とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

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第218話 はぐれ人と探す人

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「それでは優勝した方にインタビューを行います。この度は大食い競争優勝おめでとうございます」
「ありがとうございます」

 リーベストは少し苦しそうな声で答えた。

「では、まずお名前を伺ってもいいですか?」
「リーベスト……うぷっ……です」
「リーベストさんですね。今回は一般枠として初参加で、予選でもいい食べっぷりで優勝候補でしたが、優勝して今の心境は?」
「嬉しいですよ……あの、その前に水、水くれる? 少し苦しいんだけど……うっ」

 インタビューをしていた人は、直ぐに水を持ってくるように伝え、スタッフの人がリーベストに水を渡す。
 リーベストは貰った水を一気に口へと流し込んで飲み込んだ。
 そして暫くした後、リーベストは改めてインタビューに答え始めた。

「と言う事で、リーベストさん優勝おめでとうございます! ではこれにて、大食い競争は終了です。また来年~!」

 そう言って出場した選手たちに大きな拍手が送られて、無事に大食い競争は終了するのだった。
 その後私たちは、出場選手たちがいる会場裏へと向かった。
 会場裏には、以外にも生徒たちがおり先程の試合を見て押し寄せて来ていたのだった。

「うわぁ~凄いな」
「これじゃ、探せないな」
「で、2人は誰を探してるの? あの優勝した人?」

 トウマからの問いかけに私が「そうだよ」と答え、リーベストの話をした。

「はいはい、さっきの優勝した人がシリウス魔法学院のリーベストって人なのね。でも、対抗戦での見た目とちょっと違ってなかったか?」
「それはたぶん、大食いのせいだろ。食べ過ぎで体系が少しふっくらしてたし、それに髪もかき上げてたし見た目が違うと思うのは仕方ない」
「でも、ルークはよく分かったね。俺全然気づかなかったよ」
「あの人の青い髪に黄金の目、それに左耳に小さいハートのピアスをしているが見えたからリーベストさんだと分かったんだよ」

 私はルークの的確な特徴を見てリーベストと判断していた事に、私は関心して「おぉ~」と声を出していた。
 そのまま私たちは周囲をキョロキョロとしながらリーベストを探していると、そこへニックが声を掛けて来た。

「何してるんだお前ら?」
「ニック」
「俺たちはさっきの大食い競争で優勝した人を探しているんだが、ニックは何してるんだ?」

 トウマがニックに訊ねると、ニックはピースの付き合いだと答える。
 ニックの手には飲み物があり、今からピースの元に戻るらしい。

「優勝した人に会いたいなら、ピースの所に居れば会いに来るかもしれないぞ。何か後で挨拶に来るとか言ってたらしいしな」
「本当! それじゃ、少しだけお邪魔しようよ」

 その後私たちはニックの後に付いて行き、あるテントへと入った。
 テント内には、ピース以外にダンデとダイモンの姿があった。

「ダンデにダイモン寮長も」
「ん? お~お前たちか。まさか、俺様の雄姿に見惚れて会いに来てしまったのか?」
「あ、いや、そう言う訳じゃないです」
「そうか……」

 私の言葉にダイモンは分かりやすく落ち込んだ。

「よぉ、クリスにトウマ、それにルークも。どうしてこんな所に来たんだ?」

 ダンデからの問いかけに私はさっきの大食い競争で優勝したリーベストに会いに来たと伝える。
 すると何故かダイモンやダンデが驚いた表情をする。

「えっ、あれシリウス魔法学院のリーベストだったの? 全然分からなかったわ」
「俺も気付かなかった。何か名前は同じだな~と思ってたけど、さすがに違うだろうと思っててよ。マジか、本人だったのかよ」
「ってか、何でそんな人がうちの学院祭の大食い競争に参加してるの?」

 ニックからの当然の疑問に、私は「さぁ~?」と首を傾げるしか出来なかった。

「まぁ、それも含めて挨拶とかしておこかと思ってここに来たんだ」
「なるほどな。そう言う訳だったか」

 そんな話をした直後、勢いよく私たちがいるテントへと誰かが勢いよく入って来た。

「あははははは! 優勝者の登場だ! お前たち、驚いたか? 驚いたろ。俺だよ、俺。リーベストだよ! ほら、対抗戦でシリウス魔法学院の代表者として2日目戦っていた人だよ!」

 突然のリーベスト登場に、テント内にいた私たちはただ黙ってリーベストの言葉を聞いていた。

「あれ? 何か思ってた反応と……って、クリスたちがいるじゃん。何でここにいるの?」
「それはこっちのセリフですよ、リーベストさん」

 私が逆に問いかけると、リーベストは「学院祭にただ来ただけだよ」と答えた。

「それは分かってるんですけど、どうして大食い競争に参加したのかですよ」
「あ~そっちか。そう言ってくれよ。てっきり、何で来てるのって言われてるのかと思ったじゃんか。まぁ、大食いに参加したのは面白そうだったからだな。俺の底知れぬ胃袋を見せつけてやるって思ってよ。あ~後、オービンが見つからなくてとりあえず飯でも食べようかと思って立ち寄ったから沢山食えるってあったからさ」
「えぇ~それで大食い競争に参加する?」

 トウマはルークに小声で問いかけると、ルークは軽く首を横に振りながら「しない」と答えた。

「そうだ。ルークもいるし、この後オービンの所に案内してくれよ。あいつどこにいるか全然分からなくってよ、弟のお前なら知ってるだろ? 兄弟だしよ」
「いや、兄貴がどこにいるかは俺にも知らないですよ」
「え~兄弟なのに!?」
「兄弟でもそこまでの事は分からないですよ、さすがに」

 そんな会話をしていると、再びテントに誰かが入って来た。

「お邪魔するよ」

 そう言って入って来たのは、ダイモン寮の副寮長であるワイズであった。

「お、ワイズ……と誰だ? その後ろの奴は?」
「あぁ、さっきそこで会ってな。人探しを手伝っているんだ」

 ワイズの背後には、眼鏡をした私服の男性が立っていたが、私からはワイズに隠れて顔がしっかりと見えはしなかった。

「ほぉ~あっ、そうだ。ワイズ、お前オービンを見なかったか? 大食い競争で一緒だったリーベストが探してるんだよ」
「リーベスト?」

 ワイズがそう呟くと、背後の男性が反応する。
 同時にリーベストが振り返りワイズに挨拶をすると、急に背後にいた男性が前に出て来た。

「えっ、何何!? 俺なんかしたか?」
「リーベスト、やっと見つけたぞ」
「へぇ? ……げぇっ、二コル」
「二コル?」

 私は首を傾げてリーベストに近付いた男性を見つめた。
 二コルは、眼鏡を外した時に私は対抗戦の時に一度だけすれ違った時の事を思い出した。
 あ~! リーベストさんと一緒にいた人か。
 あの時一瞬だけだったけど、何となく覚えているな。
 私はその時、二コルの特徴として右耳に青いイヤーフックを付け、星形のピアスをしていたと言う特徴で覚えていた。

「あっ、急にすいません。俺はこのリーベストと同じシリウス魔法学院の二コル・ノーザンと言います。今日はリーベストと共に来たんですが、途中でリーベストが勝手にはぐれてしまって探していたんです」
「別に勝手にはぐれた訳じゃないぞ。俺はこっちにオービンがいると思って来たら、知らないうちにお前がいなかっただけだ。お前が俺を見失うのが悪い」
「何を言っているんだリーベスト。俺がオービンの居場所を生徒に訊いている内に、お前が勝手に行ったんだろうが」

 リーベストと二コルがちょっとした言い合いをしている様子を見て、ワイズは頷きながら呟いた。

「まぁ何にしろ、探していた人が見つかって良かった、良かった」

 その後私たちはダイモンたちと軽く話した後、ワイズからオービンを見かけた場所を聞いて、リーベストと二コルをその場所に私たちが案内する事を引き受けた。
 理由は、私たちがこの後学院祭を回るルートにオービンが居る可能性が高い為、案内役としても良いとされお願いもされたので引き受けたのだ。
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