異世界転移した少女は、黒髪ゆえ虐げられるも、王子に愛され復讐する~プラネット・ロンダリング~

百葉

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 翌朝、私は二人の家を後にした。
「もし帰り道が見つからなかったら、また戻ってきてね」
 クレアとウォーレンは笑顔で手を振り、私を送り出してくれた。


 人通りの多そうな場所を歩いてみたけれど、全く見覚えのない場所だった。
 すれ違う人たちは皆白い髪で、私を見て驚き顔を歪める。
 中には駆け出していく人や、石を投げつける人もいた。
 その日は日差しが温かかったけれど、私はニット帽を深くかぶった。

 後をついてくる2人組に気づき、怖くなった私はクレアとウォーレンの家に戻るため、来た道を引き返した。
 兵士のような2人組に槍を向けられ、縄で手を縛られ拘束された。

 連れていかれたのは町外れにある、大きな三角屋根の建物だった。
 中から出てきたのは、白い服を着た初老の女性で、髪も白い布で覆っていた。
 兵士は私の手を縛っている縄を、女性に引き渡し、私は女性に引かれるまま歩いた。

 着いた部屋には最初の女性と同じ装いをした3人の女性が集まっていた。
「今までどこに隠れていた?」
 一番年長の女性が私に向かって言った。睨まれているような鋭いまなざしだった。

 私は意味が分からず黙っていた。
「しゃべれないのかい!」
 女性は急に怒鳴った。
「話せます」


 縄を持っていた女性は、私を乱暴に床に投げた。
 さげすむような4つの視線に私はさらされた。

 そこで分かったことは、黒髪はとても邪悪で醜く、不吉な物とされていること。
 古い書物や伝承には出てくるけれど、実際に存在するのは私が初めてらしいこと。

 私を火あぶりにするか上に確かめるので、返答が帰ってくるまではここで働かせるそうだ。

 火あぶり?
 何かの冗談か聞き間違い?
 逃げた方がいいの?
 逃げるってどこに?
 屋根と壁があって石を投げられないなら、ここに居る方が得策?

 一番若い女性がどこかへ報告に行き、二番目に若い女性が私の監視員兼指導員となった。
 私は雑巾で建物中を拭き掃除したり、力仕事や雑用をすることになった。
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