もうお前は勇者じゃないと追放されました。はい、最初から勇者じゃありません!

sanana

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 「アイリスちゃん、やっと旦那が帰ってきたな」
「やめてください。そんなんじゃないですよ」
冒険者たちが絡んでくるのを、少し苦笑いする少女。
茶色のふわふわした長い髪、ふんわり茶色の垂れ目で、背丈は女性の平均よりは少し低いくらい。
癒しオーラを醸し出している。
「アイリス、もう今日は帰りなよ」
「え、まだ時間残ってますよ」
「せっかくアイザックが帰ってきたんだから」
「久しぶりにゆっくりしなよ。家族なんだから」
他のウェイトレスに促され、アイリスは着替えてくる。
緑と茶色の落ち着いた色のワンピース。
大人たちにひゅーひゅー冷やかされながら、酒場を2人は出ていった。
日はすっかり沈んでいた。
雲1つない満天の星空。
月はまんまるときれいな黄金色の満月である。
そんな夜空の下を2人は並んで歩く。
「背伸びた?」
黙って歩いていた2人で、最初に声を出したのはアイリスだった。
「うん。こんなにぐんぐん伸びるものかとびっくりした」
「いいなあ。それを実感してみたかった」
「そっちは小さいままだなあ」
アイザックはアイリスの頭をぽんぽん叩く。
「ごめん。早寝早起きとかご飯も栄養しっかり摂ったつもりだったけど」
アイリスはしゅんと落ち込んでいる。
「これがその体の限界値だろうから、気にしないでいいよ」
「でも、そっちは筋肉とかしっかりついて、前とは違う感じなのに」
「そうしないと、魔王も倒せないからね」
「すっかりその体を使いこなしているようで」
「アイくんも使えるようになるよ」
「いや、そんなこと…」
「アイくん、家に帰る前にあの場所行こう」
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