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第449話 思い出した光景
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「レオン!?」
「え、クリス? 何でここに?」
「いや、それ俺のセリフだけど」
私は積まれた本を避けながら入って来たレオンの方へと近付いてく。
レオンは持っていた箱を近くの机の上に置いた。
「僕は今掲示板の依頼を受けて、先生方の手伝いをしているんだ。その一環で、この荷物をここ図書館倉庫に持って行くように頼まれて来たんだよ」
「そうなのか。レオンも掲示板の依頼をやってるのか」
「その口ぶりだと、クリスも受けているのかい?」
私はレオンに対してデイビッドとの先程までの事を伝えた。
「理由がクリスらしいね。で、僕をデイビッド副学院長だと思ったわけか」
「まあ、そうなるかな」
するとレオンは、持ってきた箱を開き中の物を取り出し始めた。
「それどうするんだ?」
「頼まれたのは、持ってくるだけじゃなくて中身の整理をして、該当箇所に分類分けしておいてほしいと言われているんだ。だからまずは、中身の整理をしてるんだ」
レオンは箱から本や資料といった物を一つずつ取り出し、机の上に分類分けし整理し始める。
私はその光景を見て結構な量があるなと思い、まだデイビッドも来ないので来るまでの間レオンの手伝いをする事に決めた。
手伝いを申し出た時は、最初は「大丈夫」と断られてしまったが、特にやる事もなくて待っているのも嫌だからと強引に手伝い始めるとレオンは小さく笑う。
「分かった。それじゃ改めて、手伝ってくれるかいクリス?」
「最初から素直にそう言ってくれればいいんだよ」
「あはは、ごめんって」
それから私たちは協力しながら箱から次々に取り出しては、分類分けを行った。
更に状態が良い物と少し悪い物にわけ、簡易的なジャンル分けまでした。
そこまで出来た所で手分けして、それが当てはまる場所を探し始めた。
大図書館よりは広くはないが、元々図書館として使われていた場所の為二人で探すには時間がかかる広さであった。
互いに該当場所を見つけたらその場所に張り紙をし、一度入口付近まで戻りその場所におけるジャンルに対して場所を見つけた事を書き残し、次の場所を探しに向かう。
この作業をジャンル分けした全てのものに対し行い続けた。
「よし、これで最後っと」
「お疲れクリス」
「レオンもな。いやー最初は全部見つかるか不安だったが、意外と棚ごとに分類分けはされていたから慣れたら見つけやすかったな」
「そうだね。所々に本が積まれていたり、ちょっと雑に本や資料が並べれたりしてたけど分かりずらい訳ではなかったね。それにしてもデイビッド副学院長は、まだ来てないんだね」
「そう言われて見れば。まあ、結構忙しそうにしてたから、別の仕事とか急に入ったりしてるのかも」
「どうするんだい、このままデイビッド副学院長が来なかったら?」
「とりあえずレオンの手伝いが終わっても来ないなら、一度探しに出るよ」
「それがいいかもね」
「さて、俺の話はよしとして。早速それぞれの場所にこれ運ぶか!」
「大丈夫かクリス? 結構な力仕事になるぞ?」
「なめるなよレオン。これでも鍛えてるんだぞ」
と、そんな会話をしながら私はレオンと共に量の多いジャンルから一緒に該当場所へと運び始めた。
さすがに一度で全ては持ちきれないので、何度かに分けて往復を行いながら運んだ。
「そう言えばふと思ったんだが、レオンここに居ていいのか?」
「? それってどういう事だ?」
「いや、今日って寮長副寮長が集まったりしてるんじゃないのか?」
「あーそう言えばダンデが次期寮長副寮長で集まりがあるって言ってな」
「行かなくていいのか?」
私のその言葉にレオンは何かを察し、手に持った本を本棚に入れ小さくため息をつく。
「クリスもか……もしかして、僕の事次期副寮長とか思ってるだろ」
「あれ? 違ったっけ?」
「違うよ。うちの寮の次期副寮長はスザク。羽根の耳飾りを右耳に付けている人だよ」
そう言われて私はぼんやりとスザクの顔を思い出し、そう言えばそうだったと思い出す。
「いや~ごめん。てっきりレオンだと思ってて。ほら、ダンデといる事多かったから」
「やっぱりそれが理由か。ちょくちょく間違えられるんだよね。スザクにも迷惑だし、どうしたもんかな」
スザクってほとんど話した事ないからよく分からないんだよね。
影が薄い訳じゃないと思うんだけど、何でかレオンと思っちゃってて、言われるとあっそうだったって思い出すんだよね。
こればかりは、いい解決方法とか分からないし時間が経てば寮長副寮長ならば皆の前に立つ機会も増えて認知されて行くとは思うな……たぶんだけど。
そんな事を思いつつ、私はレオンに勘違いしていた事を改めて謝りその辺の話を聞きながら作業を進めた。
作業も進み量が多いジャンルについては、今の場所が最後となった。
「あ、これよく見たら向こう側の物だな」
「間違ってた?」
「ここでも合ってると思うが、向こう側に似た資料をまとめてる所があった気がしてね。一応見て来るから、クリスはここで待ってくれていいから」
そう言ってレオンは資料を手に持ち一度この場から離れて行った。
私は残っていた物を本棚にしまい続けていると、ふと本をしまう時に本棚から本が落ちて来た。
直ぐに落ちた本を拾おうと手を伸ばすと、その本はつい先日まで修学旅行で行っていた水の都ニンレスについて書かれた本であった。
「うわーこないだ行ってた所だ。もう何か懐かしいな」
私は作業の手を止め拾った本を開き、ペラペラと読み始めた。
そこには観光スポットなどおススメの場所などが記載されていたり、ニンレスの歴史などが詳しく書かれていた。
へぇ~こんな本もあったのか。
大図書館でも似た様な本を見たけど、内容が少しこっちの方が古い気がするな。
だからこっちの図書館倉庫に保管されているのかな?
そんな事を思いつつ、次のページへとめくっていくとあるページで手が止まった。
それは、ニンレスに新しく出来た小さな噴水付きの広場特集であった。
「あれ、ここ見覚えがある気が……」
私はニンレスの時の覚えている記憶を思い出し始める。
あの時は記憶喪失状態であったが、今では変な感覚ではあるが自分が記憶喪失状態で動いていた記憶もおぼろげにあるのだ。
確かこの時は、何かルークたちとはぐれて自分でも探そうと歩いてみたけど見つからなかったんだよね。
で、ちょっと休憩しようと大通りから外れて……あっ!
そこで私は、自分がその時に休憩した広場であったと思い出す。
「そうそう。いい感じのゆったりしてる雰囲気だった。で、そこで休んでる時にレオンと偶然遭って……」
私はそのまま関連して、物凄い事を忘れていたと思い出した。
そうだ、私あの時レオンにこ、告白されたんだ……
すると一気にぼやけていた記憶が甦り、その時の記憶が鮮明に甦り急に顔が熱くなる。
私は開いていた本を勢いよく閉じて、本に額を当てた。
あー何普通に何事もなかったように話しているのよ私! て言うか、レオンは告白して私からその会話が一切ないと分かってて、特に追求する事無くさっきまで普通に私と会話してたの? え、何? どうして? もしかして返事してる? いやいや、してないしてない。
と、私は急に慌て出しつつ先程まで普通に過ごしていた時間が怖くなり始める。
するとそこへレオンが戻って来る。
「やっぱり向こうの方が合ってたわ。って、どうかしたのかクリス?」
「え!? いや! な、何でもないよ」
私は咄嗟に持っていた本を身体の後ろへと隠し、そのまま近くの本棚に下がり持っていた本を入れ込んだ。
そして何事もなかったように私は作業に戻るが、レオンは私の様子がおかしいと思い近付いて来る。
「やっぱりさっきまでと様子が変だぞ。何かあったろ?」
「何もないって」
「本当か? 怪我したとかじゃないんだな」
「本当に大丈夫だから」
私はレオンの顔を直視出来ず少し顔より視線を下げた所を見つつ、返答し続けた。
レオンは急に目をそらし始めた私に疑問を持っていたが、とりあえず私はこの場をしのぎ一度落ち着きたいという一心で会話をしていた。
そのまま会話を切り上げて私が作業に戻った時、近くの積んであった本に手をぶつけてしまう。
するとその本が本棚側へと倒れ、その勢いで本棚の上段に甘く入っていた資料や本が時間差で私の頭上目掛けて落ちてくる。
私は自分の事で手一杯で全然気付けていないと、突然レオンが私の腕を掴み自分の方へと引っ張り抱き寄せて来たのだった。
「え、クリス? 何でここに?」
「いや、それ俺のセリフだけど」
私は積まれた本を避けながら入って来たレオンの方へと近付いてく。
レオンは持っていた箱を近くの机の上に置いた。
「僕は今掲示板の依頼を受けて、先生方の手伝いをしているんだ。その一環で、この荷物をここ図書館倉庫に持って行くように頼まれて来たんだよ」
「そうなのか。レオンも掲示板の依頼をやってるのか」
「その口ぶりだと、クリスも受けているのかい?」
私はレオンに対してデイビッドとの先程までの事を伝えた。
「理由がクリスらしいね。で、僕をデイビッド副学院長だと思ったわけか」
「まあ、そうなるかな」
するとレオンは、持ってきた箱を開き中の物を取り出し始めた。
「それどうするんだ?」
「頼まれたのは、持ってくるだけじゃなくて中身の整理をして、該当箇所に分類分けしておいてほしいと言われているんだ。だからまずは、中身の整理をしてるんだ」
レオンは箱から本や資料といった物を一つずつ取り出し、机の上に分類分けし整理し始める。
私はその光景を見て結構な量があるなと思い、まだデイビッドも来ないので来るまでの間レオンの手伝いをする事に決めた。
手伝いを申し出た時は、最初は「大丈夫」と断られてしまったが、特にやる事もなくて待っているのも嫌だからと強引に手伝い始めるとレオンは小さく笑う。
「分かった。それじゃ改めて、手伝ってくれるかいクリス?」
「最初から素直にそう言ってくれればいいんだよ」
「あはは、ごめんって」
それから私たちは協力しながら箱から次々に取り出しては、分類分けを行った。
更に状態が良い物と少し悪い物にわけ、簡易的なジャンル分けまでした。
そこまで出来た所で手分けして、それが当てはまる場所を探し始めた。
大図書館よりは広くはないが、元々図書館として使われていた場所の為二人で探すには時間がかかる広さであった。
互いに該当場所を見つけたらその場所に張り紙をし、一度入口付近まで戻りその場所におけるジャンルに対して場所を見つけた事を書き残し、次の場所を探しに向かう。
この作業をジャンル分けした全てのものに対し行い続けた。
「よし、これで最後っと」
「お疲れクリス」
「レオンもな。いやー最初は全部見つかるか不安だったが、意外と棚ごとに分類分けはされていたから慣れたら見つけやすかったな」
「そうだね。所々に本が積まれていたり、ちょっと雑に本や資料が並べれたりしてたけど分かりずらい訳ではなかったね。それにしてもデイビッド副学院長は、まだ来てないんだね」
「そう言われて見れば。まあ、結構忙しそうにしてたから、別の仕事とか急に入ったりしてるのかも」
「どうするんだい、このままデイビッド副学院長が来なかったら?」
「とりあえずレオンの手伝いが終わっても来ないなら、一度探しに出るよ」
「それがいいかもね」
「さて、俺の話はよしとして。早速それぞれの場所にこれ運ぶか!」
「大丈夫かクリス? 結構な力仕事になるぞ?」
「なめるなよレオン。これでも鍛えてるんだぞ」
と、そんな会話をしながら私はレオンと共に量の多いジャンルから一緒に該当場所へと運び始めた。
さすがに一度で全ては持ちきれないので、何度かに分けて往復を行いながら運んだ。
「そう言えばふと思ったんだが、レオンここに居ていいのか?」
「? それってどういう事だ?」
「いや、今日って寮長副寮長が集まったりしてるんじゃないのか?」
「あーそう言えばダンデが次期寮長副寮長で集まりがあるって言ってな」
「行かなくていいのか?」
私のその言葉にレオンは何かを察し、手に持った本を本棚に入れ小さくため息をつく。
「クリスもか……もしかして、僕の事次期副寮長とか思ってるだろ」
「あれ? 違ったっけ?」
「違うよ。うちの寮の次期副寮長はスザク。羽根の耳飾りを右耳に付けている人だよ」
そう言われて私はぼんやりとスザクの顔を思い出し、そう言えばそうだったと思い出す。
「いや~ごめん。てっきりレオンだと思ってて。ほら、ダンデといる事多かったから」
「やっぱりそれが理由か。ちょくちょく間違えられるんだよね。スザクにも迷惑だし、どうしたもんかな」
スザクってほとんど話した事ないからよく分からないんだよね。
影が薄い訳じゃないと思うんだけど、何でかレオンと思っちゃってて、言われるとあっそうだったって思い出すんだよね。
こればかりは、いい解決方法とか分からないし時間が経てば寮長副寮長ならば皆の前に立つ機会も増えて認知されて行くとは思うな……たぶんだけど。
そんな事を思いつつ、私はレオンに勘違いしていた事を改めて謝りその辺の話を聞きながら作業を進めた。
作業も進み量が多いジャンルについては、今の場所が最後となった。
「あ、これよく見たら向こう側の物だな」
「間違ってた?」
「ここでも合ってると思うが、向こう側に似た資料をまとめてる所があった気がしてね。一応見て来るから、クリスはここで待ってくれていいから」
そう言ってレオンは資料を手に持ち一度この場から離れて行った。
私は残っていた物を本棚にしまい続けていると、ふと本をしまう時に本棚から本が落ちて来た。
直ぐに落ちた本を拾おうと手を伸ばすと、その本はつい先日まで修学旅行で行っていた水の都ニンレスについて書かれた本であった。
「うわーこないだ行ってた所だ。もう何か懐かしいな」
私は作業の手を止め拾った本を開き、ペラペラと読み始めた。
そこには観光スポットなどおススメの場所などが記載されていたり、ニンレスの歴史などが詳しく書かれていた。
へぇ~こんな本もあったのか。
大図書館でも似た様な本を見たけど、内容が少しこっちの方が古い気がするな。
だからこっちの図書館倉庫に保管されているのかな?
そんな事を思いつつ、次のページへとめくっていくとあるページで手が止まった。
それは、ニンレスに新しく出来た小さな噴水付きの広場特集であった。
「あれ、ここ見覚えがある気が……」
私はニンレスの時の覚えている記憶を思い出し始める。
あの時は記憶喪失状態であったが、今では変な感覚ではあるが自分が記憶喪失状態で動いていた記憶もおぼろげにあるのだ。
確かこの時は、何かルークたちとはぐれて自分でも探そうと歩いてみたけど見つからなかったんだよね。
で、ちょっと休憩しようと大通りから外れて……あっ!
そこで私は、自分がその時に休憩した広場であったと思い出す。
「そうそう。いい感じのゆったりしてる雰囲気だった。で、そこで休んでる時にレオンと偶然遭って……」
私はそのまま関連して、物凄い事を忘れていたと思い出した。
そうだ、私あの時レオンにこ、告白されたんだ……
すると一気にぼやけていた記憶が甦り、その時の記憶が鮮明に甦り急に顔が熱くなる。
私は開いていた本を勢いよく閉じて、本に額を当てた。
あー何普通に何事もなかったように話しているのよ私! て言うか、レオンは告白して私からその会話が一切ないと分かってて、特に追求する事無くさっきまで普通に私と会話してたの? え、何? どうして? もしかして返事してる? いやいや、してないしてない。
と、私は急に慌て出しつつ先程まで普通に過ごしていた時間が怖くなり始める。
するとそこへレオンが戻って来る。
「やっぱり向こうの方が合ってたわ。って、どうかしたのかクリス?」
「え!? いや! な、何でもないよ」
私は咄嗟に持っていた本を身体の後ろへと隠し、そのまま近くの本棚に下がり持っていた本を入れ込んだ。
そして何事もなかったように私は作業に戻るが、レオンは私の様子がおかしいと思い近付いて来る。
「やっぱりさっきまでと様子が変だぞ。何かあったろ?」
「何もないって」
「本当か? 怪我したとかじゃないんだな」
「本当に大丈夫だから」
私はレオンの顔を直視出来ず少し顔より視線を下げた所を見つつ、返答し続けた。
レオンは急に目をそらし始めた私に疑問を持っていたが、とりあえず私はこの場をしのぎ一度落ち着きたいという一心で会話をしていた。
そのまま会話を切り上げて私が作業に戻った時、近くの積んであった本に手をぶつけてしまう。
するとその本が本棚側へと倒れ、その勢いで本棚の上段に甘く入っていた資料や本が時間差で私の頭上目掛けて落ちてくる。
私は自分の事で手一杯で全然気付けていないと、突然レオンが私の腕を掴み自分の方へと引っ張り抱き寄せて来たのだった。
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