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第244話 とんでも理屈
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「エリス先輩!?」
「元気だった?」
「えっ、ま、まぁ……」
「とりあえず、ここで話すのもなんだし、部屋に入れてよ」
「は、はい」
私はとりあえずエリスを部屋へと入れた。
エリスは部屋へと入ると、周囲をぐるりと見回した。
「ふ~ん、思っていたより綺麗だね」
「どうな部屋を想像してたんですか?」
「もっと汚い部屋かな。だって男子って大雑把でしょ?」
私は男子じゃないですけどね。
そう心の中で思っていると、エリスが近付いて来て耳元で囁いた。
「ごめん、ごめん。クリスは男子じゃなかったね」
「……で、何の用ですか?」
私は少しそっぽを向いてエリスに訪ねて来た用件を訊くが、はぐらかされてしまう。
「そんなに怒らなくてもいいのに」
「怒っていませんよ」
「本当かな?」
「本当です! と言うか、どうして男子寮に来てるんですか? 見つかったら大変じゃないですか!」
そこで私は思い出したかの様にエリスに言うと、エリスも「確かに、それもそうね」と今知ったかの様に言って来た。
基本的に寮は男子だけなので、女子が来ることはあり得ない。
禁止されている訳ではないが、今まで来た事などない為見つかったらちょっとした事件になりかねない。
しかも来ているのが、学院女子生徒の中で『女帝』と呼ばれる存在であるエリス先輩だと知れたら、大事件だ。
私は咄嗟に廊下を見て誰も居ない事を確認し、扉を閉めた。
するとエリスは私の机の上を物色してから、近くのベッドに腰を掛けた。
「何をそんなに焦っているのよ」
「それりゃ焦りますよ。こんな所誰かに見られたら、大騒ぎですかね! てか、どうやって来たんですか?」
「どうやってて、正面から入って来ただけよ」
え~嘘でしょ……絶対に誰かに見られてるでしょ。
私はその発言を疑ったが、そんな事よりも今は何をしに来たのか訊くのが先だと思い、もう一度エリスに目的を訊いた。
「貴方と話をしに来たのよ」
「俺と、ですか?」
「あ~正確に言うと、貴方だけどクリスじゃなくてアリスとよ」
「え?」
私はよく分からず首を傾げた。
するとエリスは立ち上がって、何故か反対側に向かって歩きながら話し続けた。
「私って友達少ないじゃない」
「え、そうなんですか? 知らないですけど……」
「そうなのよ。3年生になると、皆やる事があったりで忙しかったりで、かまってくれる人がいなくてね」
「……」
「オービンもミカも、何か忙しくて相手してくれなくてさ~」
私はエリスのその話しで、何となく察してしまった。
あ~この人、ただ本当にかまってくれる人を探しに来たんだ……
そう思い私は、エリスの事をジト目で見つめているとエリスは私の視線に気付き、足を止めて私の方を向いた。
「察しのいいクリスなら、私が何をしに貴方の所に来たか、もう分かるわよね?」
「はぁ~……エリス先輩、今がどう言う時期か知ってます?」
「えぇもちろんよ。第二期期末試験まで2週間前、皆は試験に向けて勉強をしている時期よね?」
「でしたら、俺の所に来ても答えは同じですよ」
私は口に出さずに、エリスからのお誘いを断ったが、エリスは諦める事なく私の方に近付いて来て人差し指で鎖骨辺りをつついて来た。
「だから、クリスじゃなくてアリスにと言ったのよ」
「はい?」
「だって、アリスはこの学院の生徒じゃないじゃない。なら、私に付き合ってくれてもいいじゃない?」
な、何そのとんでも解釈!? いやいや、確かに私は今アリスじゃなくてクリスと名乗っているけど、本体はアリスなんだからその理屈はおかしいでしょ!
「それじゃ、決まりね」
「えっ!? いや、俺はまだ返事はしないんですけど?」
「え? 付き合ってくれないの?」
「無理ですよ。俺だって勉強したいし、それにそんな遊ぶような気分じゃないと言いますか……ともかく、無理ですよ」
エリスは私の返事を改めて聞いて、小さくため息をした。
「本気で試験対策しているなら私も誘わないわよ。でも、今の貴方は勉強のし過ぎで疲れてる表情よ。そんなんでやっても、どうせ身に入らないわよ」
「えっ?」
私は両手で自分の顔を触って、近くにあった鏡で自分の顔を見た。
「だから、ちょっとは息抜きしなさい」
……確かに、ここ最近空いてる時間はだいたい勉強をやってた気もする。
何もしないとルークの事やリリエルさんに言われた事を考えて、答えが出ずに嫌な気持ちになるから勉強して気を紛らわせていたんだ。
鏡を見て、自分の目の下にうっすらとくまが出来ていたり、少し頬が痩せている様にも見えた。
私てこんなだったけ?
「と言う訳で、今日から明日にかけて勉強禁止ね」
「禁止!?」
エリスからの言葉に私は直ぐに振り返った。
「そして、明日は私に付き合う事。いい? あ~ちなみに明日はクリスじゃなくて、アリスでね」
「それはどう言う意味ですか、エリス先輩?」
だがエリスは私の問いかけには答えずに、話を進める。
「後、明日は外出するから外出権を買っておいてね。それじゃ、明日10時に噴水の時計台下集合ね」
「ちょ、エリス先輩!?」
「それじゃ、明日ねクリス」
エリスはそう言って部屋から出て行く際に、軽く投げキッスとして部屋から去って行った。
えっ……何か一方的に明日会う約束になった?
私は嵐の様な出来事に暫く、その場から動く事が出来なかったが、直ぐに扉を開きエリスを追って話をしようとした。
だが、扉を開けて廊下を左右交互に見た時には既にエリスの姿はなかった。
嘘……もういない? 少し動けなかったけど、その間に走っても姿を見失う様な場所じゃないんだけど。
いや、まだ追えば追いつけるはず。
そう考えた私は、そのままエリスが行っただろう方へと走って追いかけた。
その姿をエリスは、廊下の天井に両足を付けた状態で見ていた。
「(さすがに天井までは見ないよね。それに風魔法で姿を隠すように操作しているから、見える訳ないか)」
エリスはそう思いながら、私が走っていた方とは逆の方へと天井を歩き始めた。
「(明日は楽しみね~何を着て行こうかしら)」
明日の事を考えながら歩ていると、通路の途中で階段がある箇所を通りかかる。
するとその階段で上から、オービンとミカロスが話しながら降りて来た。
そして、オービンがエリスの存在に気付き少し驚いた声を出す。
「えっ、何してんだエリス?」
「あっ……オービン」
オービンの声に反応し、ミカロスもエリスの方を見て目を疑った。
「何でここにお前がいるんだ、エリス……」
エリスはその時点で天井から降りると、黙って近くの窓へと向かって行き、オービンたちの方を向いた。
「失礼しました~……」
そう言って勢いよく窓を開けて、そこから逃げて行った。
「お、おい! エリス!?」
「……あははは。何してんだあいつ?」
「笑い事じゃないぞ、オービン。はぁ~エリスの事だから誰にもバレてないと思うが、何でこんな所まで来てんだよ」
「あれじゃないか? 最近かまって貰えなくて、つまらないからあんな事したんじゃないのか? 彼氏なら彼女を寂しくさせるなよ」
「うっ……し、仕方ないだろ。こんなのが来たら、相手したくても出来ないだろ」
ミカロスはそう言うって、持っていた資料を揺らした。
「まぁ~確かにな。急だったしな……あっ、いい事思い付いたぞミカ」
「……お前がそう言う表情をする時は、大抵あまり良くない事だった気がするが?」
「そんな事ないって。とりあえず、話だけでも聞いてくれよ、ミカ」
そう言われてミカロスは小さくため息をついて、オービンが思い付いた話を渋々聞くのだった。
「元気だった?」
「えっ、ま、まぁ……」
「とりあえず、ここで話すのもなんだし、部屋に入れてよ」
「は、はい」
私はとりあえずエリスを部屋へと入れた。
エリスは部屋へと入ると、周囲をぐるりと見回した。
「ふ~ん、思っていたより綺麗だね」
「どうな部屋を想像してたんですか?」
「もっと汚い部屋かな。だって男子って大雑把でしょ?」
私は男子じゃないですけどね。
そう心の中で思っていると、エリスが近付いて来て耳元で囁いた。
「ごめん、ごめん。クリスは男子じゃなかったね」
「……で、何の用ですか?」
私は少しそっぽを向いてエリスに訪ねて来た用件を訊くが、はぐらかされてしまう。
「そんなに怒らなくてもいいのに」
「怒っていませんよ」
「本当かな?」
「本当です! と言うか、どうして男子寮に来てるんですか? 見つかったら大変じゃないですか!」
そこで私は思い出したかの様にエリスに言うと、エリスも「確かに、それもそうね」と今知ったかの様に言って来た。
基本的に寮は男子だけなので、女子が来ることはあり得ない。
禁止されている訳ではないが、今まで来た事などない為見つかったらちょっとした事件になりかねない。
しかも来ているのが、学院女子生徒の中で『女帝』と呼ばれる存在であるエリス先輩だと知れたら、大事件だ。
私は咄嗟に廊下を見て誰も居ない事を確認し、扉を閉めた。
するとエリスは私の机の上を物色してから、近くのベッドに腰を掛けた。
「何をそんなに焦っているのよ」
「それりゃ焦りますよ。こんな所誰かに見られたら、大騒ぎですかね! てか、どうやって来たんですか?」
「どうやってて、正面から入って来ただけよ」
え~嘘でしょ……絶対に誰かに見られてるでしょ。
私はその発言を疑ったが、そんな事よりも今は何をしに来たのか訊くのが先だと思い、もう一度エリスに目的を訊いた。
「貴方と話をしに来たのよ」
「俺と、ですか?」
「あ~正確に言うと、貴方だけどクリスじゃなくてアリスとよ」
「え?」
私はよく分からず首を傾げた。
するとエリスは立ち上がって、何故か反対側に向かって歩きながら話し続けた。
「私って友達少ないじゃない」
「え、そうなんですか? 知らないですけど……」
「そうなのよ。3年生になると、皆やる事があったりで忙しかったりで、かまってくれる人がいなくてね」
「……」
「オービンもミカも、何か忙しくて相手してくれなくてさ~」
私はエリスのその話しで、何となく察してしまった。
あ~この人、ただ本当にかまってくれる人を探しに来たんだ……
そう思い私は、エリスの事をジト目で見つめているとエリスは私の視線に気付き、足を止めて私の方を向いた。
「察しのいいクリスなら、私が何をしに貴方の所に来たか、もう分かるわよね?」
「はぁ~……エリス先輩、今がどう言う時期か知ってます?」
「えぇもちろんよ。第二期期末試験まで2週間前、皆は試験に向けて勉強をしている時期よね?」
「でしたら、俺の所に来ても答えは同じですよ」
私は口に出さずに、エリスからのお誘いを断ったが、エリスは諦める事なく私の方に近付いて来て人差し指で鎖骨辺りをつついて来た。
「だから、クリスじゃなくてアリスにと言ったのよ」
「はい?」
「だって、アリスはこの学院の生徒じゃないじゃない。なら、私に付き合ってくれてもいいじゃない?」
な、何そのとんでも解釈!? いやいや、確かに私は今アリスじゃなくてクリスと名乗っているけど、本体はアリスなんだからその理屈はおかしいでしょ!
「それじゃ、決まりね」
「えっ!? いや、俺はまだ返事はしないんですけど?」
「え? 付き合ってくれないの?」
「無理ですよ。俺だって勉強したいし、それにそんな遊ぶような気分じゃないと言いますか……ともかく、無理ですよ」
エリスは私の返事を改めて聞いて、小さくため息をした。
「本気で試験対策しているなら私も誘わないわよ。でも、今の貴方は勉強のし過ぎで疲れてる表情よ。そんなんでやっても、どうせ身に入らないわよ」
「えっ?」
私は両手で自分の顔を触って、近くにあった鏡で自分の顔を見た。
「だから、ちょっとは息抜きしなさい」
……確かに、ここ最近空いてる時間はだいたい勉強をやってた気もする。
何もしないとルークの事やリリエルさんに言われた事を考えて、答えが出ずに嫌な気持ちになるから勉強して気を紛らわせていたんだ。
鏡を見て、自分の目の下にうっすらとくまが出来ていたり、少し頬が痩せている様にも見えた。
私てこんなだったけ?
「と言う訳で、今日から明日にかけて勉強禁止ね」
「禁止!?」
エリスからの言葉に私は直ぐに振り返った。
「そして、明日は私に付き合う事。いい? あ~ちなみに明日はクリスじゃなくて、アリスでね」
「それはどう言う意味ですか、エリス先輩?」
だがエリスは私の問いかけには答えずに、話を進める。
「後、明日は外出するから外出権を買っておいてね。それじゃ、明日10時に噴水の時計台下集合ね」
「ちょ、エリス先輩!?」
「それじゃ、明日ねクリス」
エリスはそう言って部屋から出て行く際に、軽く投げキッスとして部屋から去って行った。
えっ……何か一方的に明日会う約束になった?
私は嵐の様な出来事に暫く、その場から動く事が出来なかったが、直ぐに扉を開きエリスを追って話をしようとした。
だが、扉を開けて廊下を左右交互に見た時には既にエリスの姿はなかった。
嘘……もういない? 少し動けなかったけど、その間に走っても姿を見失う様な場所じゃないんだけど。
いや、まだ追えば追いつけるはず。
そう考えた私は、そのままエリスが行っただろう方へと走って追いかけた。
その姿をエリスは、廊下の天井に両足を付けた状態で見ていた。
「(さすがに天井までは見ないよね。それに風魔法で姿を隠すように操作しているから、見える訳ないか)」
エリスはそう思いながら、私が走っていた方とは逆の方へと天井を歩き始めた。
「(明日は楽しみね~何を着て行こうかしら)」
明日の事を考えながら歩ていると、通路の途中で階段がある箇所を通りかかる。
するとその階段で上から、オービンとミカロスが話しながら降りて来た。
そして、オービンがエリスの存在に気付き少し驚いた声を出す。
「えっ、何してんだエリス?」
「あっ……オービン」
オービンの声に反応し、ミカロスもエリスの方を見て目を疑った。
「何でここにお前がいるんだ、エリス……」
エリスはその時点で天井から降りると、黙って近くの窓へと向かって行き、オービンたちの方を向いた。
「失礼しました~……」
そう言って勢いよく窓を開けて、そこから逃げて行った。
「お、おい! エリス!?」
「……あははは。何してんだあいつ?」
「笑い事じゃないぞ、オービン。はぁ~エリスの事だから誰にもバレてないと思うが、何でこんな所まで来てんだよ」
「あれじゃないか? 最近かまって貰えなくて、つまらないからあんな事したんじゃないのか? 彼氏なら彼女を寂しくさせるなよ」
「うっ……し、仕方ないだろ。こんなのが来たら、相手したくても出来ないだろ」
ミカロスはそう言うって、持っていた資料を揺らした。
「まぁ~確かにな。急だったしな……あっ、いい事思い付いたぞミカ」
「……お前がそう言う表情をする時は、大抵あまり良くない事だった気がするが?」
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