31 / 34
031 委員長
しおりを挟む
「それで……ここはどこ?」
「ラトタタ達の拠点だよ」
「へえ、ここが。物が散乱してるわね、実験場として環境を整えていたのかしら」
「そんなとこ」
足元のケーブルや周辺の機械類を触りだして状況確認を始める治世。
そういえば異能を発動させる装置が見当たらない、大きめだしすぐに見つかると踏んでいたのだが、もっと奥に行けばあるのかな?
「そういえば装置もあるんだよな……」
「どうする?」
「装置? 何の装置よ。私の知らない情報でやりとりしないで。張り倒すわよ」
「張り倒さないで!」
治世には装置について説明をしておくとした。
特異を取り出し保管するための装置――少なくとも目の届く範囲には無い、このあたりはガラクタばかりだ。
「……そんなものがあるのね、粉々にして委員長の前にばら撒きたいわ」
「すぐには見つからないなら一度ここから脱出してから、仕切りなおすのも一つの手かな」
「仕切りなおしか、確かにそれもいいかもねえ。僕は異能を使いっぱなしで体力的にキツいや」
「ラトタタがやってくるかもしれないし――」
このままここを脱出してしまえばもしかしたら、なんて思っていたがどうやらそう簡単には済まないようだ。
「これは……」
それもそうだよな、物語的に作者ならここいらでラストスパートをかけたい場面だ。
――その合図を、どこからともなく舞い降りる原稿が知らせてくる。
「……原稿の異能者は、近くにいるのかしら」
「いるのかもしれないね……」
近くで見ているのか、それとも遠くから高みの見物をして、ここだ! と原稿を送り込んだのかは定かではないが。
--------------------
策はいくつも用意している。
どれを選択するかは自分次第だ。
治世を盾にして文弥を手中に収めるというのも策の内の一つではあったが、確実性は低い。
もっと確実に、自身の求める結果に繋がるようにするには――と、異能を発動させるその装置に月子は手を加え始めた。
「一仕事、しましょうか」
これまで幾度となく彼女自身が調整に調整を重ねてきた、改良もお手の物だ。
そもそもこんな手術台のような見た目はあからさますぎて、前々からこれはどうなのだと首を傾げるばかりだった。
警戒されるに決まってる、警戒されないほうがおかしい。
何なら見られただけで破壊されかねない、独断ではあるが月子は手を加えるとした。
「装置の設置をお願いはしましたが、彼らはどうも遅い」
スパナにプラスドライバー、マイナスドライバーといくつもの工具を取っ替え引っ替えしながら次々と繋ぎなおされていくケーブルに機械類。
その手は指揮者のように滑らかで、レーシングエンジニアのように俊敏に動き、休まる気配はない。
助手は必要とせず、むしろ助手が彼女に合わせられず足手まといになってしまうだろう。
だから彼女は一人だ。
いつも、一人だ。
「少々無茶な調整になるかもしれませんが、大丈夫でしょう」
異能さえ持っていれば高い地位も得られた、強硬派のラトタタと組んでこうも強引な手に出る必要もなかった。
異能は望んでもそう簡単に手に入る代物ではないと諦めてはいるが、そんな考えが脳裏を過ぎる度に彼女は下唇を噛んでいた。
常に貼り付いていた笑顔の仮面も今はすっかりと剥がれてしまっている。付け直すに少々時間が掛かりそうだ。
ともあれ。
装置がうまく起動されれば、特異を引き出して自分の思うままに操れるはず。文弥は犠牲になってしまうかもしれないが、それは仕方のない事だと、彼女は小さく笑みを浮かべた。
--------------------
後方、俺達が来た道が突如として崩壊した。
積み重ねられていた機械類が倒れたようだ。
「あら、なんともまあべたな演出だこと」
「別の道を通るしかなさそうだね」
「この原稿、委員長視点のようだけど彼女はどこにいるのかしら。どうせなら探してとっちめたいわ。目的も分かった事だしね」
「賛成」
凛ちゃんも乗り気だ。
治世の意見には全肯定だろうけど。
「委員長は……」
見えにくい足元だが、ここへ来た時に目に留まった足元のケーブル。
あれはどこへ向かっていったものなのか――考えるまでもない。
「ケーブルだ」
「ケーブル?」
「ほら、足元の。このケーブルを追おう」
「……なるほどね。これを追っていけば自ずと装置も、委員長も見つかるわね」
「そういう事」
建物の規模的にそう遠くにはいないはず。
俺達は奥へ奥へとケーブルを辿っていって、行き着いた一室。
……空気が明らかに違う。
そこに委員長がいるという根拠としては充分だった。
「いかにもって感じね。気をつけて」
「うん……」
扉を開けると機械だらけの部屋が広がっていた。
起動による重低音が漂い、辛うじて一つだけ点灯している蛍光灯の淡い光の宿るその部屋の中心には、人影が一つ。
背を向けていて何か布を被っている。
儀式や祈りなどで被るものであろうか。ダマスク柄の模様が不気味に見える。
「……委員長?」
呼びかけてみるが、反応はない。
この手の展開は、大体布を取り払うと別の置物っていうフェイクが待っている。
一歩一歩、警戒して歩み寄る。
注意すべきはその人型の布より周辺。
――カン、と。
金属音が聞こえた。
「んん……!?」
どうやら予想は当てが外れたらしい。
治世も布がフェイクかもしれないと警戒はしていた。
だからこそその物音が、物陰に隠れている委員長かと敏感に反応したが、そちらがフェイクだった。
布を被っていたのは委員長で間違いなく、視線が移ったその瞬間――視線を戻したその一瞬――布をこちらに投げつけて視界は既に遮られており、治世の手に何かが絡められた。
ガチャンという金属音――そして拘束される左手、彼女の手首には手錠が掛けられていた。
「なっ……!?」
「ミスタースミスッ」
凛ちゃんの動きはやや鈍く疲労が滲み出ていた。
ミスタースミスは、すぐには出現しなかった。
「ふふっ、遅いですね」
委員長は歪んだ笑顔を浮かべ、凛ちゃんの首に何かを当てた。
「あぅぅ……!」
小刻みに刻む激しい電撃音、スタンガンだ。
これはまさか……治世の持っていた武器か? 彼女を捕らえた時に手にしておいたのか。しかも改良して威力を増幅させているな。
利用できるものは何でも利用する、委員長らしい戦い方だ。
「こんにちは、文弥君」
「ど、どうも、委員長……」
「彼から離れなさい!」
治世の手首に掛けられた手錠は、彼女の身長を軽く上回る箱型の機械に繋がれていた。金属製の手すり部分はとてもじゃないが壊せそうにない。
よく見ると機械は斜めにされており、力を入れたり引っ張ろうとすれば倒れるようにされている。
重量もさぞかしのものであろう、倒れてきたらひとたまりもない。
そんな状況分析をしている俺だが、どうやら彼女の心配をしている場合でもなさそうだ。
首筋に冷たく伝わるその感覚は、軽く撫でるだけで朱を噴き出すには十分の刃物。
「待っておりましたよ。さあ……貴方の特異、取り出しましょう。ついでに広範囲で発動させて、混乱に陥れてくだされば私達はこの場から安全に立ち去れます。協力、してくださいね?」
「くっ……お、落ち着いて、話し合わない?」
「その必要はございません」
襟を掴まれて、奥へと引っ張られる。
様々な機械類を組み合わせた歪なその装置――こいつが、特異を取り出す装置。その他に、委員長の言葉から察するに、特異の発動も可能としているだろう。
手術台のような見た目から打って変わってどこかスチームパンクな雰囲気も出ているが、気になるのは……先端に針がついている二本のケーブル。
これ、絶対刺すよね?
「ラトタタ達の拠点だよ」
「へえ、ここが。物が散乱してるわね、実験場として環境を整えていたのかしら」
「そんなとこ」
足元のケーブルや周辺の機械類を触りだして状況確認を始める治世。
そういえば異能を発動させる装置が見当たらない、大きめだしすぐに見つかると踏んでいたのだが、もっと奥に行けばあるのかな?
「そういえば装置もあるんだよな……」
「どうする?」
「装置? 何の装置よ。私の知らない情報でやりとりしないで。張り倒すわよ」
「張り倒さないで!」
治世には装置について説明をしておくとした。
特異を取り出し保管するための装置――少なくとも目の届く範囲には無い、このあたりはガラクタばかりだ。
「……そんなものがあるのね、粉々にして委員長の前にばら撒きたいわ」
「すぐには見つからないなら一度ここから脱出してから、仕切りなおすのも一つの手かな」
「仕切りなおしか、確かにそれもいいかもねえ。僕は異能を使いっぱなしで体力的にキツいや」
「ラトタタがやってくるかもしれないし――」
このままここを脱出してしまえばもしかしたら、なんて思っていたがどうやらそう簡単には済まないようだ。
「これは……」
それもそうだよな、物語的に作者ならここいらでラストスパートをかけたい場面だ。
――その合図を、どこからともなく舞い降りる原稿が知らせてくる。
「……原稿の異能者は、近くにいるのかしら」
「いるのかもしれないね……」
近くで見ているのか、それとも遠くから高みの見物をして、ここだ! と原稿を送り込んだのかは定かではないが。
--------------------
策はいくつも用意している。
どれを選択するかは自分次第だ。
治世を盾にして文弥を手中に収めるというのも策の内の一つではあったが、確実性は低い。
もっと確実に、自身の求める結果に繋がるようにするには――と、異能を発動させるその装置に月子は手を加え始めた。
「一仕事、しましょうか」
これまで幾度となく彼女自身が調整に調整を重ねてきた、改良もお手の物だ。
そもそもこんな手術台のような見た目はあからさますぎて、前々からこれはどうなのだと首を傾げるばかりだった。
警戒されるに決まってる、警戒されないほうがおかしい。
何なら見られただけで破壊されかねない、独断ではあるが月子は手を加えるとした。
「装置の設置をお願いはしましたが、彼らはどうも遅い」
スパナにプラスドライバー、マイナスドライバーといくつもの工具を取っ替え引っ替えしながら次々と繋ぎなおされていくケーブルに機械類。
その手は指揮者のように滑らかで、レーシングエンジニアのように俊敏に動き、休まる気配はない。
助手は必要とせず、むしろ助手が彼女に合わせられず足手まといになってしまうだろう。
だから彼女は一人だ。
いつも、一人だ。
「少々無茶な調整になるかもしれませんが、大丈夫でしょう」
異能さえ持っていれば高い地位も得られた、強硬派のラトタタと組んでこうも強引な手に出る必要もなかった。
異能は望んでもそう簡単に手に入る代物ではないと諦めてはいるが、そんな考えが脳裏を過ぎる度に彼女は下唇を噛んでいた。
常に貼り付いていた笑顔の仮面も今はすっかりと剥がれてしまっている。付け直すに少々時間が掛かりそうだ。
ともあれ。
装置がうまく起動されれば、特異を引き出して自分の思うままに操れるはず。文弥は犠牲になってしまうかもしれないが、それは仕方のない事だと、彼女は小さく笑みを浮かべた。
--------------------
後方、俺達が来た道が突如として崩壊した。
積み重ねられていた機械類が倒れたようだ。
「あら、なんともまあべたな演出だこと」
「別の道を通るしかなさそうだね」
「この原稿、委員長視点のようだけど彼女はどこにいるのかしら。どうせなら探してとっちめたいわ。目的も分かった事だしね」
「賛成」
凛ちゃんも乗り気だ。
治世の意見には全肯定だろうけど。
「委員長は……」
見えにくい足元だが、ここへ来た時に目に留まった足元のケーブル。
あれはどこへ向かっていったものなのか――考えるまでもない。
「ケーブルだ」
「ケーブル?」
「ほら、足元の。このケーブルを追おう」
「……なるほどね。これを追っていけば自ずと装置も、委員長も見つかるわね」
「そういう事」
建物の規模的にそう遠くにはいないはず。
俺達は奥へ奥へとケーブルを辿っていって、行き着いた一室。
……空気が明らかに違う。
そこに委員長がいるという根拠としては充分だった。
「いかにもって感じね。気をつけて」
「うん……」
扉を開けると機械だらけの部屋が広がっていた。
起動による重低音が漂い、辛うじて一つだけ点灯している蛍光灯の淡い光の宿るその部屋の中心には、人影が一つ。
背を向けていて何か布を被っている。
儀式や祈りなどで被るものであろうか。ダマスク柄の模様が不気味に見える。
「……委員長?」
呼びかけてみるが、反応はない。
この手の展開は、大体布を取り払うと別の置物っていうフェイクが待っている。
一歩一歩、警戒して歩み寄る。
注意すべきはその人型の布より周辺。
――カン、と。
金属音が聞こえた。
「んん……!?」
どうやら予想は当てが外れたらしい。
治世も布がフェイクかもしれないと警戒はしていた。
だからこそその物音が、物陰に隠れている委員長かと敏感に反応したが、そちらがフェイクだった。
布を被っていたのは委員長で間違いなく、視線が移ったその瞬間――視線を戻したその一瞬――布をこちらに投げつけて視界は既に遮られており、治世の手に何かが絡められた。
ガチャンという金属音――そして拘束される左手、彼女の手首には手錠が掛けられていた。
「なっ……!?」
「ミスタースミスッ」
凛ちゃんの動きはやや鈍く疲労が滲み出ていた。
ミスタースミスは、すぐには出現しなかった。
「ふふっ、遅いですね」
委員長は歪んだ笑顔を浮かべ、凛ちゃんの首に何かを当てた。
「あぅぅ……!」
小刻みに刻む激しい電撃音、スタンガンだ。
これはまさか……治世の持っていた武器か? 彼女を捕らえた時に手にしておいたのか。しかも改良して威力を増幅させているな。
利用できるものは何でも利用する、委員長らしい戦い方だ。
「こんにちは、文弥君」
「ど、どうも、委員長……」
「彼から離れなさい!」
治世の手首に掛けられた手錠は、彼女の身長を軽く上回る箱型の機械に繋がれていた。金属製の手すり部分はとてもじゃないが壊せそうにない。
よく見ると機械は斜めにされており、力を入れたり引っ張ろうとすれば倒れるようにされている。
重量もさぞかしのものであろう、倒れてきたらひとたまりもない。
そんな状況分析をしている俺だが、どうやら彼女の心配をしている場合でもなさそうだ。
首筋に冷たく伝わるその感覚は、軽く撫でるだけで朱を噴き出すには十分の刃物。
「待っておりましたよ。さあ……貴方の特異、取り出しましょう。ついでに広範囲で発動させて、混乱に陥れてくだされば私達はこの場から安全に立ち去れます。協力、してくださいね?」
「くっ……お、落ち着いて、話し合わない?」
「その必要はございません」
襟を掴まれて、奥へと引っ張られる。
様々な機械類を組み合わせた歪なその装置――こいつが、特異を取り出す装置。その他に、委員長の言葉から察するに、特異の発動も可能としているだろう。
手術台のような見た目から打って変わってどこかスチームパンクな雰囲気も出ているが、気になるのは……先端に針がついている二本のケーブル。
これ、絶対刺すよね?
0
あなたにおすすめの小説
足手まといだと言われて冒険者パーティから追放されたのに、なぜか元メンバーが追いかけてきました
ちくわ食べます
ファンタジー
「ユウト。正直にいうけど、最近のあなたは足手まといになっている。もう、ここらへんが限界だと思う」
優秀なアタッカー、メイジ、タンクの3人に囲まれていたヒーラーのユウトは、実力不足を理由に冒険者パーティを追放されてしまう。
――僕には才能がなかった。
打ちひしがれ、故郷の実家へと帰省を決意したユウトを待ち受けていたのは、彼の知らない真実だった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる