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13話 お見舞い
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「う……あ?」
目を開けたら何処か見知ったら部屋で寝ていた、というか自分の家だ。
「っ……」
起き上がろうとすると少し脇腹が痛む、それになんだか身体がダルい……
「生きてる……か」
あれだけ痛かったのに生きてるのか、人って意外と丈夫なんだな。………正直恐かった、あの時ミミルを止めたのは相手の実力がわからないと言うのもあったが何よりも恐かった、殺し合いになるのが恐かった。情けないかも知れないが魔物と人間の戦いじゃ全然違う。思い出すだけでもちょっと恐い……
「はぁ……ん?」
父さんの声だ。
体をふらつかせながら扉に耳を当てて聞くと。
「いらっしゃいませ。ヘリック様、ミミル様」
「どうも、こんにちは」
「ど、どうもこんにちは」
「今日もコウタのお見舞いに?」
「ええ、すいません毎日」
「……本当にすいません」
「いえいえ、大丈夫ですよ。それにミミル様、コウタもきっと同じ選択をしたでしょう、だから気にしないで下さい」
「っ……はい……」
むむ、同じ選択をしたかはわからんけどな……どうだろ?
「ふふ、ではお邪魔します」
「お邪魔します……」
「はい」
おっと、こっちに来るか。ちょっと驚かせてやるか……椅子に座って本を左手で持つ、ちなみに勇者と魔王のありきたりな絵本だ。右手は……紅茶があれば様になったんだが、しょうがない右手は顎に添えて脚を組んで……
どうだ!持ってるのが絵本以外はインテリっぽいぞ!よし、これで待とう。
ーーーコンコン
「コウタ……入るわね?」
「失礼するよコウタ」
「やぁ、いらっしゃい」
ここで俺の精一杯の渋い声を!
「こ、コウタ?」
「ふっ、どうしたんだい?」
「コウタ……ぷっ……」
あ、ヘリックの野郎笑いやがった……何だが無性に恥ずかしくなってきた……
「良かった……うぅ……良かったよ、コウタぁ……」
え、ええ?何で泣いてるの!?
「ちょ、ちょっと泣くなって!」
「だってぇ……傷は痛くない?」
「まだちょっと脇腹は痛いかな、それと身体がダルい」
「ダルいのは多分魔力切れの影響だね、随分と無茶をしたみたいだね?」
「まぁ、そうしないと俺もミミルも……あ!男の子は?」
「二人のお陰で無事に家に帰してあげれたよ」
「そうかぁ……」
あれだけ頑張って男の子がどうにかなってたら心が折れる所だった。
「それにしても結構な怪我だったんだけどなぁ」
「それは僕とミミルが色々なツテを頼ってね腕のいいヒーラーと薬を使ったりしたからかな?」
「マジか、えっと金返せるかな……」
「か、金は返さなくていいわよ!……私のせいでこうなったんだから……」
「………全くだ」
「!」
「あの止めた段階だったらまだ選択肢はあった筈だ」
「うん……」
「まぁ、もう終わっちまった事だからこれ以上は言わんよ。後一つ言っておく」
「うん、何でも受け入れる……」
「お、おう……まぁ、そのなんだ……二人共色々ありがとな、お陰ですぐに復帰出来そうだ」
「あぁ、どういたしまして」
「え?なんか要求しなくていいの?」
「もう良いって、何とか収まったんだし」
「で、でも」
「うっさいなぁ~胸揉むぞ!」
「う、うん……いいよ?」
「いやいや、冗談だから!」
「ははは!」
「笑ってる場合か!」
「お邪魔しました」
「コウタまたね?」
「おう、二人共気をつけてな」
あの後ミミルの要求合戦を潜り抜け何とか帰って貰った。
「何だったんだアイツは……」
「まさかあの御二人と友達だったとはな」
「本当にビックリしたわ」
「あー、まぁね」
「コウタ、無事で良かった……」
「もう、余り無茶しちゃダメよ?」
「はは、無事かどうかは怪しいけど……俺だってしたくて無茶をしたわけじゃ無いから」
あの状況はしょうがない、無茶でもしないと勝てないんだから。
「コウタお兄ちゃん!」
「ウォン!」
「わぁふ!(がうー!)」
「お!みんな心配掛けたな」
抱きついて来るネメを受け止め、すり寄って来る三匹を撫でる。
「良かった、生きてるよぉ~」
余程心配だったのかネメ達が離れる気配が無い。
「コウタ……無事だったか」
「ダリル兄さん、ははお帰り」
「あぁ、ただいま」
兄さんが目の端に涙を浮かべながら笑っていた。
一年前に街道で拾った俺をここまで本気で心配してくれる事に不謹慎ながら嬉しいと思った。もっと強くなりたい、この人達に何かあれば助けられる位には………
その日のご飯はネメを膝に乗っけながら足元にはフェイ達が固まり非常に食べにくかった、だけど不思議といつも以上にご飯が美味しかった。
目を開けたら何処か見知ったら部屋で寝ていた、というか自分の家だ。
「っ……」
起き上がろうとすると少し脇腹が痛む、それになんだか身体がダルい……
「生きてる……か」
あれだけ痛かったのに生きてるのか、人って意外と丈夫なんだな。………正直恐かった、あの時ミミルを止めたのは相手の実力がわからないと言うのもあったが何よりも恐かった、殺し合いになるのが恐かった。情けないかも知れないが魔物と人間の戦いじゃ全然違う。思い出すだけでもちょっと恐い……
「はぁ……ん?」
父さんの声だ。
体をふらつかせながら扉に耳を当てて聞くと。
「いらっしゃいませ。ヘリック様、ミミル様」
「どうも、こんにちは」
「ど、どうもこんにちは」
「今日もコウタのお見舞いに?」
「ええ、すいません毎日」
「……本当にすいません」
「いえいえ、大丈夫ですよ。それにミミル様、コウタもきっと同じ選択をしたでしょう、だから気にしないで下さい」
「っ……はい……」
むむ、同じ選択をしたかはわからんけどな……どうだろ?
「ふふ、ではお邪魔します」
「お邪魔します……」
「はい」
おっと、こっちに来るか。ちょっと驚かせてやるか……椅子に座って本を左手で持つ、ちなみに勇者と魔王のありきたりな絵本だ。右手は……紅茶があれば様になったんだが、しょうがない右手は顎に添えて脚を組んで……
どうだ!持ってるのが絵本以外はインテリっぽいぞ!よし、これで待とう。
ーーーコンコン
「コウタ……入るわね?」
「失礼するよコウタ」
「やぁ、いらっしゃい」
ここで俺の精一杯の渋い声を!
「こ、コウタ?」
「ふっ、どうしたんだい?」
「コウタ……ぷっ……」
あ、ヘリックの野郎笑いやがった……何だが無性に恥ずかしくなってきた……
「良かった……うぅ……良かったよ、コウタぁ……」
え、ええ?何で泣いてるの!?
「ちょ、ちょっと泣くなって!」
「だってぇ……傷は痛くない?」
「まだちょっと脇腹は痛いかな、それと身体がダルい」
「ダルいのは多分魔力切れの影響だね、随分と無茶をしたみたいだね?」
「まぁ、そうしないと俺もミミルも……あ!男の子は?」
「二人のお陰で無事に家に帰してあげれたよ」
「そうかぁ……」
あれだけ頑張って男の子がどうにかなってたら心が折れる所だった。
「それにしても結構な怪我だったんだけどなぁ」
「それは僕とミミルが色々なツテを頼ってね腕のいいヒーラーと薬を使ったりしたからかな?」
「マジか、えっと金返せるかな……」
「か、金は返さなくていいわよ!……私のせいでこうなったんだから……」
「………全くだ」
「!」
「あの止めた段階だったらまだ選択肢はあった筈だ」
「うん……」
「まぁ、もう終わっちまった事だからこれ以上は言わんよ。後一つ言っておく」
「うん、何でも受け入れる……」
「お、おう……まぁ、そのなんだ……二人共色々ありがとな、お陰ですぐに復帰出来そうだ」
「あぁ、どういたしまして」
「え?なんか要求しなくていいの?」
「もう良いって、何とか収まったんだし」
「で、でも」
「うっさいなぁ~胸揉むぞ!」
「う、うん……いいよ?」
「いやいや、冗談だから!」
「ははは!」
「笑ってる場合か!」
「お邪魔しました」
「コウタまたね?」
「おう、二人共気をつけてな」
あの後ミミルの要求合戦を潜り抜け何とか帰って貰った。
「何だったんだアイツは……」
「まさかあの御二人と友達だったとはな」
「本当にビックリしたわ」
「あー、まぁね」
「コウタ、無事で良かった……」
「もう、余り無茶しちゃダメよ?」
「はは、無事かどうかは怪しいけど……俺だってしたくて無茶をしたわけじゃ無いから」
あの状況はしょうがない、無茶でもしないと勝てないんだから。
「コウタお兄ちゃん!」
「ウォン!」
「わぁふ!(がうー!)」
「お!みんな心配掛けたな」
抱きついて来るネメを受け止め、すり寄って来る三匹を撫でる。
「良かった、生きてるよぉ~」
余程心配だったのかネメ達が離れる気配が無い。
「コウタ……無事だったか」
「ダリル兄さん、ははお帰り」
「あぁ、ただいま」
兄さんが目の端に涙を浮かべながら笑っていた。
一年前に街道で拾った俺をここまで本気で心配してくれる事に不謹慎ながら嬉しいと思った。もっと強くなりたい、この人達に何かあれば助けられる位には………
その日のご飯はネメを膝に乗っけながら足元にはフェイ達が固まり非常に食べにくかった、だけど不思議といつも以上にご飯が美味しかった。
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