不遇？？僕のことが大好きな神様がいるのでどうでも良いのです！

最高神として

「最高神、フィリオ様....であられるの、ですか...？？」

父上が縋るような目をして、フィリオを見る。
僕のなんだけど？？という、嫉妬が浮かんでこないわけでもないが今言うのは場違いな気がする、フィリオは不機嫌そうに顔をゆがめて家族を睨みつけている。

「黙れ、貴様に発言を許した覚えはない。勝手に口を開くな..その汚れた声でしゃべるでない！！だから人に政治を任せると碌なことが起こらない！！そのゴミのような魔法を辞めろ！！今すぐだ！！」

フィリオは酷く起こった様子だった。先程まで、僕とにこやかに話していたとは思えないほどに。家族は、恐怖に顔が歪んでみっともない表情だ。そして大きな翼を広げ、浮いていたフィリオは降りて来ては僕を後ろから抱きしめる。

「ですが、これは代々伝わって来た統治のための魔法で...!!」

「俺の言葉が聞けないというのか！！無礼者！統治の魔法など、人は悪を正しく言うのが随分上手なようだな！！ただの洗脳魔法でしかないそれを！！」

父上は何も言い返せなくなっていた。
それが事実であったし、それを咎めているのが自分たちが信仰してやまない最高神からの言葉だったからだ。

「....っ、アミュレア！！何か言ったのか！？お前が変なことをするからだろ！！」

突如、怒りの矛先が僕の方へ向く。
恨めしそうに僕をにらむ。怖くて、ついフィリオの純白のローブを縋りつく様につかむ。怒声に耐えられるほど僕の精神は発達していない。

「アミュが怖がっているだろう！！何故自分の子を愛せない！！そして俺は人に聞かねば現世の状況が分からぬほど落ちぶれてはいない！！人の政治に神が参加しないよう、今まで容認していたんだ！！気遣いも分からぬか！！」

”王が国の恥とは生きずらい国だな！！！”と、最後に付け加える。
....、父上は相当怖いのかもう僕のほうに見向きもしない。家族も、父親をサポートするのではなくフィリオ様に視線を向けて動きが止まっている。怖い顔を見たくなくて、でも気になって、動けない。

今日一日、なんも出来ていないと1人考える。

「アミュ。怖かったら向こうを向かなくたって良い、抱き着いて居たっていいのだぞ。」

「...だってぇ、だって..、ふぃりお...こわいよ、もっと、やさしくしてあげ..て...」

言葉に出すと、怖くなるのはきっと僕だけじゃないはず。目から涙があふれて来て、嗚咽を上げる。
あんなにやさしくしてくれてたのに..、僕にだけ？みんなにも、優しくしてほしい。
でも、フィリオに他の人が縋りつくのが許せない僕はワガママなのかもしれない。