[完結]嘆いてもいいでしょうか?

仲 奈華 (nakanaka)

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4.山積の執務室

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結婚式は直ぐに終ってすぐに私は、王の執務室に案内された。

執務室には、山積みの書類が机の上に置かれ、3人の大臣が話し合っている。

大臣達は、窶れ果てており、モナリーンを見ると直ぐにかけよってきた。

「モナリーン様。お待ちしておりました。早速ですがこの書類の処理をお願いいたします」

「私が処理をするのですか?ですが、これは」

どれも国の政策を決定する重要な書類ばかりだ。本来なら王が確認し許可を出すはずだ。

「前王は急逝し、クロア王が即位する準備は整っておりません。クロア王はこれらの政策について理解できず全ての政策決定が保留になっております。貴方はライア神聖王国から迎え入れられた王妃です。王の代わりに王妃が執務を執り行う事は国法にも明記されております」

私は頷いた。
「分かりました。できるだけの事をさせていただきます」

彼を支える為にずっと勉強してきた。無数に置かれている書類だが、内容は国の政策に関する事が殆どで私にも理解ができそうだった。不明点を補佐官に確認しながら書類の処理を進めていく。

いつの間にか窓の外は、暗くなってきていた。



コンコン



執務室のドアがノックされ、私はやっとクロアが会いに来てくれたと思った。
仮初とはいえ結婚式までした。ディナーを誘いに来てくれたのだろう。

私は、とっさに髪を整え笑顔を作りドアへ向かって言った。

「クロ…」

「モナリーン様。こんなに遅くまで、ずっと仕事をされていたのですか?」

入ってきたのは、神聖王国から連れてきた侍女のメアリーだった。
軽食とティーセットが乗ったトレイを持っている。

「メアリー。ありがとう」

(軽食が用意されたという事は、彼は夕食を共にするつもりはない。私が期待しすぎているのかしら。あの結婚式の時少しだけ顔を合わせただけだわ。話したい事、相談したい事が沢山あるのに。きっと忙しいだけよね)

「モナリーン様。大丈夫ですか?今日はそろそろ終わりにしましょう」

執務室のテーブルの上の書類はほとんど減っていない。私が王の代わりに執務をこなせると分かった大臣達は、各部署へ通達し、私が処理した2倍以上の書類を持ってこさせた。私は自分自身が優秀だと自負していた。でも終わる気配がない。

「ええ、また明日があるわ。部屋に案内して頂戴。メアリーも到着したばかりなのに荷物を片付けてくれてありがとう」

目の前のメアリーは、少し暗い表情をした。


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