ブルークリスタル(1)【挿絵だらけ】~3年前にタイムリープした女SAGE~

雑魚すけるとん

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1.元の世界~学生時代

(32)再び廃墟遺跡へ

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エルージュ「マリア、ミカエラ、話があるの」
マリア「どうしたの?」
ミカエラ「真面目な話ですか?」

エルージュ「うん」
マリア「恋の話?」
ミカエラ「私もそれ興味あります!」

エルージュ「実は私、ロキのことを…」
マリア「ええええ!」
ミカエラ「ええええ!」

エルージュ「冗談よ、ロキのことを大切に思っているから、次の手合わせでも手を抜かないで頑張るわ」
マリア「な、なんだ…ビックリした!」
ミカエラ「マリアからは大好きっていうオーラが滲み出てますからね!」
マリア「え?」
ミカエラ「違いましたか?」
マリア「あの、その…」
エルージュ「あはは」
マリア「み、ミカエラだってアルスのこと大好きってオーラを垂れ流してるじゃない!」
ミカエラ「え?」
エルージュ「うんうん、出てる!」
ミカエラ「わ、私は一番じゃなくてもいいし、そばにいたいなって思うというか…」
マリア「え?本当なの?」
ミカエラ「だって、その…え、エルージュだってアルスのこと好きなんでしょ?」
エルージュ「えと…その…」
マリア「普通なら恋のバトルになりそうなんだけどね…」
エルージュ「好きだよ!うん。アルスの力になれるなら私もそばにいたいと思う」
ミカエラ「私と同じだ!」
マリア「後輩のライラだってアルスにべったりじゃん!」
エルージュ「ねー!少しは気になるかな…」
ミカエラ「私はまあ平気かな…」


エルージュ「ごめんごめん!実は恋の話じゃなくて、この前の廃墟遺跡の話なんだ!」
ミカエラ「エルージュもやはり気になりましたか!」
マリア「二人とも考古学好きなんだね…」
エルージュ「神学にも大きな影響を与えるかもだよ?」
マリア「マジ?」


エルージュは気になっていることを二人に話した。
1つ目は、自警団で舌を噛み切って死んだ男が廃墟遺跡で何かの仕掛けをしたということ(ヴァイオレットより)。
2つ目は、カレンナ(町)、カルナ(町)、カレナ(過去の聖女)の名前が似ていて文献を調べても何のことを指しているのか判別できなくなってしまうこと。
3つ目は、ノルン島がゴブリンだらけになる未来の夢を見たこと(タイムリープのことは話さず夢を見たということにした)。

エルージュ「だからね、私、廃墟遺跡をもう一度調査すべきだと思うの。幸いにも夏休みだから数日間だけお休みをいただいて行ってみようと思うの」
ミカエラ「エルージュが強いのは私も知ってます。剣を使ってますが本当は魔法の方が得意ですよね?」
マリア「ええ?そうなの?」
エルージュはうなずいた。

ミカエラ「私も廃墟遺跡については気になっていました。でも単身乗り込んでトラブルがあったりして、強さでは解決できないこともあると思います。だからまずは3人で行くっていうのはどうですか?」
エルージュ「それでは宿の手伝いが…」
マリア「もう、水臭いなぁ…。3人で行こう!決定!」

エルージュ「ありがとう…」



3人はカーチャさん(マリアの母親)に説明した。
カーチャ「宿のことは大丈夫よ。その代わり、3人とも絶対に無事に帰ってくること!笑顔で帰ってくること。それを約束してくれるならいいわよ!」
マリア「うん、無理せずに帰ってくる」
エルージュ「絶対笑って帰ってきます」
ミカエラ「お母さんを悲しませるようなことはしません」

カーチャ「よーし!じゃあ、行ってよし!」

本当に温かい、優しいお母さんだ。マリアは幸せだし、こうして分け与えてもらっている私たちも幸せだ。

カーチャ「気をつけてね!」

マリア「いってきます!」
エルージュ「いってきます!」
ミカエラ「いってきます!」

今回のミッションは無事に笑顔で帰ってくること、可能であれば何らかの成果を持って帰ることだ。




ハナウから馬車で20時間程度の距離だ。ノルンで宿泊し、翌日に廃墟遺跡付近で馬車を降りた。





やはり二度目でも少し薄気味悪い…




エルージュ「じゃあ、ちょっと気持ち悪いけど行こうか…」
ミカエラ「ちょっと待ってください!」
マリア「え?どうしたの」



ミカエラ「そのまま行ってしまうと、もしかしたら待ち伏せされているかもしれないので、ちょっと祈ってみましょうか」
マリア「祈るのは全然構わないけど…」
エルージュ「ああ!そういうことか!」
マリア「ん?」

ミカエラ「マリアさんレベルの祈りであれば、おそらく魔法と同じくらいの波動が出るはずですので、聖なる波動に敏感なモンスターなどがいれば出てきてどこかへ逃げていくはずです」
マリア「ミカエラって物知りだね」
ミカエラ「そんな知識があっても私レベルの祈りでは全然効果が無いのでマリアの祈りが必要なのですよ」
マリア「じゃあ、ちょっと待ってね」

マリアはウォーミングアップ的に気軽な体勢から祈った。
セージの祈りと神官の祈り、外見は同じように見えても、やはり専門職には専門職なりの威力があると感じた。


マリアの祈りは研ぎ澄まされており、不純物を感じることはない。
本当に惚れ惚れするような祈りだ。



一般の人にはわからないだろう。祈りの波動がどことなく出ていて広がっていくのがわかる。







ご、ゴブリンが出てきた!こっちに向かってきた。

エルージュ「全然逃げないね」
ミカエラ「うん、むしろ攻撃対象として認識されたみたい」
マリア「ゴブリンなんて初めて見たわ…」





マリア「きゃぁ!」
マリアの後ろに潜んでいたゴブリンがマリアに抱きついてきた!

エルージュ「このっ!」
ミカエラ「・・・」(魔法の詠唱を始めた)


マリア「このやろー!」
マリアはゴブリンを振りほどいて体勢を立て直した。

エルージュはマリア周辺のゴブリンに切りかかった。
ミカエラ「お二人とも、今いる場所から離れてください」
ミカエラの魔法が発動し始めた。ミカエラの得意とする氷魔法だ。


ミカエラに氷魔法の適性があるというのは編入試験のときから知っていた。
本格的に魔法の勉強をし始めてから3ヶ月しか経っていない。

それなのにこの威力…
氷の魔法が発動し、周辺が冷気で満たされていく…
攻撃対象であるゴブリンにとっては、身が凍るほどの恐怖だろう。
目の前にいたゴブリンをすべて氷の魔法でやっつけた。




ミカエラ「うしっ!」

マリア「あー気持ち悪かった…ミカエラ、ありがとう!」
エルージュ「しかし、こういう祈りの使い方があるのは知らなかったわ、それにミカエラの氷の魔法の威力には本当に驚かされた」


祈りの波動に反応したモンスターだけでも減らしたので、私たちは奥へ進んでいった。





マリア「石像が動いていたよね、また動いたりするのかな」
ミカエラ「うーん、全てが怪しいけど、何が本当に怪しいモノなのかわからないです」
エルージュ「・・・」

ミカエラ「最近何かされた形跡という観点で見ているんですが…」
マリア「この石像って何を祭っているのかな…」
エルージュ「私が何かするとしたら…」

それぞれ独り言を発しながら調査した。



エルージュ「ヴァイオレットが捕らえられていた付近だけじゃなく、あっちの方も見てみようか」
マリア「そうね」
ミカエラ「うん」


違う場所の調査をするために進んでいった。



エルージュ「あ…」
ミカエラ「あっ!」
マリア「あっ!」

できれば見つけたくなかったものを見つけてしまった…


ミカエラ「これは?」
エルージュ「お、おそらくダンジョンの入口がある気がする…」
マリア「ダンジョンか…」


階段を降りていった。
その先にあったのはダンジョンであろう入口だった。

エルージュ「やはりダンジョンだ…」
マリア「行ってみる?」
ミカエラ「うーん…」

エルージュ「私はウエンツ先生の話を聞いたり、見聞きしたことを総合的に判断すると、今は行くべきではないと思う」
ミカエラ「私もエルージュの意見に賛成です」
マリア「例えば、どんなリスクがあるの?」

エルージュ「例えば、秘術のかかった床を踏んだりすると拘束されてしまったり、牢屋のようなところに閉じ込められたり、最悪の場合はウエンツ先生の言っていたような底が見えない落とし穴に落ちてしまったり…」

ミカエラ「これが3人じゃなく10人だったとしてもトラップは発動すると思うけど、人数が多いとなんとかなる可能性も高くなるから、今この瞬間に無理をして行くべきではないと思います」
マリア「なるほどっ!じゃあ、今日は帰ろう!」
エルージュ「うん、カーチャさんとの約束もあるし笑顔で帰ろう!」


残念だけど、私たち3人は今回の調査はここまでにして帰ることにした。
今回の成果としては、このノルン島でもゴブリンが生息していたという事実がわかったこと、そしてこの廃墟遺跡にダンジョンらしきものがあるという事実がわかったということだ。


今は学生の身分だ。無理をせずに先生や自警団、冒険者ギルドの力を借りた方がいい気がする。


冒険も大切なことだが、まずは自分の身の安全を確保すること、そして私たちを大切に思ってくれているマリアの両親や学校の仲間、先生方を悲しませるような結論にはしたくない。

しっかりと考えて、その場におけるベスト、ベターの賢い選択を積み重ねて悲しい未来が訪れる確率を下げていくしかないと思う。
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