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結の星痕
選びし者、選ばれし者
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「私を、殺せ」
その声色はとても甘美で、けれどもその内容はとても残酷だった。
「……は?え、なに……。アウラ、今何て……?」
「殺すんだよ、私を。お前の全力でな」
聞き間違いかもしれない。
そんな淡い期待は、瞬時に打ち砕かれる。
「何言ってるんだよアウラ……。殺すなんてそんな冗談……。あ、分かった!殺すくらい本気で来いって事だね?あはは、冗談キツいんだから」
「冗談なんかじゃない。私は、お前に殺して欲しいんだよ。お前の本気でね」
どれだけ言葉を濁しても、アウラは変わらず殺せと迫ってくる。
「いい加減にしてよ!何なんだよさっきから。どうして俺が、アウラを殺さなきゃなんないんだよ?全然意味分かんないよ!」
「そうだね。悪かった、ちゃんと説明するよ」
激昂するルクバットに対して、アウラはやはり落ち着いている。
「ルクバットは、王になる為の条件を覚えてる?」
「条件?……三原則の事?」
「そう。五大聖獣の血筋、守護聖霊、心構え。まあ、最後のはどうでも良いけど、私には、この内の一つ、守護聖霊が欠けているんだ」
「え?でもアウラには、ノトス様がいたよね?」
「少し前まではね。でも、デジアルに記憶を喰われて、ここで自分を取り戻した時に、ノトス様は完全に消滅してしまった。私が本来の自分の姿に戻ったのは、それも原因の一つだ」
知らなかった。そんなのは初耳だ。この事は、他の皆は知っているのだろうか?
いやそれよりも……。
「でも、だからってそれで、俺がアウラを殺す理由にはならないじゃないか。誤魔化さないでよ」
「新たな守護聖霊もいない今、アウラ様自身が聖霊となって、新しい王と共に、国を護っていこうと、お考えなのよ」
ルクバットの横で、堅い表情を浮かべたままのエラルドが、苦しげにそう付け足す。
「母さん……。新しい王って何だよ?ヴァーユ王の子供は、アウラ一人だけだろ?それじゃ今度は、五大聖獣の血筋がいなくなっちゃうじゃないか」
「確かに、ヴァーユ王の子は私一人だけだ。でもね、いるんだよ。もう一人だけ、蒼龍を身に宿す者が」
「……え?」
「ルクバットは、エルの本名を知ってる?」
「母さんの、本名?」
すぐ隣に立つ母を見る。
彼女の名前は、エラルド・アルカフラー。
しかしそれは、父と一緒になってからの名前だ。
それより前、エラルドの旧姓……。
しばらく考え込んでいると「知るわけないよね」とアウラが微笑む。
「その名前は、エルがエラルドとして生まれる前に名付けられて、すぐに殺された名前。たった一度だけ、母に呼ばれただけの、エルにとっては呪いにも似た名前」
アウラは微笑んではいるが、その表情はとても悲しそうだ。
「その名前が、ボレアリス。ボレアリス・カナフ・グルミウム。これがエルの、本来あるべき名前だ」
「ボレアリス……。グルミウムって……」
どうして母が、王家の名であるグルミウムを戴いているのか。
「流石に驚くよね?私も初めて聞いた時は驚いたよ。父様に兄弟がいたなんてね。グルミウム王家は代々、子供は一人と決まっている筈なんだけど、エルは妾子……父様とは、腹違いの兄弟なんだってさ」
驚きで頭がついていかないルクバットをよそに、アウラは次々と話を進めていく。
「エルは昔に色々あって、魂から蒼龍を抜かれてしまったようだけど、それでも王家の血を引くルクバット。お前には、蒼龍を宿している可能性が十分にあった。だからあの日、お前は試された」
「……試す?」
「そう。覚えてないだろうけど、父様の戴冠の儀の日に、お前はシグマとここに来ていたんだ。おかしいよな?国王の大事な儀式の日に、近衛師団長が参加せずに子供とこんな所に来るなんて。でもそれは、その日が人目の付かない絶好の機会だったから。そしてお前は、無事に試練を乗り越えた」
「でも俺、そんな試練なんて……」
「受けてるよ。アルマクに確認した。そして、試練を乗り越えた証は、お前の存在その物」
「どういう、こと?」
回らない頭で必死に理解しようと尋ねると、アウラは後ろにある泉を振り返った。
「ここの泉はね、神である黄龍が作った一種の酒でね。五大聖獣を宿さない一般人が飲むと毒に等しいんだ。それをお前は意図せず口に含んだ。それでも生きてるということは……もう分かるよな?」
「俺の中に、蒼龍が……?」
「そういう事」
にこりと笑うアウラ。
いつもならその笑顔を見るだけで嬉しくなるのに、今は全く嬉しくない。
むしろその笑顔が、恐ろしく感じる。
彼女の言っている事が、ようやく理解出来た。
「でも……でもそんなのおかしいよ。間違ってるよ!だってアウラ、今まであんなに頑張ってきたのにそんな事言うなんて……。そうだ、だったら俺がアウラの……」
「それはダメだ。そんな愚かな真似私が……私達が許さない」
思いついた言葉を言う間も無く斬り捨てられる。
追言を許さない、キツめの言葉。
だが、ルクバットも引かない。
「何が愚かだよ?これが愚かだって言うなら、アウラだって愚かじゃないか!何で俺がダメで、アウラは許されるんだよ?おかしいだろ!母さんもアルマクも、何でこんな事認めたんだよ?母さんはアウラの一番の理解者なんだろ?止めさせろよ。それで俺が変わりに守護聖霊になる。それで良いじゃないか!」
「ルクバット!」
エラルドが作り出す爆発にも似た突風に、一瞬怯む。
母は、歯を食いしばって泣いていた。
「馬鹿な事を言わないで。愛する子の死を望む親が、どこにいると思うの?……私は、どちらにも死んでほしくなどないのよ」
「母さん……」
分からない。
そこまで想っていながら、何故止めないのか。
命令だから?いや、そんな筈はない。
エラルドは、アウラが間違っていると思えば、必ず止める筈だ。
それなのに、何故?
「ルクバット。二人を責めないで欲しい。特にエルは、最後まで反対してくれたから」
アウラの優しく切ない声に、エラルドは悔しそうに目を伏せた。
「ただね、私が守護聖霊になりたい理由の一つに、私にはもう、あまり時間が残されていないというのもあるんだ」
「時間?」
アウラは自身の胸に手を当てて告げる。
「私の中の蒼が目覚めてもうすぐ十年。それだけの年月をかけても、私はあいつの真名を知らないまま。本当ならとっくに邪竜になっててもおかしくないのを、ノトス様がずっと護って下さっていた。そのノトス様もいなくなってしまい、今は私一人で抑えているけど、長くは保ちそうにない」
「……どうして?」
恐る恐る尋ねると、アウラは悪寒が走る程不気味な笑いを浮かべた。
「止まらないんだよ。何もかも壊したいと思う衝動が。昔なら恐れていた筈のこの感情を、受け入れようとしている自分がいる。……今でも、お前を壊したくて仕方が無い気持ちを、必死で抑えている。この聖域にいるから、理性を保てるような状態だ」
信じられなかった。
アウラが、邪竜に……?
そんな事考えた事も無かったし、有り得ないとも思っていた。
アウラはルクバットにとって自慢で、憧れの存在。
そんな彼女が、こんな風に自ら負けを認めるなんて。
アウラは軽く息を吐いて告げる。
「まあ、いきなりこんな話をしても結論は出ないだろ?一ヶ月後、もう一度ここに来て、答えを聞かせて欲しい。本当に嫌なら無理して来なくても良いよ。その時は、アルマクに介錯を頼んであるから」
そして、強烈な風がルクバットを押しこみ、外へ外へと追いやる。
「待ってアウラ。俺は……!」
「出来れば私は、お前に終わらせて欲しい。……皆には、ごめんって謝っておいて」
風に乗って聞こえてくるアウラの申し訳なさそうな声。
「アウラ、アウラ!」
外に投げ出されたルクバットは、もう一度祠の中へ入ろうとするが、結界によって阻まれてしまう。
「アウラ、入れてよアウラ!まだ話は終わってないだろ!」
「無駄よ。ここはもう、アウラ様が仰った期限まで、誰も立ち入る事は出来ない」
後ろに佇むエラルドがそう告げる。
何度進入を謀ってみても押し返されてしまい、悔しさのあまりにその場に座り込む。
「何なんだよ‥…。こんなの、急すぎるよ。俺がアウラを殺すなんて、無理に決まってるじゃないか」
「ルクバット君?」
不意に聞き覚えのある声がして振り返ると、そこに兵士を連れたフォーマルハウトがいた。
「どうしたんです?何かあったんですか?」
「フォーさん」
質問に答えられず、泣きじゃくっていると傍に来た彼は何かを悟ったように祠を見つめる。
「……アウラさんが、自分を殺せと、言ったんですか?」
「え?なんで、それを?」
驚き顔を上げると、彼もまた悲しそうな顔をしていた。
「軽く、ですが……。皆を集めましょう。そこで話をした方が良い」
その声色はとても甘美で、けれどもその内容はとても残酷だった。
「……は?え、なに……。アウラ、今何て……?」
「殺すんだよ、私を。お前の全力でな」
聞き間違いかもしれない。
そんな淡い期待は、瞬時に打ち砕かれる。
「何言ってるんだよアウラ……。殺すなんてそんな冗談……。あ、分かった!殺すくらい本気で来いって事だね?あはは、冗談キツいんだから」
「冗談なんかじゃない。私は、お前に殺して欲しいんだよ。お前の本気でね」
どれだけ言葉を濁しても、アウラは変わらず殺せと迫ってくる。
「いい加減にしてよ!何なんだよさっきから。どうして俺が、アウラを殺さなきゃなんないんだよ?全然意味分かんないよ!」
「そうだね。悪かった、ちゃんと説明するよ」
激昂するルクバットに対して、アウラはやはり落ち着いている。
「ルクバットは、王になる為の条件を覚えてる?」
「条件?……三原則の事?」
「そう。五大聖獣の血筋、守護聖霊、心構え。まあ、最後のはどうでも良いけど、私には、この内の一つ、守護聖霊が欠けているんだ」
「え?でもアウラには、ノトス様がいたよね?」
「少し前まではね。でも、デジアルに記憶を喰われて、ここで自分を取り戻した時に、ノトス様は完全に消滅してしまった。私が本来の自分の姿に戻ったのは、それも原因の一つだ」
知らなかった。そんなのは初耳だ。この事は、他の皆は知っているのだろうか?
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「でも、だからってそれで、俺がアウラを殺す理由にはならないじゃないか。誤魔化さないでよ」
「新たな守護聖霊もいない今、アウラ様自身が聖霊となって、新しい王と共に、国を護っていこうと、お考えなのよ」
ルクバットの横で、堅い表情を浮かべたままのエラルドが、苦しげにそう付け足す。
「母さん……。新しい王って何だよ?ヴァーユ王の子供は、アウラ一人だけだろ?それじゃ今度は、五大聖獣の血筋がいなくなっちゃうじゃないか」
「確かに、ヴァーユ王の子は私一人だけだ。でもね、いるんだよ。もう一人だけ、蒼龍を身に宿す者が」
「……え?」
「ルクバットは、エルの本名を知ってる?」
「母さんの、本名?」
すぐ隣に立つ母を見る。
彼女の名前は、エラルド・アルカフラー。
しかしそれは、父と一緒になってからの名前だ。
それより前、エラルドの旧姓……。
しばらく考え込んでいると「知るわけないよね」とアウラが微笑む。
「その名前は、エルがエラルドとして生まれる前に名付けられて、すぐに殺された名前。たった一度だけ、母に呼ばれただけの、エルにとっては呪いにも似た名前」
アウラは微笑んではいるが、その表情はとても悲しそうだ。
「その名前が、ボレアリス。ボレアリス・カナフ・グルミウム。これがエルの、本来あるべき名前だ」
「ボレアリス……。グルミウムって……」
どうして母が、王家の名であるグルミウムを戴いているのか。
「流石に驚くよね?私も初めて聞いた時は驚いたよ。父様に兄弟がいたなんてね。グルミウム王家は代々、子供は一人と決まっている筈なんだけど、エルは妾子……父様とは、腹違いの兄弟なんだってさ」
驚きで頭がついていかないルクバットをよそに、アウラは次々と話を進めていく。
「エルは昔に色々あって、魂から蒼龍を抜かれてしまったようだけど、それでも王家の血を引くルクバット。お前には、蒼龍を宿している可能性が十分にあった。だからあの日、お前は試された」
「……試す?」
「そう。覚えてないだろうけど、父様の戴冠の儀の日に、お前はシグマとここに来ていたんだ。おかしいよな?国王の大事な儀式の日に、近衛師団長が参加せずに子供とこんな所に来るなんて。でもそれは、その日が人目の付かない絶好の機会だったから。そしてお前は、無事に試練を乗り越えた」
「でも俺、そんな試練なんて……」
「受けてるよ。アルマクに確認した。そして、試練を乗り越えた証は、お前の存在その物」
「どういう、こと?」
回らない頭で必死に理解しようと尋ねると、アウラは後ろにある泉を振り返った。
「ここの泉はね、神である黄龍が作った一種の酒でね。五大聖獣を宿さない一般人が飲むと毒に等しいんだ。それをお前は意図せず口に含んだ。それでも生きてるということは……もう分かるよな?」
「俺の中に、蒼龍が……?」
「そういう事」
にこりと笑うアウラ。
いつもならその笑顔を見るだけで嬉しくなるのに、今は全く嬉しくない。
むしろその笑顔が、恐ろしく感じる。
彼女の言っている事が、ようやく理解出来た。
「でも……でもそんなのおかしいよ。間違ってるよ!だってアウラ、今まであんなに頑張ってきたのにそんな事言うなんて……。そうだ、だったら俺がアウラの……」
「それはダメだ。そんな愚かな真似私が……私達が許さない」
思いついた言葉を言う間も無く斬り捨てられる。
追言を許さない、キツめの言葉。
だが、ルクバットも引かない。
「何が愚かだよ?これが愚かだって言うなら、アウラだって愚かじゃないか!何で俺がダメで、アウラは許されるんだよ?おかしいだろ!母さんもアルマクも、何でこんな事認めたんだよ?母さんはアウラの一番の理解者なんだろ?止めさせろよ。それで俺が変わりに守護聖霊になる。それで良いじゃないか!」
「ルクバット!」
エラルドが作り出す爆発にも似た突風に、一瞬怯む。
母は、歯を食いしばって泣いていた。
「馬鹿な事を言わないで。愛する子の死を望む親が、どこにいると思うの?……私は、どちらにも死んでほしくなどないのよ」
「母さん……」
分からない。
そこまで想っていながら、何故止めないのか。
命令だから?いや、そんな筈はない。
エラルドは、アウラが間違っていると思えば、必ず止める筈だ。
それなのに、何故?
「ルクバット。二人を責めないで欲しい。特にエルは、最後まで反対してくれたから」
アウラの優しく切ない声に、エラルドは悔しそうに目を伏せた。
「ただね、私が守護聖霊になりたい理由の一つに、私にはもう、あまり時間が残されていないというのもあるんだ」
「時間?」
アウラは自身の胸に手を当てて告げる。
「私の中の蒼が目覚めてもうすぐ十年。それだけの年月をかけても、私はあいつの真名を知らないまま。本当ならとっくに邪竜になっててもおかしくないのを、ノトス様がずっと護って下さっていた。そのノトス様もいなくなってしまい、今は私一人で抑えているけど、長くは保ちそうにない」
「……どうして?」
恐る恐る尋ねると、アウラは悪寒が走る程不気味な笑いを浮かべた。
「止まらないんだよ。何もかも壊したいと思う衝動が。昔なら恐れていた筈のこの感情を、受け入れようとしている自分がいる。……今でも、お前を壊したくて仕方が無い気持ちを、必死で抑えている。この聖域にいるから、理性を保てるような状態だ」
信じられなかった。
アウラが、邪竜に……?
そんな事考えた事も無かったし、有り得ないとも思っていた。
アウラはルクバットにとって自慢で、憧れの存在。
そんな彼女が、こんな風に自ら負けを認めるなんて。
アウラは軽く息を吐いて告げる。
「まあ、いきなりこんな話をしても結論は出ないだろ?一ヶ月後、もう一度ここに来て、答えを聞かせて欲しい。本当に嫌なら無理して来なくても良いよ。その時は、アルマクに介錯を頼んであるから」
そして、強烈な風がルクバットを押しこみ、外へ外へと追いやる。
「待ってアウラ。俺は……!」
「出来れば私は、お前に終わらせて欲しい。……皆には、ごめんって謝っておいて」
風に乗って聞こえてくるアウラの申し訳なさそうな声。
「アウラ、アウラ!」
外に投げ出されたルクバットは、もう一度祠の中へ入ろうとするが、結界によって阻まれてしまう。
「アウラ、入れてよアウラ!まだ話は終わってないだろ!」
「無駄よ。ここはもう、アウラ様が仰った期限まで、誰も立ち入る事は出来ない」
後ろに佇むエラルドがそう告げる。
何度進入を謀ってみても押し返されてしまい、悔しさのあまりにその場に座り込む。
「何なんだよ‥…。こんなの、急すぎるよ。俺がアウラを殺すなんて、無理に決まってるじゃないか」
「ルクバット君?」
不意に聞き覚えのある声がして振り返ると、そこに兵士を連れたフォーマルハウトがいた。
「どうしたんです?何かあったんですか?」
「フォーさん」
質問に答えられず、泣きじゃくっていると傍に来た彼は何かを悟ったように祠を見つめる。
「……アウラさんが、自分を殺せと、言ったんですか?」
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