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第壱部-Ⅳ:しあわせの魔法
31.小栗(おぐり) 魔力暴走
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魔力暴走、と聞いて血の気が引いた。
日向様が魔力暴走を起こした、すぐ来いと、離宮の使いに呼ばれて駆けつける間、最悪の事態ばかりを考えた。
通されたのは、いつもの日向様の部屋ではなく、元の場所からずいぶんと離れた別の部屋。
途中に見かけた部屋は、両隣を破壊し、がれきと化していた。
これでは助からないと思った。
ベッドに横たわる小さな体を見たときも、あまりの青白さに、間に合わなかったのだと愕然とした。
「しっかりしてください、ご無事です」
晴海さんに叱責され触れた体は、確かに温かく鼓動を打つ。
あれほどの被害を招きながら、日向様の体は傷一つなく、一時的に魔力が枯れ、意識を手放しただけだった。
―――信仰心のなかった私が、初めて、神に感謝した。
「痕跡は、日向様の魔力だけですね。風と水の魔法のように見受けられます。他者の介入や媒介の跡もありません。お一人で術を使った事故かと、」
燵彩(たちいろ)と名乗った年配の術者がいう。
ここしばらくの日向様は玉(ぎょく)や操り箱(くりばこ)といった媒介を用いた魔力制御に取り組んでいた。
その成果は一目瞭然。三日前の診察の際に見た日向様は、一週間前とは比べ物にならないほど、精錬された魔力をまとっていた。
早すぎる成長に、正直恐怖すら覚えた。あまりに早すぎる。
「湯あみのあと髪を乾かす際に、きれい、とおっしゃっておりました。風と水の魔法です。」
…ああ、宇継(うつぎ)さん、お気の毒に。
いつも表情の変わらない彼女が、真っ青になっている…。
責任を感じるのはわかりますが、単独の事故では…どうしようもなかったと思いますよ…。
慰めたいが、私も脱力して体が動かない。申し訳ありません、宇継さん。
「ちょうど興味がわいてくる時期だったのでしょう。我々ももっと配慮すべきでした。今後の対策は、練らねばならないとしても、あなたが責任を感じる必要はありません。ご無事だったことが大事です。――小栗さん、命に別状はないのですね?」
晴海さんの粛々とした態度は、私たちを落ち着けてくれる。
絶望と感謝のジェットコースターで、魂が抜けたような気分だったところを、引き戻された。
さすが離宮の「草」の主は、格が違いますね。
彼女の空気に飲まれるように、私も医師の顔を取り戻すことができた。
「ええ、問題ありません。ただ、魔力の回復には時間がかかりますから、枯渇症状がお辛いでしょう。おそらく初めての体験だと思われます。」
そうだ。命に別状はなくとも、これからが一番つらい。
魔力回復薬は、ある。
だが、色の定まっていない日向様には使えない。猛毒だ。
吐き気やめまいを抑える薬は使えても、魔力そのものを取り戻す薬は、日向様には使えないのだ。
魔力の譲渡もまず無理だろう。日向様の未熟でいて精錬された独特な魔力と波長が合う者はまずいない。いたとして、完全に枯渇した状態では、急性中毒に陥る危険が強かった。
とにかく、寝て、食べて、安静にして、ゆっくりと取り戻すしかない。
「……隠れ家は、無事でしょうか。落ち着いて眠れる場所が必要です。」
「上部は半壊してますが、隠れ家はかろうじて残っておりました。今早急に直させています。」
「できるだけ、元の状態を維持してください。」
「ええ、もちろん。」
安心できる場所は、きちんとお守りします。
毅然という晴海さんに、私も背筋が伸びた。
……この方、こんなに格好いいのに、やっていることは「日向様を全力で甘やかす」なのが面白いんですよね。怒られそうなので言いませんけど、晴海さんって、大好きですよね、日向様のこと。
日向様が目覚めたのは、事故の翌日の昼頃だった。
やはり症状が重く、何をしてもすぐに吐いてしまう。初めての体験への恐怖か、他に何か恐ろしいことがあったのか、体を震わせて、声を上げるでもなく泣き続ける姿が、あまりにつらかった。
「隠れ家に帰してやりたい、かまわないか」
真っ青な顔をした紫鷹(しおう)殿下が尋ねるのには、うなずいた。
殿下は、大切な宝物を扱うように大事に大事に抱え、新しい部屋に急ごしらえした隠れ家へと、日向様を連れて行った。
移動中に日向様が吐いて殿下の服を汚しても、「いいよ」「大丈夫だよ」と笑う。
ぎゅっと何かを我慢して扉を閉めた後も、殿下は、しばらく日向様のいる扉の向こうを見つめておられた。今も、隠れ家の前へ椅子を寄せて、ずっと寄り添っている。
この方は、変わったなあ。
以前は恐ろしく近寄りがたかった。
話しかけることも話しかけられることも、考えられなかった。
日向様が来たばかりの頃はまだ、仮面をかぶった畏怖の存在であった。――それが今は、日向様へ向ける甘い顔と、周囲が燃え尽きそうなほどの嫉妬の顔ばかり見る。
殿下も、日向様のこと、大好きですよね。
ちょっと重すぎてヘンな方向に行かないか不安ですけど。
あと思春期の暴走が心配です。襲っちゃだめですよ。
せめて日向様が理解して意思を示せるようになるまで我慢してください。相談には乗ります。
「小栗さん、日向様がお水もお食事もとれなくて心配で、」
「ジュースなら飲みやすいかしら、」
「重湯ならどうでしょう、」
「私たちにできることは…」
ああ、水蛟(みずち)さん、青空(そら)さん、唯理音(ゆりね)さん、宇継さん。
あなた方は、いるだけで日向様が安心できるのだから、そうやって心配してあげればいいんです。
動けるようになったとき、あなた方が元気な姿を見せないと、きっと寂しがって泣いてしまいますよ。
皆さん、本当に日向様がお好きで、何よりです。
殿下の暴走を止めるお役目も、ご苦労様です。
「小栗さん、頼みましたよ」
はい、妃殿下。
妃殿下の私への信頼が、一番の原動力です。
国中の尊敬を集める殿下が、この私を信頼し任せてくださる。その信頼に私は誠心誠意応えようと誓っております。
妃殿下も、日向様のことお好きでしょう?私も日向様が好きなんですよ。
だから妃殿下が私を主治医にしてくださったこと、本当に感謝しております。
今はむしろ、お疲れの見える妃殿下が心配です。
妃殿下が元気でないと、この離宮は混乱していしまいますから、殿下こそ、ご自愛くださいね。
がれきの山になった部屋の中で、晴海さんと藤夜様、燵彩さん、灯草(ひぐさ)さんが話し込んでいる。
魔力制御については、彼らを信頼しましょう。
日向様を大好きなあなたたちなら、一生懸命考えてくださるでしょう。
今日は離宮に人が多い。
いつもは影となり草となって、静かに見守る人々も、日向様を心配して、集まっていますよ。
日向様。
みんな貴方を待っておりますから。
お辛いでしょうけど、頑張りましょうね。
早く元気になることを、みんな待っていますから。
1日も早く、お元気に……
日向様が魔力暴走を起こした、すぐ来いと、離宮の使いに呼ばれて駆けつける間、最悪の事態ばかりを考えた。
通されたのは、いつもの日向様の部屋ではなく、元の場所からずいぶんと離れた別の部屋。
途中に見かけた部屋は、両隣を破壊し、がれきと化していた。
これでは助からないと思った。
ベッドに横たわる小さな体を見たときも、あまりの青白さに、間に合わなかったのだと愕然とした。
「しっかりしてください、ご無事です」
晴海さんに叱責され触れた体は、確かに温かく鼓動を打つ。
あれほどの被害を招きながら、日向様の体は傷一つなく、一時的に魔力が枯れ、意識を手放しただけだった。
―――信仰心のなかった私が、初めて、神に感謝した。
「痕跡は、日向様の魔力だけですね。風と水の魔法のように見受けられます。他者の介入や媒介の跡もありません。お一人で術を使った事故かと、」
燵彩(たちいろ)と名乗った年配の術者がいう。
ここしばらくの日向様は玉(ぎょく)や操り箱(くりばこ)といった媒介を用いた魔力制御に取り組んでいた。
その成果は一目瞭然。三日前の診察の際に見た日向様は、一週間前とは比べ物にならないほど、精錬された魔力をまとっていた。
早すぎる成長に、正直恐怖すら覚えた。あまりに早すぎる。
「湯あみのあと髪を乾かす際に、きれい、とおっしゃっておりました。風と水の魔法です。」
…ああ、宇継(うつぎ)さん、お気の毒に。
いつも表情の変わらない彼女が、真っ青になっている…。
責任を感じるのはわかりますが、単独の事故では…どうしようもなかったと思いますよ…。
慰めたいが、私も脱力して体が動かない。申し訳ありません、宇継さん。
「ちょうど興味がわいてくる時期だったのでしょう。我々ももっと配慮すべきでした。今後の対策は、練らねばならないとしても、あなたが責任を感じる必要はありません。ご無事だったことが大事です。――小栗さん、命に別状はないのですね?」
晴海さんの粛々とした態度は、私たちを落ち着けてくれる。
絶望と感謝のジェットコースターで、魂が抜けたような気分だったところを、引き戻された。
さすが離宮の「草」の主は、格が違いますね。
彼女の空気に飲まれるように、私も医師の顔を取り戻すことができた。
「ええ、問題ありません。ただ、魔力の回復には時間がかかりますから、枯渇症状がお辛いでしょう。おそらく初めての体験だと思われます。」
そうだ。命に別状はなくとも、これからが一番つらい。
魔力回復薬は、ある。
だが、色の定まっていない日向様には使えない。猛毒だ。
吐き気やめまいを抑える薬は使えても、魔力そのものを取り戻す薬は、日向様には使えないのだ。
魔力の譲渡もまず無理だろう。日向様の未熟でいて精錬された独特な魔力と波長が合う者はまずいない。いたとして、完全に枯渇した状態では、急性中毒に陥る危険が強かった。
とにかく、寝て、食べて、安静にして、ゆっくりと取り戻すしかない。
「……隠れ家は、無事でしょうか。落ち着いて眠れる場所が必要です。」
「上部は半壊してますが、隠れ家はかろうじて残っておりました。今早急に直させています。」
「できるだけ、元の状態を維持してください。」
「ええ、もちろん。」
安心できる場所は、きちんとお守りします。
毅然という晴海さんに、私も背筋が伸びた。
……この方、こんなに格好いいのに、やっていることは「日向様を全力で甘やかす」なのが面白いんですよね。怒られそうなので言いませんけど、晴海さんって、大好きですよね、日向様のこと。
日向様が目覚めたのは、事故の翌日の昼頃だった。
やはり症状が重く、何をしてもすぐに吐いてしまう。初めての体験への恐怖か、他に何か恐ろしいことがあったのか、体を震わせて、声を上げるでもなく泣き続ける姿が、あまりにつらかった。
「隠れ家に帰してやりたい、かまわないか」
真っ青な顔をした紫鷹(しおう)殿下が尋ねるのには、うなずいた。
殿下は、大切な宝物を扱うように大事に大事に抱え、新しい部屋に急ごしらえした隠れ家へと、日向様を連れて行った。
移動中に日向様が吐いて殿下の服を汚しても、「いいよ」「大丈夫だよ」と笑う。
ぎゅっと何かを我慢して扉を閉めた後も、殿下は、しばらく日向様のいる扉の向こうを見つめておられた。今も、隠れ家の前へ椅子を寄せて、ずっと寄り添っている。
この方は、変わったなあ。
以前は恐ろしく近寄りがたかった。
話しかけることも話しかけられることも、考えられなかった。
日向様が来たばかりの頃はまだ、仮面をかぶった畏怖の存在であった。――それが今は、日向様へ向ける甘い顔と、周囲が燃え尽きそうなほどの嫉妬の顔ばかり見る。
殿下も、日向様のこと、大好きですよね。
ちょっと重すぎてヘンな方向に行かないか不安ですけど。
あと思春期の暴走が心配です。襲っちゃだめですよ。
せめて日向様が理解して意思を示せるようになるまで我慢してください。相談には乗ります。
「小栗さん、日向様がお水もお食事もとれなくて心配で、」
「ジュースなら飲みやすいかしら、」
「重湯ならどうでしょう、」
「私たちにできることは…」
ああ、水蛟(みずち)さん、青空(そら)さん、唯理音(ゆりね)さん、宇継さん。
あなた方は、いるだけで日向様が安心できるのだから、そうやって心配してあげればいいんです。
動けるようになったとき、あなた方が元気な姿を見せないと、きっと寂しがって泣いてしまいますよ。
皆さん、本当に日向様がお好きで、何よりです。
殿下の暴走を止めるお役目も、ご苦労様です。
「小栗さん、頼みましたよ」
はい、妃殿下。
妃殿下の私への信頼が、一番の原動力です。
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妃殿下も、日向様のことお好きでしょう?私も日向様が好きなんですよ。
だから妃殿下が私を主治医にしてくださったこと、本当に感謝しております。
今はむしろ、お疲れの見える妃殿下が心配です。
妃殿下が元気でないと、この離宮は混乱していしまいますから、殿下こそ、ご自愛くださいね。
がれきの山になった部屋の中で、晴海さんと藤夜様、燵彩さん、灯草(ひぐさ)さんが話し込んでいる。
魔力制御については、彼らを信頼しましょう。
日向様を大好きなあなたたちなら、一生懸命考えてくださるでしょう。
今日は離宮に人が多い。
いつもは影となり草となって、静かに見守る人々も、日向様を心配して、集まっていますよ。
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