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第326話 招待状
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年初めに屋敷に訪問しに来た人物は、綺麗にドレスコードしたジュリルであった。
私は自分がはしたなく声を出してしまった事に気付き、謝って直ぐに身を縮めた。
「新年早々の訪問、お許しいただきありがとうございます。エリック・フォークロス様」
そう言ってジュリルは部屋に一歩入り、お父様へと挨拶をした。
「こちらこそ、何ももてなしが出来なくて申し訳ない。ハイナンス家御令嬢、ジュリル・ハイナンス」
「いいえ、そこまでお気遣いなくて結構でございます。今日は以前お伝えしていた招待状を直接渡しに来ただけですので」
招待状? 何の?
私は黙ったままジュリルとお父様の会話を見つめていると、ジュリルが共にやって来た使用人を呼び寄せ招待状を受け取ると、お父様へと近付いて行く。
「では、こちらがハイナンス家の別荘にて行われるパーティーの招待状となります。お受け取り下さい」
「ありがとう。パーティーを楽しみにしていると、伝えておいてくれるかい?」
「はい。もちろんでございます、エリック様」
ジュリルの返事にお父様も笑顔で答えると、お母様がジュリルに話し掛けた。
「せっかく来たのですから、体を休めると思って紅茶の一杯くらい飲んで行っては?」
「ありがとうございます。ですが、申し訳ありません。まだ招待状を渡さなければいけない相手がおりますため、先を急ぎますのでご遠慮させていただきます」
「そう。それは残念ね。貴方も大変ですのね」
「いえ、私だけではなく使用人たちも動いてくれていますので、私の方はそこまでではありません」
「謙虚なのですね」
お母様からの言葉にジュリルは少し照れくさそうな顔をした。
「では、私はこの辺で失礼いたします。それでは当日のパーティーでまた会える日を楽しみにしております」
「日も暮れているので気を付けてくださいね」
「ありがとうございます、エリック様」
「それじゃ、2人と使用人に門まで送らせますわ。アバン、アリスお願いするわ」
突然の指名に私は驚くがお兄ちゃんは冷静に対応し返事をしており、私も遅れて返事をしてからジュリルを見送る為に共にリビングを後にした。
先導はレジバルドとマリアがしてくれ、お兄ちゃんは一番後ろを歩き、その前にはジュリルの使用人がいて、私はジュリルの真横を歩いている。
何となく真横を歩いてしまったけど、いいのだろうか? 会話もないまま淡々と進んで行くし……何か話した方がいいのかな? それとも話すこと自体がダメとか?
と、私が考えているとジュリルが話し掛けて来た。
「アリス、あの日以来ですわね」
「え、あ、えぇ。そうね」
「言った通りまた近いうちに会いに来ましたわ。まぁ、分かっていたと思いますが」
え、あの時の言葉は学院でって事じゃなくて、私の屋敷に来るからその時って事だったのね……勘違いしてたなんて言えない。
「アリス?」
「ん? あ~そ、そうね。分かっていましたよ。うん」
私がそう焦って答えると、お兄ちゃんは後ろの方で小さく笑う。
ジュリルは一瞬だけお兄ちゃんの方に視線を向けるが、直ぐに私の方へと戻すと何故がじっと見つめて来て小声で問いかけて来た。
「……最初の反応でもしやと思ったのですが、貴方もしかして、パーティーの事知らなかったのではありませんか?」
「そ……そんな事、ないよ……」
「ふ~ん。まぁ、そう言う事にしておいてあげますわ」
何やってんだ私~別に嘘付かなくても良かったじゃん……何て言うか見栄的な、言ったら負け的なものに勝てなくて、つい。
心の中で自分に言い訳をしていると、あっという間に玄関に辿り着き外に出ると目の前には馬車が一台止まっていた。
そこにはレオンともう一人の使用人立ってジュリルの帰りを待っており、私たちが出て来たと同時に一礼して来た。
するとレオンが馬車の扉を開け、先頭を歩いていたレジバルドとマリアが黙ったまま端へと寄り頭を下げると、先に門の方へと向かって行った。
「アバン様、アリス。お見送りありがとうございました」
「いえ、こちらこそお会いできて嬉しかったですよ、ジュリル様」
「有名なアバン様にそんな風に言って頂けるだけで嬉しいですわ」
「俺は残念ながら、私用でパーティーには参加出来ないが、こうして妹の友人と本当に少ないが言葉をかわせて良かったよ。これからも妹の良き友人としていてくれると、嬉しいよ」
「お、お兄ちゃん!?」
私が動揺する姿にジュリルは小さく笑うが直ぐに言葉を返して来た。
「えぇ、もちろんですわ。アリスとはまだ決着がついていませんもの。これからも良きライバルとして、お付き合いさせていただきますわ! ですが、アバン様がパーティーに参加出来ないのは残念ですわ。ゆっくりとお話がしたいと思っていましたので」
「これが最後ではないのだから、またいずれその機会はあるはずですので、その時に存分にお話をしましょうジュリル様」
「はい。では、今日はこれにて失礼いたします」
ジュリルは一礼すると、馬車へと乗り込みレオンが扉を閉めると私たちに一礼し、御者の隣へと座ると馬車は動き出し屋敷から去って行き、それをレジバルドとマリアが最後に門の近くから見送っていた。
「アリス、あの嘘は良くないよ~。マリアが聞いていたら、チクチクと言われている所だよ」
「うっ……分かっています。今度ジュリルにも謝っておきます」
「自分で分かっているなら、俺からはもう何も言わないよ。ほら、外は冷えるから先に中に入って、マリアたちの帰りを待とうか」
「はい」
その後私たちは、マリアたちが帰って来るのを迎えた後、リビングへと戻った。
そこでジュリルからのパーティーの話を改めて聞き、ハイナンス家の別荘にての新年パーティーは3日後の1月4日だと知る。
お兄ちゃんは明日には王都へと先に帰る為、パーティーには参加出来ないので、当日はお父様お母様、そして私の3人が来賓として参加となった。
そして次の日、私たちは皆でお兄ちゃんを送り出し一足先に馬車で王都へと向かって行った。
それからあっという間に2日過ぎ、パーティーの日を迎えたのだった。
私は自分がはしたなく声を出してしまった事に気付き、謝って直ぐに身を縮めた。
「新年早々の訪問、お許しいただきありがとうございます。エリック・フォークロス様」
そう言ってジュリルは部屋に一歩入り、お父様へと挨拶をした。
「こちらこそ、何ももてなしが出来なくて申し訳ない。ハイナンス家御令嬢、ジュリル・ハイナンス」
「いいえ、そこまでお気遣いなくて結構でございます。今日は以前お伝えしていた招待状を直接渡しに来ただけですので」
招待状? 何の?
私は黙ったままジュリルとお父様の会話を見つめていると、ジュリルが共にやって来た使用人を呼び寄せ招待状を受け取ると、お父様へと近付いて行く。
「では、こちらがハイナンス家の別荘にて行われるパーティーの招待状となります。お受け取り下さい」
「ありがとう。パーティーを楽しみにしていると、伝えておいてくれるかい?」
「はい。もちろんでございます、エリック様」
ジュリルの返事にお父様も笑顔で答えると、お母様がジュリルに話し掛けた。
「せっかく来たのですから、体を休めると思って紅茶の一杯くらい飲んで行っては?」
「ありがとうございます。ですが、申し訳ありません。まだ招待状を渡さなければいけない相手がおりますため、先を急ぎますのでご遠慮させていただきます」
「そう。それは残念ね。貴方も大変ですのね」
「いえ、私だけではなく使用人たちも動いてくれていますので、私の方はそこまでではありません」
「謙虚なのですね」
お母様からの言葉にジュリルは少し照れくさそうな顔をした。
「では、私はこの辺で失礼いたします。それでは当日のパーティーでまた会える日を楽しみにしております」
「日も暮れているので気を付けてくださいね」
「ありがとうございます、エリック様」
「それじゃ、2人と使用人に門まで送らせますわ。アバン、アリスお願いするわ」
突然の指名に私は驚くがお兄ちゃんは冷静に対応し返事をしており、私も遅れて返事をしてからジュリルを見送る為に共にリビングを後にした。
先導はレジバルドとマリアがしてくれ、お兄ちゃんは一番後ろを歩き、その前にはジュリルの使用人がいて、私はジュリルの真横を歩いている。
何となく真横を歩いてしまったけど、いいのだろうか? 会話もないまま淡々と進んで行くし……何か話した方がいいのかな? それとも話すこと自体がダメとか?
と、私が考えているとジュリルが話し掛けて来た。
「アリス、あの日以来ですわね」
「え、あ、えぇ。そうね」
「言った通りまた近いうちに会いに来ましたわ。まぁ、分かっていたと思いますが」
え、あの時の言葉は学院でって事じゃなくて、私の屋敷に来るからその時って事だったのね……勘違いしてたなんて言えない。
「アリス?」
「ん? あ~そ、そうね。分かっていましたよ。うん」
私がそう焦って答えると、お兄ちゃんは後ろの方で小さく笑う。
ジュリルは一瞬だけお兄ちゃんの方に視線を向けるが、直ぐに私の方へと戻すと何故がじっと見つめて来て小声で問いかけて来た。
「……最初の反応でもしやと思ったのですが、貴方もしかして、パーティーの事知らなかったのではありませんか?」
「そ……そんな事、ないよ……」
「ふ~ん。まぁ、そう言う事にしておいてあげますわ」
何やってんだ私~別に嘘付かなくても良かったじゃん……何て言うか見栄的な、言ったら負け的なものに勝てなくて、つい。
心の中で自分に言い訳をしていると、あっという間に玄関に辿り着き外に出ると目の前には馬車が一台止まっていた。
そこにはレオンともう一人の使用人立ってジュリルの帰りを待っており、私たちが出て来たと同時に一礼して来た。
するとレオンが馬車の扉を開け、先頭を歩いていたレジバルドとマリアが黙ったまま端へと寄り頭を下げると、先に門の方へと向かって行った。
「アバン様、アリス。お見送りありがとうございました」
「いえ、こちらこそお会いできて嬉しかったですよ、ジュリル様」
「有名なアバン様にそんな風に言って頂けるだけで嬉しいですわ」
「俺は残念ながら、私用でパーティーには参加出来ないが、こうして妹の友人と本当に少ないが言葉をかわせて良かったよ。これからも妹の良き友人としていてくれると、嬉しいよ」
「お、お兄ちゃん!?」
私が動揺する姿にジュリルは小さく笑うが直ぐに言葉を返して来た。
「えぇ、もちろんですわ。アリスとはまだ決着がついていませんもの。これからも良きライバルとして、お付き合いさせていただきますわ! ですが、アバン様がパーティーに参加出来ないのは残念ですわ。ゆっくりとお話がしたいと思っていましたので」
「これが最後ではないのだから、またいずれその機会はあるはずですので、その時に存分にお話をしましょうジュリル様」
「はい。では、今日はこれにて失礼いたします」
ジュリルは一礼すると、馬車へと乗り込みレオンが扉を閉めると私たちに一礼し、御者の隣へと座ると馬車は動き出し屋敷から去って行き、それをレジバルドとマリアが最後に門の近くから見送っていた。
「アリス、あの嘘は良くないよ~。マリアが聞いていたら、チクチクと言われている所だよ」
「うっ……分かっています。今度ジュリルにも謝っておきます」
「自分で分かっているなら、俺からはもう何も言わないよ。ほら、外は冷えるから先に中に入って、マリアたちの帰りを待とうか」
「はい」
その後私たちは、マリアたちが帰って来るのを迎えた後、リビングへと戻った。
そこでジュリルからのパーティーの話を改めて聞き、ハイナンス家の別荘にての新年パーティーは3日後の1月4日だと知る。
お兄ちゃんは明日には王都へと先に帰る為、パーティーには参加出来ないので、当日はお父様お母様、そして私の3人が来賓として参加となった。
そして次の日、私たちは皆でお兄ちゃんを送り出し一足先に馬車で王都へと向かって行った。
それからあっという間に2日過ぎ、パーティーの日を迎えたのだった。
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