とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

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第280話 最終成績発表と盗み聞き

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 ルークからの再告白と試験勝負の再契約から次の日。
 第二期期末試験の結果発表がある為、皆は教室に集まっていた。
 まだ担当教員の姿はなく、各々自由に話してたいりしていたが、私は自席に座り頬に手をついて小さくため息をついた。
 試験結果か……はぁ~実力試験の方の結果を聞いた感じだど、今回は前回より成績が良くない気がするんだよな。
 私は昨日治療室から寮へと戻った時に、ベックスとガードルが詳しい試験評価などを教えてくれどう言う結果だったを知っていた。
 その時ベックスは、最後にメダルを取り返させなかった事を謝ったが、別にベックスのせいではないと私は伝えた。
 それよりも私は軽くでも試験の時の反省会をしてみないかと提案した。
 自分たちがどう行動したのか、良かった点や悪かった点などを互いに知るいい機会だと伝えると、2人は断る事無く賛同してくれた。
 その後リビング兼食堂でお疲れ様会を兼ねつつ軽食しながら反省会を行ったのだ。
 と、私が昨日の反省会の事を思い出しているとルークが話し掛けて来た。

「何ため息なんかついてるんだよ、クリス」
「別に何だっ……って、ルーク!?」

 私は急にルークが話し掛けて来た事に驚き、声を上げて立ち上がってしまう。

「そんなに驚くか?」
「いや、だって、今までそんな風に話し掛けて来た事あんまりないし……」
「そうか? お前が俺に話し掛けられるのが嫌って言うなら、やめるけどよ」
「……別に嫌じゃないけど……また、嫌な言い方を」

 私は最後にボソッとルークに聞こえないように呟き、椅子に座った。
 するとそこにシンリが自席に戻って来る。

「何々、何か教室だと珍しい組み合わせで話してるじゃん」
「珍しい? 俺とクリスが?」
「別に珍しくなんてないっての」
「何て言うか、よく争ってる感じ? そう言うのいい関係だよね~」

 シンリの言葉を聞くとルークがシンリの肩を軽く叩きながら私の方を向いた。

「俺たちいい関係だってよ、クリス」
「シンリ、それはライバル的な意味だよね」

 私は変にアピールしてくるルークに対して、笑顔でシンリに問いかけた。

「え、あ~うん。そういう――」
「いやいやクリス、シンリはそれも含めていい関係だと言ってるんだよ。な、そうだよなシンリ」

 ルークはシンリの肩に置いた手に少し力を入れ握る。

「えっ……あ、あ~そうだったか――」
「何言ってるんだルーク、そんな訳ないだろ。シンリが言い間違えるかよ。ライバル関係が羨ましいって事だよな、シ・ン・リ?」

 私は静かに笑顔で圧をかけるように再び問いかけた。
 そんな私の圧を察しシンリは再び意見を変えようとすると、ルークが再び肩に置いている手に力を入れて反対の意見を述べて来る。
 その後、そんなやり取りをシンリを間に挟み私とルークは続けたのだ。

「(何この状況!? 僕、何に巻き込まれてるのー!? 誰か助けて~)」

 シンリが涙目になりながら私たちに振り回されいるのを、遠くからトウマ、リーガ、ライラックが笑いながら見ていた。

「何やってるんだあいつ等?」
「あ~あ、シンリの奴変ないざこざに巻き込まれかわいそうだな」
「助けに行ってやろうぜ」
「そうだな。っておいトウマ、聞いてるのか? さっきからずっと黙っててよ」
「……あぁ。聞いてるよ」

 トウマは少しムスッとした顔でルークの方を見ていた。
 その様子に2人はハッと昨日の事を思い出し、急にトウマに優しい声を掛けだす。

「トウマ、もしかして昨日の治療の後遺症か? タツミにあんな事されたんだもんな。そうだよな」
「かわいそうに。感情を失っちまったなんてっ! だけど、お前が無事でなによりだ。俺たちが居るから安心しろ、トウマ」
「いや感情失ってねぇし。てか、後遺症ってなんだよ。勝手に物語作るな」
「いやだってよ、お前変だぞ。昨日治療室から帰って来てからずっとよ、そんなムス~っとした顔してるし」
「そそ、気付いてないかもしんねぇけど、ため息も多しよ。試験が終わったのに元気ないとか、お前らしくないんだよ」

 2人はトウマの事を茶化しているんではなく、普段とは違う様子のトウマを心配していたのだった。
 トウマは2人が本当に心配してくれている顔だと分かり「悪い」と一言だけ謝った。

「何か体の異常とかじゃないんだよな?」
「あぁ。ちょっとした考え事だ」
「それは俺たちには言えないのか? 相談に乗るぞトウマ」
「ありがとう。でも悪い、これはばっかりは人には言えないんだ。心配してくれてるのに、悪いな」

 トウマの返事に2人は顔を見合わせる。

「はぁ~、分かったよ。でも、それが嘘だったら縛ってタツミの所に連れて行くからな」
「いつまでもため息してっと、幸せ逃げてくぞ。ため息すんなら、笑顔でしとけ」
「それ出来んのかよ」
「知らん」
「おい」
「まぁ、俺から言えんのは、考えたって分かんねぇ事は分かんねぇぞって事だな」
「迷ったら筋肉を、いや体を動かせだ。笑顔でため息も無理なら、筋トレでもいいぞ。なんなら俺が付き合ってやるから、考えとけよ」

 その後2人はそう言って、トウマから離れて助けを求めているシンリの元へと向かって行くのだった。

「全くあいつ等は……考えても分からないか」

 トウマは2人の後ろ姿を見ながらそう呟いた。
 その時トウマは、昨日の事を考えていたのだった。
 具体的には治療室でタツミに治療を受け意識を失った後の出来事である。

「(まぁ確かに、昨日のルークとクリスの話の事をずっと考えていても仕方ないよな)」

 トウマは、昨日治療室であった出来事の一部を聞いていたのだった。
 だが全てを聞いてはおらず、途中から意識が戻り2人が話しているのが聞こえ、結果的には盗み聞きと言う形になっていたのだ。

「(ルークの再告白に、再契約って何だ? そもそも契約って何してるんだよ。あ~所々しか聞こえなかったから、余計にモヤモヤすんだよな~。何であんな時に意識戻るかな~こんなんなら、意識戻らない方が良かったわ……いや、気絶してたかった訳じゃないんだけど、そのタイミングつうか……はぁ~)」

 トウマは頭を抱えて重くため息をつく。
 昨日の会話を盗み聞きした形である為、どちらかにそれを聞くわけもいかず、モヤモヤが解消出来ずに困っていたのだった。
 するとそこに担当教員が教室に入って来て、皆に席に着く様に声を掛けるのだった。
 そして黒板に、第二期期末試験の最終成績発表が映し出された。


 第二期期末試験クラス内最終成績
  1位 ルーク   11位 ベックス
  2位 シン    12位 マックス
  3位 アルジュ  13位 ガードル
  4位 ニック   14位 リーガ
  5位 ガウェン  15位 ライラック
  6位 ノルマ   16位 シンリ
  7位 クリス   17位 ヴァン
  8位 トウマ   18位 ガイル
  9位 フェルト  19位 モーガン
  10位 ケビン   20位 ピース
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