放逐された転生貴族は、自由にやらせてもらいます

長尾 隆生

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1巻

1-2

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「ところでお前は、貴族の家から放逐されるという意味をきちんと理解しているのだろうな?」

 そんな言葉が背中に投げつけられた。

「ええ、もちろん。二度とこの家の敷居しきいをまたぐことも出来ないし、貴族としての特権は行使出来ないということでしょう」

 正直『貴族としての特権』なんて使ったことは一度もないのだが。

「そうだ。そして今までお前のために我が家が支払っていた生活費も、今後は一切出すことはない」

 あんな雀の涙程度の援助で恩に着せる気なのだろうか。
 自分たちの都合で追いやり、わずかばかりの金を送るだけで一切連絡もなく俺を放置し続けたカシート家。
 その現当主のグラースにそこまで恩着せがましく言われると、さすがに腹が立つ。
 だが、ここでいちいち揉めごとを起こしても利はないだろう。
 俺は振り返らず、片手を顔の横で揺らしながら極力冷静な声音こわねで返事をする。

「そんなものは要りませんよ。むしろ貴方とこの家にこれ以上借りを作らなくて良いと思うと、せいせいします」
「ふんっ。一応借りだとは思っているのだな。ならそのことは一生胸に刻んで、二度と貴族街にも足を踏み入れるんじゃないぞ。話はこれで終わりだ」

 グラースの言う通り、借りだとは思っている。
 散々ひどい目に遭ってきて、育児放棄に近い『教育』をいられたことは事実だが、俺が十八歳になるまで最低限の生活費を貰い続けていたことも、また事実なのである。
 そう、俺はその借りを返さないといけない。
 屋敷を出る前にそれを思い出させてくれたグラースに感謝したくなってしまう。
 俺はゆるみそうになる口元を引き締めながら、振り返り口を開く。

「あ、そうそう。忘れるところでした」

 俺はわざわざゆっくりとした動作で、収納魔法から麻袋あさぶくろを取り出した。
 この収納魔法も、辺境砦で学んだ魔法の一つである。

「なんだそれは」

 まさか落ちこぼれだった俺が収納魔法を使えるとは思ってなかったのだろう。
 グラースは一瞬驚いたように目を見開いて、いぶかしげにまゆを寄せる。
 その彼の目の前、執務室の床に、俺は取り出した麻袋を放り投げた。
 どしゃりと重々しい音が執務室にひびく。

「せっかくだから、今までの借りを返しておこうと思いましてね」
「借りだと?」

 俺は床に落ちている麻袋を指して答える。

「それは俺が辺境砦で稼いだお金ですよ」
「お前が稼いだ……だと?」
「察しが悪いですね。俺は今までこの家から送られてきた『貸し』を返すって言ってるんですよ」

 わざと呆れたような声で俺は続けた。

「その中には、今まで俺が貰った仕送りの総計の倍以上の額が入ってます。まぁ、俺のところに来るまでに色々と抜かれていたかもしれないので、その分も合わせてってことですね」
「馬鹿な。お前ごときがそんな大金を手に入れられるわけが――」
「馬鹿なのは兄さ……グラース、貴方ですよ。王都の貴族がいかに辺境砦のことを知らないか、その言葉だけでもわかるって話ですね」

 これ以上グラースと話を続けるのも無駄むだだなと呆れて、俺は最後の言葉を口にする。

「これで俺は、馬鹿らしい貴族のしがらみから本当の意味で解放されたってわけだ」

 今まで久々に貴族らしい丁寧ていねいな言葉使いで話をしていたが、もうその必要もないだろう。

「俺はこれから自由気ままに生きていくけど、アンタは俺の分まで苦労して、せいぜいお貴族様を続けていけばいいさ」

 そう言い残し、何も言えずに口をつぐむグラースをそのままに俺は部屋を出る。
 つい余計なことを口にしてしまったが、手を出さなかった自分を褒めたいくらいだ。
 そして扉が閉まったことでやっと我に返ったのだろう、グラースが何かを叫んでいる声が扉越しにかすかに聞こえてくる。
 しかしそこは立派な貴族の執務室。
 なかなかの防音力を発揮はっきして、何を言っているのかは聞き取れない。
 といっても、はっきりと聞こえていたら部屋に戻ってなぐりかかっていたかもしれないが。

「まぁ、聞きたくもない言葉をあえて聞きに行って腹を立てる必要はないよな」

 俺はそうつぶやくと、屋敷を出るために玄関に足を向ける。
 途中何人かの使用人とすれ違ったが、誰も彼も皆、俺の姿を見ても僅かに顔をしかめるだけで、頭を下げようともしない。
 それは俺が貴族として相応ふさわしくない所作をしていたからだろう。
 通り過ぎた後、後ろから使用人たちのひそひそとした会話が聞こえる。
 やれ「品が無い」だの「辺境帰りは野蛮やばんだ」だの……こいつらの生活も貴族の道楽も、辺境砦や様々な場所で誰かが日々命をして脅威きょういと戦い続けてくれているおかげだろうに。
 そう怒鳴どなりつけてやろうかとも一瞬考えた。
 だがそんなことをしても俺に利は無い。
 それどころか、平和な王都の貴族街で暮らしている彼らに伝わるとは思えない。
 あの頃の俺もそうだった。
 この国の平和を守るために誰かが命をけている、そんな当たり前のことすら当事者になるまで気が付けなかった。
 これは俺自身に対する怒りでもあるのかもしれない。
 とにかくまず落ち着こう。
 平常心、平常心。

「怒りは判断を狂わせ、時にそれは致命傷となる……だっけか」

 辺境砦で教えられた言葉の一つだ。
 俺は誰にも聞こえないような声でその言葉を何度か呟き、心を静めながら、十年ぶりに帰ってきた貴族の屋敷を出た。
 無駄に広い前庭を抜け、どれくらいの金をかけたのかわからない立派な門……のわきの通用口から外に出る。
 後ろで門番がその扉を閉める音を聞きながら、俺は貴族街を徒歩で城下町に向かうことにした。
 王都は王城とその周りに存在する貴族街、そして貴族街を囲う壁の外に広がる城下町で構成されている。
 来るときは王都の入り口からカシート家まで送迎の馬車に乗ってきたが、帰りはそんなものは用意されてはいなかった。
 城下町へ向かう途中、何台かの豪奢ごうしゃな馬車とすれ違う。
 立派な服を身にまとった馬車の御者ぎょしゃは、まるで異物でも見たかのような表情を浮かべてすれ違っていった。

「まぁ、こんな格好をしているのに、使用人も連れずに一人で歩いていれば仕方ないか」

 普通の貴族は、移動の際に徒歩ではなく馬車を使うからな。
 使用人ならともかく、こんな貴族丸出しの格好をして歩いているのは変だろう。俺はカシート家から送られてきた貴族服を仕方なく着ているし。
 しかし十年ぶりにここに来たけど、十年前と何も変わってないな。
 この国は昔も今も何も変わらず、進歩していないように思える。

「……さて、正式に平民になったことだし。まずは冒険者ギルドに登録しないとね」

 貴族街と平民街である城下町をへだてる門を出て、辺りを見回す。
 カシート家へ行くとき乗った馬車では外を見なかったが……久々に見る城下町は、十年前とあまり変わっていないように思える。
 貴族だった俺は滅多に城下町へ来ることはなかったが、まだ母が生きていた頃に一度だけ、馬車に乗って彼女のお気に入りの店へ出向き、服を買ってもらったのは覚えている。
 あの店はまだあるのだろうか。
 といっても、今の俺には貴族御用達ごようたしの店で服を買う意味はもうない。
 そうだ、もう貴族らしい服は必要ないのだ。

「このかたっ苦しい服は後で質にでも売るとして」

 襟元えりもとを開けながらそう呟きつつ、着替える場所がないかと探しながら歩き出す。

「ギルドに着くまでにどこか店でもあったら、そこで何か買い物して更衣室を借りるか」

 そうして俺は道中で服を購入して着替えつつ、事前に調べておいた王都の冒険者ギルド本部へ向かった。
 冒険者ギルドという組織があることは、生まれてすぐに知っていた。
 だがその頃の俺の目標は、悠々自適に一生を過ごすというもので、冒険者という命がけの職業とその目標は正反対だったため、冒険者になるという選択肢せんたくしは考えていなかった。
 物心ついて、自分にはチート主人公のような特別な才能はないと知って、ますます自分には不向きだと思っていたほどだ。
 だが辺境砦で何人もの師匠ししょうとも呼べる先輩方に鍛えられて様々な技術を身につけ、実力と自信がついた今なら話は別である。
 皆から叩き込まれた知識と技術を生かせる冒険者という職業は、今の俺には天職に違いない。
 もちろん、冒険者には危険な仕事が多い。
 冒険者以外に安全な仕事はいくらでもあるし、そうした仕事で成功して、念願の悠々自適な生活を送るという選択肢もあるだろう。
 カシート家を放逐されたばかりの頃は、王都へ戻ったら、前世の知識という武器を生かした仕事にこうとも考えていた。
 だけど辺境砦で平和を守っている人たちを知った今は、もうその道を選ぶ気にはなれない。
 だからカシート家からの呼び出しを受けて、辺境砦での任を解かれ王都に帰るとわかってからは、冒険者になるための知識を頼れる先輩方から色々教えてもらったのだ。
 万事抜かりはない。
 ――はずだった。


「どこが受付なんだろう」

 王都の冒険者ギルドの無駄に立派な入り口から中に入ると、そこは予想以上のものだった。
 王国中のギルドを纏める総本山である王都のギルドは、かなり広く大きいとは聞いてはいたのだが……

「思った以上だな」

 俺が今入った表の建物――ギルドホームと、裏にある広場なんかの敷地を全て合わせたその規模は、前世の一般的な高校よりも大きく広かった。
 どうやら冒険者の訓練や試験を行うために、いくつもの訓練場が作られているらしい。更にその訓練を担当する専属の教官や一部職員が住む宿舎なども併設へいせつされているせいで、この規模になってしまったとか。
 一階にはファンタジー小説でのギルドあるあるな酒場兼食堂もあり、そこでは冒険者と思われる人々が真っ昼間だというのに酒盛りをして騒いでいた。
 他にも、依頼が貼られたボードやパーティ募集などが書かれた張り紙もいくつもあった。

「あっちかな?」


 入り口から正面を見ると、依頼受付カウンターや受注申請カウンター、達成報告カウンター、そしてモンスター素材買い取りカウンターなどの札がかけられた窓口があった。
 どこも冒険者や依頼を申し込みに来た人々が列を作っている盛況せいきょうぶりで、忙しそうに職員が対応に追われている姿が見える。

「あれだけ冒険者がいれば、この大きさも必要ってことか。で、他にも大きなギルドホームが王国内にあと三つあるんだっけ」

 王国内には王都以外に、三つの大きな街が存在している。
 王の直轄領ちょっかつりょうを中心として西と南、そして北に三大領と呼ばれる地域があり、それぞれの首都が大きな街を形成しているのだ。
 もちろんギルドホームはそれらの首都にあるのが全てではなく、各地方の街にも支部が置かれているのだが、冒険者になるための試験は、王都と三大領都にあるギルドホームでしか受け付けていないという。
 俺はギルドの中をしばらく彷徨さまよった末、やっと新規ギルド会員を受け付けるカウンターを発見した。

紹介状しょうかいじょうなどはお持ちでしょうか?」

 冒険者になるために入会希望を受付の女性職員に告げると、彼女は営業スマイルを浮かべながら俺にそう尋ねてきた。

「紹介状?」

 もちろんそんなものは持っていない。
 砦で教えてもらったイロハの中にも、そんな言葉は一度も出てこなかった。

「紹介状なんて持ってないけど、もしかして冒険者登録するのに必要なのかい?」
「いいえ、招待状をご持参された場合、紹介者のランクによって入会テストや研修内容が色々と軽減されることがございます」
「そんな制度があるのか?」
「はい、Bランク以上の冒険者の方のご紹介で、かつ基礎きそ訓練済みであれば、冒険者としての基礎は出来ていると判断されて試験は免除されます。Cランクですと試験免除と研修は簡易的なものになります」

 えーっと、たしか冒険者ランクは上からSS、S、A、B、C、D、E、Fとランク分けされているんだっけ。

「なるほどね。でも紹介状はなくても大丈夫なんだろ?」
「はい、問題ありません」

 良かった。
 ここまで来て他の冒険者の紹介がないと試験すら受けられなかったら、砦まで戻ることになっていたかもしれない。

「では紹介状はなしということでよろしいですね」
「ああ、構わないよ」

 職員は手元の書類に何やら書き込んでから、「それでは――」と営業スマイルをくずさずその書類を俺の前に差し出した。

「こちらの書類にお名前と年齢、主な装備と戦闘スタイル、それと簡単で構いませんので、経歴と目標を書いて提出していただけますか?」
「他のは大体わかるけど、目標って何を書けばいいんだ?」
「冒険者といっても、皆さんが求めている仕事内容は多種多様ですよね。例えば傭兵ようへい、賞金稼ぎ、ダンジョン探索、魔物討伐などです。その中から、貴方様がどのような冒険者になりたいのかを書いていただきたいのです」

 どうやら冒険者と一口に言っても、ギルドでは思ったより細分化して考えているらしい。
 たしかにファンタジーものではざっくりと『冒険者』とひとくくりにされている場合が多いが、実際のところその内容はかなり曖昧あいまいだ。
 仕事を斡旋あっせんする立場である冒険者ギルド側にしてみれば、その人がどんな仕事をするために冒険者になるのかを知ることは重要なのだろう。
 だが俺はざっくりと冒険者になりたいと思っていただけで、特にこれといった目標はない。

「目的を選ぶってことは、賞金稼ぎなら賞金稼ぎだけしか出来ないってことになるのか?」
「いいえ。記載きさいいただく内容は研修の内容を決定するためのものですから、実際にどんな仕事をするかについてを決めるものではありません」
「そうなんだ」
「ですが研修を受けず、全く前知識もないままでは色々と問題が起こる可能性があります。なのでギルドとしては、研修を受けた冒険者にその仕事を優先して紹介することになります」
「つまり希望を書いて研修を受けないと損ということなんだな」
「ええ。もちろん後でやりたい仕事が出来てから、その研修を受けるということも可能です」

 研修か。
 たしかに仕事によっては必要な知識も変わってくるだろうし、その基礎を覚えておくことは大事だろう。
 つまり選んだ目標によってチュートリアルが変わるみたいなものだ。

「わかった。それじゃあ全部、っと……」

 俺は渡された紙にさらさらと必要な情報を記入し、最後に目的欄には『冒険者が出来る全ての仕事』と書いた。
 それから戦闘スタイルには、『剣も魔法も使える。補助魔法、回復魔法。前衛から後衛まで経験あり』と記入してから、最後に経歴をつづる。
 後々面倒なことになったりいろ眼鏡めがねで見られたりしたくないので、貴族であったことは隠して、辺境砦で育ち、そこで魔物退治と辺境警備を手伝っていたことだけを書く。
 俺から受け取った職員は、その紙を見て目を丸くした。

「えっと……目標は冒険者が出来る仕事全てですか?」
「そう、なんでも全部やってみたいんだ。だって俺はなんでも出来るから」
「はぁ……たまにいるんですよね、こういう勘違いした面倒な新人……」

 彼女は俺に聞こえるか聞こえないかの小さな声で、溜息ためいき混じりに呟く。
 どうやら全てを志願する冒険者というのは、滅多にいない上に、面倒なやからばかりだったようだ。
 面倒くさいのが来たなという態度を隠さず、彼女は視線を次の欄へ移す。
 そして先ほどまでとは違って、仕方なくといった声音こわねで「剣と魔法ですか? しかも補助と回復も? 虚偽きょぎの申請をすると後々賠償ばいしょう問題なども起こりますが?」と俺に問いかけた。

「剣も魔法も同じくらい使えるからね。格闘技とかも」

 賠償という言葉に驚きつつも、俺は素直に答える。

「それはめずらしいですね」
「そんなに珍しいのか?」

 俺はてっきり、冒険者には剣も魔法も使える人もそれなりにいるのが当たり前だと思っていた。実際、辺境砦で出会った人たちは、特筆した一つの特技以外にも平均的に他の技能も使える人が多かったからだ。

「ええ、大抵は剣なら剣を主に鍛えて、魔法はその補助程度とか」

 なるほど、合点がてんがいった。
 彼女が珍しいと言ったのは、『剣と魔法の両方を同じくらい使いこなせる』という部分だったらしい。

「俺はどっちも使いたかったからどっちも同じくらい修業したんだ」
「そうですか。まぁたまにはそういう人もいらっしゃいますけど――」

 彼女は視線を俺から書類へ戻すと、また小さな声で「結局どっちつかずの器用貧乏で終わっちゃうんですよね」と小さく呟いた。
 その声音に、僅かにとげを感じる。
 もしかしてこの職員は俺のことが嫌いなのだろうか。
 それか、同じように全てを選んだ冒険者に嫌な思い出でもあるのかもしれない。

「えっと、後は辺境砦で十年間住んでいた……っと。魔物退治の経験ありですね」
「何匹か数えられないくらい倒したぞ。もちろん対人戦も経験済みだ」

 彼女は俺の話を法螺ほらだと思ったのか、返事もせず書類の最後にサインをする。
 そして「それでは明日の朝、二のかねが鳴る前に、この入会試験希望者チケットを持ってもう一度お越しください」と言いながら別の紙を俺に差し出した。

「明日?」
「ええ、ギルドの入会試験は朝から毎日行っていますので」
「俺はてっきり、すぐに登録は終わるものだと思ってたよ」
「王都以外だと、新規入会希望者はそれほど多くないので即日に試験とかも多いらしいですけどね」

 彼女はそう言うと「それではまた明日。遅れた場合は翌日に順延になりますので」とだけ告げて、俺が書いた書類を持って奥へ消え去った。

「明日か。思ったより冒険者になるのも面倒なんだな」

 俺は手にしたチケットを収納魔法の空間へ放り込む。

「とりあえず飯を食ってから宿でも探すか。さすがに今日は疲れたしな」

 朝、王都に着いてそのままカシート家に向かったこともあり、まだ今日は何も食べていない。
 一日くらいはカシート家で過ごせるだろうと考えていたので、宿も決めていなかった。

「飯はここで食っていけば良いかな。冒険者専用でもないだろう」

 俺はそう呟きながら、ギルドホームの奥にある食堂兼酒場へ足を向ける。
 そして騒がしく食事をしている冒険者たちの中で、彼らかられ聞こえる冒険譚ぼうけんたんに耳を傾けながら、遅い朝食にありついたのだった。


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