ブルークリスタル(1)【挿絵だらけ】~3年前にタイムリープした女SAGE~

雑魚すけるとん

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1.元の世界~学生時代

(33)花火とアイドル

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エルージュ、マリア、ミカエラの3人はハナウの町に戻ってきた。
「ただいま戻りました!」
カーチャ「おっ!帰ってきたね!おかえりなさい!」



カーチャ「帰ってきて早々にごめんね、今年の花火大会で出店を出さないかって商工ギルドの人に誘われて出したいんだけど、手伝ってくれる?」
マリア「屋台で何かを売ればいいの?」
カーチャ「そう!ウチで出せるものって、食事くらいだから、少し多めに作るからそれを売るの!」
エルージュ「それは面白そうですね!」
ミカエラ「私もやってみたいです!」
カーチャ「よーし!そうと決まれば色々と準備を始めるわね!」
カーチャは商工ギルドの広告を宿のフロントに貼った。

毎年、夏にハナウの港で魔法による花火が打ち上げられる。
その光景を楽しみに多くの観光客がノルン島に訪れてくる。
巡礼の観光客に加え、このハナウの花火大会の観光客も来るのでハナウの町は経済的に潤っている。



エルージュ、マリア、ミカエラは部屋で話をすることにした。

マリア「いやー疲れたね!」
ミカエラ「そうですね、移動だけで往復40時間以上かかってますからね」
エルージュ「二人とも本当にありがとう!」

マリア「ちょっと怖かったけど、でも…楽しかったよ!」
ミカエラ「ノルン島でのゴブリンの目撃って聞いたことがなかったので驚きました」
エルージュ「ストリーナには普通にいるんだよね?」
ミカエラ「いますね、海を渡ってきた?誰かが持ち込んだ?元々存在していた?色々と疑問が残りますね」
エルージュ「うーん…」

マリア「世界を巡る冒険にはゴブリンが必ずついてくるっていうことね…」
ミカエラ「そうですね、ゴブリンだけじゃなく色々なモンスターがいるし、色々な種族もいるし、色々な人間もいます」
マリア「そっかー!じゃあ、私は足を引っ張らないように頑張るぞー!」


エルージュ「ゴブリンとダンジョンのことは、夏休みが明けた時に先生に話してみようか」
ミカエラ「そうですね、夏休み中は控えておきましょう」
マリア「先生たちだって休みだもんね」

エルージュ「ところでマリア、ハナウの花火大会ってあの広告のイメージなの?」
マリア「そうだよ、島外からもたくさんの観光客が来るから港付近はすごく混むの」
ミカエラ「お店はどのあたりに?」
マリア「たぶん、港の横の公園かなと思う」

エルージュ「具体的には、そのお店でお金を貰って、パンなどを渡すってことだよね」
マリア「そのとおり!1つにつき、銅貨2枚で売るの。」
ミカエラが指で計算している。
ミカエラ「パンを200個売ったら、銅貨400枚(=金貨4枚、銀貨40枚)になるんだよね。」
マリア「そ、そうだね…考えたことなかった(笑)」
エルージュ「他に売れるものって何かあるかな?」
ミカエラ「うーん…手間を考えると食べるものだけにしたほうがいいと思いますね」
マリア「パンのセット販売にしてみるのは?」
エルージュ「サンドイッチのように具材を入れてみて2つくらい食べても飽きないようにする?」
ミカエラ「ふむふむ、歩いている人が食べるには問題なくて少しでも多く食べられるような工夫をする…いいと思います」
マリア「それでいこう!」
エルージュ「例えば…パンを400個準備して、全てに具材を入れて、2個で1セットにして銅貨5枚にすれば…銅貨1,000枚(=金貨10枚、銀貨100枚)になるね!」

マリア「すごいね、普通に売ったときの倍以上になるんだね!それでいこう!」

ミカエラ「花火は明後日だから、明日からどんどん作っていきましょう」





翌日
(語り手:エルージュ)

いつもより多く仕入れた材料でパンを作っていく。
とても楽しい!


本当にマリア、ミカエラと出会えてよかった。

明日の花火、どんな魔法の花火が上がるのか楽しみだ。
花火も楽しみだけど、屋台の店のことも楽しみだ。







当日

朝からパンを作り続けて夕方までに屋台まで全て運んだ。
観光客も増えてきた。

海の方で花火があがった!


肝心の屋台のお客さんは上々だ。

お金をもらってパンを渡す、ついでに笑顔も一緒に…。


マリク「美味しそうなパンですね、1つもらえますか?」
銅貨5枚を差し出す。
マリア「ありがとうございます!」

カイロ「お、俺も2つもらえますか?」
エルージュ「はい、銅貨10枚になりますね」

モガ「じゃあ、俺は3つもらえますか?」
ミカエラ「銅貨15枚になりますね」

マリア「3人で花火に来たのですか?」
マリク「そうなんですよ、なんでもアイドルが来るとか、来ないとか…」
マリア「アイドル?ですか…」

モガ「絶対来るって!」
カイロ「本当か?チラシにも書いてないぞ」
マリク「俺はどっちでもいいかな…」

3人の男は人ごみに消えていった。




ミカエラ「アイドルですか…」
エルージュ「もうちょっと色々世間の動きに敏感にならないとね…」


マリア「あ!あれは学校の人だよ!」
エルージュ「1年生のうーん、名前なんだっけ?」
ミカエラ「あれは魔法使いコースのアージだよ」


マリア「あ!ウエンツ先生だ!」
ミカエラ「オルト先生もいるし!」

エルージュ「先生!こんばんは!おひとついかがですか?」


オルト「おお?!君たち!」
ミカエラ「オルト先生はウエンツ先生と一緒に来たのですか?」
ウエンツ「ま、まさか!たまたま来たら偶然会ったのですよ!」
マリア「先生たちは、1つずつでいいですか?銅貨10枚になります!」

オルト「マリアさん、商売上手だね!では1つずつください」
ミカエラ「毎度ありがとうございます!」
エルージュ「よい花火を~」


マリア「びっくりした!先生に会うと思わなかった!」




ソニア「美味しそうですね!1つもらえますか?」
エルージュ「はい、銅貨5枚ですね」
ファリーザ「私も欲しいです!」
ミカエラ「はい、どうぞ」
マリア「花火に来るのは初めてですか?」
ファリーザ「そうなの!たぶん今年が最後になるから、ちゃんと見ておこうと思って来たの!」
ソニア「ファリーザ、ちゃんと見ておこうね!」
ファリーザ「そうね、来春にはノルンにはいないしね…」

ソニア「ありがとう、美味しく頂くわ!」

2人は人ごみに消えていった。

マリア「あー!マランダ先生!」
エルージュ「あ!先生!」
マランダ「あら、こんばんは!お店出していたのね!」
ミカエラ「先生は一人で来たんですか?」
マランダ「ええ、そうよ」
マリア「カレシとかいないんですか?」
マランダ「いないのよ、昔はもてたんだけどね…」
エルージュ「先生じゃなければ、もてたんじゃないですか?」
ミカエラ「うんうん、時間が無くて大変だと思います…」
マランダ「あはは」(苦笑い)

マランダ「じゃあ、1つもらえるかな?」
マリア「はい、銅貨5枚です」

マランダは人ごみに消えていった。


マリア「でもデート現場を目撃しなくて逆に良かったと思うよ」
エルージュとミカエラはうなずいた。




ヴァイオレット「やっほー」
フラリーネ「本当にいた!」

ヴァイオレットとフラリーネが来た。

エルージュ「二人とも来たんだ!」
ヴァイオレット「だって見納めになってしまうから、今年は絶対来ようと思っていたの」
フラリーネ「だよねー」

ミカエラ「二人はパンを買っていくよね?」
フラリーネ「ミカエラー!もちろんだよー帰りの馬車で食べる分も買っていくよ!」
マリア「わーありがとう!」

5人で少しだけ雑談をした。楽しかった。
ヴァイオレット「じゃあ、私たちは花火を見てくるね!」
フラリーネ「また夏休み明けにあいましょう」

二人は手を振りながら人ごみに消えて行った。






遠くのほうで大きな声が聞こえる!
なんかすごく盛り上がっているような?

ミカエラ「ちょっと見てきていい?」
マリア「いいよー私も気になるから、見てきて!」



ミカエラは盛り上がっている方向へ走って行った。


(語り手:ミカエラ)
人ごみをかき分けながら、私がまず見たものは…

マッチョな男の人が必死に大声を出して声援を送っているシーンだった。
ちょっと気持ち悪いかな…
あれは、パンを買ってくれた3人組だ!

二人は熱中してる!
もう一人はちょっと恥ずかしそうにしている…


彼らが声援を送る先にいたのはキュートなアイドル2人組だ!
色黒の女の子と、色白の女の子だ。
「カエリア~!メッサリナ~!」という声が聞こえる。
きっと彼女たちの名前のことだろう。

近くにいる人に聞いてみた。
「すみません、彼女たちは誰ですか?」
近くにいる人「あれはね、ラスカリスっていう二人組のアイドルユニットですよ」
ミカエラ「ラスカリス…」
近くにいる人「彼女たちは、アイティマ王国で活動していて人気があるんだよ」
ミカエラ「なるほど!」
近くにいる人「今日は来るか来ないか分からなかったんだけど、結果としてゲリラ的な演出になったんですよ」
ミカエラ「なるほど!」

金色の衣装の子はカエリアだ。
踊りも歌声も上手だと思う。
近くの人「お、メッサリナも来た!」

もう一人の方は銀色の衣装で、メッサリナというらしい。

メッサリナと比べるとクールだったりセクシーな印象を受ける。

男の人が綺麗な女性アイドルに夢中になることは悪いことではない。

しかしまあ、ちょっと引きます…

舞台から少し移動して屋台がある方へ向かって行った。

二人はダンスをしながら屋台の方まで来ている。

もしかしたらエルージュもマリアも気づいただろうか。

そろそろ戻りますか…











ミカエラ「ただいま…」
エルージュ「おかえり!」
マリア「なんかアイドルみたいなのが来たけど、それ?」

ミカエラ「うん、ラスカリスっていう二人組ユニット、女の子2人だった」
エルージュ「へえええ」
マリア「なんか話は聞いたことあるわ」

ミカエラ「ちょっと夢中になっている男性を見たら、引きました…」

さて、そろそろ店じまいの時間だ。
マリア「そろそろお店も終わりだね」

ミカエラ「少しだけ売れ残ったのですね」
エルージュ「うん、でも、十分すぎるほど売れたわ」
マリア「私たちはがんばった!」

ミカエラ「あっ…」

カエリア「すみません、パンを買えたりしますか?」
メッサリナ「おなかすいてしまって…」

マリア「ありますよ~」
エルージュ「はい、どうぞ」

カエリア「ありがとう」
メッサリナ「美味しそう」

エルージュはパンを2セット手渡した。
エルージュ「どちらから来たんですか?」
カエリア「私たちはオルティナから来ました」
メッサリナ「違うでしょ!物理的にはアイティマからです。」

マリア「そうでしたか~花火はまだまだ続くので、ぜひ楽しんでいってください」

カエリア「ありがとう」

二人は人ごみの中に消えて行った。


ミカエラ「ねえ、あれ!」
エルージュ「ん?」
ミカエラ「あの二人です!」
マリア「何が?」
ミカエラ「あの二人がラスカリスです!」
マリア「えええ!」
エルージュ「えええ!」




(語り手:ミカエラ)
知っている人を見かけたり、多くの観光客を見たり、そして大規模な魔法の花火を見たりすることができた。
何よりもマリア、エルージュとともに商売をすることができた。とても楽しかった。
来年はきっと私はノルン島にはいない。だけど花火大会を口実にここに帰ってきたいと思う。
求めていた帰省先のような心の故郷が1つできあがってきているのを感じた。
きっとエルージュも同じ気持ちになっているのではないかと思う。

私はとても幸せだと思う。



私たちは店を閉めて宿に戻って来た。
カーチャ「おかえりなさい!どうだった?」
マリア「ほぼ完売しました!売上は銅貨1,000枚以上あると思う」
カーチャ「それは本当に凄いわね…」

そんな中、

「すみません、2名で予約したラスカリスです」

振り返ると、彼女たちがいたのだ!
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