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始まりはバナナ

13 お見舞い品はなんだろう?

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第二王子 カーティス様からは…
なんだこれ。毛布…?

オリバー様からは、枕…

オスカー様からは、ハーブティーのセットだ。
地味に嬉しい。

あ、メッセージがついてる。

~カーティスの手紙(概略)~
かわいいアンジェへ
ひどい目にあって可愛そうに。僕が側に居たらこんな事にはならなかったのに。次からは常に一緒にいよう。
眠るときはこの毛布を僕だと思って安心して眠って欲しい。
学園にこられる日は教えておくれ。僕か友人をむかえによこそう。
それじゃあおやすみ。僕のかわいいアンジェ。

きっ…きもい。
え、ここまで拗らせてるの?
普通王子教育してりゃこんな阿呆には… 
あれか、ヒロインの謎スキル。

ほれるとアホになる。


だいぶHP削られたぁあ!
まだあと二人居るんだぜ。

~オリバーからの手紙(概略)~
僕の天使へ
大丈夫かい?羽は折れていないかい?
必ず犯人をみつけてやるから、脅えなくて大丈夫。今は君の顔を見たいのをこらえて筆をとっているよ。早くよくなるように、悪夢を見ないように枕をプレゼントするよ。例え悪夢を見たとしても夢の中でかけつけてやるからな。

ぶっふぉ!こ、紅茶吹いちゃう!
ぼ、ぼくのてんしって天使ってえええ!
もうやめて、私のライフはもうゼロよ。
ら、ラストぉお!

~オスカーの手紙(概略)~
僕の姫、お護りできずに申し訳ない。
せめて、心だけでも癒せたらと思い、落ち着くハーブティーを選んで君に送ろう。元気な姫に早く会いたい。


どうしよう。前二人のインパクトがすごすぎて多少痛くても感動するよ。
てかこの世界の標準が前二人のだと嫌だなぁ。

アレ?
なんか既視感。

毛布は…あれだ。
ここすっごく寒いのに最低限しかなくて、それを王子に愚痴った気がするな。うん。
うちは貧乏男爵だからあまり良いもの揃えられなくて、おねだりはいつも実用品…
枕は…タオルまいて、カバーで誤魔化してるじゃないですかー。

これから寒くなるから暖かい日用品は外せない…。おねだりしないとマジで生きていけないっ!


そりゃハーブティーだってどれも知ってる種類だよ!

『あなたと飲んだこのハーブティ、飲むといつもあなたを思い出すの…』

いゃああああ!
私がいやぁ!
無言で頭を抱えて悶えたよ。

相手の顔がおぼろげであんま思い出せないけど、無邪気に笑顔で『おいしーねっ!』ってやってるよ私。
しかもこの茶葉のブランドたっけーよ!
『王室御用達』のマークがキラリと光る一品。
もちろん我が家じゃ買えません。

なんだかめまいがしてきたよ?
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