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美少女令嬢幼少期
おはよう! ちなみに昨日の事は覚えていますか?
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グッモーニン、エブリワン。
清々しい朝と騒がしい喧騒で目が覚めたおっさんです。おっさんって言っても二十代だけどね。ギリギリ。まだお兄さんと言われる年齢だったと思う。…あー、ギリおっさんだな。悲しいな。
そして悲しいことがもうひとつあった。何か下半身が湿っているなーどうしてだろう? と、昨日の事を思い出してみると、あら不思議。トイレに行くために起き上がったのに何事も無かったように寝床に戻っていた。どこの情報か知らないが男よりも女の方が排尿を我慢できないと聞く。理由は尿道の長さらしいが…その理論で考えると男は尿道で尿を留めている形になってしまうのだが。
実際そうだったら下半身をブルブル振っただけで尿が飛び出してきそうだ。そんな事はなかったのでたぶん違うのだろう。
例えるならホースの様な感じだろうか? 短いと出てくる水は直ぐに出るが長いとそれだけ時間がかかる…結局は尿道に留めている理論になってしまうな。これほど中身が薄い論争は無いだろう。一人なので論争と言って良いのか謎だな。
そんな朝を迎え、恐らく様子を見に来たであろう妙齢のメイドさんの「お、お嬢様がっ、お嬢様が!!!!」の声がドアの向こうに続く廊下に響き渡る。数十秒後には医者と思われる髭長のじいさんと記憶でしか見たことがなかったが両親と思われる男女が入ってきた。おいおい美男美女じゃねぇか。つか、顔の造形的に日本じゃないのな。俺がハーフだって可能性は木っ端微塵になくなった訳です。初の国外旅行が転生でとか意味わかんねぇよ。
流れるように起き上がった俺の体を押さえ、ゆっくりとベットに寝かせる。その流れで濡れた下のベットに目が行き…
「…三日程眠ってたからですかな。私は少し、席を外します」
え? どう言うことですか? そんな両親の息が揃った声を後ろ姿で聞きながら外に出る。返事は扉を閉めた音だった。
ん、通じるってことは国内なのか? 別の事に疑問が出てくるがそんな事はお構いなしにじいさんが出ていった扉がゆっくりと開いた。一礼して入ってきたのは手に代えの下着だと思われるものを持ってきたメイドさんだった。最近の現代ってメイドさん居るのが普通なのか。
「メイリル殿が着替えを、との事でお持ちいたしました」
「着替え…? ああ、そう言うことか。僕も出ていった方が良いか。年頃の女の子だもんな」
そんな茶髪の優男ーー父親と思われる男性が呟き部屋から出ていく。
遅れるようにして理解ができたのか母親と思われる…つか、母親だな。綺麗な金髪を伸ばした妖精みたいな女性の表情が和らぐ。和らぐな。こっちの身では大惨事なんだよ。
謎の幼女お漏らし事件がメイドさんの鮮やかな手腕によって終結し、三日ぶりと言っていた眠りから覚めたことで早速診察に移った。こんなのに時間費やしてどうするんだよ。まぁ、トイレに行くのを怠った俺が悪いんだけどね。これは俺が悪いんじゃない。そして俺は肉体に釣られてしまうのか精神的に弱いことが判明した。見た目は幼女、中身はおっさん。精神は幼女ってどんなサンドイッチだよ。俺の居心地が悪すぎて泣けてくるわ。
目の白目の部分で血行の状態? を見られ、幾つかの質問を浴びせられた。今、何歳なのか。自分の名前。国の名前。両親の名前。
国の名前なんて日本、って言ったときには前世の記憶が甦った美少女として記事に取り上げられてしまう可能性を危惧して全て「分からない…」と健気な少女を装って答えた。
ほんほん、ふんふん、ふむふむ。満足がいったのか俺の背に合わせて低くしていた姿勢を戻した。
「健康状態は問題無く、熱も今は収まっているようで体調は万全のようですが…恐らくですが記憶の混濁。いや、喪失と表現した方が良いのかもしれません」
「記憶の喪失…?」
「ええそうです。幸いある程度の言語などは覚えている様ですが…領主さま等の事は残念ながら…。こればかりは体調とうってかわって治せるものでは無いので時間の経過でしか回復は見込めないかと」
「そうか…急に呼んですまなかったな。もう良いぞ」
申し訳ございません、と深く頭を下げ、じいさんは出ていく。
ある程度の言語を覚えた状態の記憶喪失とかあるのか。まぁ、医学に精通していない素人少女には分からないことだけどな。目尻を揉んでほぐした領主と呼ばれた…領主?
「おはよう。記憶にないと思うが君の父親のルーイ・シェグリザートだ。シェグリザートとは私が治める領地の名称だ。呼びやすいように上手く頼む。そして」
「ルーイの妻のシェリよ。貴方の母親…」
言い終わる前に涙が溢れ、取り出したハンカチで顔を拭く。
「…そして貴方は私たちの子供でルリよ。ルリ・シェグリザート」
無理矢理頬を上げ、にこりと微笑む。…うーん。結婚してないから分からないのか、それとも俺だから分からないのか悩むところなのだが…素直に生きてて嬉しい! って表情が出来ないのだろうか? やっぱり記憶が無くなっている娘ってのは扱いにくいのか。そんな二人を目の当たりにしている俺の表情は困った感じでアワアワとしていた。
それを見た両親も堪えきれなくなったのかブワッと、涙腺が崩壊したように涙が溢れ抱きつかれる。
「(ルリ・シェグリザードか…厳ついって印象を受ける名前だけど貴族だなんて想像も出来なかったな…いや、内装の時点で仄かに匂わせていたのか。どんな謎かけだよ)」
こうして俺の転生二日目が始まった。朝からお漏らしとか恥で仕方がないわ。
清々しい朝と騒がしい喧騒で目が覚めたおっさんです。おっさんって言っても二十代だけどね。ギリギリ。まだお兄さんと言われる年齢だったと思う。…あー、ギリおっさんだな。悲しいな。
そして悲しいことがもうひとつあった。何か下半身が湿っているなーどうしてだろう? と、昨日の事を思い出してみると、あら不思議。トイレに行くために起き上がったのに何事も無かったように寝床に戻っていた。どこの情報か知らないが男よりも女の方が排尿を我慢できないと聞く。理由は尿道の長さらしいが…その理論で考えると男は尿道で尿を留めている形になってしまうのだが。
実際そうだったら下半身をブルブル振っただけで尿が飛び出してきそうだ。そんな事はなかったのでたぶん違うのだろう。
例えるならホースの様な感じだろうか? 短いと出てくる水は直ぐに出るが長いとそれだけ時間がかかる…結局は尿道に留めている理論になってしまうな。これほど中身が薄い論争は無いだろう。一人なので論争と言って良いのか謎だな。
そんな朝を迎え、恐らく様子を見に来たであろう妙齢のメイドさんの「お、お嬢様がっ、お嬢様が!!!!」の声がドアの向こうに続く廊下に響き渡る。数十秒後には医者と思われる髭長のじいさんと記憶でしか見たことがなかったが両親と思われる男女が入ってきた。おいおい美男美女じゃねぇか。つか、顔の造形的に日本じゃないのな。俺がハーフだって可能性は木っ端微塵になくなった訳です。初の国外旅行が転生でとか意味わかんねぇよ。
流れるように起き上がった俺の体を押さえ、ゆっくりとベットに寝かせる。その流れで濡れた下のベットに目が行き…
「…三日程眠ってたからですかな。私は少し、席を外します」
え? どう言うことですか? そんな両親の息が揃った声を後ろ姿で聞きながら外に出る。返事は扉を閉めた音だった。
ん、通じるってことは国内なのか? 別の事に疑問が出てくるがそんな事はお構いなしにじいさんが出ていった扉がゆっくりと開いた。一礼して入ってきたのは手に代えの下着だと思われるものを持ってきたメイドさんだった。最近の現代ってメイドさん居るのが普通なのか。
「メイリル殿が着替えを、との事でお持ちいたしました」
「着替え…? ああ、そう言うことか。僕も出ていった方が良いか。年頃の女の子だもんな」
そんな茶髪の優男ーー父親と思われる男性が呟き部屋から出ていく。
遅れるようにして理解ができたのか母親と思われる…つか、母親だな。綺麗な金髪を伸ばした妖精みたいな女性の表情が和らぐ。和らぐな。こっちの身では大惨事なんだよ。
謎の幼女お漏らし事件がメイドさんの鮮やかな手腕によって終結し、三日ぶりと言っていた眠りから覚めたことで早速診察に移った。こんなのに時間費やしてどうするんだよ。まぁ、トイレに行くのを怠った俺が悪いんだけどね。これは俺が悪いんじゃない。そして俺は肉体に釣られてしまうのか精神的に弱いことが判明した。見た目は幼女、中身はおっさん。精神は幼女ってどんなサンドイッチだよ。俺の居心地が悪すぎて泣けてくるわ。
目の白目の部分で血行の状態? を見られ、幾つかの質問を浴びせられた。今、何歳なのか。自分の名前。国の名前。両親の名前。
国の名前なんて日本、って言ったときには前世の記憶が甦った美少女として記事に取り上げられてしまう可能性を危惧して全て「分からない…」と健気な少女を装って答えた。
ほんほん、ふんふん、ふむふむ。満足がいったのか俺の背に合わせて低くしていた姿勢を戻した。
「健康状態は問題無く、熱も今は収まっているようで体調は万全のようですが…恐らくですが記憶の混濁。いや、喪失と表現した方が良いのかもしれません」
「記憶の喪失…?」
「ええそうです。幸いある程度の言語などは覚えている様ですが…領主さま等の事は残念ながら…。こればかりは体調とうってかわって治せるものでは無いので時間の経過でしか回復は見込めないかと」
「そうか…急に呼んですまなかったな。もう良いぞ」
申し訳ございません、と深く頭を下げ、じいさんは出ていく。
ある程度の言語を覚えた状態の記憶喪失とかあるのか。まぁ、医学に精通していない素人少女には分からないことだけどな。目尻を揉んでほぐした領主と呼ばれた…領主?
「おはよう。記憶にないと思うが君の父親のルーイ・シェグリザートだ。シェグリザートとは私が治める領地の名称だ。呼びやすいように上手く頼む。そして」
「ルーイの妻のシェリよ。貴方の母親…」
言い終わる前に涙が溢れ、取り出したハンカチで顔を拭く。
「…そして貴方は私たちの子供でルリよ。ルリ・シェグリザート」
無理矢理頬を上げ、にこりと微笑む。…うーん。結婚してないから分からないのか、それとも俺だから分からないのか悩むところなのだが…素直に生きてて嬉しい! って表情が出来ないのだろうか? やっぱり記憶が無くなっている娘ってのは扱いにくいのか。そんな二人を目の当たりにしている俺の表情は困った感じでアワアワとしていた。
それを見た両親も堪えきれなくなったのかブワッと、涙腺が崩壊したように涙が溢れ抱きつかれる。
「(ルリ・シェグリザードか…厳ついって印象を受ける名前だけど貴族だなんて想像も出来なかったな…いや、内装の時点で仄かに匂わせていたのか。どんな謎かけだよ)」
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