8 / 141
攻略されていたのは、俺?
【08】
しおりを挟む
『君色の風』
それは、俺が前世でプレイしていた、大人の男の子向けゲームのタイトルだ。
女神のガディシス様が唯一の神とされていて、王族やら、貴族階級みたいな松竹梅があるが、基本、生活習慣は現代日本と変わらない。
水道があって、蛇口を捻れば水が出るし、トイレも水洗だし、トイレットペーパーもある。ぼっとん式で、荒縄で尻を拭くとかじゃなくて良かったよ。流石、日本人が作った日本人に優しいゲームだ。
そんな世界に、それぞれの魅力を持った、ヒロイン達が五人。
それぞれのヒロイン達に設定されてるエンディングは三種類。ノーマル、トゥルー、バッド。五人分だから、全部で十五だな。それらのエンディングを全て見ると、ハーレムルートが選べる様になる。そこにも、ノーマル、トゥルー、バッドの三種類が用意されている。で、それらも全部見れば、隠しキャラが出て来る。生憎と、俺にはハーレムルートをクリアした記憶が無い。から、隠しキャラがどんな子なのかは全然解らない。攻略本なり、攻略サイトを見ろって? 馬鹿野郎、そんな事したら楽しみが半減するだろ? この選択肢なら、ここがこうなって…って、考察して行くのが楽しいんじゃないか。そうだろ?
で、今、何でそんな話をしてるのか? って?
…出て来ないんだよ、ヒロインが。一人も。ヒロインのヒの字も無いんだよ。
俺とメゴロウが出逢ってから、一週間経ったのに、ヒロインが出て来ないんだよ。どうなっているんだ?
ありえないだろ。ヒロイン不在のエロゲなんて、誰がやるんだよ。何の苦行なんだよ。
そこで、俺は考えた。これは、隠しキャラルートなのでは? と。
それなら、表のヒロインが出て来ないのにも納得出来る…気がする。いや、したい。
だが、俺はその隠しキャラを知らない。
が、もしかしたらウーゴ教諭なのでは? と、思っている。
ゲーム内でビジュアルあったし、口元のほくろはエロいし、白衣の下は白いシャツのボタンを三つ開けて、その日によって違う色のブラとふくよかな胸の谷間をチラ見せ、スカートも膝よりちょい上のタイトスカートってのか? ピッタリとしていて、それがまたセクシー。ふわりとウェーブの掛かった濃い紫色の髪は背中まであって、現実ではお目に掛かれない、けしからん教諭だ。教育委員会から、殴り込まれても文句は言えない。けど、ここはゲームの世界だから、無問題。奇抜な髪の色も無問題。だって、ヒロインの一人は、目に痛いショッキングピンクだった。それに比べたら、紫なんて、紫の薔薇の人でお馴染みの色だ。それに何より、大人の女性だ。五人のヒロイン達は、一学年上だったり、同級生だったり、下だったりしたが、その遥か高みに居る大人の女性なのだ。綺麗なお姉さんは好きですか? の、綺麗なお姉さんなのだ。
…そうか…メゴロウは、綺麗なお姉さんの手解きで筆おろしをするのか…。
「…ケタロウ様…? 眠れないんですか?」
じっと、隣で眠るメゴロウの顔を見ていたら、ぱちりと閉じられていた目が開いた。
「…ああ、起こしてしまったかい? いや、君の寝顔が余りにも可愛らしくてね」
ふっ…と、自称王子様スマイルを浮かべれば、メゴロウはサッと布団の中に潜ってしまった。
く…っ…! まだ、俺の笑顔は凶悪なのか!? だいぶ、さり気なく笑える様になったと思ったんだが!?
「そ…、そう云う事は軽々しく口にしてはいけません…っ…!」
モゴモゴと布団の中からメゴロウの声が聞こえる。
ん~?
「君が可愛いのは事実だし、私は、君にしかこう云う事は言わないよ?」
うん。
一人で眠れないとか、本当に、幾つの子供だよって言いたいが、家族と遠く離れてここに居るんだ。寂しくて当然だろう。その寂しさを紛らわせる事が出来るなら、添い寝の一つや二つバチこいだし、飯を食わせるのだって、鳥の雛に餌をやってる感じで、これまた可愛らしい物だ。メゴロウは親友候補であり、歳の離れた弟の様なものだ。って、俺、幾つで死んだんだ? 何か、そこら辺はぼんやりなんだよな。まあ、別に良いけど。俺は、今、ケタロウとして生きているんだし。
…ああ…そしたら、俺、家を継がないとならないのか? 長男だもんなあ…。嫌だなあ、商売人なんて柄じゃあないんだよな、俺。サービス残業なんて真っ平ゴメンだし、おべんちゃらトークも出来ないぞ。
ケタロウの生家は代々続く商家だ。王家との取引もある。勘弁してくれと思う。ケタロウ自身だって、そんなのの跡は継ぎたくないんだよな。どっかの田舎に引っ込んで、のんびりと暮らしたいんだ。卒業したら、そのまま商会の手伝いをして、ゆくゆくは…かあ…。定められたレールなんて、クソ喰らえと思うものの、表面は良い子ちゃんだから、口に出せなくて…。そんな鬱憤も、メゴロウへの虐めに含まれていたのかもなあ。ゲーム内では描かれて無かったけど。…不器用で不憫な奴だな…。
「…寂しいのですか…?」
ふっ…と、自嘲気味に笑った時、布団の中から気遣う様なメゴロウの声が聞こえた。
「…そうかもね…ほら、もう眠ろう」
「…わ!?」
手を動かして、メゴロウの頭の後ろに回してその顔を胸に引き寄せれば、彼は大袈裟な声を上げたけれど、それでも俺の胸に収まってくれた。
「おやすみ…」
このことに、心の何処かで安堵してる俺が居る。
…こんな温もりを求めていたのは、俺の方なのかもな…。
それは、俺が前世でプレイしていた、大人の男の子向けゲームのタイトルだ。
女神のガディシス様が唯一の神とされていて、王族やら、貴族階級みたいな松竹梅があるが、基本、生活習慣は現代日本と変わらない。
水道があって、蛇口を捻れば水が出るし、トイレも水洗だし、トイレットペーパーもある。ぼっとん式で、荒縄で尻を拭くとかじゃなくて良かったよ。流石、日本人が作った日本人に優しいゲームだ。
そんな世界に、それぞれの魅力を持った、ヒロイン達が五人。
それぞれのヒロイン達に設定されてるエンディングは三種類。ノーマル、トゥルー、バッド。五人分だから、全部で十五だな。それらのエンディングを全て見ると、ハーレムルートが選べる様になる。そこにも、ノーマル、トゥルー、バッドの三種類が用意されている。で、それらも全部見れば、隠しキャラが出て来る。生憎と、俺にはハーレムルートをクリアした記憶が無い。から、隠しキャラがどんな子なのかは全然解らない。攻略本なり、攻略サイトを見ろって? 馬鹿野郎、そんな事したら楽しみが半減するだろ? この選択肢なら、ここがこうなって…って、考察して行くのが楽しいんじゃないか。そうだろ?
で、今、何でそんな話をしてるのか? って?
…出て来ないんだよ、ヒロインが。一人も。ヒロインのヒの字も無いんだよ。
俺とメゴロウが出逢ってから、一週間経ったのに、ヒロインが出て来ないんだよ。どうなっているんだ?
ありえないだろ。ヒロイン不在のエロゲなんて、誰がやるんだよ。何の苦行なんだよ。
そこで、俺は考えた。これは、隠しキャラルートなのでは? と。
それなら、表のヒロインが出て来ないのにも納得出来る…気がする。いや、したい。
だが、俺はその隠しキャラを知らない。
が、もしかしたらウーゴ教諭なのでは? と、思っている。
ゲーム内でビジュアルあったし、口元のほくろはエロいし、白衣の下は白いシャツのボタンを三つ開けて、その日によって違う色のブラとふくよかな胸の谷間をチラ見せ、スカートも膝よりちょい上のタイトスカートってのか? ピッタリとしていて、それがまたセクシー。ふわりとウェーブの掛かった濃い紫色の髪は背中まであって、現実ではお目に掛かれない、けしからん教諭だ。教育委員会から、殴り込まれても文句は言えない。けど、ここはゲームの世界だから、無問題。奇抜な髪の色も無問題。だって、ヒロインの一人は、目に痛いショッキングピンクだった。それに比べたら、紫なんて、紫の薔薇の人でお馴染みの色だ。それに何より、大人の女性だ。五人のヒロイン達は、一学年上だったり、同級生だったり、下だったりしたが、その遥か高みに居る大人の女性なのだ。綺麗なお姉さんは好きですか? の、綺麗なお姉さんなのだ。
…そうか…メゴロウは、綺麗なお姉さんの手解きで筆おろしをするのか…。
「…ケタロウ様…? 眠れないんですか?」
じっと、隣で眠るメゴロウの顔を見ていたら、ぱちりと閉じられていた目が開いた。
「…ああ、起こしてしまったかい? いや、君の寝顔が余りにも可愛らしくてね」
ふっ…と、自称王子様スマイルを浮かべれば、メゴロウはサッと布団の中に潜ってしまった。
く…っ…! まだ、俺の笑顔は凶悪なのか!? だいぶ、さり気なく笑える様になったと思ったんだが!?
「そ…、そう云う事は軽々しく口にしてはいけません…っ…!」
モゴモゴと布団の中からメゴロウの声が聞こえる。
ん~?
「君が可愛いのは事実だし、私は、君にしかこう云う事は言わないよ?」
うん。
一人で眠れないとか、本当に、幾つの子供だよって言いたいが、家族と遠く離れてここに居るんだ。寂しくて当然だろう。その寂しさを紛らわせる事が出来るなら、添い寝の一つや二つバチこいだし、飯を食わせるのだって、鳥の雛に餌をやってる感じで、これまた可愛らしい物だ。メゴロウは親友候補であり、歳の離れた弟の様なものだ。って、俺、幾つで死んだんだ? 何か、そこら辺はぼんやりなんだよな。まあ、別に良いけど。俺は、今、ケタロウとして生きているんだし。
…ああ…そしたら、俺、家を継がないとならないのか? 長男だもんなあ…。嫌だなあ、商売人なんて柄じゃあないんだよな、俺。サービス残業なんて真っ平ゴメンだし、おべんちゃらトークも出来ないぞ。
ケタロウの生家は代々続く商家だ。王家との取引もある。勘弁してくれと思う。ケタロウ自身だって、そんなのの跡は継ぎたくないんだよな。どっかの田舎に引っ込んで、のんびりと暮らしたいんだ。卒業したら、そのまま商会の手伝いをして、ゆくゆくは…かあ…。定められたレールなんて、クソ喰らえと思うものの、表面は良い子ちゃんだから、口に出せなくて…。そんな鬱憤も、メゴロウへの虐めに含まれていたのかもなあ。ゲーム内では描かれて無かったけど。…不器用で不憫な奴だな…。
「…寂しいのですか…?」
ふっ…と、自嘲気味に笑った時、布団の中から気遣う様なメゴロウの声が聞こえた。
「…そうかもね…ほら、もう眠ろう」
「…わ!?」
手を動かして、メゴロウの頭の後ろに回してその顔を胸に引き寄せれば、彼は大袈裟な声を上げたけれど、それでも俺の胸に収まってくれた。
「おやすみ…」
このことに、心の何処かで安堵してる俺が居る。
…こんな温もりを求めていたのは、俺の方なのかもな…。
0
あなたにおすすめの小説
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
【完結】悪役令息の従者に転職しました
* ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
透夜×ロロァのお話です。
本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけを更新するかもです。
『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も
『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑)
大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑)
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結、恋愛ルート、トマといっしょに里帰り編、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる