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結の星痕
最後の修行
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慰霊の儀の日から、アウラに会っていない。
アウラどころか、シェアト、グラフィアス、ベイド、フォーマルハウト、今まで共に旅をしてきた仲間達とも、まともな会話すら出来ていない。
それぞれがグルミウム王国最興に向けて動いており、みな休む暇が無い。
勿論、ルクバットも例外では無い。
グルミウムの代表として、国と国を結ぶ架け橋として、慣れないながらも多くの役人達と会談を重ね、時には修復作業にも加わった。
更にアウラの姿が見えなくなってからは彼女の仕事もこなす為、朝から晩まで仕事に追われ、毎日くたくただ。
最興の知らせが世界中に出回った当初は死ぬ程忙しかったが、数ヶ月が経ち、戴冠の儀の日取りが決まった今は、だいぶ落ち着いてきている。
「ルクバット様!」
廊下を歩いていると、後ろから呼び止められた。
「ん?……あ、アトリア」
振り返るとそこには、両手に紙束を抱えたアトリアがパタパタと足音を立てて駆け寄ってきていた。
彼女、アトリアは、旅の道中で知り合った一人で、北方の港町の管理を任している。
「良かった、お会い出来て。こちら、アウラ王女様に頼まれていた、ベアトリクス港に停泊中のお客様の船と名前が書かれたリストです」
「え、わざわざ届けに来てくれたの?ありがとう!伝書鳩とかでも別に良かったのに」
「たまたま王都に来る予定があったものですから。それに、失礼かとは思いますが、お二人にも直接お会いしたかったので。……王女様は、いらっしゃらないみたいですね」
紙束を渡しながら、アトリアは残念そうに言う。
「うん、そうなんだよ。俺達も全然見てなくてさ。ごめんね?」
「いえ。直接お礼を言いたかったのですが、ルクバット様にお会い出来ただけでも良かったです。この間は、本当にありがとうございました」
「いや、俺は特に何もしてないから。アウラに伝えとくよ」
「はい。それと……ラナは、皆さんのお役に立っているでしょうか?」
ラナというのは、アトリアが管理する港町ベアトリクスの守備に当たっていた、元近衛師団兵だ。
今は本人の希望もあって、近衛師として国境付近の整備や多くの政に参加してもらっている。
「大助かりだよ!やっぱり俺達だけじゃ分からない事も多いからさ。アウラもラナさんにはよく相談とかしてたし」
そう感謝を込めて伝えると、少し不安げだったアトリアの表情がぱあっと華やぐ。
「そうですか、それは良かったです。私にも、もっとお手伝い出来る事があれば何でもお申し付け下さい」
「うん、ありがとう。……あ、あのさ、アトリア」
「はい。何でしょう?ルクバット様」
小首を傾げるアトリアに、ルクバットは頬をぽりぽりと掻きながら照れくさそうに笑う。
「その、ルクバット様て言うの、止めてくれない?なんか恥ずかしいし、アトリアとは前みたいに、普通に話したいからさ」
「……まあ」
言われたアトリアは、驚いたように口を両手で覆い、彼女も少し恥ずかしそうに笑った。
「ごめんなさい。二人とも、とても遠い存在になってしまったので。……それじゃ、あの……ルクバット?」
「うん、ありがとう。そっちの方が落ち着くや。……出来れば、敬語も止めて欲しいんだけどな」
「それは癖ですから……。努力は、します」
「ははは、アトリアらしいや」
顔を真っ赤にして口ごもるアトリアを見て、ルクバットはおかしそうに笑う。
それを見たアトリアは「もう」と口を尖らすが、怒ってはいないようだ。
「ところで、アウラ王女様は国を空けていらっしゃるのですか?」
アトリアは、声のトーンを戻し尋ねるが、ルクバットはそれには答えられず、曖昧な返事をする。
「あー、いや、それが……俺にも分かんないんだよね。仲間の皆も見てないみたいだし」
「やはり、国を背負って立つともなると、多忙という言葉では済まされないのでしょうか……。心配ですね」
「うん。……戴冠の儀も、もうすぐだし、せめて顔だけでも見たいんだけど……」
今はアリエス初旬、戴冠の儀は約一ヶ月後。
その日、アウラは王女として世界に認められる。
「本当、一体何処にいるんだろう?身体の具合でも悪いのかな?」
ふと、廊下の窓から外を眺めるが、アウラの姿はもちろんそこには無い。
そんな時、不意に母であるエラルドの風が視界に入り、そのままこちらへやってきた。
「母さん!?どうしたの?」
アウラの側使えをしており、かつ風である母がルクバットの前に現れるのも随分と久し振りだ。
「久し振り、ルクバット。……お邪魔だったかしら?」
「え……?あ、いやいや、大丈夫!」
「では、私はこれで失礼致します。エラルド師団長、ご機嫌よう。」
そう挨拶するエラルドはアトリアに気付いてそう聞くが、ルクバットは慌てて否定し、気を使わせたアトリアがそう会釈してその場を去った。
「で、どうしたの?母さん。あ、そうだ。母さんはアウラが何処にいるか知らない?最近全然見かけないんだ。身体の具合でも悪いのかもしれない」
母はアウラの側使えをしている。彼女なら何かを知っている筈だ。
そう思い質問してみると、母はその希望に応えるように言った。
「……ええ、知っているわ。ルクバット。アウラ様がお呼びよ。着いてきなさい」
エラルドに連れて来られたのは、聖なる祠だった。
「陛下、ルクバットを連れて参りました」
エラルドは祠へと繋がる洞窟の入口で、そう中に呼び掛ける。
いつもとは違うアウラの呼び方に、ルクバットは違和感を覚えながらも黙って見る事しか出来ない。
「お入りなさい」
と、中から風に乗って聞こえてきたのは、アウラの声では無かった。
今の声……アルマクだ。
入洞の許可を得たエラルドは、入口に張られている結界を解き、ルクバットと共に中へと入っていく。
「あの、母さん……?」
そう話し掛けてみても、エラルドはこちらを振り返る事なく「黙って着いてきなさい」と冷たく言い放つ。
何かがおかしいと思いつつ着いていくと、やがて見慣れた光景の泉のある広間まで来た。
そこには泉を背にしてこちらを見ているアウラと、その横にはやはりアルマクがいた。
「アウラ!良かった、やっと会えた。心配したんだよ?もしかしてずっとここにいたの?……え、何?」
久し振りにアウラに会えた事で興奮し、一気にまくし立てながら近寄っていくと、不意に間にエラルドが立ちはだかり邪魔をされた。
「王の御前だ。無意味に近付くな」
「母さん……?」
その言葉は、今まで聞いた事が無い程に底冷えしていた。
母のあまりの剣幕に気圧され、一歩後退るが、すぐにアウラがそらを抑えた。
「いいよエル。ルクバットは特別だ」
「……は」
アウラの命令に素直に従い、エラルドがす、と退く。
「……」
何とも言えない居心地の悪さを胸に感じながらも、ルクバットは一歩二歩とアウラに近寄った。
「……俺にとっても、アウラは遠い存在になっちゃうんだね」
ふてくされたように呟く。
久し振りに会えたというのに、なんだか自分の知らない相手と話しているような気分だ。
しかしアウラ自身は、いつもと変わらない様子で、特に悪びれる事なく言う。
「悪いな。便宜上、どうしても堅苦しくなっちゃうのさ。でも、ルクバットや仲間達が気後れする必要は無いよ。特にお前はな」
「……俺はまだ、アウラの隣にいられる?」
「勿論、ずっと一緒だ」
そう微笑むアウラを見て、ようやく一安心する。
「そっか。良かった。……で、俺に何か用だった?ていうかアウラは、何でこんな所にいるの?」
肝心な疑問をぶつけると、アウラは懐かしそうに辺りを見回す。
「ああ。ここは、私達にとってとても思い出深い場所だからな。戴冠の儀の前に、ここでお前と最後の修行をしようと思ったんだ」
「最後の、修行?」
「ああ。私からお前へ出す、最後の修行だ。それが終われば、晴れて一人前。私の弟子を卒業だ」
「一人前……」
卒業と言われると寂しい気まするが、一人前だと認めてもらえるのであれば、受けない理由が無い。
「オッケー。受けて立つよ!……へへ、何か、アウラの修行って久し振りだな」
アウラからの久し振りの修行と、身体を動かせるのとでつい口元が緩む。
そして無事に一人前だと認めてもらえるよう、肩を大きく回して気合いを入れる。
アウラもそれが嬉しいのか、穏やかな微笑みを浮かべる。
「それじゃ、修行の内容を伝えるよ。私からの、最後の修行……。どんな手を使っても構わない。ルクバット、お前の全力を持って……」
とても穏やかな微笑み、口調のまま、アウラは、とても残酷な言葉を口にする。
「私を、殺せ」
アウラどころか、シェアト、グラフィアス、ベイド、フォーマルハウト、今まで共に旅をしてきた仲間達とも、まともな会話すら出来ていない。
それぞれがグルミウム王国最興に向けて動いており、みな休む暇が無い。
勿論、ルクバットも例外では無い。
グルミウムの代表として、国と国を結ぶ架け橋として、慣れないながらも多くの役人達と会談を重ね、時には修復作業にも加わった。
更にアウラの姿が見えなくなってからは彼女の仕事もこなす為、朝から晩まで仕事に追われ、毎日くたくただ。
最興の知らせが世界中に出回った当初は死ぬ程忙しかったが、数ヶ月が経ち、戴冠の儀の日取りが決まった今は、だいぶ落ち着いてきている。
「ルクバット様!」
廊下を歩いていると、後ろから呼び止められた。
「ん?……あ、アトリア」
振り返るとそこには、両手に紙束を抱えたアトリアがパタパタと足音を立てて駆け寄ってきていた。
彼女、アトリアは、旅の道中で知り合った一人で、北方の港町の管理を任している。
「良かった、お会い出来て。こちら、アウラ王女様に頼まれていた、ベアトリクス港に停泊中のお客様の船と名前が書かれたリストです」
「え、わざわざ届けに来てくれたの?ありがとう!伝書鳩とかでも別に良かったのに」
「たまたま王都に来る予定があったものですから。それに、失礼かとは思いますが、お二人にも直接お会いしたかったので。……王女様は、いらっしゃらないみたいですね」
紙束を渡しながら、アトリアは残念そうに言う。
「うん、そうなんだよ。俺達も全然見てなくてさ。ごめんね?」
「いえ。直接お礼を言いたかったのですが、ルクバット様にお会い出来ただけでも良かったです。この間は、本当にありがとうございました」
「いや、俺は特に何もしてないから。アウラに伝えとくよ」
「はい。それと……ラナは、皆さんのお役に立っているでしょうか?」
ラナというのは、アトリアが管理する港町ベアトリクスの守備に当たっていた、元近衛師団兵だ。
今は本人の希望もあって、近衛師として国境付近の整備や多くの政に参加してもらっている。
「大助かりだよ!やっぱり俺達だけじゃ分からない事も多いからさ。アウラもラナさんにはよく相談とかしてたし」
そう感謝を込めて伝えると、少し不安げだったアトリアの表情がぱあっと華やぐ。
「そうですか、それは良かったです。私にも、もっとお手伝い出来る事があれば何でもお申し付け下さい」
「うん、ありがとう。……あ、あのさ、アトリア」
「はい。何でしょう?ルクバット様」
小首を傾げるアトリアに、ルクバットは頬をぽりぽりと掻きながら照れくさそうに笑う。
「その、ルクバット様て言うの、止めてくれない?なんか恥ずかしいし、アトリアとは前みたいに、普通に話したいからさ」
「……まあ」
言われたアトリアは、驚いたように口を両手で覆い、彼女も少し恥ずかしそうに笑った。
「ごめんなさい。二人とも、とても遠い存在になってしまったので。……それじゃ、あの……ルクバット?」
「うん、ありがとう。そっちの方が落ち着くや。……出来れば、敬語も止めて欲しいんだけどな」
「それは癖ですから……。努力は、します」
「ははは、アトリアらしいや」
顔を真っ赤にして口ごもるアトリアを見て、ルクバットはおかしそうに笑う。
それを見たアトリアは「もう」と口を尖らすが、怒ってはいないようだ。
「ところで、アウラ王女様は国を空けていらっしゃるのですか?」
アトリアは、声のトーンを戻し尋ねるが、ルクバットはそれには答えられず、曖昧な返事をする。
「あー、いや、それが……俺にも分かんないんだよね。仲間の皆も見てないみたいだし」
「やはり、国を背負って立つともなると、多忙という言葉では済まされないのでしょうか……。心配ですね」
「うん。……戴冠の儀も、もうすぐだし、せめて顔だけでも見たいんだけど……」
今はアリエス初旬、戴冠の儀は約一ヶ月後。
その日、アウラは王女として世界に認められる。
「本当、一体何処にいるんだろう?身体の具合でも悪いのかな?」
ふと、廊下の窓から外を眺めるが、アウラの姿はもちろんそこには無い。
そんな時、不意に母であるエラルドの風が視界に入り、そのままこちらへやってきた。
「母さん!?どうしたの?」
アウラの側使えをしており、かつ風である母がルクバットの前に現れるのも随分と久し振りだ。
「久し振り、ルクバット。……お邪魔だったかしら?」
「え……?あ、いやいや、大丈夫!」
「では、私はこれで失礼致します。エラルド師団長、ご機嫌よう。」
そう挨拶するエラルドはアトリアに気付いてそう聞くが、ルクバットは慌てて否定し、気を使わせたアトリアがそう会釈してその場を去った。
「で、どうしたの?母さん。あ、そうだ。母さんはアウラが何処にいるか知らない?最近全然見かけないんだ。身体の具合でも悪いのかもしれない」
母はアウラの側使えをしている。彼女なら何かを知っている筈だ。
そう思い質問してみると、母はその希望に応えるように言った。
「……ええ、知っているわ。ルクバット。アウラ様がお呼びよ。着いてきなさい」
エラルドに連れて来られたのは、聖なる祠だった。
「陛下、ルクバットを連れて参りました」
エラルドは祠へと繋がる洞窟の入口で、そう中に呼び掛ける。
いつもとは違うアウラの呼び方に、ルクバットは違和感を覚えながらも黙って見る事しか出来ない。
「お入りなさい」
と、中から風に乗って聞こえてきたのは、アウラの声では無かった。
今の声……アルマクだ。
入洞の許可を得たエラルドは、入口に張られている結界を解き、ルクバットと共に中へと入っていく。
「あの、母さん……?」
そう話し掛けてみても、エラルドはこちらを振り返る事なく「黙って着いてきなさい」と冷たく言い放つ。
何かがおかしいと思いつつ着いていくと、やがて見慣れた光景の泉のある広間まで来た。
そこには泉を背にしてこちらを見ているアウラと、その横にはやはりアルマクがいた。
「アウラ!良かった、やっと会えた。心配したんだよ?もしかしてずっとここにいたの?……え、何?」
久し振りにアウラに会えた事で興奮し、一気にまくし立てながら近寄っていくと、不意に間にエラルドが立ちはだかり邪魔をされた。
「王の御前だ。無意味に近付くな」
「母さん……?」
その言葉は、今まで聞いた事が無い程に底冷えしていた。
母のあまりの剣幕に気圧され、一歩後退るが、すぐにアウラがそらを抑えた。
「いいよエル。ルクバットは特別だ」
「……は」
アウラの命令に素直に従い、エラルドがす、と退く。
「……」
何とも言えない居心地の悪さを胸に感じながらも、ルクバットは一歩二歩とアウラに近寄った。
「……俺にとっても、アウラは遠い存在になっちゃうんだね」
ふてくされたように呟く。
久し振りに会えたというのに、なんだか自分の知らない相手と話しているような気分だ。
しかしアウラ自身は、いつもと変わらない様子で、特に悪びれる事なく言う。
「悪いな。便宜上、どうしても堅苦しくなっちゃうのさ。でも、ルクバットや仲間達が気後れする必要は無いよ。特にお前はな」
「……俺はまだ、アウラの隣にいられる?」
「勿論、ずっと一緒だ」
そう微笑むアウラを見て、ようやく一安心する。
「そっか。良かった。……で、俺に何か用だった?ていうかアウラは、何でこんな所にいるの?」
肝心な疑問をぶつけると、アウラは懐かしそうに辺りを見回す。
「ああ。ここは、私達にとってとても思い出深い場所だからな。戴冠の儀の前に、ここでお前と最後の修行をしようと思ったんだ」
「最後の、修行?」
「ああ。私からお前へ出す、最後の修行だ。それが終われば、晴れて一人前。私の弟子を卒業だ」
「一人前……」
卒業と言われると寂しい気まするが、一人前だと認めてもらえるのであれば、受けない理由が無い。
「オッケー。受けて立つよ!……へへ、何か、アウラの修行って久し振りだな」
アウラからの久し振りの修行と、身体を動かせるのとでつい口元が緩む。
そして無事に一人前だと認めてもらえるよう、肩を大きく回して気合いを入れる。
アウラもそれが嬉しいのか、穏やかな微笑みを浮かべる。
「それじゃ、修行の内容を伝えるよ。私からの、最後の修行……。どんな手を使っても構わない。ルクバット、お前の全力を持って……」
とても穏やかな微笑み、口調のまま、アウラは、とても残酷な言葉を口にする。
「私を、殺せ」
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※※※
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表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
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