[完結]奪ってもいいでしょうか?[R18]

仲 奈華 (nakanaka)

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22.エピローグいいでしょうか?

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白い雲が強い風に吹かれ、流れていく。
垣間見える青空は清々しく、マキシアム城内に新たに建てられた星型の祭壇を包み込むように広がっている。

私は、正式に、ローガンと結婚し王太子妃になった。

あの日牢屋に入れられたナリミア王妃は、酷く怯え前王妃アマリリスの殺害依頼と、リリアンナ侯爵令嬢、ローガンの殺害未遂を自供したそうだ。銀髪の悪魔が打ってくると繰り返し言っていたそうだが、まさか私の事では無いだろう。発狂したとされ、国境付近にある古い別荘に幽閉される事になった。

タリム第二王子の居城からは大量の薬物が見つかり、王子籍を剥奪された上で、ルーナお義姉様を含め沢山の女達と共に薬物治療専門病院に送られた。一緒に肥満症と早漏も治して欲しい。そう思う。

父ギブソン子爵は、宰相補佐室でいかがわしい行為を繰り返している事を密告され、解雇された。

密告したのは、義父がラブグッツを職場に隠し持っている事を知り、ケチなのは、自分の趣味の為だったのかと呆れた私だ。


ロザリー公爵令嬢がデザインした道具の数々は、一部の国民に熱狂的な支持を集め、高値取引されている。紹介料として、現物をいつも一番に手に入れることが出来、お義姉様には本当に感謝している。

ジンは、ミンティア王国の長老一族の末裔だった。ロザリーと正式に婚約を結び、2人で時折城を訪れている。

そして、ジンが持ち込んだミンティア王国の伝承記を元に建てられた星型の祭壇で、私は祈りを捧げる。





吹き付ける風が私の銀髪を撫で上げ、星の影が私を包み込む。

いつものように私は両膝をつき祈った。

(この国が、私の愛する人たちが、平穏で安全に暮らせますように。災害や人災で芸術的なプレイが邪魔されるような悲劇が2度と起こりませんように)

胸の星型のペンダントが熱を持ち、共鳴したように感じた。

立ち上がった私にローガンが近づいて来て言った。

「ミーナ。終わった?ありがとう。君が祈りを捧げ出してから、ミンティア町を含め、マキシアム王国での災害が起きていない。本当に君と守護魔法のお陰かもしれない。それに、なぜか人間だけでなく動物を含め、王国内の出生率が急上昇しているらしい」


「ふふふ。祈りなんてするつもりは無かったけど、貴方と私の家族の為に必要なら何度でも祈るわ。この子の為にも」

私は自分のお腹に宿る小さな命をそっと撫でた。




END「奪ってもいいでしょうか?」
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