心してお任せくださいませ。

  
  広間のひな壇の上に現れた王子は白金の髪にパープルグレーの瞳をした、信じられないほど美しい方でした。女性は勿論のこと男性も息を呑む美しさで、2年前にお見かけした時より柔らかな雰囲気に、わたくしはあの方に甘い声で名を呼んでいただけたらどんなに素敵だろうと、思わず胸を押さえてしまいました。わたくしは公爵家ですから前のほうにおり、王子をよく拝見できました。そしてすぐに挨拶の順番もまいりました。

  ここで印象付けなければ。いつもより優雅に見えるように挨拶をいたしました。彼はお父様と少し話しをして、わたくしには笑いかけただけですが、笑うと先ほどの神々しい雰囲気は失せ、高貴で美しい人だとの印象だけが残りました。

  あの男爵令嬢といたときには、美しくとも冷たい雰囲気が非人間的で、幾ら美しくともこの人には近寄りたくないと思わせたのですが、今は違います。

  あのあと決められた令嬢たちとダンスをされ、男の方たちの中に入られた王子は会場の隅でお話をされているばかりでした。大勢の令嬢が見守っていたのですが、みなさん、さぞ、がっかりなさったことでしょう。

  ダンスが出来なかったわたくしは、お父様の力のなさに、わかってはいてもため息を尽きたい思いでした。
でもご挨拶の時にわたくしをしっかりご覧になっておられた王子の視線は感じておりました。
 女はそういうことには鋭いのです。

  今回は多少の収穫があったのでこれでよいことにいたしますわ。


  そのあとフィーゲル侯爵嫡男のアントニオ様に誘われて踊りました。彼はわたくしの美しさに、いつも感歎の声をあげて、何かと付きまとってきますが、婚約者がいるそうだし、侯爵家のあととりなので婿にはきていただけません。それに・・・はっきりいって顔がいまいちなのです。妹は好みはあれど美しい顔をしています。彼は不細工とはいいませんが、普通なのです。それはこの王宮では不細工と変わりがありません。わたくしの子供が彼に似て普通の顔になるかもしれないなんて許せることではありません。それで、前は贈り物はいただいても相手にしていなかったのですが・・・そうですね、わたくしも王子の美しさに少し気おされてしまったのでしょうか・・・2番手の・・・取り巻きとして、お付き合いしても構わないかもしれません。妥協すると決心したことですし。それに彼には汲めども尽きぬ財産があります。まずはドレスを何着か贈っていただきましょうか。  
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