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第349話 最終競技出場者
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オービンの言葉に見物人たちも周囲に集まって来だす。
両派閥も柵より内側へと入って来て、オービンの方へと注目する。
そのままオービンは簡単に最終競技についての説明を始めた。
『三番勝負』最終競技である『実力勝負対決』では、両派閥互いに代表者一名が中央舞台へと上がり、その名の通り魔法や魔力、武術などを駆使して相手を倒すという競技である。
勝利条件は、相手を戦闘不能にさせる、また中央舞台場外へと出す、もしくは降参をさせるかである。
制限時間はなく、戦闘不能の判断は審判者が判断を行うが、基本的には立てなくなる動けなくなった時点で、戦闘不能と判断されるとオービンは口にした。
そこである程度の説明を終えると、ミカロスが審判者を連れてやって来た。
そのままミカロスは審判者を中央舞台の上へと向かわせ、オービンは軽くミカロスに手を上げて「ありがとう」と口にする。
「皆様、今回の競技の審判者を紹介します。審判者は、我が学院の副学院長であるデイビッド・クォーターさんです!」
オービンに紹介されたデイビッドは、いつも通り全身黒の正装で眼鏡をかけ、髪はオールバックにしている状態で皆に簡単に挨拶した。
「諸君、私が今回の審判者を務めるデイビッドだ。よろしく頼む」
「副学院長、メルトボーイ・クイーンコンテスト前哨戦の審査委員長以外にも、今回は審判者を引き受けていただきありがとうございます」
「いや、気にする事でない。これも副学院長としての仕事だからな」
そう言ってデイビッドは、少しオービンから離れた場所へと一旦移動した。
デイビッド副学院長を見たのは、メルトボーイ・クイーンコンテスト前哨戦以来だな。
本当に学院内では会わないんだよね。
まぁ、そもそも副学院長っていう立場なのだからそれが普通か。
服装もそうだけど、雰囲気が一見怖そうなんだけど、アルジュとかから聞いた話ではそんなに怖い人ではないらしい。
毎年のメルトボーイ・クイーンコンテスト前哨戦の審査委員長を乗り気でやっているらしい。
それを聞いた時はギャップが凄いなと思ってしまった。
私はそんな事を思い出しつつ、視線をオービンの方へと戻した。
「それではこれより、両者の代表者に登場していただきましょう。まずはトウマ派閥からお願いします」
オービンの声を聞いてから、中央舞台へと上がって来たのは次期寮長候補であるトウマであった。
トウマの登場に一気に周囲が盛り上がる。
その歓声にトウマもまんざらでもない顔で、ちょっとカッコつけて片手を上げたりするのだった。
「(何か、こうやって歓声を浴びるのも悪くないな。まぁ、最終競技だし当然ここは俺が行くよな。相手もほぼ確定している様なもんだし、後は勝てるかどうかだな)」
トウマは既にルーク派閥から誰が代表者で出て来るか想定しており、先に手首などの柔軟を始めるのだった。
そして次にオービンがルーク派閥からの代表者に出て来てもらう様に口にする。
すると、代表者として出て来た人物に周囲がざわつきだし、その人物が中央舞台に上がるとトウマも目を疑い、驚いてしまう。
「え、え!? 何でルークじゃなくて、お前なんだよベックス!」
「まぁ、そういう反応になるよね……」
見物人たちもトウマと同じく最終競技はてっきり、次期寮長候補でもあるルークが出て来て直接対決が行われると思っていたらしく、皆が驚いていた。
もちろん私もそのうちの一人である。
まさかルークじゃなくてベックスがここで出て来るとは……予想外過ぎる。
私はチラッと真横のガウェンの方を見るが、全然動揺していない表情をしていてそれにも驚いた。
え、全然表情が変わってないとかある?
私がそんな事をしているうちに、中央舞台ではトウマがベックスではなくルークへと声を掛けていた。
「おいルーク! こういう時は、お前が出て来るんじゃないのかよ! 俺はてっきりお前が来ると思ってたんだぞ!」
「別にそういうルールじゃないだろ。勝てる相手を送っただけだ。それとも、ベックスじゃ相手にならないとかか?」
「そんな訳ないだろうが! お前同等に強くて困ってるわ!」
「それなら良かった」
「(くっそ……確かにルークの言う通り、最終競技だからって次期寮長候補者出る訳じゃない。でもよ、雰囲気的にそうならないか? そう思うのは俺だけか?)」
トウマはルークに正論を言われてしまい反論出来ずに、心の中でそう思っていた。
するとベックスが声を掛けて来た。
「悪いね、トウマ。ルークが相手じゃなくて」
「いや、ルークが物凄く良かった訳でもないから謝らないでくれ。ベックスが相手でも十分俺はきついんだから」
「そうか。でも手は抜かずに、本気で行くぞ」
「あぁ、ここでベックスに勝って実力もある事を示してやるから、本気で来い! 誰であろうと俺は勝たないといけなんだしな」
そしてトウマは切り替えて直ぐに戦闘態勢をとる。
それを見てベックスも軽く柔軟し始めると、オービンはデイビッドに視線を送りオービンは下がる。
すると、デイビッドが改めて両者の名を呼び、ルールに意義がないかを確認し両者は頷いて返事をする。
ベックスも柔軟を終え、戦闘態勢をとったのを確認してからデイビッドが開始の合図を口にする。
「ではこれより、『実力勝負対決』開始!」
それと同時に先にベックスが一瞬でトウマとの距離を詰め、勢いよく殴り掛かった。
トウマはまさかの速さに驚き、判断が遅れてしまう。
「ちょっ!」
直後、ベックスの魔力を薄く纏った拳がトウマに直撃すると思われたが、トウマは自身の目の前にシールドを創り出しベックスの拳を防ぐのだった。
「このシールドは、物理攻撃も防げるのか」
ベックスがそう問いかけると、トウマは碧い瞳でベックスを見る。
「一応、魔力を帯びていれば防げるようになったんだよ……いや~まじでこれが出来なかったら今の一撃で終わってたぞ」
「そりゃ、一発で決める気で放ったからな」
「(こわっ! 『超人』相手はルーク以上にやばいんじゃないか、これ。ていうか、魔力操作とかでダイモン寮長とかと特訓して強くなったって噂だったよな……それって、下手したらルークよりも強いのでは?)」
と、トウマが考えているとベックスがもう一方の魔力を薄く纏った拳でシールドを殴って来て、シールドが破壊されてしまう。
トウマは咄嗟に魔力創造で地面から壁を創り出し、その場から後退して距離をとるがベックスは直ぐに壁をも破壊する。
「逃げても無駄だぞ、トウマ」
その言ってベックスは、全身から魔力を発しだし高度な魔力操作を行い全身に薄い鎧の様に纏って行く。
それはまさしくダイモン寮長が使う力と瓜二つであった。
トウマはその光景を見て絶望しかけていた。
「(おいおい、マジかよ……)」
両派閥も柵より内側へと入って来て、オービンの方へと注目する。
そのままオービンは簡単に最終競技についての説明を始めた。
『三番勝負』最終競技である『実力勝負対決』では、両派閥互いに代表者一名が中央舞台へと上がり、その名の通り魔法や魔力、武術などを駆使して相手を倒すという競技である。
勝利条件は、相手を戦闘不能にさせる、また中央舞台場外へと出す、もしくは降参をさせるかである。
制限時間はなく、戦闘不能の判断は審判者が判断を行うが、基本的には立てなくなる動けなくなった時点で、戦闘不能と判断されるとオービンは口にした。
そこである程度の説明を終えると、ミカロスが審判者を連れてやって来た。
そのままミカロスは審判者を中央舞台の上へと向かわせ、オービンは軽くミカロスに手を上げて「ありがとう」と口にする。
「皆様、今回の競技の審判者を紹介します。審判者は、我が学院の副学院長であるデイビッド・クォーターさんです!」
オービンに紹介されたデイビッドは、いつも通り全身黒の正装で眼鏡をかけ、髪はオールバックにしている状態で皆に簡単に挨拶した。
「諸君、私が今回の審判者を務めるデイビッドだ。よろしく頼む」
「副学院長、メルトボーイ・クイーンコンテスト前哨戦の審査委員長以外にも、今回は審判者を引き受けていただきありがとうございます」
「いや、気にする事でない。これも副学院長としての仕事だからな」
そう言ってデイビッドは、少しオービンから離れた場所へと一旦移動した。
デイビッド副学院長を見たのは、メルトボーイ・クイーンコンテスト前哨戦以来だな。
本当に学院内では会わないんだよね。
まぁ、そもそも副学院長っていう立場なのだからそれが普通か。
服装もそうだけど、雰囲気が一見怖そうなんだけど、アルジュとかから聞いた話ではそんなに怖い人ではないらしい。
毎年のメルトボーイ・クイーンコンテスト前哨戦の審査委員長を乗り気でやっているらしい。
それを聞いた時はギャップが凄いなと思ってしまった。
私はそんな事を思い出しつつ、視線をオービンの方へと戻した。
「それではこれより、両者の代表者に登場していただきましょう。まずはトウマ派閥からお願いします」
オービンの声を聞いてから、中央舞台へと上がって来たのは次期寮長候補であるトウマであった。
トウマの登場に一気に周囲が盛り上がる。
その歓声にトウマもまんざらでもない顔で、ちょっとカッコつけて片手を上げたりするのだった。
「(何か、こうやって歓声を浴びるのも悪くないな。まぁ、最終競技だし当然ここは俺が行くよな。相手もほぼ確定している様なもんだし、後は勝てるかどうかだな)」
トウマは既にルーク派閥から誰が代表者で出て来るか想定しており、先に手首などの柔軟を始めるのだった。
そして次にオービンがルーク派閥からの代表者に出て来てもらう様に口にする。
すると、代表者として出て来た人物に周囲がざわつきだし、その人物が中央舞台に上がるとトウマも目を疑い、驚いてしまう。
「え、え!? 何でルークじゃなくて、お前なんだよベックス!」
「まぁ、そういう反応になるよね……」
見物人たちもトウマと同じく最終競技はてっきり、次期寮長候補でもあるルークが出て来て直接対決が行われると思っていたらしく、皆が驚いていた。
もちろん私もそのうちの一人である。
まさかルークじゃなくてベックスがここで出て来るとは……予想外過ぎる。
私はチラッと真横のガウェンの方を見るが、全然動揺していない表情をしていてそれにも驚いた。
え、全然表情が変わってないとかある?
私がそんな事をしているうちに、中央舞台ではトウマがベックスではなくルークへと声を掛けていた。
「おいルーク! こういう時は、お前が出て来るんじゃないのかよ! 俺はてっきりお前が来ると思ってたんだぞ!」
「別にそういうルールじゃないだろ。勝てる相手を送っただけだ。それとも、ベックスじゃ相手にならないとかか?」
「そんな訳ないだろうが! お前同等に強くて困ってるわ!」
「それなら良かった」
「(くっそ……確かにルークの言う通り、最終競技だからって次期寮長候補者出る訳じゃない。でもよ、雰囲気的にそうならないか? そう思うのは俺だけか?)」
トウマはルークに正論を言われてしまい反論出来ずに、心の中でそう思っていた。
するとベックスが声を掛けて来た。
「悪いね、トウマ。ルークが相手じゃなくて」
「いや、ルークが物凄く良かった訳でもないから謝らないでくれ。ベックスが相手でも十分俺はきついんだから」
「そうか。でも手は抜かずに、本気で行くぞ」
「あぁ、ここでベックスに勝って実力もある事を示してやるから、本気で来い! 誰であろうと俺は勝たないといけなんだしな」
そしてトウマは切り替えて直ぐに戦闘態勢をとる。
それを見てベックスも軽く柔軟し始めると、オービンはデイビッドに視線を送りオービンは下がる。
すると、デイビッドが改めて両者の名を呼び、ルールに意義がないかを確認し両者は頷いて返事をする。
ベックスも柔軟を終え、戦闘態勢をとったのを確認してからデイビッドが開始の合図を口にする。
「ではこれより、『実力勝負対決』開始!」
それと同時に先にベックスが一瞬でトウマとの距離を詰め、勢いよく殴り掛かった。
トウマはまさかの速さに驚き、判断が遅れてしまう。
「ちょっ!」
直後、ベックスの魔力を薄く纏った拳がトウマに直撃すると思われたが、トウマは自身の目の前にシールドを創り出しベックスの拳を防ぐのだった。
「このシールドは、物理攻撃も防げるのか」
ベックスがそう問いかけると、トウマは碧い瞳でベックスを見る。
「一応、魔力を帯びていれば防げるようになったんだよ……いや~まじでこれが出来なかったら今の一撃で終わってたぞ」
「そりゃ、一発で決める気で放ったからな」
「(こわっ! 『超人』相手はルーク以上にやばいんじゃないか、これ。ていうか、魔力操作とかでダイモン寮長とかと特訓して強くなったって噂だったよな……それって、下手したらルークよりも強いのでは?)」
と、トウマが考えているとベックスがもう一方の魔力を薄く纏った拳でシールドを殴って来て、シールドが破壊されてしまう。
トウマは咄嗟に魔力創造で地面から壁を創り出し、その場から後退して距離をとるがベックスは直ぐに壁をも破壊する。
「逃げても無駄だぞ、トウマ」
その言ってベックスは、全身から魔力を発しだし高度な魔力操作を行い全身に薄い鎧の様に纏って行く。
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