異世界に来たけど、どうする?

ほうれん草オバケ

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50話 実は凄い奴?

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「ルルの部下ねぇ……」
「何か?」
「んー、全然想像出来ないんですよ」

 笑いながら言うとニーナさんは納得したようで「なるほど」と言い納得しダスク君は不思議そうな顔をしていた。
 するとダスク君が眉を寄せながら聞いてきた。

「あのー……」
「どうかした?」
「ルルさんって恐いですか?」
「へ? ルルが… ないない、恐い所か緩いぞ」
「え!? "あの"ルルさんを緩いと言うなんて……」
「あの? てか同じ部隊だったのに知らないのか」
「彼はちょうどルル隊長が辞めて少しして入ったので知らないのですよ」
「なるほど……、てかルルって何か恐いイメージとかあるんですか?」
「えっと、実は……」

 ニーナさんが喋ろうとした時、いつの間にか着いていたらしい城の門からルルが手を降って寄ってくる。

 ーーーまるで犬だな……。

「コウタさーん!ーーあれ、もしかしてニーナちゃん? 久しぶり~!」
「はい、ルル隊長もお元気そうで」
「もう私は隊長じゃないよ~」

 目の前の本当に暗部の人間なのか疑う様な緩い空間に隣のダスク君は目を丸くしていた。


「この人が"あの"……」
「あのさ、さっきの話何だけど」
「え? あぁ、実はルルさんは仕事を失敗したことが無しなんです」
「あいつがねぇ……」
「はい、諜報も必ず重要な情報を。暗殺なら必ず標的を……、という感じで色々な国や組織にかなり恐がれてるんです」
「………」

 正直に言うと信じられない、いつもふわふわしているルルが裏社会の凄腕と言われても実感が沸かないのはしょうがないと思う。

「どうかしたんですか?」

 俺が変な視線を送っていたのを感じたのかルルが首を傾げながらこっちに寄ってくる。

「いや、まぁ…… なんだろうな?」
「なんでしょう?」

 二人して首をかしげているとニーナさんとダスク君がそんな俺達を見て笑っていた。




「それでは私達はこれで……」
「あ、もう行くの?」
「えぇ、仕事がまだ残っておりますので」
「そっかー、またねニーナちゃんとダスク君もね」
「は、はい!」

 緊張したダスク君の様子を微笑ましく見ていたニーナさんがこちらを見てきた。

「コウタ様」
「様って……」
「コウタ様は皇帝陛下のお客人でヒルダ様の命の恩人で御座いますから」
「なる…… ほど?」
「コウタさん、コウタさん! 慣れですよ……ーーーイタッ!」
「いくらなんでも慣れは無いなだろ、慣れって……」

 いい加減な事を言っているルルのおでこにデコピンをする。
 そんな様子を見てクスクスとニーナさんが笑っている。

「今のを見て安心しました。ーーーコウタ様、ルルさんの事をよろしくお願いします」
「もう、ニーナちゃん! 私は子供じゃないよよ!」
「ええ、任されました」
「コウタさんまで!?」



 ルルが拗ねた姿を二人は笑いながらその場を後にした、残った俺とルルはこの後のパーティーの事でヒルダの元に向かった。

「それにしてもパーティーかぁ……」
「ふふ、でも今回は護衛じゃなくてお客さまですからね」
「ふーん…… ん、 お客さま!?」

 今になって言葉を理解し急いでヒルダの部屋の扉を開く。
 バンッ、と勢い良く扉を開いた音にヒルダが肩をビクッとさせこちらを向いた。

「ちょっ、ノック位しなさいよ! びっくりしたじゃない……」
「す、すまん…… じゃなくて、今夜のパーティーで俺が護衛じゃなくて客人としてなんて聞いてないぞ!」
「…… えっと、今日から護衛はクビって事で……」
「…… 説明して貰うぞ」
「はぁ、そこに座って」




 説明によると俺とヒルダ達が会った時の襲撃を理由に色々な貴族達がヒルダ達に、「そちらの兵だけでは護りきれないご様子」やらなんやら言って自分達の息の掛かった者を護衛に就けさせようとしたらしい、それを防ぐ為にアインさんやミランダさんといった過剰な迄の人選をしたらしい。

「ーーーふーん、でもお前の護衛を辞める必要は無いだろ?」
「私はね、もう良いの……」
「ヒルダ……?」

 ヒルダが悲しそうな表情を浮かべる、まるで何かを受け入れたような諦めにも似たーーー。

「さぁ、そろそろ準備をしないと」
「あ、あぁ……」
「………」
「なんだよ?」
「着替えるから出てって」
「あ、はい」



 
 ヒルダに貰った礼服に着替えながら先程のヒルダを思い出す、護衛はもうしなくて良いと。それをあんな悲しそうな顔で言うとなると……、ーーー重い病に!? ……… 無いな。
 でも他の理由となると…… 。

 そこで思い出したのは何故か大掃除した時の記憶だった色々ごちゃごちゃになっていた物置を掃除して小さい頃の思い出やらが掘り出されてそしてーーー。

「…… 本?」

 掃除して見つけた古い辞書の様な本、それをヒルダに見せた時の事を思い出し何故か無関係では無いんじゃないか、と俺は思った。
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