とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

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第281話 お悩み相談室

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「うぉっしゃー! 最下位脱出!」
「うわぁ……ワースト5……」
「僕が10位……」
「はぁ~まぁ5位以内だし、大丈夫だろ」
「……最下位」

 皆が各々の反応をしていると、ピースが突然意識を失う様に、机に突っ伏してしまう。
 それを見ていた隣の席のフェルトが声を掛ける。

「お~いピース? 大丈夫か?」
「最下位……最下位……僕が最下位……」
「あ~先生、気にしなくて大丈夫ですよ。ただ、結果にショックを受けただけっぽいので」
「そ、そうか」

 担当教員はフェルトの言葉に返事を返した後、切り替えて話を始めた。

「試験結果は人それぞで、受け止め方も様々だろう。今回は前回の時より成績が上がった者も、下がった者もいると思うがそれに一喜一憂するではなく、継続・改善していく事も大切だぞ」

 そう告げている時、私は試験結果を見て「7位か」と呟いた。
 まぁ、学科の方も滅茶苦茶出来たって訳でもないし、そんな所か……
 私は妥当な順位であり、受け入れようとしたが、心のどこかでそれを受け入れられない自分がいると分かる。
 前回と比べたら普通に成績下がってるし、決して良かったと言える結果じゃないんだよな。
 そんな事を思いながら担当教員の話を聞いていると、知らない間に試験の話から切り替わっていた事に気付く。

「と言う訳で、第二期期末試験も終わったので、一応明日から3週間程の冬休みに入る」
「「いえーい! 休みー!」」
「おいリーガ、ライラック。最後まで話を聞いてから盛り上がれ」

 注意された2人は「は~い」と答え静かになると、続けて担当教員が話しだした。

「毎年の事だが、帰省せずに寮に残る者は年末年始は食堂も寮からの食事もないから気を付ける様に。逆に帰省する者は、いつからいつまでの届け出を出すのを忘れるなよ」

 担当教員はそう言って映像を切り替え、届け出の提出期限や注意事項などを映した。
 へぇ~この時期の帰省は、届け出を出すんだ。
 いや待てよ、前の学院でもそんなのがあったよな……
 私は、ここへ転入するまで通っていたクレイス魔法学院での事を思い出したが、そもそもその時からあまり帰省をしてなかったので曖昧であった。
 そもそも家に帰るのは、基本的に1年学院に通い学年が変わる前くらいなのだ。

「連絡事項は以上だ。それじゃ皆、第二期お疲れ様。少し早いがこうやって集まるのは今年最後なので、よいお年を、だ。それでは解散」

 担当教員はそのまま教室から立ち去って行った。
 その後皆は各々に立ち上がったり、背伸びをしたりと第二期期末試験終了を改めて実感していた。
 私は立ち上がり、荷物を持ち図書館に行こうとした時に、ふとトウマの方に視線を向けるとトウマは珍しくフェルトたちに話し掛けていた。
 何話してるんだろ? にしても、トウマがフェルトたちに話してるのは珍しいな。
 そんな風に思いはしたが、ふと視界に入っただけだったので物凄く気になるって訳でもなかったので、そのまま私は教室から出て行った。

「で、何で俺?」
「いや~何となく、そう言う相談とか色々受けてそうだな~と思って……」
「あ~なるほどね」
「てか、お前にも人に相談したくなる悩みがあったんだな」
「そりゃあるわ! 俺を何だと思ってるんだよ、ニック」
「え、ポジティブマン」
「ポジ、ポジティブマン? それって、褒めてんの?」
「愛称だな」
「あ、そう、なのね」

 トウマはどう言う受け止め方をして良いのか分からず、何とも言えない顔をしているとフェルトが話を戻した。

「はいはい、で俺に話があるんだろトウマ?」
「あぁ。フェルトが良ければちょっと意見が欲しいかな」
「俺はいいけど、リーガやライラックに相談はしないのか? さっきそんな話をしてなかったか?」
「あ~なんつうか、あいつ等には後で聞くつもりだ。先に聞くとその意見に流されそうだし、別の人から先に聞いてみようかと思って、お前に話し掛けたんだ」
「ふ~ん。トウマなりに考えであっての行動なんだな」

 フェルトはそう言うとニックの方を見た。

「つう訳で、俺はトウマのお悩み相談にのるから、ピースの介抱はパスで」
「あ! お前、今それ思い付いたろ」
「いやいや、そんな訳ないだろ」
「……はぁ~分かったよ。別に介抱ってほどじゃねぇし、いいけど」

 するとニックは机に突っ伏しているピースを揺らし、起こす。
 ピースはボーっとした表情で何かを呟いていたが、ニックはそれに対して「はいはい、行くぞ~」と答えてピースの背中を押していくのだった。

「フェルト、食堂でお菓子くらいは買って来てくれよ。それくらい頼んでもいいだろ?」
「はいはい~お任せあれ~」

 軽い返事をするとニックは軽くため息をついた後、ピースの背中を押して教室を出て行くのだった。

「あいつ、何だかんだって面倒見いいよな。トウマもそう思うだろ?」
「確かにそう言われれば。同室だからか? めんどくさがりなイメージだから、文句とか言ってやらない感じだけど」
「だよな~そう思うよな。意外とほっとけない性格見たいだぞ、ニックは」
「へぇ~そうなのか」
「あ、今の俺が言ったのニックに言うなよ。あいつそれ言われるが、嫌みたいだからよ。黙っとけよ」

 トウマは頷いて返事をすると、フェルトは椅子に座り早速トウマのお悩み相談へと話を進めるのだった。
 その頃私は、またしてもルークと廊下を歩いていた。

「何てルークがいるのさ」
「俺は寮に帰るだけで、お前がそこにいただけだろ」
「別に俺の近くにいる事ないだろ」
「そんなにくっ付いてないだろが」

 私とルークが少し言い合いになりながら廊下を歩いてると、周囲の人たちに優しく微笑まれたりした事に気付き足を止める。
 急に止まった私にルークも変に思ったのか足を止めた。

「どうした急に止まって?」
「別に。ほら、寮に行くなら俺にかまわないで行けばいいだろ」
「いや、急に止まってそんな事言われたら気になるだろ? 何かあったのか?」

 何故かグイグイと質問してくるルークに、私は少しうんざりしていた。
 もー何なのこのルーク、ちょっとうざい。
 てか、前にもこんな感じの事あった気が……あ~あれはトウマだったけ。
 その時私は、昨日ルークが言った言葉を思い出した。
 えっ、待って……もしかしてこれが、ルークが言ってた積極的に攻める的なあれ?
 と、私は考えたが、さすがにそれはないないと思ったが、もしかしたら本当にそうかもしれないと少し引き気味にルークの方を見てしまう。

「おやおや、今日は仲睦まじいね2人とも」
「そんな事はって、オービン先輩!?」
「兄貴?」

 そこへ急に声を掛けて来たのは、オービンであった。
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