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おまけ
とある腐女子の華麗な日々・完
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「のおおおおおおおおおおッ!?」
「ちょっ、何っ!?」
その叫び声と同時に、ガチャッと、ガタッとした音が聞こえた。
「はっ…、はっ…っ…!」
耳の奥で、ドクドクとした心臓の音が聞こえる。
布団を握る手が、ぶるぶると震えてどうしようもない。
「…って…布団…? ここ…何処…?」
見慣れない真っ白な布団カバーに、私の頭が混乱しかける。
「もう…目を覚ましたかと思ったら…大丈夫? みやちゃん?」
「…はるちゃ、ん…?」
すぐ傍から聞こえた声に顔を横へと向ければ、同じ職場の同僚兼親友…陽子の見慣れた顔があった。その手には棒…いや、ゆらゆらと揺れる、何か液体の入った袋がぶら下がったスタンド台を…って、点滴…? 袋から伸びている管を見れば、それは私の腕まで伸びていて、そして、刺さっていた。
「…ここ…病院…?」
どうやら私は叫び声を上げながら、飛び起きたらしい。
勢いが凄くて、そのスタンド台が倒れそうになったのだろう。
「そうだよ。熱中症で倒れていたんだよ。覚えている?」
「…や…全然…」
「もお…あのね…」
ぽりぽりと頬を掻く私に、はるちゃんは腰に手をあてて、事の経緯を話してくれた。
はるちゃんの話によると、こうだ。
私が休みに入ってから、ずっとSNSで『裏君』の事を叫んでいたのに、それがぱたりと止まった。ゲームの邪魔をしては…と思い、丸一日様子を見たが浮上しない。電話を掛けたが、何度コールしても出ない。これはおかしいと、アパートの大家さんに連絡を取り、二人で私の部屋に入ったら、私が床に倒れていたと。
「…え…熱中症…? クーラー付けてたし、水分だって…」
「アルコールは水分に入らないの! それに、クーラーつけていても熱中症になるの! 過去に事例がいくつもあるよね? ちゃんと、水分・塩分、湿度にも気をつけて…」
と、はるちゃんのお小言を聞きながら、私はほっと息を吐いていた。
…夢で良かった…と…。
いや、途中までは最高だったんだよ?
けど、何であの悪魔が出て来るの…。
あれさえ出て来なけりゃ、正夢になって欲しい処だったのに…。
…帰ったら…確認しなくちゃ…。
「って、聞いてる!? 今日は、一日入院だよ!?」
「えっ!?」
入院!?
「明日は休むって、私から会社に言っておくから」
はッ!?
「…え…? き…今日って…?」
「日曜日だよ」
「…ヲワタ…」
そう呟いて、私はベッドへと倒れ込んだ。
口から魂が抜けてく感じがした。
「って、みやちゃん!? みやちゃんしっかり――――――――!? な、ナースコール!!」
◇
「うっ…うっ…生ぎでるよおおおお~」
「もお…大袈裟だよ、みやちゃん…」
そんな事があってから迎えた週末。
はるちゃんの監視下で、私は『裏君』をプレイして滂沱の涙を流していた。
「だっで、だっで…夢ではメゴロウが…」
無事に生徒会長とケタロウがドッキングをして、死ぬ事なくエンディングを迎えたからだ。
良かった…本当に良かった…しかも、正夢だった…。メゴロウが出て来ない正夢だった。
ちゃんと生徒会長がケタロウの中でイッて、ぐりぐりとそれを塗り付ける様に腰を動かしているのが見られた。
「はいはい、夢でしょ夢…って…あれ…?」
「うっ、うっ…って、どしたの?」
私の隣に座り、スマホを弄っていたはるちゃんが怪訝な声をあげたから、私は涙を拭いながら首を傾げた。
「…"しまあつ"のツイなんだけど…ハーレムルートあるって…」
「えっ!?」
"しまあつ"とは、田中征爾が絡む作品では、必ずお目に掛かる名前だ。田中のサブ垢だろうって云うぐらいに、その情報量は凄いし、内容にも間違いがない。が。
「…メゴロウが居るのに、ハーレムって…不可能じゃ?」
あの、何でもぬっ殺すマンのメゴロウが居ては、ハーレム処か浮気だって出来ないだろう。
「…うん…でも…これ…」
「ふぁッ!?」
はるちゃんが遠慮がちに私に向けて来たスマホ画面。
そこには、ケタロウと生徒会メンバーにメゴロウと…モザイク処理された二人の人物が映っていた。それらが皆、真っ裸で笑顔でいたのだ…。それは、とても幸せそうな笑顔だった。
「き…きゅうぴ…ごふッ!?」
全部叫び切る前に、私ははるちゃんに拳固で頭を殴られた。
薄れゆく意識の中で私は『今月は三連休がある。それに合わせて有給休暇を取ろう』と思った。
「ちょっ、何っ!?」
その叫び声と同時に、ガチャッと、ガタッとした音が聞こえた。
「はっ…、はっ…っ…!」
耳の奥で、ドクドクとした心臓の音が聞こえる。
布団を握る手が、ぶるぶると震えてどうしようもない。
「…って…布団…? ここ…何処…?」
見慣れない真っ白な布団カバーに、私の頭が混乱しかける。
「もう…目を覚ましたかと思ったら…大丈夫? みやちゃん?」
「…はるちゃ、ん…?」
すぐ傍から聞こえた声に顔を横へと向ければ、同じ職場の同僚兼親友…陽子の見慣れた顔があった。その手には棒…いや、ゆらゆらと揺れる、何か液体の入った袋がぶら下がったスタンド台を…って、点滴…? 袋から伸びている管を見れば、それは私の腕まで伸びていて、そして、刺さっていた。
「…ここ…病院…?」
どうやら私は叫び声を上げながら、飛び起きたらしい。
勢いが凄くて、そのスタンド台が倒れそうになったのだろう。
「そうだよ。熱中症で倒れていたんだよ。覚えている?」
「…や…全然…」
「もお…あのね…」
ぽりぽりと頬を掻く私に、はるちゃんは腰に手をあてて、事の経緯を話してくれた。
はるちゃんの話によると、こうだ。
私が休みに入ってから、ずっとSNSで『裏君』の事を叫んでいたのに、それがぱたりと止まった。ゲームの邪魔をしては…と思い、丸一日様子を見たが浮上しない。電話を掛けたが、何度コールしても出ない。これはおかしいと、アパートの大家さんに連絡を取り、二人で私の部屋に入ったら、私が床に倒れていたと。
「…え…熱中症…? クーラー付けてたし、水分だって…」
「アルコールは水分に入らないの! それに、クーラーつけていても熱中症になるの! 過去に事例がいくつもあるよね? ちゃんと、水分・塩分、湿度にも気をつけて…」
と、はるちゃんのお小言を聞きながら、私はほっと息を吐いていた。
…夢で良かった…と…。
いや、途中までは最高だったんだよ?
けど、何であの悪魔が出て来るの…。
あれさえ出て来なけりゃ、正夢になって欲しい処だったのに…。
…帰ったら…確認しなくちゃ…。
「って、聞いてる!? 今日は、一日入院だよ!?」
「えっ!?」
入院!?
「明日は休むって、私から会社に言っておくから」
はッ!?
「…え…? き…今日って…?」
「日曜日だよ」
「…ヲワタ…」
そう呟いて、私はベッドへと倒れ込んだ。
口から魂が抜けてく感じがした。
「って、みやちゃん!? みやちゃんしっかり――――――――!? な、ナースコール!!」
◇
「うっ…うっ…生ぎでるよおおおお~」
「もお…大袈裟だよ、みやちゃん…」
そんな事があってから迎えた週末。
はるちゃんの監視下で、私は『裏君』をプレイして滂沱の涙を流していた。
「だっで、だっで…夢ではメゴロウが…」
無事に生徒会長とケタロウがドッキングをして、死ぬ事なくエンディングを迎えたからだ。
良かった…本当に良かった…しかも、正夢だった…。メゴロウが出て来ない正夢だった。
ちゃんと生徒会長がケタロウの中でイッて、ぐりぐりとそれを塗り付ける様に腰を動かしているのが見られた。
「はいはい、夢でしょ夢…って…あれ…?」
「うっ、うっ…って、どしたの?」
私の隣に座り、スマホを弄っていたはるちゃんが怪訝な声をあげたから、私は涙を拭いながら首を傾げた。
「…"しまあつ"のツイなんだけど…ハーレムルートあるって…」
「えっ!?」
"しまあつ"とは、田中征爾が絡む作品では、必ずお目に掛かる名前だ。田中のサブ垢だろうって云うぐらいに、その情報量は凄いし、内容にも間違いがない。が。
「…メゴロウが居るのに、ハーレムって…不可能じゃ?」
あの、何でもぬっ殺すマンのメゴロウが居ては、ハーレム処か浮気だって出来ないだろう。
「…うん…でも…これ…」
「ふぁッ!?」
はるちゃんが遠慮がちに私に向けて来たスマホ画面。
そこには、ケタロウと生徒会メンバーにメゴロウと…モザイク処理された二人の人物が映っていた。それらが皆、真っ裸で笑顔でいたのだ…。それは、とても幸せそうな笑顔だった。
「き…きゅうぴ…ごふッ!?」
全部叫び切る前に、私ははるちゃんに拳固で頭を殴られた。
薄れゆく意識の中で私は『今月は三連休がある。それに合わせて有給休暇を取ろう』と思った。
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