異世界に来たけど、どうする?

ほうれん草オバケ

文字の大きさ
27 / 55

26話 少し早い出会い

しおりを挟む
「ふっ!」
   ヘリックはオークの攻撃を盾で受けすぐに足首を斬り、体勢を崩し首を斬る。
  ヘリックは簡単にやっているがオークの攻撃を受け止める自体そうそう出来ないし、その後のカウンターだって流れるようにやるにはそれなりの練習がいる。
   
「うわぁっちゃ!」
「あっ、ごめんコウタ」
「おま、ミミルもうちょい火力抑えろ!」

   ミミルは色々な魔法を使えるが炎の魔法になると火力の調整が何故か出来ない、俺の援護をしようとしたのか近くのウルフに魔法を使っていたが、普通はウルフが燃える程度の奴が何故か小さいクレーターを作る位の魔力が込められる。 

「まったく、次から気を付けろよ」
「ごめんね?」
「今のをよく流せますね」
「これで27回目だからな」
「……ホントにゴメンね」

   つい嫌味みたいな事を言ってしまったけどいい機会だからしっかり反省してもらおう。

   戦闘が終わりタクトがヘリックに話しかける。

「それにしてもヘリックさん強いですね、オークの攻撃を普通に受け止めて」
「ちゃんと受け流しながら受けてあるんだけどね、出来るようになるまで3ヶ月位掛かったよ」
「俺も1ヶ月ちょいですかね」
「………」

   俺は半年以上掛かったんだが……。 本当に何なんだ天才しか居ないのか俺の周りには!?

「どうしたの、コウタさん?アホ顔だよ?」
「……それを言うならアホみたいな顔だユミ、どっちにしても失礼だけど」
「で、どうしたの」
「おまえ……、はぁ…才能溢れる若者がいっぱいで卑屈になってるだけだよ」
「気にしなくてもいいじゃない?」
「お前もその溢れる若者の1人だからな?」
「ーーーふっ……」

   思わず無表情になるぐらいムカつくドヤ顔だった。




   ーーーまただ………、さっきから何かの視線を感じる。気のせいかと思ったがどうやら違うようだ。

「ーー誰か僕達を見てるね」
「ヘリックさん、俺達の後ろに」

   タクトがヘリックに頼み大人しくタクトの後ろに下がる。俺はさっきから強い気配のする方を見る。

   ーーー居るな。
   タクト達を庇う様に前に出る。もし俺達の手に余る様なら………。
  俺は腰に着けているお守りに手を伸ばす、白銀の鎖に緑色の宝石が付いている。それを握り心を落ち着かせる。

  大丈夫、これで覚悟は決まった必ずタクト達を生かす。逃がす。






「コウタさん?」
  
  おそらく敵であろう気配が出てきた、しかもかなり強い……。それと同時にコウタさんが俺達の前に出てその気配と対峙する、でも何だか様子がおかしい様な……?

「!」

  とつぜん草木の奥から氷の槍が飛んできた。コウタさんはそれを剣で俺達に当たらない様に逸らす。

「斬らずに剃らしたんだ……、よくやるわね」
「ひっ!」

  ミスティが思わず声を出してしまうほど威圧感、他のみんなもミスティ程で無いにしろ苦しそうだ。

(あいつはいったい………?)

  そんな中でコウタさんだけが涼しい顔をしながら言った。

「魔族か」
「ええ、そうよ」

  魔族……、前に倒した奴とは比べ物にならない位強い。
  女性の魔族だ、緑色の癖のある長髪。何よりも溢れ出てくる魔力。
ーーーあぁ、勝てない。
  そんな考えたが自然と出てしまうほどの力の差、勝てない少なくとも……。

「タクト」
「は、はい……」
「皆を連れて逃げろ」
「タクトさんは?」
「こいつを止める」
「無理ですよ!」
「ーーーやる、この命を使ってでも」
「コウタ……?」

  ミミルさんがコウタさんの事を訝しげに見る。

「もう、いいかしら?」
「アイツらは殺らせないぞ」
「……」

  魔族はコウタさんに向かって火球を放つ、それが戦いの合図となった。
  コウタさんは強化したのだろう、凄い速さで火球を避け魔族に接近する。魔法を使い迎撃するが避け、あるいは剣で剃らしながら近づいて行く。

「……凄い」
「あぁ、でも……」

  思わずミスティの呟きに答えてしまうほどコウタさんは凄かった。訓練の時とは別人の様だ。
  だけど相手が強すぎる……、相手はまだ余力があり簡単な魔法しか使っていない。コウタさんは近づき斬る、魔法は簡単なやつ位しか出来ないらしい。
  でも相手はどう見ても魔法使い、しかもかなり上位にいる。

「ーーータク逃げよう」
「! 優実、それは!」
「私達が全員で掛かっても勝てないわ」
「そ…れは……」

  何も言い返せない、だけどコウタさんを見捨てるのは………!

「ーーーやっぱり助けに……?」
「……ゴメンねタク」

  身体に強烈な衝撃と共に俺は意識を失ったーーー。




  
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

弁えすぎた令嬢

ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
 元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。彼女が父親を亡くしてからの爵位は、叔父(父親の弟)が管理してくれていた。  彼女には亡き父親の決めた婚約者がいたのだが、叔父の娘が彼を好きだと言う。  彼女は思った。 (今の公爵は叔父なのだから、その娘がこの家を継ぐ方が良いのではないか)と。  今後は彼らの世話にならず、一人で生きていくことにしよう。そんな気持ちで家を出たコロネだった。  小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。

三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。 何度も断罪を回避しようとしたのに! では、こんな国など出ていきます!

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【短編】子猫をもふもふしませんか?〜転生したら、子猫でした。私が国を救う!

碧井 汐桜香
ファンタジー
子猫の私は、おかあさんと兄弟たちと“かいぬし”に怯えながら、過ごしている。ところが、「柄が悪い」という理由で捨てられ、絶体絶命の大ピンチ。そんなときに、陛下と呼ばれる人間たちに助けられた。連れていかれた先は、王城だった!? 「伝わって! よく見てこれ! 後ろから攻められたら終わるでしょ!?」前世の知識を使って、私は国を救う。 そんなとき、“かいぬし”が猫グッズを売りにきた。絶対に許さないにゃ! 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。

私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私は実は“本物の聖女”でした。 

さら
恋愛
 私――ミリアは、クラスで地味で取り柄もない“都合のいい子”だった。  そんな私が、いじめの張本人だった美少女・沙羅と一緒に異世界へ召喚された。  王城で“聖女”として迎えられたのは彼女だけ。  私は「魔力が測定不能の無能」と言われ、冷たく追い出された。  ――でも、それは間違いだった。  辺境の村で出会った青年リオネルに助けられ、私は初めて自分の力を信じようと決意する。  やがて傷ついた人々を癒やすうちに、私の“無”と呼ばれた力が、誰にも真似できない“神の光”だと判明して――。  王都での再召喚、偽りの聖女との再会、かつての嘲笑が驚嘆に変わる瞬間。  無能と呼ばれた少女が、“本物の聖女”として世界を救う――優しさと再生のざまぁストーリー。  裏切りから始まる癒しの恋。  厳しくも温かい騎士リオネルとの出会いが、ミリアの運命を優しく変えていく。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

処理中です...