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第528話 哲学的な話をされてます?
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「んっ……あれ、朝?」
アリスが目を覚ますと、そこは何故か寝ていた部屋とは別の場所であった。
そこには何もなくただただ真っ白い空間に、自分が横たわっていたのだと理解する。
「え、何処?」
周囲をきょろきょろと見回すが、何もなく何故自分がここにいるのかもよく分からず混乱するが、すぐにアリスは状況を理解した。
「あ~はいはい、これは夢ね。夢なら納得だわ」
そう自信あふれるように口にし、自分を納得させていると何処からか聞いた事のある様な女性の声が聞こえてくる。
「あら、どうして貴方がここにいるの?」
「貴方は――って、顔がモヤモヤしてる!?」
アリスが振り返るとそこには、顔だけモヤモヤし魔女と呼ばれる様な服を着た女性と思われる人物が立っていた。
理解の出来ない状況にアリスは口が開いていた。
「これかい? これは気にする必要はないよ。私の顔は誰も覚えていないから、こうなっているんだから」
「誰も覚えていないなんてことあるんですか?」
「あるんだよ。貴方はこの世界の隅々まで知っている訳じゃないだろ? 世界はそういった意味でも広いってことさ」
「そういうもんなんですか?」
首を傾げるアリスにその人物は軽く肩をすくめる。
そしてアリスは「えーと、えーとその」と目の前の女性を何と呼べばいいか言葉を詰まらせていると、女性の方から提案する。
「私のことは、この格好から魔女でいいわ。その方が貴方も呼びやすいでしょ」
「はい。それじゃ早速ですけど魔女さん、ここ何処ですか?」
「そうね、ここは夢の中という解釈で問題ないわ。こんな場所、現実じゃあり得ないでしょ」
改めてアリスは真っ白な空間を見回し「ですね」と呟く。
アリスが立とうとすると魔女は何故かその行動を止めた。
「立つと感覚がおかしくなるから、立たない方がいいわ。話はこのまましましょう」
「わ、分かりました」
「そしたら次は私からの質問。どうして貴方はここに来れたのかしら?」
魔女からの問いかけにアリスはゆっくりと首を傾げる。
どうしてって、そんなのなんて答えればいいの? そもそもこれは夢なんでしょ? 夢にどうしてなんて答えある?
暫く腕を組みなんて答えようかと考えてから口を開く。
「私にも分かりません。というより、これは夢なんですからその問いかけに答えられる答えはないと思います。夢って意識的にみれませんし、こうして意識があるのも変ですけど」
「確かに夢という解釈でいいとは口にしたけど、正確にいうとこれは夢じゃないわ。夢に近い様な感覚で、これを言葉にするのは難しいわね」
「えーと、つまりこれは夢の様に感じられている現実って事ですか?」
「分かりやすさで、夢って言い方がよくなかったかな。現実でありつつ現実じゃない。貴方という存在はたしかにあるけれど、ここにいる貴方はその貴方じゃない」
「……哲学的な話をされてます?」
完全に何だか分からなくなりアリスの思考が止まる。
そんなアリスを見て魔女は頬をかくような仕草をする。
「言葉じゃいい表せないのよね。そうね……あ! これはどう? ここは貴方の内側に存在している場所。貴方でも認知できない何処か。だからこそ貴方が意思を持っていること自体あり得ない場所だから、もしかして意図的に来たのかと思ってさっきの問いかけをしたのよ。これならどうかしら?」
「う~ん、なんとなく分かったような気はします」
アリスはここを自分の内側だと認識し、身体の何処かの臓器とかそういう場所ではなく精神的な場所であると考える。
そしてここは自覚できない様な場所で意識して潜り込める様な場所ではないと理解する。
そう考えるとして、今目の前にいる魔女さんは一体何者なの? そもそも人として捉えていいの?
じっとアリスは魔女のことを見つめていると、魔女が視線から察したのかアリスが欲していた言葉を口にする。
「私は人間じゃないわ。かといって、未知の生物とかそういうのじゃないわよ。貴方と対話しやすいように人の姿をとっているだけ」
「そうすると魔女さんは、ここの番人的な何かなの? 私の中にいるから、私が創り出した存在的な?」
「私は貴方の魔力よ」
「……え? 魔力!? 身体に流れて、目に見えないあの魔力!?」
「そう。その魔力よ」
想像の斜め上の答えに、アリスは呆然としていた。
魔女さんが私の魔力? え、魔力って話せるの? いやいやそもそも魔力と会話している私って光景も変でしょ。って、そこじゃなくて――
完全にアリスの頭の中は混乱してしまっていた。
「一生懸命考えても無駄なことよ。理解出来ることじゃないし、理解されようとも思ってないわ」
「いや、そう言われても魔力と会話ですよ? 考えようとしなくても、自然と考えちゃいますよ」
「それじゃ別の話をしましょう。これなら気が紛れるでしょ」
アリスは戸惑いながらも魔女の提案に乗ることにすると、魔女は次々にアリスに対し質問を投げかけ始めた。
子供の頃の話しから家のことや両親のこと、転入前に通っていた学院での生活やそこでの友人たちのことと、これまで歩んで来たアリスの人生について魔女は興味津々に問いかけ続けた。
最初は戸惑いぎこちなく答えていたが、徐々にその時の事や印象に残っている事は何と関連して聞いて来る魔女に、アリスも思い出し楽し気に答えるのであった。
そして話は王都メルト魔法学院に転入してからの生活に移り変わる。
「男装とは大変じゃないか。でも、楽し気な仲間たちだね。それで、そのルークって奴はどんなだったんだい?」
「それが最初は性格最悪。本当にこれが国の第二王子なのかって感じで。それだけならまだしも、実力もあって頭もいいときて私なんてこれまで勝負して勝ててないんですよ。あ~思い出したらとてつもなく悔しくなって来た」
「負けっぱなしなんだ。でもこれまでの貴方からすると、勝つために頑張ったんでしょ」
「そうなんです。新しい魔法を創って、より使いやすい形に変え、そこから更に形を増やしあいつに一度でも勝つために色々とやりました」
「なるほど。それでこれが今行きついた姿ってわけね」
アリスが魔女に視線を向けると先程までの姿から変わり、ゴーレム武装の万能型の姿になっていたのだ。
いつの間にか姿が変わった事に目を疑うアリス。
「でも、これで終わりじゃないでしょ?」
「……何が言いたいんですか、魔女さん」
魔女の何か含みのある言い方にアリスは少し不機嫌そうに問いかけると、魔女の口元が少しに上がる。
「このままじゃ、そのルークには勝てないと思うわよ」
アリスが目を覚ますと、そこは何故か寝ていた部屋とは別の場所であった。
そこには何もなくただただ真っ白い空間に、自分が横たわっていたのだと理解する。
「え、何処?」
周囲をきょろきょろと見回すが、何もなく何故自分がここにいるのかもよく分からず混乱するが、すぐにアリスは状況を理解した。
「あ~はいはい、これは夢ね。夢なら納得だわ」
そう自信あふれるように口にし、自分を納得させていると何処からか聞いた事のある様な女性の声が聞こえてくる。
「あら、どうして貴方がここにいるの?」
「貴方は――って、顔がモヤモヤしてる!?」
アリスが振り返るとそこには、顔だけモヤモヤし魔女と呼ばれる様な服を着た女性と思われる人物が立っていた。
理解の出来ない状況にアリスは口が開いていた。
「これかい? これは気にする必要はないよ。私の顔は誰も覚えていないから、こうなっているんだから」
「誰も覚えていないなんてことあるんですか?」
「あるんだよ。貴方はこの世界の隅々まで知っている訳じゃないだろ? 世界はそういった意味でも広いってことさ」
「そういうもんなんですか?」
首を傾げるアリスにその人物は軽く肩をすくめる。
そしてアリスは「えーと、えーとその」と目の前の女性を何と呼べばいいか言葉を詰まらせていると、女性の方から提案する。
「私のことは、この格好から魔女でいいわ。その方が貴方も呼びやすいでしょ」
「はい。それじゃ早速ですけど魔女さん、ここ何処ですか?」
「そうね、ここは夢の中という解釈で問題ないわ。こんな場所、現実じゃあり得ないでしょ」
改めてアリスは真っ白な空間を見回し「ですね」と呟く。
アリスが立とうとすると魔女は何故かその行動を止めた。
「立つと感覚がおかしくなるから、立たない方がいいわ。話はこのまましましょう」
「わ、分かりました」
「そしたら次は私からの質問。どうして貴方はここに来れたのかしら?」
魔女からの問いかけにアリスはゆっくりと首を傾げる。
どうしてって、そんなのなんて答えればいいの? そもそもこれは夢なんでしょ? 夢にどうしてなんて答えある?
暫く腕を組みなんて答えようかと考えてから口を開く。
「私にも分かりません。というより、これは夢なんですからその問いかけに答えられる答えはないと思います。夢って意識的にみれませんし、こうして意識があるのも変ですけど」
「確かに夢という解釈でいいとは口にしたけど、正確にいうとこれは夢じゃないわ。夢に近い様な感覚で、これを言葉にするのは難しいわね」
「えーと、つまりこれは夢の様に感じられている現実って事ですか?」
「分かりやすさで、夢って言い方がよくなかったかな。現実でありつつ現実じゃない。貴方という存在はたしかにあるけれど、ここにいる貴方はその貴方じゃない」
「……哲学的な話をされてます?」
完全に何だか分からなくなりアリスの思考が止まる。
そんなアリスを見て魔女は頬をかくような仕草をする。
「言葉じゃいい表せないのよね。そうね……あ! これはどう? ここは貴方の内側に存在している場所。貴方でも認知できない何処か。だからこそ貴方が意思を持っていること自体あり得ない場所だから、もしかして意図的に来たのかと思ってさっきの問いかけをしたのよ。これならどうかしら?」
「う~ん、なんとなく分かったような気はします」
アリスはここを自分の内側だと認識し、身体の何処かの臓器とかそういう場所ではなく精神的な場所であると考える。
そしてここは自覚できない様な場所で意識して潜り込める様な場所ではないと理解する。
そう考えるとして、今目の前にいる魔女さんは一体何者なの? そもそも人として捉えていいの?
じっとアリスは魔女のことを見つめていると、魔女が視線から察したのかアリスが欲していた言葉を口にする。
「私は人間じゃないわ。かといって、未知の生物とかそういうのじゃないわよ。貴方と対話しやすいように人の姿をとっているだけ」
「そうすると魔女さんは、ここの番人的な何かなの? 私の中にいるから、私が創り出した存在的な?」
「私は貴方の魔力よ」
「……え? 魔力!? 身体に流れて、目に見えないあの魔力!?」
「そう。その魔力よ」
想像の斜め上の答えに、アリスは呆然としていた。
魔女さんが私の魔力? え、魔力って話せるの? いやいやそもそも魔力と会話している私って光景も変でしょ。って、そこじゃなくて――
完全にアリスの頭の中は混乱してしまっていた。
「一生懸命考えても無駄なことよ。理解出来ることじゃないし、理解されようとも思ってないわ」
「いや、そう言われても魔力と会話ですよ? 考えようとしなくても、自然と考えちゃいますよ」
「それじゃ別の話をしましょう。これなら気が紛れるでしょ」
アリスは戸惑いながらも魔女の提案に乗ることにすると、魔女は次々にアリスに対し質問を投げかけ始めた。
子供の頃の話しから家のことや両親のこと、転入前に通っていた学院での生活やそこでの友人たちのことと、これまで歩んで来たアリスの人生について魔女は興味津々に問いかけ続けた。
最初は戸惑いぎこちなく答えていたが、徐々にその時の事や印象に残っている事は何と関連して聞いて来る魔女に、アリスも思い出し楽し気に答えるのであった。
そして話は王都メルト魔法学院に転入してからの生活に移り変わる。
「男装とは大変じゃないか。でも、楽し気な仲間たちだね。それで、そのルークって奴はどんなだったんだい?」
「それが最初は性格最悪。本当にこれが国の第二王子なのかって感じで。それだけならまだしも、実力もあって頭もいいときて私なんてこれまで勝負して勝ててないんですよ。あ~思い出したらとてつもなく悔しくなって来た」
「負けっぱなしなんだ。でもこれまでの貴方からすると、勝つために頑張ったんでしょ」
「そうなんです。新しい魔法を創って、より使いやすい形に変え、そこから更に形を増やしあいつに一度でも勝つために色々とやりました」
「なるほど。それでこれが今行きついた姿ってわけね」
アリスが魔女に視線を向けると先程までの姿から変わり、ゴーレム武装の万能型の姿になっていたのだ。
いつの間にか姿が変わった事に目を疑うアリス。
「でも、これで終わりじゃないでしょ?」
「……何が言いたいんですか、魔女さん」
魔女の何か含みのある言い方にアリスは少し不機嫌そうに問いかけると、魔女の口元が少しに上がる。
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