異世界に来たけど、どうする?

ほうれん草オバケ

文字の大きさ
50 / 55

49話 よくある絡み?

しおりを挟む
「なぁ、その袋何処で拾ったんだ?」
「は?」

 先程こちらに嫌な視線を向けていた四人組の一人が近付きふざけた事を抜かす。

「いや、これは知り合いから貰った物だけど」
「ほー、そんな高価な物をね……。誰から?」
「……ヒルダ、ヒルダ・ザンバースからだけど」
「…は、あはは!何だよそれ面白い事言うなぁ!」

 イラッと来るなぁコイツ…、まあ皇族が一平民に魔法の袋を渡す筈が無いか。でも、それを差し引いてもコイツはむかつく……。
 ちなみに後ろの三人はヒルダの名前を出したとたん『もしかして……?』みたいな表情をしている、というか普通の反応だ。
 関係も無いのにお偉いさんの名前なんか使ったらこっちの首が飛ぶ、しかし目の前の男はそれに気付かず俺を煽り続ける。

「あのさ、この店の裏にちょっと広い所があるんだけどさ。…そこに行かね?」
「行かない」

 そのまま帰ろうと出口に向かおうとすると男が出口を塞ぐ。

「でさ、そこで俺とちょっと賭けをしないか」
「……どうせ戦って負けたらこの袋を渡せとか言うんだろ」
「良く分かってんじゃん」
「勝負はともかく賭けはやらないぞ」
「まあ、いいから。ほら」

 何がいいんだよ。

「お、おい止めた方が……」
「なにお前らビビってんだよ、やるだけやって貰っちまおうぜ」
「…本人の前で言うなよ……」
「やっぱり怖いか?」
「はぁ…、さっき言った通り勝負は別にやってもいいが賭けるのは無しだ」
「じゃあ裏に行こうぜ」




 店の裏に行くとアホが言った通り二人で戦うには充分な広さがあった、アホは少し奥まで歩き剣を抜き振り返った。

「ほら、何時でもいいぜ」
「はぁ……、行くぞ」

 刃を潰してない剣でやるとは思わなかったがまぁいいだろう、多少の怪我は承知の上だし致命傷になるような攻撃は寸止め等で大丈夫だろうしな。

 そこまで考え変に手を抜いて負けたらそれこそ面倒な事になるな、と思い少し意識を切り替える。

「ん?ーーぬお!?」

 軽く強化した一撃を相手は驚きながらも防ぐ、どうやら思った以上だったらしく相手はバランスを崩していたが俺は追撃を入れることが出来ず思わず止まってしまった。

 ーーあれ?そこまで魔力は入れて無かった筈なんだけどな…?。

 いつもの相手だったら軽く流され反撃される様な軽い一撃だったが予想に反して相手は後ろによろけている、それをボーっと眺めてしまった。
 男は姿勢を立て直しこちらを睨み付け怒鳴る。

「てめぇ、良くもやってくれたな……!」
「は? いや、勝負だろ?」
「黙れ!」

 一方的に痛め付けられると思ったのかは分からないが相手は怒りながらがこちらに剣を振ってくる、それを何を思ったのか強化無しで流そうと思い剣を構える。

「ーー!」
「くっ、ーーこのっ!」

 相手は血が上りすぎて何も考えられて無いのだろう、ひたすらに剣を振りまくる。そしてそれをひたすら受け流す。





「ゼェ……ゼェ……」
「ふぅ……、これで良いか?」

 力任せに振っていたせいだろうか相手は2、3分も経たない内に息を切らせてしまった。

「ありえねぇ……、お前ランクは?」
「……Eだけど」
「はぁ!? Eだと、まともな討伐依頼すら受けれねぇ奴に俺は……」

 これで諦めてくれるかと思いきや男は『隙さえ見えれば斬る』と言わんばかりにギラついた目を向けていた。
 まだやり合う必要が有るのかと思いながら何時でも抜ける様に柄に手を添えようとすると……。

「ーーそこまでにしてください」

 良く通る声と共に女性が男と俺の間に割り込んで来た、遅れてもう一人青年がペコペコしながら「すいませーん、すいませーん……」と言いながら女性の近くまで行く。

「何だよ、邪魔をするな!」
「これ以上やっても貴方では勝てませんよ」
「Cランクの俺がEランクに負ける筈がーー」
「ランクはあくまでもギルド内の物であってその人自身の正確な実力は分かりませんよ」

 女性は淡々と言葉を出す度に男の声が小さくなっていき最後には何も言わなくなった、そして女性はこちらをチラッと見て男に言った。

「それとこの方は皇族の御方との関係に付いては本当の事ですのでお気を付けて下さい」

 そう言った瞬間男とその仲間の男達も顔を真っ青にしながら俺を見てきた。

『す、すいませんでした!』

 地面に額をぶつけるほど勢い良く謝ってくる。

「んー、あー……。 もう良いってお互い怪我も無いしこっちもこんな事で大事にするのもアレだしな」
「……良いのですか?」
「ええ、別に……。ただ今後はこういった行動は謹んで貰いたい位ですかね」

 そう言って男達を見ると許して貰えるとホッとしていた顔を強張らせ頭を凄い勢いで上下に降る。

「良いのなら、こちらからは何も」
「それで貴女達は?」
「申し遅れました、私はルル隊長の部下だった者……、と言えば分かりますでしょうか?」

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。

三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。 何度も断罪を回避しようとしたのに! では、こんな国など出ていきます!

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

弁えすぎた令嬢

ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
 元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。彼女が父親を亡くしてからの爵位は、叔父(父親の弟)が管理してくれていた。  彼女には亡き父親の決めた婚約者がいたのだが、叔父の娘が彼を好きだと言う。  彼女は思った。 (今の公爵は叔父なのだから、その娘がこの家を継ぐ方が良いのではないか)と。  今後は彼らの世話にならず、一人で生きていくことにしよう。そんな気持ちで家を出たコロネだった。  小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

帰国した王子の受難

ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。 取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私は実は“本物の聖女”でした。 

さら
恋愛
 私――ミリアは、クラスで地味で取り柄もない“都合のいい子”だった。  そんな私が、いじめの張本人だった美少女・沙羅と一緒に異世界へ召喚された。  王城で“聖女”として迎えられたのは彼女だけ。  私は「魔力が測定不能の無能」と言われ、冷たく追い出された。  ――でも、それは間違いだった。  辺境の村で出会った青年リオネルに助けられ、私は初めて自分の力を信じようと決意する。  やがて傷ついた人々を癒やすうちに、私の“無”と呼ばれた力が、誰にも真似できない“神の光”だと判明して――。  王都での再召喚、偽りの聖女との再会、かつての嘲笑が驚嘆に変わる瞬間。  無能と呼ばれた少女が、“本物の聖女”として世界を救う――優しさと再生のざまぁストーリー。  裏切りから始まる癒しの恋。  厳しくも温かい騎士リオネルとの出会いが、ミリアの運命を優しく変えていく。

処理中です...