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お腹はどんどん大きくなって、お腹が蹴られるのを感じるようになってきた。
私はナナに相談した。
初めてで、1人で産む自信がなかった。
ナナは最近なんだか表情が暗い。
心配事がある様子だった。
でも私が妊娠したことを相談すると、とても喜んでくれた。
「早速、エドワード様に報告しなくては」
ナナはニコニコしている。
「忙しいんじゃないの?エドには報告しなくても大丈夫よ」
「報告しなかったら、私がエド様に怒られますわ」
ナナはウキウキと出ていった。
それから3週間、エドがやってきた。
エドはどれだけ急いできたのか、髪はボサボサで息を切らしている。
「エリナ、子供を?」
「うん。お腹さわってみる?たまに蹴るの。あ、でもダメだ手が入らないね」
鉄格子の穴はエドの手が入るほど大きくない。
「ここから出す。待ってて」
エドは翌日、本当に私を外に出してくれた。
久しぶりに外に出ると、外は春になっていた。
どこにも雪がない。
雪のある王都もきれいだったけど、雪のない王都もきれいだ。
エドは私を、エドの家に連れていってくれた。
エドは王都に家を持っていた。
私が妊娠したことを報告すると、王は子供が1歳になるまで牢から出していいと言ってくれたそうだ。
私はそこで、初めて夫婦水入らずの生活を送った。
私はナナと一緒に料理も洗濯も掃除もした。
なるべく人を家に入れたくないというエドの希望で、使用人は雇わなかった。
外はエドの配置した兵が警備してくれている。
ナナは掃除をしたことがなかったので、私が教えた。
広い家なので、全部屋掃除しようとすると大変だ。
使う部屋を決めて、その部屋だけ掃除することにした。
エドは証拠探しを中断し、私と一緒にいると約束してくれた。
日中はお仕事に行くけれど、夜は毎日エドといられる。
夢みたいに幸せだった。
エドは私のお腹に耳を当てたり、手を当てるのが好きだった。
私のお腹に向かって、「聞こえる?パパだよ」なんて話しかけているのを目撃してしまったこともある。
私が寝ていると思っていたらしい。
ミルトン村は冬に戻ってしまったそうだ。
エドはそのことを挙げて、私が春の女神だと証明しようと思ったけれど、王は見る者が健康を害する女神など聞いたことがないと言って、取り合わなかった。
私はナナに相談した。
初めてで、1人で産む自信がなかった。
ナナは最近なんだか表情が暗い。
心配事がある様子だった。
でも私が妊娠したことを相談すると、とても喜んでくれた。
「早速、エドワード様に報告しなくては」
ナナはニコニコしている。
「忙しいんじゃないの?エドには報告しなくても大丈夫よ」
「報告しなかったら、私がエド様に怒られますわ」
ナナはウキウキと出ていった。
それから3週間、エドがやってきた。
エドはどれだけ急いできたのか、髪はボサボサで息を切らしている。
「エリナ、子供を?」
「うん。お腹さわってみる?たまに蹴るの。あ、でもダメだ手が入らないね」
鉄格子の穴はエドの手が入るほど大きくない。
「ここから出す。待ってて」
エドは翌日、本当に私を外に出してくれた。
久しぶりに外に出ると、外は春になっていた。
どこにも雪がない。
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エドは私を、エドの家に連れていってくれた。
エドは王都に家を持っていた。
私が妊娠したことを報告すると、王は子供が1歳になるまで牢から出していいと言ってくれたそうだ。
私はそこで、初めて夫婦水入らずの生活を送った。
私はナナと一緒に料理も洗濯も掃除もした。
なるべく人を家に入れたくないというエドの希望で、使用人は雇わなかった。
外はエドの配置した兵が警備してくれている。
ナナは掃除をしたことがなかったので、私が教えた。
広い家なので、全部屋掃除しようとすると大変だ。
使う部屋を決めて、その部屋だけ掃除することにした。
エドは証拠探しを中断し、私と一緒にいると約束してくれた。
日中はお仕事に行くけれど、夜は毎日エドといられる。
夢みたいに幸せだった。
エドは私のお腹に耳を当てたり、手を当てるのが好きだった。
私のお腹に向かって、「聞こえる?パパだよ」なんて話しかけているのを目撃してしまったこともある。
私が寝ていると思っていたらしい。
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