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承の星々
守りたいもの
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グルミウム王女の処刑が執行されてから数ヶ月。
バスター協会は増大した邪竜の把握や、ポエニーキス帝国の行動監視に追われる毎日を送っていた。
グルミウムの領土を足掛かりに、更なる進行を図るのではと危惧されたポエニーキスだったが、王女が亡くなった直後、グルミウムを巨大な竜巻が覆い隠し、進入不可侵となったおかげで、その心配は不要となった。
そこを住処とする邪竜が現れるのではと唱える者がいたが、今のところそのような情報も動向もない。
そもそも、破壊衝動しか持たない邪竜が、どこかに住処を持つのか疑問だと、フォーマルハウトは話を聞いた当時ぼんやりと思った。
まあ、ただの学生である僕がどうこう言う話じゃないんだけど……。
「……はぁ」
いろんな感情が入り混じったため息をつきながら、鉛筆を走らせていた手を止める。
あの日以降、仕官学校を何日か無断欠席した為に、来年の仕官受験資格を失ってからは、絵ばかり描いている。
それなのに、養父も義兄も何も言ってこないのがまた心苦しかった。
何をやっているんだろう。僕は……。
「……はぁ」
「溜め息ばっかついてると、幸せが逃げてくぞー。少年」
突然、頭上から男の声が降ってきた。
驚いて見上げると、見知らぬ男の顔がそこにあった。
隣いいか?と男はこちらが許可を出す前に、勝手に横に座り込み、手に持っていた、すぐ近くにある甘味所の名物、団喜を頬張る。
改めてまじまじと見るが、中年と呼ぶには若い顔立ちだ。
どこの国ともとれない―敢えて例えるなら、御伽噺に出てくるジパングか―異様な出で立ちからは、出身国すら掴みにくいが、ほんの少しの赤が見える所からして、おそらく火の帝国。
誰だろう、この人。義兄さんと同じ年くらいかな?
ふと視線を落とすと、彼が左手に所持していた刀袋が目に入る。
袋口を縛っている紐の先に、バスターが所持する紋章手形が括りつけられている。
この人、バスターなんだ。
「お前、最近ずっとここにあるよな?」
「え?」
何で知ってるんだろう?
「俺、あそこの常連なんだわ。ここ一週間くらい、ずーっと何か描いてるよな?」
竹串を手にしたまま、男は付近の甘味所を指で示す。
「ああ……」
ここは、エルタニンの国境付近にある休憩所。
一日あれば回れる狭い国の中で、家と協会からもっとも離れた位置にあるので、知人に会いたくない時によく来る場所だ。
「で、何描いてんだ?」
「あ、ちょっと」
口をもごもごさせたまま、男は乱暴にスケッチブックを自分の方へと引き寄せる。
そこにあるのは、黒一色で描かれた処刑台と、顔のない一人の少女。
それを見た男は、あからさまに引いた口調で言う。
「うわぁ……。お前、趣味悪いな。いろんな色持ってるのに、黒だけだし」
「……」
フォーマルハウトは何も言わず、ぐい、とスケッチブックを引き戻し、抱きかかえる。
あの日から随分日が経つというのに、あの光景がいつまでも頭の片隅に残っている。
しかし防衛本能だろうか。
少女の燃えるような瞳以外は、すっかり忘れてしまっていた。
だから、スケッチブックに描かれる少女の顔は、いつも黒く塗り潰されている。
「それ、グルミウムの王女だろ?」
「え?」
新しい団喜を頬張り、口をもごもごさせる男を思わず凝視する。
「あなたも、あれを見ていたんですか?」
「うんにゃ。けど、最近あった処刑つったら、王女のしかないからな」
「そうですか……」
少しの落胆と共に、絵を見つめる。
知らない人故か、フォーマルハウトは自然と、これまで抱え込んできた悩みをぽつりと呟く。
「フラーム皇帝は、どうしてあんな事を行なったんでしょうか。もう、帝国の勝利は決まっていたのに」
「さあなー。もし皇帝が、あのまま他の国も襲う気だったんなら、良い士気上げだったんじゃね?」
「人の命が、そんな理由で簡単に奪われてもいいのでしょうか?」
「戦争のきっかけなんて、そんなもんだろ」
こっちは真剣に悩んでいるのに、男の返答は何とも軽い。
「……あなたにとっても、命はそんなものなんですね」
「あ?」
ぴた、と団喜を口に運ぼうとしていた男の手が止まるが、フォーマルハウトはそれに気付かない。
「僕は、争い事が嫌いです。国取りだか何だか知らないけど、何も出来ない、あんな小さな子まで殺すなんて、どうかしてます。人殺しなんて、最低な人間のやること……」
「おい」
ぐい、と乱暴に胸元を掴まれた。
自然と目が合った男の瞳は、押し殺した怒りに燃えている。
「黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって。確かにあの事件は横暴だったかもしれねえ。俺だってあれは胸糞悪い。けどな。人を殺してるからって、何も好きでやってるヤツなんていねーんだよ。
みんな理由があって、守るもんがあって戦ってんだ。それを、最低の人間がやる事だ?てめえの価値だけで全部決めつけてんじゃねえ」
「守る、もの……」
―お前に、守りたいものは無いのか?
ふいに駆け巡る、養父の言葉。
「……それは、誰かを傷付けたり、殺したりしてまでするほど、大切なものなんでしょうか」
「それは人それぞれだろ。戦うったって、斬った張ったが全てじゃないんだし。けどま、そうでもしないと守れないから、最終的には武器を取っちまうんだろうけど」
手を離しながら言う男の口調は、先ほどのように軽かったが、芯があった。
「あなたは、何を守る為に戦っているんですか?」
「俺?」
ん~と唸りながらお茶をすする。
「最初は自分の為だったな。俺、ガキん頃に国を追われててさ。そんで、生きてく為にとりあえずバスターになった。けど今は、想いを守る為っつーか、救う為に戦ってるな」
「想いを、守る?」
「バスターの仕事は邪竜の討伐。けど邪竜だって元々は人。お前が嫌う、『人殺し』を生業にしてるわけだ」
「あ……すみません」
最低だな。僕は。
そこまで言われてようやく、自分がどれだけ酷い事を口走ったのか気付いた。
「いいさ。別にそんな風に考えた事ねーし。邪竜ってさ、別になりたくてなるもんじゃないだろ?自分で終わらせる事も出来ない。だから俺は、その苦しみから解放する手助けをしてるつもりだ」
苦しみからの解放……。そんな風に考えた事、一度もない。
「てかさ、俺の事より、お前はどうなんだよ?そんなぐだぐだな気持ち抱えといて、何で仕官なんか目指してんだ?」
何故それを?と疑問に思ったが、自分が今身に着けているのは、仕官学校の制服。
バスターなら、何度か目にしていても不思議ではない。
「何でって……」
聞かれても、どう答えていいのか困ってしまう。
自分を引き取ってくれた養父の為?義兄に恥を掻かせない為?
いずれにせよ、どれも自分の為ではない。
「僕は別に、仕官になりたくて目指してるわけじゃないんです。だからあなたみたいに、守りたいものなんて無いですし……。出来る事なら、このまま平和に暮らしたいんです」
「ふーん。ならすれば良いんじゃん?」
「はい?」
さっきからこの人は、唐突に何を言い出すんだろう?
「平和に暮らしたいってのが、お前の守りたいものなら、守ってみろよ。仕官ならうってつけだろ」
「簡単に言いますけど、仕官になるには、他の生徒と戦わなくてはいけないんですよ?」
やっぱり、何も分かっていない。
落胆混じりに目を落とすと、男はなお明るく答えた。
「戦うったって、別に相手が死ぬまでやりあうわけじゃないだろ?頭使えば、傷付けることなく勝つ事だって出来るさ」
「例えば?」
「それは自分で考えろ。俺は頭悪いから、そういうのは苦手だ」
「……」
自分から言い出しておきながら、何の解決にもなっていない。
けれど、
傷付ける事なく、戦う方法……。
「見つかる、でしょうか?」
「本気になって探せば何とかなるもんさ。そこはお前の頑張り次第だよ。ま、人生長いんだし、気楽に行こうぜ!」
ばし、と背中を強めに叩き、男は笑いながら立ち上がる。
「ほんじゃ、そろそろ行くわ。邪魔したな。仕官になったら、教えろよ~」
「あ、はい」
背中の痛みに顔をしかめながら答える。
この人のおかげで、戦いについての考え方が、少し変われそうな気がする。
もうちょっと、頑張ってみよう。……あ。
「あ、あの!」
すでに歩き始めている男に慌てて声をかける。
「僕、フォーマルハウトって言います。バスターさん、あなたのお名前は?」
尋ねると、男はにっ、と笑い返した。
「ベナトシュだ。よろしくな、フォー」
バスター協会は増大した邪竜の把握や、ポエニーキス帝国の行動監視に追われる毎日を送っていた。
グルミウムの領土を足掛かりに、更なる進行を図るのではと危惧されたポエニーキスだったが、王女が亡くなった直後、グルミウムを巨大な竜巻が覆い隠し、進入不可侵となったおかげで、その心配は不要となった。
そこを住処とする邪竜が現れるのではと唱える者がいたが、今のところそのような情報も動向もない。
そもそも、破壊衝動しか持たない邪竜が、どこかに住処を持つのか疑問だと、フォーマルハウトは話を聞いた当時ぼんやりと思った。
まあ、ただの学生である僕がどうこう言う話じゃないんだけど……。
「……はぁ」
いろんな感情が入り混じったため息をつきながら、鉛筆を走らせていた手を止める。
あの日以降、仕官学校を何日か無断欠席した為に、来年の仕官受験資格を失ってからは、絵ばかり描いている。
それなのに、養父も義兄も何も言ってこないのがまた心苦しかった。
何をやっているんだろう。僕は……。
「……はぁ」
「溜め息ばっかついてると、幸せが逃げてくぞー。少年」
突然、頭上から男の声が降ってきた。
驚いて見上げると、見知らぬ男の顔がそこにあった。
隣いいか?と男はこちらが許可を出す前に、勝手に横に座り込み、手に持っていた、すぐ近くにある甘味所の名物、団喜を頬張る。
改めてまじまじと見るが、中年と呼ぶには若い顔立ちだ。
どこの国ともとれない―敢えて例えるなら、御伽噺に出てくるジパングか―異様な出で立ちからは、出身国すら掴みにくいが、ほんの少しの赤が見える所からして、おそらく火の帝国。
誰だろう、この人。義兄さんと同じ年くらいかな?
ふと視線を落とすと、彼が左手に所持していた刀袋が目に入る。
袋口を縛っている紐の先に、バスターが所持する紋章手形が括りつけられている。
この人、バスターなんだ。
「お前、最近ずっとここにあるよな?」
「え?」
何で知ってるんだろう?
「俺、あそこの常連なんだわ。ここ一週間くらい、ずーっと何か描いてるよな?」
竹串を手にしたまま、男は付近の甘味所を指で示す。
「ああ……」
ここは、エルタニンの国境付近にある休憩所。
一日あれば回れる狭い国の中で、家と協会からもっとも離れた位置にあるので、知人に会いたくない時によく来る場所だ。
「で、何描いてんだ?」
「あ、ちょっと」
口をもごもごさせたまま、男は乱暴にスケッチブックを自分の方へと引き寄せる。
そこにあるのは、黒一色で描かれた処刑台と、顔のない一人の少女。
それを見た男は、あからさまに引いた口調で言う。
「うわぁ……。お前、趣味悪いな。いろんな色持ってるのに、黒だけだし」
「……」
フォーマルハウトは何も言わず、ぐい、とスケッチブックを引き戻し、抱きかかえる。
あの日から随分日が経つというのに、あの光景がいつまでも頭の片隅に残っている。
しかし防衛本能だろうか。
少女の燃えるような瞳以外は、すっかり忘れてしまっていた。
だから、スケッチブックに描かれる少女の顔は、いつも黒く塗り潰されている。
「それ、グルミウムの王女だろ?」
「え?」
新しい団喜を頬張り、口をもごもごさせる男を思わず凝視する。
「あなたも、あれを見ていたんですか?」
「うんにゃ。けど、最近あった処刑つったら、王女のしかないからな」
「そうですか……」
少しの落胆と共に、絵を見つめる。
知らない人故か、フォーマルハウトは自然と、これまで抱え込んできた悩みをぽつりと呟く。
「フラーム皇帝は、どうしてあんな事を行なったんでしょうか。もう、帝国の勝利は決まっていたのに」
「さあなー。もし皇帝が、あのまま他の国も襲う気だったんなら、良い士気上げだったんじゃね?」
「人の命が、そんな理由で簡単に奪われてもいいのでしょうか?」
「戦争のきっかけなんて、そんなもんだろ」
こっちは真剣に悩んでいるのに、男の返答は何とも軽い。
「……あなたにとっても、命はそんなものなんですね」
「あ?」
ぴた、と団喜を口に運ぼうとしていた男の手が止まるが、フォーマルハウトはそれに気付かない。
「僕は、争い事が嫌いです。国取りだか何だか知らないけど、何も出来ない、あんな小さな子まで殺すなんて、どうかしてます。人殺しなんて、最低な人間のやること……」
「おい」
ぐい、と乱暴に胸元を掴まれた。
自然と目が合った男の瞳は、押し殺した怒りに燃えている。
「黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって。確かにあの事件は横暴だったかもしれねえ。俺だってあれは胸糞悪い。けどな。人を殺してるからって、何も好きでやってるヤツなんていねーんだよ。
みんな理由があって、守るもんがあって戦ってんだ。それを、最低の人間がやる事だ?てめえの価値だけで全部決めつけてんじゃねえ」
「守る、もの……」
―お前に、守りたいものは無いのか?
ふいに駆け巡る、養父の言葉。
「……それは、誰かを傷付けたり、殺したりしてまでするほど、大切なものなんでしょうか」
「それは人それぞれだろ。戦うったって、斬った張ったが全てじゃないんだし。けどま、そうでもしないと守れないから、最終的には武器を取っちまうんだろうけど」
手を離しながら言う男の口調は、先ほどのように軽かったが、芯があった。
「あなたは、何を守る為に戦っているんですか?」
「俺?」
ん~と唸りながらお茶をすする。
「最初は自分の為だったな。俺、ガキん頃に国を追われててさ。そんで、生きてく為にとりあえずバスターになった。けど今は、想いを守る為っつーか、救う為に戦ってるな」
「想いを、守る?」
「バスターの仕事は邪竜の討伐。けど邪竜だって元々は人。お前が嫌う、『人殺し』を生業にしてるわけだ」
「あ……すみません」
最低だな。僕は。
そこまで言われてようやく、自分がどれだけ酷い事を口走ったのか気付いた。
「いいさ。別にそんな風に考えた事ねーし。邪竜ってさ、別になりたくてなるもんじゃないだろ?自分で終わらせる事も出来ない。だから俺は、その苦しみから解放する手助けをしてるつもりだ」
苦しみからの解放……。そんな風に考えた事、一度もない。
「てかさ、俺の事より、お前はどうなんだよ?そんなぐだぐだな気持ち抱えといて、何で仕官なんか目指してんだ?」
何故それを?と疑問に思ったが、自分が今身に着けているのは、仕官学校の制服。
バスターなら、何度か目にしていても不思議ではない。
「何でって……」
聞かれても、どう答えていいのか困ってしまう。
自分を引き取ってくれた養父の為?義兄に恥を掻かせない為?
いずれにせよ、どれも自分の為ではない。
「僕は別に、仕官になりたくて目指してるわけじゃないんです。だからあなたみたいに、守りたいものなんて無いですし……。出来る事なら、このまま平和に暮らしたいんです」
「ふーん。ならすれば良いんじゃん?」
「はい?」
さっきからこの人は、唐突に何を言い出すんだろう?
「平和に暮らしたいってのが、お前の守りたいものなら、守ってみろよ。仕官ならうってつけだろ」
「簡単に言いますけど、仕官になるには、他の生徒と戦わなくてはいけないんですよ?」
やっぱり、何も分かっていない。
落胆混じりに目を落とすと、男はなお明るく答えた。
「戦うったって、別に相手が死ぬまでやりあうわけじゃないだろ?頭使えば、傷付けることなく勝つ事だって出来るさ」
「例えば?」
「それは自分で考えろ。俺は頭悪いから、そういうのは苦手だ」
「……」
自分から言い出しておきながら、何の解決にもなっていない。
けれど、
傷付ける事なく、戦う方法……。
「見つかる、でしょうか?」
「本気になって探せば何とかなるもんさ。そこはお前の頑張り次第だよ。ま、人生長いんだし、気楽に行こうぜ!」
ばし、と背中を強めに叩き、男は笑いながら立ち上がる。
「ほんじゃ、そろそろ行くわ。邪魔したな。仕官になったら、教えろよ~」
「あ、はい」
背中の痛みに顔をしかめながら答える。
この人のおかげで、戦いについての考え方が、少し変われそうな気がする。
もうちょっと、頑張ってみよう。……あ。
「あ、あの!」
すでに歩き始めている男に慌てて声をかける。
「僕、フォーマルハウトって言います。バスターさん、あなたのお名前は?」
尋ねると、男はにっ、と笑い返した。
「ベナトシュだ。よろしくな、フォー」
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