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序章 迷子の子猫ちゃん状態
アクと愉快な仲間たち(1/3)
しおりを挟む「そう言えばアクちゃんって出身はどこなんすか? 俺、龍人って初めて見たんすよね」
「ちょ、シェルダ!?」
シェルダの口を抑えるギルバ。ー言い終わった後に閉じさせても意味がないと思うが。
新単語に謎の親近感を覚える。まさか…何だろうな。気のせいな気がしてきた。
そんな2人のイチャイチャが流れながらキルビアの爆弾が投下される。
「私の妹よ」
「それは否定できるわ。女でもねえし」
そうなのよね…と、残念そうに落ち込む。つか、触って確認したんだよな? キルビアの行動に疑問を覚える。それ以前の痴漢行為に恐れ慄くけどな。
そんなキルビアの爆弾に勝機に戻ったのかギルバはシェルダに託す。
「…シェルダ」
「え、俺っすか? こんなキルビアさん初めて見たんすけど…え、マジで俺っすか?」
慌てふためくシェルダを尻目に言葉の意味を考える。
龍人って何? 神龍的なサムシング? いや…え?
どこからその情報が出てるのか分からないアクと。謎にキルビアの発言に焦っているシェルダ。残念がっているキルビアに考えることをやめたギルバ。情報多量だった。少し前のPCだったら処理落ちしてるぞこの野郎。と、変なキレを見せ、悩む。こんな時のスキルであろう。神頼み的なアレでアクは発動する。
名称:龍人
「ドラゴンの血を引いた人間の総称。リザードマンのように力を抑えきれずに見た目に影響が出ている種族と違い、圧倒的な能力の調整が出来るマンで有名。凡そ1000年前単位の有名人である。ほぼ古代人。
ドラゴンの基礎的能力を使える。世界でオンリーワンな職業」
だそうです。
職業って何だよ。お嫁さんに似たソレを感じるわ。職業って事はステータスにも影響が?
そう考える。
考えたら行動に移せる系美少女なので未だにわーわーやっている3人をスルーし、ステータスを表示させる。
名前:アク
性別:無性
職業:お嫁さん(龍人)
レベル:41
ステータス
『ドラゴンキラー系花嫁』
魔法
『・基礎魔法lv2 ・中級魔法lv4 ・上級魔法lv2』
ユニークスキル
『真実を告げる瞳』
称号
『異世界転移者。無性。ドラゴンキラー。王殺し』
と、表記されていた。
両性具有の具有なしですらなく、無性になっていました。そしての()表記での龍人。完全についで感が凄い感じるが…俺、人間辞めてるんだ。と、変な気持ちになってくる。
まあ、両性がない時点で辞めてたけどな! 凹む気持ちはおっぱいで紛らわす。性別がないのにおっぱいがあるってどういう事だよ。
そんな女体の神秘におっかなびっくりする。意味が分からないが…まあ、女装の延長線のようなものだろう。
そう考えると気が楽になってきた。別に種族が人間でなくても、称号に変なのが加わっていても気にならなくなってくる。
俺、可愛いもんな。しゃーない。と、達観し未だに騒ぐ3人を止める。
「まあまあ。俺が龍人なのはさておいて、さ」
その一言を聞いて、ノーモーションで振り返る。こえーよ。ホラーだよ。
妙にリアリティのある、とあるホラー映画を思い出して身震いする。そんなアクの心情を知らないギルバは感情の起伏なく告げる。
「いや、重要だぞ? 伝記上だけにしか出てこなかった種族が目の前にいるんだぞ? この後のアレコレとかさ」
分かってるのか、自覚はあるのか? と、テスト前の母親のようなクドさで言ってくるギルバに軽くキレる。意味はなかった。この感情を説明するなら…逆ギレ、だろうか。
まあ、どっこいどっこいだろう。キルビアを仲間に引き入れる。
「ねえ、キルビア。ギルバが俺を見世物小屋に売り付けるって脅すんだけど…」
この際、切なげな表情でキルビアの袖を握る。最重要項目であった。
俺が当事者でないのならば「ぶりっ子でぇえええ!!!」と、声を高らかに笑っていただろう。何だよその悪魔。実際、意識したのはぶりっ子なので高笑いは正解だ。性格が悪いのは変わらないけどな。
そんな打算ありのアクの誘惑に魅了耐性がマイナス方面に天元突破しているキルビアには効果抜群だった。一瞬でアクに抱きついてきた。
「(…ここで抱き付く理由がわからねえんだけど。でも、まあ、気分が良いのでOKです)」
内心、良い匂いの女体に接せられて鼻を伸ばしていた。だが脳内はいつの日かコスプレしたチャイナ服のアクが浮かんでいる。抱きついている現状で、別の人物が浮かんでいる今は業の深さを感じる。
…男の頃のコスプレ姿が思い出されるって。どんな業を背負ってるんだよ、地獄の住人?
負けず劣らずの変態であるアクの脳内は見えるはずもなく、キルビアは正義感を持って宣言する。
「ギルバ。…死んで?」
「ええ? 言ってねえのは聞いてるから知ってると思うが…まあ、無粋だったな。すまない、変に気を使ったみたいだな」
申し訳無さそうに頭を下げるギルバに手を乗せ、勢いよく下げる。面白いように体制が崩れた。
「真に気を使える奴は自分から言わねえんだぜ? 距離感がおかしい、ってよく言われね?」
「…お前、本当にいい性格してるよな。見習いたいわ」
「やっぱ、ドMなんだな。ちょっと引いたわ」
「えぇ…?」
素直な戸惑いの声に謎の気持ちよさを感じながらキルビアから離れる。名残惜しそうに腕を抱くキルビアを見るにとある仮説が出てくる。
「(ここまでの執着って普通におかしいよな。過去に何らかのトラウマ? そこら辺の思い出があるんだろうな。まあ、俺に直接の関係は無さそうだし死なない程度に付き合うか)」
刺されるヤリチンの発想である。
自己防衛が出来る力があるのが一番いやらしい点ではないだろうか。いつの日か、バレた日が来てキレたキルビアが襲ってきても反抗でき、むしろ殺せるまでの戦力を持っているのだ。
鬼に金棒、バカにクレジットカードとそんな感じの絶望感を感じてしまう。
直接的に暴言を言っているわけではないので表面上、キルビアは幸せを感じているのだ。win-winな関係に落ち着いている現状で綱渡りである。
妙な観察力の高さを引け晒しながら体調と、テンションが戻り、一周回ってローテンションのシェルダの後を追う。
女体に飢えた男2人と、母性を出せる相手がいなかったキルビア。そこに舞い降りた美少女系美少女であるアクの存在。点と点を線でつなぐ、針の穴を糸で通すような繊細な出会いで妙に釣り合いが取れている現状に、盛大に胡座を描いている。
なんやかんやうまく回っていくんだろうな、とそんな空気感を醸し出しながら徐々に森の出口へと近付いていく。
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