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攻略されていたのは、俺?
【07】
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さて、状況を整理しようか。
…いや、整理も何もないな。
俺が寝てるベッドに、何故かメゴロウも居る。
それだけだ。
…いや、それだけじゃないな?
ベッドはまだまだ成長期真っ盛りの高校二年生の男子が二人並んで寝てても、余裕のある大きさだ。うん、別にこの説明は要らないな?
昨日、あれからメゴロウの荷物を整理…する程の荷物も無かったが…衣服を適当にクローゼットに詰め込む…程の衣服も無かったが…まあ、その後、夕食の時間になったんで、食堂に行って…寮の食堂もビュッフェスタイルだから、そこでも俺はメゴロウの食欲に慄き、またメゴロウは俺のスプーンから食べて…部屋に戻って、遠慮するメゴロウを先に風呂に入らせて、出て来たメゴロウの寝間着が余りにも悲しい物だったから、ちょっときつくなった寝間着をあげて…。で、俺も風呂に入り、メゴロウが簡易キッチンを使って淹れてくれたミルクティーを飲みながら、雑談して『おやすみ』って、それぞれの寝室に籠もった…んだよな?
それなのに。
何で、メゴロウがここに居るんだ?
考えろ、俺。
メゴロウを起こすべきか否か。
いや、まだ時間は早いし、寝かせておいた方が良いか? 昨夜、いや、一昨日か…は、あんなカビ臭い部屋で、良く眠れなかっただろうし…そうだよな…転入初日で疲れていただろうし…うん、俺のズボンを下ろしたのも、その疲れと緊張で立っていられなくなったからだろう。
そうだよな…メゴロウの誕生日は確か七月の筈だから、まだ十六だもんな…。
それなのに、俺は次から次へと畳み掛けて…。
「…悪かったね…」
そっと、俺に寄り添う様に眠ってるメゴロウの額に掛かる黒髪を指で梳けば、長い睫毛がふるりと震えた。
「…ん…」
あ、やべ。起こしたか?
「…あ…」
「やあ、おはよう。良く眠れたかい?」
怒らないでくれよと、ゆっくりと瞼を上げて行くメゴロウに、俺は風呂場で練習しまくった爽やかな笑顔を浮かべた。
「はぅあっ!? あたっ!?」
途端、メゴロウは目をカッと見開いて飛び起きて、その勢いのまま、ベッドから落ちた。
何だ、その反応は!?
「メゴロウ君!?」
おいおい!
あんなに頑張って練習した、自称王子様スマイルは不発かっ!?
悪役は口の端で陰湿にニタリと笑うのが似合いってか? そりゃないぜセニョール。
「大丈夫かい?」
俺も慌ててベッドから下りて、腰を擦るメゴロウの横に膝をついた。
「あ、あ、す、すみません…僕…ケタロウ様が目覚める前に…それなのに…」
ん? 俺が目覚める前に? 起きるつもりだった…って事か? そんなコソコソしなくても。俺が女ならともかく、男同士で寝込みを襲われるだなんて事がある筈も無いし。狭いベッドだったら、ぎゅうぎゅうで寝苦しかったかも知れないが、それも無く快適に眠れたし。うん、メゴロウが謝る必要は何処にも無いな。
「謝る必要はないよ。一人で眠るのが寂しいなら、何時でもおいで。慣れない部屋で、いきなり一人は寂しかったのだろう? 気付いてやれなくてすまなかったね」
そうだな。前世の俺がいきなりこんな部屋にぶち込まれたら、震えあがるし、ゲームのメゴロウも、恐恐とベッドの隅で丸まってた描写があった気がする。うん、日常パートなんて、余り覚えてないけどな。可愛い女の子達との、あれやそれのにゃんにゃんだけはばっちりだが。
「…すみません…」
「謝るのは私の方さ。ほら、立って」
右手で軽くメゴロウの頭を撫でながら、左手で絨毯の上にあるメゴロウの手を取って腰を浮かせれば、彼も素直に立ち上がった。
「まだ早いから、着替えるのはコーヒーでも飲んでからにしようか」
取り敢えず、俺はメゴロウに、一緒に寝ても良いって思われているんだよな?
これは良い事だよな?
よしよし、この調子でメゴロウとの距離を縮めて好感度を上げて行けば、俺は絞首台送りにならないで済むよな? うん、頑張るぞ、俺!
メゴロウの親友ポジをゲットして、メゴロウをヒロインの誰かとくっつけて、俺も誰かとくっついて、お互いにウィンウィンと行こう。そうしよう。
…けど、こんな俺とお付き合いしてくれる子は居るのかな?
…いや、整理も何もないな。
俺が寝てるベッドに、何故かメゴロウも居る。
それだけだ。
…いや、それだけじゃないな?
ベッドはまだまだ成長期真っ盛りの高校二年生の男子が二人並んで寝てても、余裕のある大きさだ。うん、別にこの説明は要らないな?
昨日、あれからメゴロウの荷物を整理…する程の荷物も無かったが…衣服を適当にクローゼットに詰め込む…程の衣服も無かったが…まあ、その後、夕食の時間になったんで、食堂に行って…寮の食堂もビュッフェスタイルだから、そこでも俺はメゴロウの食欲に慄き、またメゴロウは俺のスプーンから食べて…部屋に戻って、遠慮するメゴロウを先に風呂に入らせて、出て来たメゴロウの寝間着が余りにも悲しい物だったから、ちょっときつくなった寝間着をあげて…。で、俺も風呂に入り、メゴロウが簡易キッチンを使って淹れてくれたミルクティーを飲みながら、雑談して『おやすみ』って、それぞれの寝室に籠もった…んだよな?
それなのに。
何で、メゴロウがここに居るんだ?
考えろ、俺。
メゴロウを起こすべきか否か。
いや、まだ時間は早いし、寝かせておいた方が良いか? 昨夜、いや、一昨日か…は、あんなカビ臭い部屋で、良く眠れなかっただろうし…そうだよな…転入初日で疲れていただろうし…うん、俺のズボンを下ろしたのも、その疲れと緊張で立っていられなくなったからだろう。
そうだよな…メゴロウの誕生日は確か七月の筈だから、まだ十六だもんな…。
それなのに、俺は次から次へと畳み掛けて…。
「…悪かったね…」
そっと、俺に寄り添う様に眠ってるメゴロウの額に掛かる黒髪を指で梳けば、長い睫毛がふるりと震えた。
「…ん…」
あ、やべ。起こしたか?
「…あ…」
「やあ、おはよう。良く眠れたかい?」
怒らないでくれよと、ゆっくりと瞼を上げて行くメゴロウに、俺は風呂場で練習しまくった爽やかな笑顔を浮かべた。
「はぅあっ!? あたっ!?」
途端、メゴロウは目をカッと見開いて飛び起きて、その勢いのまま、ベッドから落ちた。
何だ、その反応は!?
「メゴロウ君!?」
おいおい!
あんなに頑張って練習した、自称王子様スマイルは不発かっ!?
悪役は口の端で陰湿にニタリと笑うのが似合いってか? そりゃないぜセニョール。
「大丈夫かい?」
俺も慌ててベッドから下りて、腰を擦るメゴロウの横に膝をついた。
「あ、あ、す、すみません…僕…ケタロウ様が目覚める前に…それなのに…」
ん? 俺が目覚める前に? 起きるつもりだった…って事か? そんなコソコソしなくても。俺が女ならともかく、男同士で寝込みを襲われるだなんて事がある筈も無いし。狭いベッドだったら、ぎゅうぎゅうで寝苦しかったかも知れないが、それも無く快適に眠れたし。うん、メゴロウが謝る必要は何処にも無いな。
「謝る必要はないよ。一人で眠るのが寂しいなら、何時でもおいで。慣れない部屋で、いきなり一人は寂しかったのだろう? 気付いてやれなくてすまなかったね」
そうだな。前世の俺がいきなりこんな部屋にぶち込まれたら、震えあがるし、ゲームのメゴロウも、恐恐とベッドの隅で丸まってた描写があった気がする。うん、日常パートなんて、余り覚えてないけどな。可愛い女の子達との、あれやそれのにゃんにゃんだけはばっちりだが。
「…すみません…」
「謝るのは私の方さ。ほら、立って」
右手で軽くメゴロウの頭を撫でながら、左手で絨毯の上にあるメゴロウの手を取って腰を浮かせれば、彼も素直に立ち上がった。
「まだ早いから、着替えるのはコーヒーでも飲んでからにしようか」
取り敢えず、俺はメゴロウに、一緒に寝ても良いって思われているんだよな?
これは良い事だよな?
よしよし、この調子でメゴロウとの距離を縮めて好感度を上げて行けば、俺は絞首台送りにならないで済むよな? うん、頑張るぞ、俺!
メゴロウの親友ポジをゲットして、メゴロウをヒロインの誰かとくっつけて、俺も誰かとくっついて、お互いにウィンウィンと行こう。そうしよう。
…けど、こんな俺とお付き合いしてくれる子は居るのかな?
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