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第二十一話 王の番犬
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ユリウスはフイと顔を背けると、レイモンドの椅子に逆向きに座った。背もたれを抱えるような姿勢で、アリシアを品定めするように眺めている。
(……思い出した。この人は、ユリウス様だわ。王家の……ロイ王太子様のいとこ。前の「アリシア」の時にお話したことはないし、「ミーシャ」でも社交界で何度かお見かけしたことしかないけれど……王家の人間が、何故ここに?)
「……ご挨拶が遅れました。ミーシャ=スノーグースです」
アリシアのお辞儀に、ユリウスは一瞬顔を歪めた……かと思うと、すぐにそれまでのような笑顔に戻り、ヒラヒラと手を振った。
「いいよいいよ、そういう堅苦しいのは。ロイから話は聞いてるし、今日は確認だけ。……君、『ハレ巫女』の力は失っているんだよね?」
「? ええ、はい……」
「少しも? 少しも無い?」
「……ええ、いくら祈祷をしても、晴れさせることは出来ません」
アリシアが無表情でそう告げると、ユリウスはパチパチと手を叩いた。
「良かった。レイが久しぶりに嫁を迎えたって聞いたけど、よりによってサンフラワー家だとか言うんだもの。ヨゼフ君も、偶然にしては良くやるよね。有能なんだか無能なんだか……」
(……何が言いたいのかしら。馬鹿にしに来たとでも言うの? 何のために……。)
アリシアは不審に思う気持ちを隠しながら、何も分からないようなフリをして、ニコニコと小首を傾げた。
ユリウスも同じように笑い、明るい声で質問を続ける。首を傾げた際に、耳元で赤い宝石のイヤリングが揺れた。
「それで、レイモンドのことは愛してる?」
「あ、愛……?」
立ち上がったユリウスは、鼻歌を歌いながら窓際に歩み寄る。
レイモンドのことは愛しているが……これは抱いてはいけない感情だ。あくまでも自分は、お飾りの妻でメイド。
「愛してなんか……」
その答えに、ユリウスは満足そうに笑い声をあげた。
「あはっ! そうだよね、あんな呪い持ちの男、愛する人はいないよねぇ」
反論しようとしたが、ユリウスは楽しげに話を続ける。窓からの逆光で、表情はよく見えない。
「君も、命拾いしたね。レイを愛していたら、ハレ巫女の能力が無くても殺さなきゃいけなかったからさ。──あのメイドみたいに」
「……は?」
アリシアの全身が、凍りついたように固まった。
その様子に気付かず、ユリウスは懐から一冊の本を取り出す。
「レイの呪いを解かれちゃ困るんだ。僕も、叔父さん達も。君も自分の身がかわいければ、身の振り方には気をつけた方がいいよ。これをあげるから、よく考えてね。あの子みたいに……冷たい水の中で死にたくなければ」
ユリウスは立ち尽くすアリシアに近づき、エプロンのポケットに本を滑り込ませた。
頭の中で、「アリシア」としての最後の日の記憶が思い出される。
階段を登り切ろうとした瞬間、何者かの手によって掴まり、口を塞がれた。最後に視界の端に映ったのは……揺れる銀色の髪と、赤いイヤリング。
(まさか、ユリウス様が……アリシアを殺したとでも言うの……!?)
「叔父さん達は、レイの側に奥さんを置いておきたいみたいだけど……まあ、いつまでもつかな。愛せない夫のお飾りの妻として、せいぜい頑張りなね。お金が好きなら耐えられるかな? 無いもの尽くしのスノーグース領だけど、お金だけはあるものね」
アリシアの肩をポンッと叩き、ユリウスは耳元で囁くように告げた。アリシアは動きを止めたまま、声を震わせて呟く。
「……先ほどから、何を仰っているのか分かりません」
その言葉とほぼ同時に、廊下から再び声が聞こえてきた。間髪入れずに、ドアノブがガチャガチャと激しく音を立てる。
「ユーリ!! ドアを開けるんだ、何をして……」
「えー? やだよう、君の新しいお嫁さんと話しているんだから」
しばらく無音になったかと思うと、鍵穴の氷が溶けて水が滴り落ちてきた。続けて、強張った顔のレイモンドがドアを開けて入ってくる。
後ろに見えるヨゼフがランプを持っているので、その熱で氷を溶かしたのだろう。
アリシアの肩を抱くような形で立っているユリウスが視界に入り、レイモンドは目を見開いた。見た事がないほどの激しい剣幕で、二人の間に割って入る。
「彼女に何をしている!?」
レイモンドはアリシアを庇うように立ち塞がり、ユリウスを睨みつけた。
「おお、怖い怖い。何もしてないってば。ただお話ししていただけ」
ユリウスはおどけた調子で両手を上げ、二、三歩後退る。
「ずいぶん仲が良さそうだけど……残念だったね。彼女、君のことを愛していないんだってさ」
「それは……!」
言いかけたアリシアのことは意に関せず、ユリウスは意地の悪い微笑みを浮かべてレイモンドの肩に手を置いた。
「恐ろしい呪い持ちの君は、誰からも愛されない。そして、誰も幸せに出来ないんだよ。君がいくら大切に思った所で、あのメイドみたいに死なせちゃうんだ。──それが古の呪いだよ」
ユリウスはレイモンドの頭をぽんぽんと撫で、親が子にするかのように抱きしめた。
「可哀想なレイモンド! その呪いに苦しめられながら、一生を終えるんだ。でも大丈夫、僕だけは君を憐れに思って……」
「そんな、ことは……ないです!」
アリシアはレイモンドにしがみつき、全力でユリウスから引き剥がした。
「旦那様の呪いはとけますし、その……もし大切に想われても、私は死にません! 少なくともこの屋敷で暮らしてる人達は皆、旦那様のことが好きですし……旦那様の側にいられて幸せです!」
小型犬のように威嚇するアリシアを、ユリウスは冷ややかな目で見下ろした。その顔には、先程までの貼り付けたような笑顔はない。
「ふーん、ロイから『何も出来ない女』って聞いてたけど……案外吠えるね。まあいいや、今日の所は帰ることにするよ。レイが怖いし、興も冷めちゃった」
ユリウスはヒラリと手を振ると、ドアノブに手をかける。
「ああ、忘れないでね。僕は叔父上サマの忠実な番犬さ。命令を受ければ、何だってやるから。身の振り方は、しっかり考えてね……傷物のお嫁さん」
そう言い残し、ユリウスは部屋を出て行った。
「なん……なんだったのでしょう」
気が抜けたように、ヨゼフが呟いた。あちこちを走り回ったようで、いつもきっちりとしている服や髪がボロボロに乱れている。
ずっと黙っていたレイモンドはアリシアの方を向くと、血相を変えて腕を掴んだ。
「どうした!? 顔が真っ青だ。やはりユリウスに何かされたのか……!?」
アリシアは目を瞑り、気分を落ち着かせるように深呼吸をする。気丈に振る舞ってはいたが、自分を死に追いやったかもしれない人物を前にし、今になって震えが止まらなくなっていた。
「大……丈夫です。それよりも、レイモンド様は……?」
心配そうに眉を寄せるレイモンドも、顔色が随分と悪い。レイモンドはため息を吐き、小さく首を振った。
「私は大丈夫だ。いつものことだし、慣れている。身内が迷惑をかけてすまない……それに、ありがとう」
レイモンドはアリシアの手を取り、ほんの僅か、優しい笑みを浮かべた。
「ユリウスに言い返すためだとしても……幸せだと言ってくれて、嬉しかった。俺にとって、どれほど救いとなったか……」
二人の関係は分からないが、いつもあのような言葉を言われているのだろうか。「愛されない」「誰も幸せに出来ない」。言い聞かせるように繰り返される、悪意のこもった言葉。それは呪いとなって、言われた本人を呪縛していく。
「何回だって、何十回だって言い返してやりますからね! あんなのは間違っていますから、慣れてしまっては駄目です。呪いはとけますし、レイモンド様は必ず幸せになれますからね」
まだ震えている手で、レイモンドの手を握り返す。
何度だって、彼が「幸せになれる」と言おう。それが本当になるまで、幸せの呪いとなるように。
(……思い出した。この人は、ユリウス様だわ。王家の……ロイ王太子様のいとこ。前の「アリシア」の時にお話したことはないし、「ミーシャ」でも社交界で何度かお見かけしたことしかないけれど……王家の人間が、何故ここに?)
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「? ええ、はい……」
「少しも? 少しも無い?」
「……ええ、いくら祈祷をしても、晴れさせることは出来ません」
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「良かった。レイが久しぶりに嫁を迎えたって聞いたけど、よりによってサンフラワー家だとか言うんだもの。ヨゼフ君も、偶然にしては良くやるよね。有能なんだか無能なんだか……」
(……何が言いたいのかしら。馬鹿にしに来たとでも言うの? 何のために……。)
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ユリウスも同じように笑い、明るい声で質問を続ける。首を傾げた際に、耳元で赤い宝石のイヤリングが揺れた。
「それで、レイモンドのことは愛してる?」
「あ、愛……?」
立ち上がったユリウスは、鼻歌を歌いながら窓際に歩み寄る。
レイモンドのことは愛しているが……これは抱いてはいけない感情だ。あくまでも自分は、お飾りの妻でメイド。
「愛してなんか……」
その答えに、ユリウスは満足そうに笑い声をあげた。
「あはっ! そうだよね、あんな呪い持ちの男、愛する人はいないよねぇ」
反論しようとしたが、ユリウスは楽しげに話を続ける。窓からの逆光で、表情はよく見えない。
「君も、命拾いしたね。レイを愛していたら、ハレ巫女の能力が無くても殺さなきゃいけなかったからさ。──あのメイドみたいに」
「……は?」
アリシアの全身が、凍りついたように固まった。
その様子に気付かず、ユリウスは懐から一冊の本を取り出す。
「レイの呪いを解かれちゃ困るんだ。僕も、叔父さん達も。君も自分の身がかわいければ、身の振り方には気をつけた方がいいよ。これをあげるから、よく考えてね。あの子みたいに……冷たい水の中で死にたくなければ」
ユリウスは立ち尽くすアリシアに近づき、エプロンのポケットに本を滑り込ませた。
頭の中で、「アリシア」としての最後の日の記憶が思い出される。
階段を登り切ろうとした瞬間、何者かの手によって掴まり、口を塞がれた。最後に視界の端に映ったのは……揺れる銀色の髪と、赤いイヤリング。
(まさか、ユリウス様が……アリシアを殺したとでも言うの……!?)
「叔父さん達は、レイの側に奥さんを置いておきたいみたいだけど……まあ、いつまでもつかな。愛せない夫のお飾りの妻として、せいぜい頑張りなね。お金が好きなら耐えられるかな? 無いもの尽くしのスノーグース領だけど、お金だけはあるものね」
アリシアの肩をポンッと叩き、ユリウスは耳元で囁くように告げた。アリシアは動きを止めたまま、声を震わせて呟く。
「……先ほどから、何を仰っているのか分かりません」
その言葉とほぼ同時に、廊下から再び声が聞こえてきた。間髪入れずに、ドアノブがガチャガチャと激しく音を立てる。
「ユーリ!! ドアを開けるんだ、何をして……」
「えー? やだよう、君の新しいお嫁さんと話しているんだから」
しばらく無音になったかと思うと、鍵穴の氷が溶けて水が滴り落ちてきた。続けて、強張った顔のレイモンドがドアを開けて入ってくる。
後ろに見えるヨゼフがランプを持っているので、その熱で氷を溶かしたのだろう。
アリシアの肩を抱くような形で立っているユリウスが視界に入り、レイモンドは目を見開いた。見た事がないほどの激しい剣幕で、二人の間に割って入る。
「彼女に何をしている!?」
レイモンドはアリシアを庇うように立ち塞がり、ユリウスを睨みつけた。
「おお、怖い怖い。何もしてないってば。ただお話ししていただけ」
ユリウスはおどけた調子で両手を上げ、二、三歩後退る。
「ずいぶん仲が良さそうだけど……残念だったね。彼女、君のことを愛していないんだってさ」
「それは……!」
言いかけたアリシアのことは意に関せず、ユリウスは意地の悪い微笑みを浮かべてレイモンドの肩に手を置いた。
「恐ろしい呪い持ちの君は、誰からも愛されない。そして、誰も幸せに出来ないんだよ。君がいくら大切に思った所で、あのメイドみたいに死なせちゃうんだ。──それが古の呪いだよ」
ユリウスはレイモンドの頭をぽんぽんと撫で、親が子にするかのように抱きしめた。
「可哀想なレイモンド! その呪いに苦しめられながら、一生を終えるんだ。でも大丈夫、僕だけは君を憐れに思って……」
「そんな、ことは……ないです!」
アリシアはレイモンドにしがみつき、全力でユリウスから引き剥がした。
「旦那様の呪いはとけますし、その……もし大切に想われても、私は死にません! 少なくともこの屋敷で暮らしてる人達は皆、旦那様のことが好きですし……旦那様の側にいられて幸せです!」
小型犬のように威嚇するアリシアを、ユリウスは冷ややかな目で見下ろした。その顔には、先程までの貼り付けたような笑顔はない。
「ふーん、ロイから『何も出来ない女』って聞いてたけど……案外吠えるね。まあいいや、今日の所は帰ることにするよ。レイが怖いし、興も冷めちゃった」
ユリウスはヒラリと手を振ると、ドアノブに手をかける。
「ああ、忘れないでね。僕は叔父上サマの忠実な番犬さ。命令を受ければ、何だってやるから。身の振り方は、しっかり考えてね……傷物のお嫁さん」
そう言い残し、ユリウスは部屋を出て行った。
「なん……なんだったのでしょう」
気が抜けたように、ヨゼフが呟いた。あちこちを走り回ったようで、いつもきっちりとしている服や髪がボロボロに乱れている。
ずっと黙っていたレイモンドはアリシアの方を向くと、血相を変えて腕を掴んだ。
「どうした!? 顔が真っ青だ。やはりユリウスに何かされたのか……!?」
アリシアは目を瞑り、気分を落ち着かせるように深呼吸をする。気丈に振る舞ってはいたが、自分を死に追いやったかもしれない人物を前にし、今になって震えが止まらなくなっていた。
「大……丈夫です。それよりも、レイモンド様は……?」
心配そうに眉を寄せるレイモンドも、顔色が随分と悪い。レイモンドはため息を吐き、小さく首を振った。
「私は大丈夫だ。いつものことだし、慣れている。身内が迷惑をかけてすまない……それに、ありがとう」
レイモンドはアリシアの手を取り、ほんの僅か、優しい笑みを浮かべた。
「ユリウスに言い返すためだとしても……幸せだと言ってくれて、嬉しかった。俺にとって、どれほど救いとなったか……」
二人の関係は分からないが、いつもあのような言葉を言われているのだろうか。「愛されない」「誰も幸せに出来ない」。言い聞かせるように繰り返される、悪意のこもった言葉。それは呪いとなって、言われた本人を呪縛していく。
「何回だって、何十回だって言い返してやりますからね! あんなのは間違っていますから、慣れてしまっては駄目です。呪いはとけますし、レイモンド様は必ず幸せになれますからね」
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