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愛しの僕らしい
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誰からも反応されないのを嘆いても現状は変わらないし、こういう時はそういうものだと割り切ってしまうしかない。ゆっくり舞台から降りると、人々は我を取り戻したかのように動き出す。僕の噂話をするのは全然良いのだが、チラチラとこちらに向けられる目線が嫌で仕方ない。興味なのだとわかっていても、少しの恐怖を感じる。
「アミュレア様!先程のお話流石でしたよ。それにしても、あの時は拍手をしてはならないと、母に止められてしまいました。アミュレア様のお誕生日がよいものになることを私願っています!!」
彼はライブルーズ公爵家の長男、メリア・ライブルーズだ。僕の唯一の友で、現国王の魔力量を超える存在でもある。メリアは王宮で迷子になっているときに案内しただけの仲だったのだが、稀に僕の部屋まで突入してきては遊んでくれた。
「来てくれて嬉しいよ、メリア。唯一の友に祝ってもらえて僕は幸せ者だよ。」
「も~!いつもアミュレア様は大袈裟!!」
「でも、なんで僕のことを様ってつけて呼ぶんだい?」
「王家の人に公衆の面前で呼び捨てで呼べるほど私の肝は座ってない!」
”よかったら二人で話しながら食事を楽しまないかい?”メリアの手を取っては優しく微笑む。すると、メリアは顔を赤く染めてから”勿論”と答えた。
「君、美形すぎるよ!私でも惚れそうになった...」
「美形なのは血筋だと思うよ。メリアには婚約者居るでしょ?」
「いる!好きだし、君に本気で惚れることはないだろうけど..それくらいってこと。」
メリアは褒め上手だし、いろいろな人に好かれるだろう。僕に美形美形、って褒めるけどメリアも相当可愛いと思う。婚約者より背が小さいことを悩んでたっけ。全然かわいいからいいと思う。
「ありがと!アレおいしそうだよ。」
楽しい時間はすぐに終わるもの。メリアと二人で回っているといつの間にか時間が立っていた。もう、お開きの時間で僕に至ってはこれから神像に祈りを捧げなければならない。時間を過ぎてしまっては国民としても認められなくなるだろう。つまりやってくるのは地獄のスピーチ二度目。また苦しくならないように、反応を期待してはいけない。
バクバク、と鳴る心臓を精一杯無視してまたステージに立つ。
「皆様..、今日は僕のためにお集まりいただきありがとうございました。本日は、これにて解散とさせて頂きます。改めてご参加誠にありがとうございました。」
拍手も何もない空間に僕の声が響いた。
「アミュー!!お誕生日おめでとうー!!」
ただ静かな空間に響いたのはメリアの声。隣では止めようとする母親の姿がある。僕の目が彼をとらえたのが分かったのか、パチンっ、とウィンクをしてはまた席に着いた。僕はとても良い友人を持ったようだ。
・
・
・
・
・
家族の付き添いで何度か来たことある神像の前も、いざ自分が祈りをささげると思うと全く違うように見える。名目上は家族なので後ろには両親も兄もいる。見られていると思うと噛んでしまいそうで怖い。
「創造神フィリオ様。今宵生を受けて僕は10歳になったことを報告しにまいりました。認めてくだされば、貴方の夢境へ僕を誘ってください。」
どうせ僕なんかでは何も起こらないだろう。
だが、僕の体は光の粒子に包まれる。それはとても心地よく、僕の肌をかすめた。次に目を開くと目の前にいるのは神像ではなく、白く美しいローブをまとった男だった。
「ふぃ、ふぃりおさま...!?!?!?」
「アミュレア!俺のところまで来てくれてありがとう!もう、愛しくて仕方がないよ。」
「愛しい!?!?」
どうやら、愛しの僕らしいです。
「アミュレア様!先程のお話流石でしたよ。それにしても、あの時は拍手をしてはならないと、母に止められてしまいました。アミュレア様のお誕生日がよいものになることを私願っています!!」
彼はライブルーズ公爵家の長男、メリア・ライブルーズだ。僕の唯一の友で、現国王の魔力量を超える存在でもある。メリアは王宮で迷子になっているときに案内しただけの仲だったのだが、稀に僕の部屋まで突入してきては遊んでくれた。
「来てくれて嬉しいよ、メリア。唯一の友に祝ってもらえて僕は幸せ者だよ。」
「も~!いつもアミュレア様は大袈裟!!」
「でも、なんで僕のことを様ってつけて呼ぶんだい?」
「王家の人に公衆の面前で呼び捨てで呼べるほど私の肝は座ってない!」
”よかったら二人で話しながら食事を楽しまないかい?”メリアの手を取っては優しく微笑む。すると、メリアは顔を赤く染めてから”勿論”と答えた。
「君、美形すぎるよ!私でも惚れそうになった...」
「美形なのは血筋だと思うよ。メリアには婚約者居るでしょ?」
「いる!好きだし、君に本気で惚れることはないだろうけど..それくらいってこと。」
メリアは褒め上手だし、いろいろな人に好かれるだろう。僕に美形美形、って褒めるけどメリアも相当可愛いと思う。婚約者より背が小さいことを悩んでたっけ。全然かわいいからいいと思う。
「ありがと!アレおいしそうだよ。」
楽しい時間はすぐに終わるもの。メリアと二人で回っているといつの間にか時間が立っていた。もう、お開きの時間で僕に至ってはこれから神像に祈りを捧げなければならない。時間を過ぎてしまっては国民としても認められなくなるだろう。つまりやってくるのは地獄のスピーチ二度目。また苦しくならないように、反応を期待してはいけない。
バクバク、と鳴る心臓を精一杯無視してまたステージに立つ。
「皆様..、今日は僕のためにお集まりいただきありがとうございました。本日は、これにて解散とさせて頂きます。改めてご参加誠にありがとうございました。」
拍手も何もない空間に僕の声が響いた。
「アミュー!!お誕生日おめでとうー!!」
ただ静かな空間に響いたのはメリアの声。隣では止めようとする母親の姿がある。僕の目が彼をとらえたのが分かったのか、パチンっ、とウィンクをしてはまた席に着いた。僕はとても良い友人を持ったようだ。
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家族の付き添いで何度か来たことある神像の前も、いざ自分が祈りをささげると思うと全く違うように見える。名目上は家族なので後ろには両親も兄もいる。見られていると思うと噛んでしまいそうで怖い。
「創造神フィリオ様。今宵生を受けて僕は10歳になったことを報告しにまいりました。認めてくだされば、貴方の夢境へ僕を誘ってください。」
どうせ僕なんかでは何も起こらないだろう。
だが、僕の体は光の粒子に包まれる。それはとても心地よく、僕の肌をかすめた。次に目を開くと目の前にいるのは神像ではなく、白く美しいローブをまとった男だった。
「ふぃ、ふぃりおさま...!?!?!?」
「アミュレア!俺のところまで来てくれてありがとう!もう、愛しくて仕方がないよ。」
「愛しい!?!?」
どうやら、愛しの僕らしいです。
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