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18話
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二人は後ろを向き、コソコソと話す。
「どういうつもりだよ、アイちゃん」
「やっぱり、無理。私が勇者だなんて、言えない」
「何でだよ。今までスコルさんと旅してきたのは、アイちゃんだ。それこそ、何もやってない俺が、勇者の、彼らの仲間のフリだなんて、できないよ」
「私はね、嘘をついた。勇者じゃないのに、勇者だって、嘘をついた。怖いんだ。スコルは追放されるときかばってくれたの。その信頼を裏切る真似はしたくない」
「アイちゃん…」
その怯えたような、泣きそうなアイリスの顔を見て、アイザックは何と声をかけたらいいのか分からなかった。
「忘れられたというのは、本当ですか?」
スコルが二人に話しかけてくる。
二人はその言葉を聞いて、スコルに向き直す。
全ての感情が抜け落ちたような、絶望しきった表情だった。
「悪い」
そんな表情を見て、アイザックは罪悪感を抱く。
しかし、アイリスの辛そうな顔を見た後でもあったので、大事な家族である彼女の言い分を優先した。
記憶を失った、勇者アイザックのフリをする。
「俺のことも分からないのですね」
スコルは項垂れてしまう。
「アイくんから話は聞いてたんだ」
そこで声をかけたのは、アイリス。
「旅で頼りにしていた仲間がいるって。だから、この黒髪の人はもしかして、聞いていたスコルさんじゃないかなって」
その言葉を聞いて、スコルは顔を上げる。
「俺を頼りにされていたのか?」
「う、うん。スコルがいてくれてよかったって、言ってたよ」
(仲を深めるために、自分にも敬語なしにしてほしいなとは思ったけど、いざ使わないと、少し違和感感じるな。まあ、私は勇者じゃないから、当然だけど)
アイリスが場違いなことを考えているなか、スコルは安堵して、ほっと一息つく。
「あの親友と名乗っていた忌々しいジークを俺が越えることなんて、できないと思っていた。あの時までは、あいつの実力は認めていたんだ。多少の月日だとしても、彼らの間には絆があり、俺が入る余地はなかった。それでも、少しは俺のことを認めてくださったんだな」
目を手で覆い隠してはいるが、涙が一筋流れているのが見えた。
「ちゃんと言葉にしなくてごめんね。あの勇者パーティーは誰が欠けても、魔王を倒すことはできなかったよ。スコルのいつも冷静で、周りを俯瞰して、見てくれるところが助けになったって」
アイリスは旅の間、スコルがジークに劣等感を抱いていることなど、全く気づいていなかった。
みんな平等に、大事なパーティーであった。
だから、きちんと実力があり、パーティーの一員として、働きを見せていたスコルが落ち込むことはないと、必死に励ましていた。
「どういうつもりだよ、アイちゃん」
「やっぱり、無理。私が勇者だなんて、言えない」
「何でだよ。今までスコルさんと旅してきたのは、アイちゃんだ。それこそ、何もやってない俺が、勇者の、彼らの仲間のフリだなんて、できないよ」
「私はね、嘘をついた。勇者じゃないのに、勇者だって、嘘をついた。怖いんだ。スコルは追放されるときかばってくれたの。その信頼を裏切る真似はしたくない」
「アイちゃん…」
その怯えたような、泣きそうなアイリスの顔を見て、アイザックは何と声をかけたらいいのか分からなかった。
「忘れられたというのは、本当ですか?」
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二人はその言葉を聞いて、スコルに向き直す。
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「悪い」
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しかし、アイリスの辛そうな顔を見た後でもあったので、大事な家族である彼女の言い分を優先した。
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「俺のことも分からないのですね」
スコルは項垂れてしまう。
「アイくんから話は聞いてたんだ」
そこで声をかけたのは、アイリス。
「旅で頼りにしていた仲間がいるって。だから、この黒髪の人はもしかして、聞いていたスコルさんじゃないかなって」
その言葉を聞いて、スコルは顔を上げる。
「俺を頼りにされていたのか?」
「う、うん。スコルがいてくれてよかったって、言ってたよ」
(仲を深めるために、自分にも敬語なしにしてほしいなとは思ったけど、いざ使わないと、少し違和感感じるな。まあ、私は勇者じゃないから、当然だけど)
アイリスが場違いなことを考えているなか、スコルは安堵して、ほっと一息つく。
「あの親友と名乗っていた忌々しいジークを俺が越えることなんて、できないと思っていた。あの時までは、あいつの実力は認めていたんだ。多少の月日だとしても、彼らの間には絆があり、俺が入る余地はなかった。それでも、少しは俺のことを認めてくださったんだな」
目を手で覆い隠してはいるが、涙が一筋流れているのが見えた。
「ちゃんと言葉にしなくてごめんね。あの勇者パーティーは誰が欠けても、魔王を倒すことはできなかったよ。スコルのいつも冷静で、周りを俯瞰して、見てくれるところが助けになったって」
アイリスは旅の間、スコルがジークに劣等感を抱いていることなど、全く気づいていなかった。
みんな平等に、大事なパーティーであった。
だから、きちんと実力があり、パーティーの一員として、働きを見せていたスコルが落ち込むことはないと、必死に励ましていた。
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